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ママは女子高生♪  作者: 苺みるく


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236/240

ある日の入学式①-2 高3(挿絵あり)

いつもご愛読頂き、誠にありがとうございます。


年末年始が近くなってきて忙しくなってきたのもあり、今年度は今回の投稿で最終になるかと思います。


来年も引き続きよろしくお願いします。

読者の皆様、良いお年をお迎え下さい。


改めて今年一年、ご愛読誠にありがとうございました。

チュンチュン····


「あ···晴れてる···。良かったー、雨止んでくれて。これなら大丈夫だよね。」


朝、身支度を終え荷物の最終確認をしてから鞄を持ち、玄関の扉を開けると雲の切れ目から少しばかりの朝日が注ぎ込んでいたんだ。

視線を下に向けると路面はまだ濡れていて、ちょっとした窪みには水溜りも出来ている。

それらが太陽光を反射してちょっとだけ眩しかったりもする、そんな朝。


実は昨日まで雨が降っていて、夜中でもしとしとと降っていたから心配はしてたんだけど、どうやら止んでくれくれたので一安心です。

これならきっと大丈夫だよね、良かったねと、今この場にいない大好きな友達に贈ったんだ。


自転車の籠に鞄を乗せて出発。

その際に家に向かって「行ってきます」と言うのを忘れない。

お父さんはもう出社していて物理的には誰もいない家だけど、お母さんがそこに居てくれてる様な気がするので、そのお母さんに向けての「行ってきます」なんだ。


自転車を漕ぎ続けて暫く進むととある交差点に出るの。

ここを右折するとこのはちゃん家に行く方向なんたけど、今日はそっちには行かないで直進で直接学校方面の道を進みます。

春休みを挟んだけど冬というのもあり雨が少ないから、ここ数ヶ月はほぼ毎日このはちゃん家に寄って学校に行ったなって思う。

だから1人で学校に行くというのは久しぶりでもあり、淋しくも感じる。


そんな今日は4月8日、私達の学校の新学期初日にして始業式の日です。

その大切な1日目になんでこのはちゃんが居ないのかと言うと、このはちゃんの娘である雪ちゃんの小学校の入学式があるからなんだ。

人生で1回きりの小学校の入学式。親であるこのはちゃんがそちらを優先するのは当然の事だよね。

そういう理由から私は1人で登校という訳です。




「あっかね〜〜!おはよー!」

「あー!美紅〜おはよう〜♪元気してた?」

「元気してるに決まってるでしょ?昨日、一昨日ってLI◯Eのやり取りをしてたんだから知ってる筈なのに·····。」

「そうだけどさ~···お約束ってやつじゃん。それに直接会うのは終業式以来なんだし······。」


学校に着いて自転車を停めて昇降口方向に歩いて行った先に、なんと美紅か゚居たんだよね。

もしかして待っていてくれた?

そう思いつつも、最初に挨拶をしたんだ。 

何ともありがちな挨拶だったけど実際に会うのは約2週間ぶりだし、その間にLI◯Eでやり取りをしてたとしても心配な部分もやっぱりあるから、『元気してた?』ってつい聞いちゃうよね。



「美紅はクラス替え表は見た?私より先に来てたんでしょ?」

「いや、まだ見てないよ。それに来たのもついさっきで、茜が来たのが偶々見えたから待ってたの。」

「そうなんだ···ありがとね、美紅。」

「私と茜との仲でしょ。別にいいよ。それに今は私よりもこのはちゃんみたいだし·····まぁ、仕方ないって言えばそうなんたけどね。」


さて···新学期最初の重大イベント、クラス替え。

美紅は私より先に来てたっぽいから「見たの?」と聞いてみれば、まだ見てないんだって。

しかも私を待っていてくれたとも言ってくれてさ、そんな事を言われちゃうと私は嬉しくなっちゃうよ。

でも···ちょこっとやきもち?が入ってるっぽいけど·····気をつけないとかな?

