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ママは女子高生♪  作者: 苺みるく


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ある日の入学式①-3 高3


「新入生、入場!」


司会の先生の言葉により万雷の拍手が鳴り響き、厳かなBGMが流れる中、担任の先生を先頭に新1年生が体育館に入場してきた。


先ずは1年1組から。

担任の先生は男性の方で体格も大きく、少しぽちゃっとした感じに見えるんだ。そんな先生だけど、やはりと言うか緊張した面持ちをしてる。

そんな先生に続いてやって来た新1年生。

着慣れない服装に身を包み、笑顔の子もいれば緊張した面持ちの子、キョロキョロと周りを気にする子等など、色んな表情を見せてくれているの。

そして恐らく名前の順であろう順で進んでいく中で、時通り見知った顔の子を見つけたんだ。

それは雪ちゃんと同じ幼稚園の子で、その中には下関さんちの子もいらっしゃった。


下関さんは幼稚園こそ一緒だったけど、お住いは隣町だったんだよね。だから普通ならそちらの街の小学校に通う筈だったんたけど、卒園の前に住宅を購入しこちらの街に引っ越してきた経緯があったんだ。

ただ残念な事にクラスまでは一緒になれなかったけど·····。


入場行進は進んで雪ちゃん達のクラス、1年2組の子達が入って来た。

1組と変わってこちらは女性の先生で、体型は普通で髪はショート。中学校や高校だったら体育の先生?って思える感じの方だったよね。そして意外と若い感じ。

そんな先生に続いてやって来た子供達だけど、やっぱり1組の子供達と感じは同じだね。

笑顔もあれば緊張してるって子もいて、そんな中私の雪ちゃんはというと···笑顔でした。


幼稚園の時は最初緊張気味だったけど、こちらは集団で入場というのもあって然程緊張してないみたい。

それに桜ちゃんや紬ちゃんと一緒だったのが影響多いみたいなんだよね。

『良かったね、雪ちゃん』と心の中でエールを送り、雪ちゃんの入場を目に焼き付けたんだ。

勿論録画も忘れずにね!


