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ママは女子高生♪  作者: 苺みるく


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24/236

ある日の文化祭①-2 高1(挿絵有り)

2023.10.25 加筆修正しました

  ーーークラス委員長 佐藤君 視点ーーー



今日は珍しく担任の先生が、朝からプリントを配った。

前から回って来たプリントの束を受け取り、残りを後ろに回し確認する。


何々?

文化祭についてのお知らせ······か。

もうそういう季節になったんだな〜と思ってると、先生に呼ばれた。

なんだろか?

疑問に思いつつ、席を立ち上がり行ってみた。



「後ほど説明はする予定なんだが、文化祭でな、クラス毎の出し物をしなくちゃいけないんだ。それを委員長の2人を中心にして何をやるかとか、諸々の進行を決めて進めて貰いたいんたが、お願いしてもいいか?」



何の話かと思って聞いてみれば、文化祭でやるクラスの出し物を俺と女子の委員長の宮野さんを中心にして、決めてやって欲しいとの事だった。

正直、朝からクソ面倒くさい事を頼むなよーとは思ったよ。

まだプリントを読んでないからいつ頃あるのか知らないが、恐らくまだ先だろうし······。

それなのに今からこの話をするという事は、かなり長い案件になるじゃないか!!



全く面倒くさい事を頼みやがって······とは思ったが、委員長になってしまった手前、やるしかないかと腹を括り了承をした。

そうしたら先生は直ぐ側にいた鈴宮さんに、うちらのサポートをして欲しいとお願いしてた。


お!?先生、たまには良いこと言うじゃん!

いつもクラス委員長ってことで、雑用ばかり頼んでくるからまたかーと一瞬思ってたんだよ。

蓋を開けてみれば、クソ面倒くさいのだったがな。


さて、鈴宮さんは何て答えるんだろ?

正直、鈴宮さんとは話をしたことがないから、これがきっかけになるといいいなとは思う······。

暫く思案してた鈴宮さんは「はい、分かりました。」と返事をしてくれた。



やった! 

朝から面倒くさい事を······なんて思ったのも、これならこれでいいかも、なんて思ってしまう自分だった。

うん、単純だな。


「そういう訳で、よろしくね。佐藤君、志保ちゃん。」


と、声までかけてくれた。

感動である。

だって鈴宮さんに名前を、名字であるけれど呼んでもらったのは初めてだからね。

そりゃ〜〜、嬉しいってもんよ。

しかもしかもだよ!


「お昼を一緒にどう?」


と、お誘いを付きで。

もちろんそこには、今貰ったプリントについての話がメインなのは分かってはいたけれども、嬉しいものは嬉しい。


だって鈴宮さん人気者だからな~。

男子はもちろんのこと、女子にも受けがよくて好きになっちゃった子もいるみたいだし。あ、女子が女子にだよ? 

なんでも「お姉様♪」みたいな感じで慕ってるとかなんとか······。


何はともあれ、折角のお誘いだらOKの返事をした。

断る理由もないからな。

クラスは一緒でも話したりすることは基本無かったから、これを気に仲良くなれるといいな、とは思う。

そして、出来れば······。



  ーーーーーーーーーーー



キーンコーンカーンコーン······


チャイムが鳴った。

やっと昼休みだ。

背筋を伸ばし固まった体をほぐす。

ここまで長かったなーと思いつつ、昼めしを誘われてたのを思いだした。


鈴宮さんを探すのは簡単だ。

だってここ最近の教室で食べてる女子組は、みんなで1つになって食べてるから。

それにそもそも鈴宮さんは、髪の毛が白いからな。

遠くからでもよく目立つし、これで分からなかったら俺はそいつの目を疑うよ。

そのくらい鈴宮さんは分かりやすくて目立つ。



だがしかーーし!!

あの女子の輪に行くのは、いくらなんでも無理だ!

何だよ、あの花園は。

結構賑やかに楽しそうにしてる、そこにポツンと男が1人、入っていけるか?