美紅をさ、蔑ろにしてるとかそういうつもりはこれっぽっちもないけど、このはちゃんと仲良くなってからはそっちにくっついてばかりいたからね······。

このはちゃんも美紅も、どっちも私には大切な人。

大切にしなくちゃ!



「よし!じゃぁ、早速見に行こうか!」

「うん!」


立ち話もなんだから、早く見に行こう!という事で、昇降口の前に張り出されているクラス替え表を見に行く事にした私達。

これを確認しない事には下駄箱もそうだけど、教室に行けないからね。だから絶対に見る必要があるの。



「また同じクラスになれるかな?」

「どうかな······?」


進むにつれて段々と人混みが見えてる。

それは新クラス表を確認しようとする在校生達で、2年生と3年生皆がごちゃ混ぜでいるんだ。

一応私達が歩いてる方手前から2年生で、その奥側に3年生といった具合で掲示してあるんたけど、女子の場合は制服のリボンの色でしか学年が把握出来ないから、皆同じ様に見えるんだよね。

そして、近づけば近づく程に不安が増えてくる。

このはちゃんや美紅と同じクラスになれなかったらどうしようって·····。

去年はこれが不安で不安で堪らなくて、禄に寝れなかった記憶があるんだよね。


「まぁでもさ、なれなかったらなれなかったで、お昼は食べに行くよ。それに体育も運が良ければ合同で一緒になれるからね。」

「そう···だね。一緒に過ごせる機会はあるもんね。」


うちの学校はお昼は校内だったら基本何処で食べても大丈夫なんだ。

そもそも駄目な所は施錠してあって入れないからね。屋上や体育館倉庫とかがいい例かな。

それに体育の授業も、運が良ければ可能性はあるの。

これは男女別に別れてそれぞれでやってるから、人数の関係で2〜3クラスでの合同授業になってるんだよね。

だから運が良ければ一緒に体育の授業が受けられる訳なんだ。


「さ、いよいよだよー。どっから見る?やっぱり高橋先生のクラスからかな?」

「うん、そうだね、それがいいかも。」

「だよねー。私もそれがいいかなって思ってたんだ。面白くていい先生だから、最後もなれたら最高だよね。」


高橋先生は私達が2年間お世話になった、元担任の先生です。

男性の先生なんだけど面白くて愉快で、でもきちんと私達女子の事も見てくれるから人気なんだよね。

そんな高橋先生がいいなって思ってる私達だけど、まだ先生が3年のクラスを持つとは分かってないのにも関わらず勝手にクラスを持つと決めつけてるんだよね。


理由としては全員じゃないけど受験を控える中で、今まで2年間私達を見てきてくれた先生がここで居なくなるとは思えないからなんだけどね。

だって、2年間見てくれて各々の成績や性格、特徴等を知ってる高橋先生が、進路指導等をやってくれた方が絶対にいいに決まってるもの。

だから今年も必ずクラスを持つと、私達は勝手に確信してるの。



「よし、いくよ。茜!」

「うん!」

「1組···違う。2組も違う·····あ、3組は高橋先生だ!そして······。」


沢山の在校生に溢れる昇降口前。

喜んで飛び跳ねる者やガッツポーズをする人、友人らしき人と喜びを分かち合う生徒もいれば、一方で落ち込み落胆し肩を落とす生徒もいたりと様々な様子を見せている、この広間。


さぁ·····一体私達には、どんな結果が出るのかな??