そして桜ちゃんや紬ちゃんも入場し、皆が着席すれば入場はお終いです。

そこから先はよくある流れで、校長先生やPTA会長の祝辞、来賓紹介や校歌斉唱といった事が行われたの。

どれもが子供達には少し難しい話かな?なんて思ったけど、なるべく分かりやすく手短に話してくれたのは良かったって思ったよね。

中学生や高校生とは違って小1だとじっとしてられない子もいたりするから、話が長いと集中力が続かなくなっちゃうから······。




「保護者の方にお知らせです。この後準備が整い次第、記念撮影となります。それまで今しばらくお待ち下さい。繰り返します······。」



「記念撮影ですって。」

「みたいですね。まぁ、どのくらい準備に時間が掛かるか分からないですけど、待ちましょうか。」


雪ちゃん達が退場し、式が無事に終わるとアナウンスが入り、この次の予定として記念撮影をするとの事。

これは私も子供の頃に経験してきたから恐らくあるだろうなと予想してたけど、やっぱりあったよね。


在校生達も順番に退場していって、体育館に残されたのは私達保護者と一部の先生方、及びカメラマンの方だけになったんだ。

因みにこのカメラマンさん、式の最中でも色々な角度から撮影をしてくれてたんだけど、男性の方で栗田さんではなかったんだよね。

もし栗田さんだったら後で挨拶でもって考えていたけど、そう都合の良い風にはならなかったよね。


そして残った先生方達が一生懸命に撮影の準備をしてくれてるんだ。

体育館のステージに近い椅子を片付けて、ステージ前中央付近に椅子を並べ直し、さらにその後ろに足場を作っていくの。

多分これは前2列に子供達が並んで、その後方に保護者が並ぶという構図なんだと思う。


「もう記念撮影も体育館で撮る時代なんだなぁ····。」


「撮る時代って···体育館で撮るのが普通なんじゃないの?貴方??」


高峰さんの旦那さんがボソッと呟いて、それに反応した高峰ママさん。


「いや···俺の時代は外で撮るのが普通だったんだよ。あの頃はまだ入学式の時に桜が満開だったから、その下で撮ろうって感じでな。」


「そう言われれば、私の時もそうでしたね。確か······校庭のトラックと校舎の間の桜の木の下で撮影した覚えがありますよ?でっかくて形の良い桜の木でしたね。」


高峰さんの旦那さんの言葉に少し年下の早坂さんパパが合いの手をいれたけど、そんな桜の木のはあったかしら??と私は記憶の中を探したけど、中々見つからなかった。


「私の時はもう体育館で撮影でしたね。それにその桜の木もどうも記憶にないです。」


「鈴宮さんの時代でそれだと、恐らく伐採でもされたんでしょう······。私の時で相当な巨木でしたし、それから十何年も経てば折れたり枯れたりとするでしょうしね·····。」


「学校を囲む桜の木も大分枝を切ったり伐採したりと、数を減らしてますしね····。」


この学校の特色として自然に囲まれたのんびりとした空間に、広大な校庭や運動場っていう所があるんだよね。

その中で広い学校敷地を囲む様に植えられた桜の木という物があって、満開の時はそれはそれは見事な桜を見せてくれてたの。

それが年月には勝てず、折れたり枯れたりとして私が在籍してた時よりも少し数を減らしてるんだよね。

だから大先輩である高峰さんパパ達から見ると、もっと淋しくも感じる光景なのかもしれない······。


「まぁそれでも、母校に子供が通ってくれるっていうのは嬉しいもんですね。鈴宮さんも、そんな感じで?」


「う〜〜ん·····どうでしょう?私の場合はどちらかと言うと、雪ちゃんの方が喜んでますかね。『ママと同じ学校だ〜』って感じで。」


「あははは·····。なんか雪ちゃんらしいですね。」

「そうですね~。ママ大好き雪ちゃんを見てると、それも納得できちゃいますね♪」


ママさんも納得しちゃう、雪ちゃんの姿。

私も似た事を雪ちゃんにしちゃうから、きっとそういう所も見られてるんだろうなって思う。

でも、いいんだ。親バカでも。

私は雪ちゃんを大好きで愛してるから誰に何を言われても思われても、ずっとずっと変わらずに接していくつもりだからね!