無理だよ。


「鈴宮さんに誘われて来たんだ。」


なんて言って入っていっても、「はぁ!?」って、白い目で見られそうだし······。




でもなぁ······どうしたものだろうか?と悩んでいると、そんな俺に鈴宮さんが気づいてくれた。

あー、良かった良かった。


「佐藤君、ごめんごめん。ここ座って。」


丁寧に椅子まで持ってきてくれてさ。


挿絵(By みてみん)


ああ、良かった。一安心だよ。


「おう、ありがと」


と、つい言ってしまった。

あーー!バカバカバカ!!

本当はもっと丁寧にお礼を伝えたかったのに、緊張のせいでぶっきらぼうな言い方をしてしまったではないか!

これでは好感度どころかマイナスじゃないか!クソっ!




とりあえず気を取り直して、座って食べるかと思った矢先。


「いいなー佐藤〜。」


なんて、近くにいた男共が言いやがった。

それにカチンと来た俺は、


「じゃあ、お前等俺の代わりに学級委員長やれよー」


と言い返してやった。

全く、「いいなー」じゃねえよ!

こっちは仕事で文化祭について話しするんだよ。

それに誰もやりたがらないから、たまたま俺がやる羽目になっただけなのにさ·····。



奴らのせいで飯が不味くなった。

折角素晴らしい花園、しかも鈴宮さんが隣にいるという羨ましい状況なのに。

それでもと思いながらとりあえず食べていると、鈴宮さんがふいに「あ」なんて呟いた。


ん?


とは思ったけど、とりあずスルーをした。

だって俺には特に関係ないからな。接点もないんだし。


俺はそう思っていたけど、女子達はそうでもないみたいだ。

よく分からないが、気になったみたいで鈴宮さんに食いついてる。

彼女は本当になんでもないと手をパタパタ振りながら、必死にアピールをしてる。


······こんな鈴宮さんは見たことないから、凄く新鮮だ。

それにそんな様子が凄く可愛いなと思う。

普段はしゃきっとして凛としてるから、このギャップは非常にヤバいな。

しかも、真横で見れてるという幸運!



「本当にどうでもいい事をふとおもったんだけどね······。」


皆に言われ悩んだ末に彼女はそんな前置きを入れて話し出した。

その際に俺をチラッと俺を見てきた。


ん??


再び何だ?と思った。

俺何かしたっけかな??してないよなー?接点という接点は無いハズだし······。

つーか、何で俺を見た?

見る理由があるのか??

ますます意味が分からず混乱する俺である。



「私さ、隣にこうやって男の子座らせてご飯食べるのって、何気に初めてだな〜って思ってさ······。ほら、本当にどうでもいい事だったでしょ?」


·········ブフッ!


ゴホッ!ゴホッ!

盛大に吹いた!

何だ!?初めてって?!ゴホッ!く、苦しい······

何を言い出すんだ、鈴宮さんは!

盛大なボディクローを貰った俺は暫く苦しむのであった。

せめての救いは口の中に、たいして入ってなかった事くらいだろうか······。



でも周りの女子からは、「何やってんだー!」とか「きたねー!」とか言われた。

酷い言われようである。

でもまー、きたねー!とかは、分かるけどもよ。

俺も自分の周りで似たような事が起これば、同じこと言うけどさ······。

でも、これだけの女子に言われると凹むな。



「変なこと言ってごめんね。」


一応、その後に鈴宮さんから謝罪を頂いた。

いや、別にそこまでの謝罪はいらないんだけどさ。

発言どうこうより、変な勘繰りをいれて勝手に吹いたのは俺だからね。


そんなんでもわざわざ謝罪してくれる鈴宮さんは、やっぱりいい子だなぁ、と改めて感じさせてくれる。




なんとか落ち着きを取り戻して、再開とばかりにパクっとパンを噛った時にまた事件は起きた。

女子の誰かがボソッと言いやがったんだよ!



「佐藤、このはちゃんの初めて貰えて良かったな」



ブフッ!


ゴホッ!ゴホッ!!


俺はまた吹いた。

何てことを言うんだー!止めろ、アホ!バカ!!

学習能力ないのか、お前は!!

しかもさっきより言い方が酷いぞ!!



ゴホッ!ゴホ!ゴホッとさっきより咳き込む俺だった······。

佐藤君、普通の男子ってつもりだったのに、書いていたらこんな事になってしまった。


ごめんよ、佐藤君。


でも、こういうのは書いていて楽しい♪

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