「「おっはよーー♪♪」」


「「「おはよーー!!」」」

「お!? 茜に美紅じゃん!おっはー!!」

「おはよう♪茜ちゃん。美紅ちゃん!」


ガラガラっと教室の扉を開けて朝の挨拶の第一声を出せば、既に登校してたクラスの皆が声を返してくれたんだ。

それでも全員って感じではなく約半分かな?ってくらいだったけど。


「茜と美紅が一緒に来るなんて珍しいじゃん?どした??」


「あー···実は昇降口の前辺りで茜が来たのが見えたんでさ、少し待ってから来たんだよ。」

「そうなの。美紅って優しいよね〜♪」


「そうだったんだ。で、2人一緒に見てきたと?」

「「うん。」」


ワイワイと賑やかな中で、分かり易い私と美紅の事を言われたよ。

ま、実際に今まで美紅と一緒に教室に登校したというのは無いから、そう聞かれるのも理解出来るんだけどね。


「で、どうだった?」


「え? そりゃあ·····最高の結果だったね!」

「ほんとほんと。まさかこういう結果になるとは全く思わなかったよ。」


「「「「だよねー♪」」」」


「全員がまた同じ。しかも高橋先生というおまけ付きでさ、何なんだろうね?この奇跡·····。」

「ほんとほんと。もしかしてこのはちゃんが何かやったとか?」

「いや〜·····それは流石にないとは思うけど、ありそうで怖いね。」

「「確かに!」」

「やっぱりこのはちゃんって、うちらにとって女神様だよね!」

「「「「だね!!」」」」


皆からクラス替えの結果ついて感想を求められれば、それはもう最高としか言いようのない結果だった。

まず担任の先生は、1年、2年生時と同じ高橋先生。

そしてクラスメイトは?というと、私の最大の願いだったこのはちゃんとまた同じになれたの!

もう、これだけでもやったー!!って気持ちなんだけど、更に隣にいてくれた美紅ともまた一緒になれたんだよね!

それには私もそうだけど、美紅も大喜びしてくれたんだ。

直前にはもし違ったら···なんて話もしてたから、余計に嬉しくてさ。

そしてある程度落ち着いてから3組のクラス表をよく見れば、これまた何と女子は皆同じだったの!ついでに男子も。


皆が言うように本当に何なんだろうって思うよ。

半数とはいかなくても数人くらいは変わるかな?なんて思っていたのが、まさかの全員が2年生から変わらずだからね。

あまりの運の良さというか、ご都合主義的な展開にこのはちゃんが何がしたのかな?なんて思う子が出てしまうのも少しは分かるんだ。


ただ、このはちゃんがそういうのをしないっていうのは勿論分かってる。

先生から凄く評価の高いこのはちゃんだけど、ルールにはきちんと従い守る人だし、仮に何かをしたとしてもそれでそうなるとも思えないしね。

だから今回のこれには、このはちゃんは全く関係ないとは思うけど、でもまぁ·····皆の言う女神様ってのはその通りだと思う。

私もクラスの皆も入学式の日に、このはちゃんと偶々同じクラスになった事で全てが良い方向に行ったと思う。


クラスの雰囲気や仲の良さ。

勉強の取り組み姿勢や成績アップに関する事。

そして毎日学校に来る事が楽しく感じる事。


そういう学校生活における全ての事に、このはちゃんが関係しプラスの方向に向かってるんだよね。

私だってそう。

このはちゃんと出会えたから変わることが出来て、今の私がいる。

だからこのはちゃんは私にとっても女神様的な存在だけど······いや、ちょっと違うかな。

このはちゃんは私にとって······な存在かな。てへっ♪


挿絵(By みてみん)



「それはそうと、今日はこのはちゃんはどうしたの?天気いいのに一緒じゃなかったん?」

「そうだよ、茜ちゃん。雨以外は一緒に登校なんじゃなかったっけ??」


ちょっと落ち着いた所で皆が、このはちゃんがまだ来てない事に気が付いた···というより、それに漸く触れたって感じかな?