「あ! 子供達がやって来ましたよ。」

「ですね! ····あ、いましたよ、うちらの子達···。楽しそうにお話してますね。」


懐かし話や子供の事で話をしてると、体育館の入り口から先生に連れられて子供達が戻って来たんだよね。

そうするともう間もなく撮影が始まる事になると思うんだけど、雪ちゃん達は雪ちゃん達で楽しそうに何やらお話してる様子なんだよね。

元々仲の良い3人だから何の不思議もない光景なんだけど、そこから更にお友達を増やしていって貰えたら嬉しいなって、私は思うの。



「これから1組から順に撮影を始めます!保護者の方は子供達の後ろに立って撮影となりますので、ご準備の程、宜しくお願いします!」


先生のアナウンスが入ってザワザワしてた体育館が、更に賑やかにざわついて来た。

最前列真ん中に校長先生と担任の先生。

先生を挟んで両側に男の子と女の子で別れて座って、2列目は立ち姿みたいだね。

そしてその後ろに保護者···主に母親が並び、その後ろ···つまり最後尾には父親が並ぶという感じみたい。


「はーい!みなさーん!!笑って下さ〜い!」

「子供達はいい笑顔ですね! あ、お母さん方、ちょーっと笑顔足りないですよ?!」

「あっ!そうですそうです!! そんな感じの笑顔、最高ですよ!!」


カメラマンさんがアレコレと指示を出しつつ、時には笑わせたりして、ちょっとぎこちない大人達を笑わせていく。

それを見てると私も最初の頃は栗田さんにそうされてたなって、思い出しちゃった。



「はーーい!オッケーーです!!続いて2組行きます!ご準備宜しくお願いします!!」



「はい!行きますよ、鈴宮さん!!」

「ですね!一緒に並んで撮りましょう!! 貴方達は後ろでね?」


「えっ?えっ!?」


順番が来たと思ったら早坂さん達に手を握られて、連れて行かれる私。

一緒に並んで撮るのは全く構わないのだけど、こう···ぐいぐいと来られたんでちょっとついていけない私だったりもするんだよね·····。


「すみません、鈴宮さん·····。ああなると、うちの妻は落ち着くまで止められないんです·····。」

「うちからも同じく申し訳ないです。でも···その·····付き合って貰えたら助かります······。」


「あははは·····。大丈夫ですよ。これでも慣れてるんで。」


「「慣れてる······??」」


去り際に両パパさんからそんな言葉を頂いたりしてたけど、大丈夫です。

こういうのは慣れてるからね!

それにこうして貰えてるというのも、引き続きお付き合いしていく中で良好な関係を持ててる証拠でもあるかな?と思うからね。





  ーーーーーーーー




「このはちゃんは今ごろ何をしてるのかなー?」

「茜は何か知ってるぅ〜?」


朝のホームルームの後、体育館へ向かう道すがら皆からそう聞かれたの。


「いや、私も詳しい日程とかは聞いてないから知らないんだ。ただ、今の時間なら家は出てるんじゃないかな?」


「あれ?式が午前の割には遅くない?そんなもん??」


「さっきも言ったけど、あくまで私の予想だよ?それに入学式と言っても、私達みたいに在校生もいるじゃない?その始業式とかもしないとだから、その後になるのかなー?って思って····。」


「ああ!成る程!」

「確かにそれもあったね。」


あくまで私の憶測だけど間違ってたらごめんねと、心の中で皆に謝っとく私。

だって本当に細かい日程なんて知らないもの。あくまで午前中に式があるから今日はお休みするねって、このはちゃんから言われただけだからね。

だけど···こうして気にするって事は皆も淋しく感じてるのかもしれないね。

約2週間という休みを明けてクラスも一緒になって、やっと会える!!って思ってた矢先にまさかのお休みだもんね。

私や美紅は覚えてたけど他の皆は忘れてたみたいだから、その分ショックが大きいみたいで·····。

だからこの体育館に向かう道中も、いつもよりちょっと静かなんだよね。普段がこのはちゃんの腕を取り合って和気あいあいと楽しくやり取りしてるから尚更そう感じる。


「そう言えば、うちの方の中学は午後が入学式だってお母さんが言ってたよ。」

「そうなん?」

「うん。うちのくそ生意気な弟が中学の入学式でさ、そんな事言ってた。」

「くそ生意気って·····。」

「生意気なんだよ!聞いてくれる!?」

「「「何々??」」」


なんだか話がこのはちゃんから飛んで、愚痴っぽい感じになって来た···。

でも皆は意外とこういう話は興味津々で聞いちゃう方なんだよね。


「うちの弟はさ、口達者のくせにバカだからいっつも親に怒られてるのよ。それで少しは学習すればいいのにしないでまた怒られて、終いには私に絡んでくるんだよ!それで私はイラってするし、持つならやっぱり妹よね······。」


「そう?言うほど妹もいいってもんでもないよ?私んとこは、休みで妹が出掛けるってなると、勝手に私の服を着ていくんだよ。それで「自分のがあるでしょ!」って言えば、「おねーのはお洒落だから私はこっちの方が良いんだよねー」なんて言うのよ! そー言うなら自分で買って貰えっていうんだよね!! お陰で私が着ようと思っても着れないし、終いにちゃっかり自分のタンスに締まってるのよ!? それ、私のだっつーの!!」


一度話しだしたら止まらない愚痴。

弟はダメねーってなれば、いやいや妹だって······ってなって、兄弟姉妹のいる子から鬱憤が出てくる出てくる。

少ししんみりしてたのが賑やかになったのはいいんだけど、これはこれでどうなんだろう?って思ってしまう私です。


「じゃあさ、そうなるとお姉さんがいい訳?」


「んー······どうなんだろうね?それはそれで、自分が小さい時に何かありそうな感じもしなくはないけど······。」

「そういえば···茜の家はお姉さんいたよね?どうだった??」


「うち? うちは、お姉ちゃんいたけど···これと言って特に何もなかったよ。しいて言えば私の面倒を良く見てくれたって感じだし···感謝しかないかなー。」


「あ〜···そっか。茜の家はあれだったもんね。ごめんね。」


「大丈夫、大丈夫。特に気にしてないし、感謝しかお姉ちゃんにはないからね。」


お姉ちゃん絡みで話を振られけど家はうちでとある事象があったから、普通の家庭と比べると違う感じがするんだよね。

お母さんが亡くなった家では私より少し歳の離れたお姉ちゃんが幼かった私の世話をやいてくれて、本当に助かったの。

お風呂や寝る時は一緒に入って寝てくれて、ご飯も最初こそ作って貰ってたけど途中からお姉ちゃんが作ってくれるようになったし。

そういう事もあって私は皆が兄弟姉妹に感じる様な気持ちは殆ど抱いていないんだよね。


「茜ちゃんの姉妹仲は良しってやつなんだね。」

「そうだね。少なくとも私はそう思ってる。あと、理想形ならやっぱりこのはちゃんでしょ。あれほど良いお姉ちゃんはいないよ。」


「あ、やっぱり茜ちゃんでもそう思うんだ?」


「うん。前にこのはちゃんの妹さんと話す機会があったんだけどね、あの優しいこのはちゃんまんまだって。」


「へぇ〜。」

「それは羨ましいね。」

「うんうん!」


皆も納得する理想の姉、このはちゃん。

皆は私がこのはちゃん家に泊まったりしてるのは知らないから、『妹さんから聞いた』って事にしたけど、お家でのこのはちゃんは学校でのこのはちゃんにプラスαした良さがいっはいあるんだよね。

だから本当に姉としてもお母さんとしても理想的な人だと、私は思うの。

そして私もいつかは、このはちゃんみたいなお母さんなれたなって思うんだ。

まだそんな相手がいる訳でもないのにね···。



「みんなー!集合〜!! これらか準備を始めるぞー!!」


「あっ!準備始めるってさ!」

「そうだね。ちゃっちゃとやって終わらせなくちゃ!」

「だな。そうすれば半日休みが少しだけ長くなる!」


先生の号令によりこれから入学式の準備が始まるそうです。

この前もやったから勝手の分かってる私達は早く準備を終わらせて帰ろうという、ありきたりだけど分かり易い理由でやる気満々です。

そういう私もそうなんだけどね。

だって、明日になればこのはちゃんに会えるから♪

だから私も、頑張っちゃうよー!!







  