まー、先ずは皆と一緒になれた!って方の喜びが強いだろうからしかたないのかもしれないけどね。


「うん、雨の日以外は一緒に登校だけど······今日はこのはちゃんお休みだよ。」


「「「えっ!!?」」」

「「休み〜〜〜!?」」


「うん。そう。あれ??皆、聞いてなかったっけ?このはちゃんは今日、雪ちゃんの入学式だからお休みするって終業式の時に言ってたじゃない······。」


「·········あ···言ってた····」

「うん、言ってたね······。」

「ごめんごめん! クラス替えの結果が嬉しくてさ、すっかりその事を忘れてたわ。」


「もぅ···しっかりしてよね?」


ごめんごめんと手を合わせてペコペコと謝る仕草をする皆だけど、この結果は確かに嬉しいから気持ちは分かるけど、忘れて欲しくはなかったなって言うのが私の本音。

因みに美紅はその事に関して何も言わなかったから、きちんと覚えててくれたみたいだったんだ。ありがと。


「じゃあさ、どうするの?このはちゃんにLI◯Eで教えといた方がいいのかな?」

「あ···そうだよね。このはちゃんも結果は気にしてると思うし······。」


お休みって言うのを思い出したら、今度はこの事を教えてあげた方が良いのかな?って話になったんだよね。

確かに普通に考えたら教えてあげた方が良いとは思うんだけど·····。


「ああ、それに関してはこのはちゃんから伝言があってね、このはちゃんの方が落ち着いたら連絡入れるから、そしたら教えてだってさ。」

 

「あ、そうなの?」


「うん。お昼近くまではバタバタしてるだろうから、LI◯Eを落ち着いて見てる時間もないかもだって。」


「そかそか。」

「なるほどね···了解!」

「このはちゃんも大変だねぇ〜······。」

「そういう事なら、その時にだね。」


良かった良かった。皆も分かってくれたみたいで、私も一安心です。

というのも、今回のこれは事前にこのはちゃんからお願いされてたんだよね。

理由は皆に話しした通りの事なんだけど、やっぱりと言うか皆もこのはちゃんに教えたい!みたいになってて、皆の事よく分かってるなって感心しちゃうよね。

そういう私もこのはちゃんに喜びを伝えたい気持ちが凄くあるけど、お願いされた身だから頑張って堪えてるんたけどね。



「おっはよーー!」

「おはよう〜!」


ガラガラっとまた教室の扉が開いて、また1人2人と登校してくるクラスメイト達。


「「「おっはよーー!元気ー??」」」


「元気元気!っか、このクラス替えの奇跡って何なのよ!?」

「そうそうそう!誰も変わってないなんて、すっごく運良くない!? まぁ、こっちとしては嬉しいんだけどさ!」


分かるわかる。

私達の後に登校して来た皆が必ず口にしたその言葉。

その気持ちは凄く分かるから、皆して「だよねー」って笑いながら応えてたよね。


誰一人と変わらず、また皆と一緒のラスト1年。

そしてこのはちゃんとも、また一緒。

私の最後の学年も初日から嬉しく、そして楽しいものへとなりました。





 ーーーーーーーー




ガラガラ······


「お前たち〜。席に着けー。あー·····席は何処でもいいからな?」


「分かってますよ、高橋先生。つーか、席なんて指定もされてないんでもう適当に座ってます。」


「そーか、そーか····それは悪かった。じゃ、まずは出席を取るぞ。っと、その前に、引き続き君達の担任になった高橋だ。よろしくな。」


皆とおしゃべりをして過ごす事暫く経つと、担任の先生である高橋先生がやって来たんだ。

春休み明けだけど相変わらずの感じで話す先生に突っ込む男子もいたりと、この変わらないやり取りが居心地良く感じる。


「····菅原〜」  「はーい。」


「鈴宮······は、休みだったな。次····「先生ー。鈴宮さんは体調とかが悪いんですか?」ん? いや、違うぞ。今日は娘さんが入学式だから、それで欠席だ。」


「「「おおっ!」」」「な、なるほど····。」


出席を取り始めて順調に推移してたけど、やっぱりと言うかこのはちゃんの所で1回止まったよね。

でも先生の口ぶりからすると既に知っていたっぽいね。

まぁ、休む時は普通は学校に連絡を入れるものだから朝の時点で先生が知っていないといけないものなんだけど。


「よし!今日は鈴宮を除いて皆、出席だな。」


新学年の初日に欠席するのは普通はないよね~とは思うけど、点呼の結果、今日はこのはちゃんを除いて皆出席でした。


「じゃあ、今日の予定について話すぞ。先ずこの後、体育館で始業式た。そして始業式が終わり次第、そのまま午後の入学式の準備に取り掛かるから、そのまま体育館に残ってくれな。···ここまでで何かあるか?」