  ーーーーーーーー




「あー···疲れた······。」


ネクタイを解きながら、リビングのソファーに腰掛けた。

普段着ないスーツなんかを着ると短い時間とはいえ、やっぱり疲れる。

俺にはやっぱり作業服がいい。そんな風に思いながら俺はゆっくひとソファに身を委ねた···とはいかなかった。


「ねぇねぇ、あなた!見たでしょ!」

「パパ!天使さんがいたの!!」


家に帰ってきたなり、俺の妻と娘がこれだ。

学校では随分と大人しいなとは思ってはいたが、やはり猫を被っていた···らしい。


「ああ、見た見た。確かにすっごい綺麗な人だったな。それに若い。」

「そうよね!本当にそうなの。下手な外国人さんより、よっぽど美人さんよね! あ···何か飲む?」

「そうだなぁ···じゃあ、珈琲を頼む。亜紀、お前は着替えて来なさい。」

「「はーい」」


娘の亜紀には取り敢えず着替えて来なさいと伝え、妻には珈琲を頼んだ。

その間に自分もスーツを脱ぎルームウエアに着替える。

脱いだスーツはハンガーにって···いいか、そのままで。どうせ明日にはクリーニングに出すのだからそのまま椅子に掛けとけばって、楽な事をしてしまった。



「はい、珈琲。」

「ありがとう。」


暫くして妻が珈琲を淹れて持ってきてくれて、それを一口二口と口にする。

うん、やはり珈琲はいい。

出てきた時間からしてインスタントだろうけど、それでも珈琲を飲むと落ち着く自分だった。それくらい今日の入学式はインパクトのあるものだった···。


「まさか亜紀と同じクラスになるとは思わなかったな···。教室に行った時に驚いたよ。」

「私もよ。お名前までは知らなかったから、全然分からなかったわ。」

「だよなぁ〜。俺もさ、てっきり外人っぽい名前でも入ってるのかと思ってたけど、思いっ切り日本名だったもんな。分からん訳だ···。」



今日は俺らの娘の亜紀の小学校入学式があった。

それについ先程まで行ってきたのだか、そこに妻が以前に見たと言う女性とその娘さんもいたんだ。

妻がやたら興奮して話してたその方は、うちの会社の若い女性社員が話をしてたファッションモデルをやってる人だったらしく、調べれば直ぐに分かったんだ。


日本人···いや外国人でもあり得ない髪色をしていて、染めたにしては不自然すぎるほどに綺麗過ぎた髪。

肌色も白く、一見すると白人か?とも見えるが、顔立ちとかは日本人のそれなんだよな。

瞳の色も見たことない色だが、これはカラーコンタクトでも何とかなりそうな気もするし、でもする意味が分からない。

そんな極端な容姿だけど、それ全てが調和されてて凄く美しく神秘的に見えるんだ。


そんな人が朝、クラス表を見て教室に入ったら居たので親子3人して驚いた訳だ。

お子さんの名前もごく普通の苗字と名。

てっきり外人風のネームでも少し入ってるのかな?と思ってただけに、これじゃ分からない訳だなと思った。

因みに知ってから少し調べてみたが、モデルとしての写真は少し出てくるけがそれ以外はさっぱりらしく、芸能面で活躍してるとかそう言うのはないっぽい。

勿体ない···。


でだ。

そんな美人でとびっきり若い女性とそっくりな可愛い娘さんがいるもんだから教室も、その後移動した体育館でも少し変な空気になってたんだよな。

居心地が悪いとかそういうのではなく、『あの人は誰?』『外人さん?』『やたら若いよな?歳いくつよ?』みたいな、要は好奇心が発動してあの女性を知らない保護者がヒソヒソと注目をしてて、母親側もだが父親側の方が凄かった···。

そして子供達が入場してきて、これまたとびっきり可愛いくて髪の白い女の子が来たものだから、更に注目された。



「ま、なにはともあれ無事に終わってよかったよ。それに亜紀もよく返事出来てたし、今後も上手くやれるといいんだけど······。」


「そうねぇ〜···心配事も確かにあるけど、今日のあの感じを見るに上手くいけそうかしら?? 少なくとも喜んでる分にはいいんだけどね。」


「天使さん···だっけ?何だよ、あれは······。」


自分の部屋に行く直前に娘が発した『天使さん』に、思わず苦笑してしまう。

まー、普段では決して見ることのない髪色に目の色だから、そう例えてもあながち悪くない風にも感じるが。


「別にいいんじゃないの? 喜んでる分には学校に行く気力にもなるでしょうし···。」


「まぁな···。しっかしあれだな···亜紀はお前にそっくりだよ、ホント。」


「そりゃあ、親子なんだからそうでしょ。何いってんの?」


差も当然みたいに言う妻だけど、あの亜紀のテンションのあり方は妻にそっくりだ。

それこそ説明会で鈴宮さんを見てきて、俺に報告した時の妻のテンションに······。


バタバタバタ···


階段を駆け下りて来る娘の足音が聞こえてくる。

この音の仕方をするって事は娘のテンションがまだ高い事を示してるから、また騒がしくなるなと覚悟を決めた。


妻と娘。

この2人が揃うと俺には中々止められないから···。

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