さて···先生の話によるとこの後は体育館で始業式をやって、その後は入学式の準備だそうです。

始業式を体育館で行うのは去年もそうだったから特にないけど、準備かぁ······。去年はなかったよね?

いや、もしかして去年も3年生がやってたのかな??


「せんせー。準備って私達は何処を担当するんですか?」


「おう。準備は卒業式の時と同じで体育館だ。やり方も卒業式の時と一緒で紅白の横断幕を張って、床にシートを敷いてから椅子並べだな。ただ椅子並べは並べ方が変わるから、その都度指示を聞いてやってくれ。それから······」


先生の説明によると、準備の流れとしては3学期の時にやった卒業式の準備と大体同じみたい。

横断幕を張ったりシート敷きからの椅子並べ。

そして他のクラスも基本的には卒業式の準備を担当したエリアの事をやるみたいです。これも一度担当した事によって、何をするのかある程度分かっているからだとか。

確かに私達も体育館を担当したから作業の流れは分かっている。

だから前よりはサクサクと動けるとは思し、限られた時間で準備を急ぐのならそういう形をとるよねと思うよね。


「それで片付けだが、これは明日、他のクラスが担当するから3組に関してはないからな。」


「「「おお!」」」「マジ!?」

「やった〜♪」

「え?何でなんですか?先生??」


『片付けなし』に反応して喜ぶ皆とそれを疑問に思う子もいたりと、違いがあったりもした。


「片付けに関しては前回の時に担当してもらったろ?だから今回は残りのクラスの担当になっただけだ。」

「分かりました〜。」


なるほど〜。至ってシンプルな理由だったんだね。

確かに前の時は私達のクラスと他の幾つかのクラスで片付けをやったけど、全部のクラスって感じではなかったんだよね。

その時になんでかなー?とは感じてはいたけれど···これでその謎も解けたよ。


「で、その後は教室で提出物等を預かって、渡す物を渡して終わりって感じだな。委員会決めとかそういうのは明日になる。」


「「「「「はーい」」」」」


「先生〜。」 


「なんだ?諸貫??」


先生が準備の後の話しした後に、私はこれは···と思って先生に声を掛けたんだ。

自由席だったので3学期の時と同じ教卓の前の席に座ってたから、先生も直ぐに気が付いてくれたけど、不思議そうな顔をしてるんだけどね。


「渡す物があるなら、私がこのはちゃんの分を預かりましょうか?帰りに渡して来ますけど······。」


そう。

私が思いついたのは、預かり物をこのはちゃんに持って行く事なんだ。

急ぎ書いて提出する書類とかって訳でもないとは思うけど、でも分からないしね。

それに私の場合、少し寄り道するだけでこのはちゃん家に行けるから、大した負担でもなんでもないし。


「ああ、それなんだがな·····昨日鈴宮が学校に来たから、ついでに渡したんだよ。だから大丈夫なんだ。ありがとな、諸貫。」


「あ·····そう···なんですか·····。そういう事なら分かりました·····。でもなんでこのはちゃんは学校に??」

「そうだよね···?昨日は特に何もなかったと思うし、雨でもあったでしょ?」

「だよねぇ〜??」


折角このはちゃんの役に立てる!なんて思ったのに、まさかの渡し済みとは思わなかったよ·····。

しかも何故かこのはちゃんが昨日学校に来てるという事実に、私も皆も不思議に思ってるの。

だって、特に来るようなものがあるわけでもないから。


「それはな、鈴宮らしいという事なんだが·········。」


高橋先生の言う事はこういう事だった。

元々今日という日を休む事が確定してたこのはちゃんは、昨日その連絡を学校に入れた。

そうしたら高橋先生がいらっしゃったので直接話をして、提出物についても今日持っていきますと話をしたんだとか。

で、学校にわざわざ来たこのはちゃんに高橋先生が今日渡す書類類を渡したそうなんです。


「俺は別に明日でもいいって言ったんだがな······、鈴宮が遅れるよりは早い方がいいですよって言って聞かなかったんだよ。まぁ、鈴宮は車も運転出来るから雨もあまり関係ないのかも知れんが······。」


「そういうの聞くと律儀って言うか···確かにこのはちゃんらしいですよね。」

「だろう?まぁ、そういう所もあいつらしくていい所だとは思うがな。」


うんうん。

そういう事なら仕方ないねって、私も納得したんだ。

先生の言うようにそういう所もこのはちゃんの良い所であり、先生から信頼されてる部分の1つでもあると私は思うんだ。

だって、普通なら休むから次の日に出せばいいやって思うもの。

提出物の大半は課題とかの物で、本日提出厳守の物とかはなかったから余計にさ。



「そういう事だから、鈴宮の件は大丈夫だ。心配してくれてありがとな。じゃあ、これで一先ずお終いだ。引き続き体育館へ行って始業式だ。俺も職員室寄ってから行くが、整列位置は向こうの先生に従ってくれな。」


「「「はーい!」」」

「「分かりましたー。」」


先生の言葉で朝のショートホームルールも終わり、これから体育館に移動です。

立ち上がる音がして、ガヤガヤと賑やかになってバタバタとしだす教室。

またこの景色を見る日が来たんだなと改めて実感し、今日限定だけど1人足りない事に淋しくも感じる私だった······。






ーおまけー


「そういえば鈴宮のやつ、職員室に来るのはいいんだか私服だったから一瞬誰が来たのかと思ったよ。」


「あ、そうだったんですか? あれ?でも···私服って不味いんでしたっけ?」

「でも···あの特徴的な髪色で直ぐに分かりますよね?」


先生の呟きに私は服装について疑問に思い、また別の子は気付かなかった事に疑問を感じてるの。


「服装に関してはまぁ···大丈夫かな? 委員会活動や生徒会活動とかで校内で作業をしてるのなら制服だけど、ちょこっと用があって来たくらいなら休み期間というのもあるし平気だろ。」


「「「なるほど。」」」


「で、気づかないは考えてもみろ。学校内で私服の生徒と会うと思うか?普通は会わないだろ?? 会うとしたら同じ職員か保護者くらいだ。だから一瞬戸惑ったんだよ。まぁ、髪色で直ぐに鈴宮だとは気が付いたが、ああも雰囲気が違うから分からない先生方もいたかもな·····。」


挿絵(By みてみん)


「このはちゃんの私服姿は素敵だからねー。」

「そうそう。うらでも始めて見た時は誰?って思ったもの。」

「ほんとそれな。私らって、制服姿になれちゃってるから私服だと気づき難いんだよなぁ。」


先生の言葉に私達も続いた。

このはちゃんは私服姿も素敵っていうのは勿論あるけれど、それ以前に私達は制服姿の方に慣れちゃってるからギャップが大きいんだよね。

ま、私は慣れたからへっちゃらだけど、クラスの皆や先生は無理だと思う。

おまけに私服姿で職員室だなんて、予想するのすら難しそう···。


「ねー、せんせ〜。このはちゃんはどんな感じの服装だったんですか?」


「えっ? そんな事言われても、何着てたなんて大して気にしてなかったから覚えてないぞ······。」


「「「えぇ~〜〜·······」」」


興味津々の皆。一方でタジタジの高橋先生。 

やっぱりいつも通り、平和なうちのクラスです。

 





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