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ママは女子高生♪  作者: 苺みるく


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233/240

ある日の春休み③-3 高2(挿絵あり)

都合により衣類を纏ってますが、お風呂なので実際には何も身に着けておりません。

ご了承ください。


ーー千紗 視点ーー



「おねーちゃん!こっちこっち!!」


「あー···ごめんね、皆。遅くなっちゃって······。」


あの後直ぐのタイミングで私達の所へやって来たお姉様と雪ちゃん。

その姿を見つけた葵ちゃんが声を掛けて、お姉様も遅くなった事を謝りつつ来てくれたんだよね。


「大丈夫ですよ、お姉様。私達ものんびりしながら浸かってますし。」

「そうなんです。だから気にしないでください。」

「だって。お姉ちゃん。」


「うん。ありがとね、皆。」


私達も気にしないで〜と声はかけたものの、その視線はまたまたお姉様に釘付け。しかも今度は葵ちゃんまで見てるし···。


遅れてやって来たお姉様は、雪ちゃんと手を繋いで歩いてきたの。

ま、これはごく普通だよね。

だって周りは明かりがついていると言っても雰囲気を出す為か、そこまで明るくはなくて薄暗いんだよね。

そして温泉だから足元も当然濡れててて、足を滑らせて転ぶ危険性があるの。

そんな場所で、このはお姉様が雪ちゃんと手を繋いで歩くというのはごく当然。

だからそれはいいの。


問題は脱衣場でも見た通り、特に身体を隠そうともしない事。

雪ちゃんは子供だからまだいいにしても、お姉様がその素敵な身体そのまま見せて歩いて来るから、私等はそれを真正面からもろ見だよ······。

薄暗いからそこまでハッキリと見えてる訳ではないけど、でも肝心な箇所は見えてる訳で······お姉様って恥じらいはないのかなぁ?



チャポン···


「あ、そんなに熱くはないね······。雪ちゃん、熱くないからおいで〜。」


「うん。」


お姉様が自分の足をそっとお湯につけて温度を確認してから雪ちゃんを招き入れた。

そっか。子供が居るとそういう配慮もいるんですね。


「ママ!気持ちいいね♪」

「そうだね。大きいお風呂で気持ちいいお湯だね。」


雪ちゃんを身体の前に座らせて、気持ちよさげに寛ぐお姉様と雪ちゃん。

その気持ちも分かります。

だって足を完全に伸ばせてゆったりできる、この環境は凄くいいもの。


「ねぇねぇ、お姉ちゃん。来るのがちょっと遅かったけど、何かあったの?」

「あ、それ、私達も気になってたんです。向こうで別れてからにしてはちょっと時間がかかってるかな?なんて······。」


つい先程心配してた事を葵ちゃんが聞いてくれたんだよね。

こういう時に何でも聞ける姉妹という関係はいいよねと、私は見てて思うんだ。


「あぁそれはね···、向こうの室内の中にジャクジー···えーと···ジェット風呂っていうのかな? それがあって、雪ちゃんが入ってみたいっていうから入ったんだけど、そしたら変にハマっちゃって少し堪能してました。」

「葵ねーね!あのね、あのね! お湯の中から泡がいーぱっいジャバジャバ出てくるの!そしたらね、くすぐったくて面白くって、楽しかったの!!」

「そっかそっか♪それは良かったね、雪ちゃん。お姉ちゃんも後で入ってみようかな?」

「うん!それがいいよ! そしたら雪ももう1回入るねー!」


怒号の勢いで話す雪ちゃん。こんな感じで話す雪ちゃんは何回か会った中で初めて見るから新鮮なのと同時に、余程楽しくてハマったんだなっていうのが伝わってきたんだよね。


「ジャクジーなんてあったんですね?」


「うん、そうなの。使ってる人が居なくて最初は気付かなかったんだけど、何だろ?って思ってよく見たらそれでね。で、試しに入ってスイッチを押したら····このはしゃぎ様だよ。」


「あははは······。余程お気に召したみたいですね。」


お姉様の所を離れて葵ちゃんの脇に移動して、楽しそうに報告してる雪ちゃんを見つめながら話すお姉様。

その顔はとても嬉しそうだった。


「あおいねーね!雪ね、あのお風呂行ってみたい!」

「どれ?? ···あぁ、あれね。うん、いいよ。じゃあ、ねーねと一緒に行こっか?」

「うん!ありがとうー。」

「どういたしまして♪ じゃあ、お姉ちゃん、千紗、夏美。ちょっと悪いんだけど、雪ちゃんと行ってくるからね。」


「うん、いいよ〜。」

「気をつけてね!」

「ごめんね、葵。雪ちゃんお願いね。」


雪ちゃんのリクエストに応えた葵ちゃん。

お姉様もそうだけど、葵ちゃんも雪ちゃんには甘いなぁって感じる部分もあるけれど、あれだけ可愛ければそうなってしまうのも頷けるよねと思う。

多分私もお願いされたらそうなるのが見えてるから。


「そうだ!もしお風呂を変えるなら変えてもいいからね。ここに居なかったら他を探してみるからさ。」


「おっけー!」「うん。」

「分かった。」


岩風呂に少しだけ長めに浸かってた私達に配慮してか、葵ちゃんがそう言ってくてたんだけど、正直ありがたかった。

実はそろそろ別のお風呂に行ってみたい気がしてたからね。


ザバッ···と湯船から上がり、雪ちゃんの手を引いて目的のお風呂へと向かう葵ちゃん。

その後ろ姿を見送る私だけど、葵ちゃんも葵ちゃんでお姉様の影響をかなり受けてるねって思う。

お姉様程でもないにしても堂々としてるし、姿勢や歩き方も似てる部分があるの。

そして妹なだけあって、スタイルも結構いいんだよね······。



「このはお姉さん、もしよかったらお風呂変えません?」


「うん、いいよ。沢山あるけど、入ってみたい所ある?」


「3人で一通り試してみたいねって話はしてたんですけど、今お1人用は行かれちゃったので、あちらのお風呂はどうでしょう?」

「葵ちゃんが行った壺湯は、一応1人用だもんね。」

「そうだね。じゃ、行こうか。」

「「はい!」」


そうして私達はお姉様と一緒に次なるお風呂へと向かう事にしたんだ。

とは言っても直ぐそこ目と鼻の先なんだけど、ここのお風呂は各湯毎に植木や石などで周りを囲めてあって、他の湯側からそれぞれの湯が見えない造りになってるっぽいんだよね。

だから近くてもグルっと回り込む必要があるんだけど、メリットもあるんだよね。

それは同時に浸かってる人を除けば、他からの視線は遮られて気にしないで済むこと。

それにかけ流しの湯の音、風や木々の揺れる音。そういう自然の音もありで話し声もあまり響かないから、その点もいいんだよね。


メイン通路を3人で並んで歩く。

狭い部分もあるけどメイン通路なだけあって広いから、並んで歩くくらいは余裕です。


「コレはこれで新鮮ですね。」

「そうなの?」

「はい。いつもはお姉様のポジに葵ちゃんがいるので、その葵ちゃんがいないのが······。」

「あ··ごめんね。葵を取っちゃって······。一緒に入りたかったでしょ?」

「あ、いえいえ、全然大丈夫です!」

「そうです!葵ちゃんとは学校でいつも一緒ですから、お姉様と一緒なのもまたいいんです。」


夏美ちゃんと2人であたふたとしちゃったけど、これはこれでいいの。

憧れのお姉様と一緒、しかも裸の付き合いなんて次もあるかどうかも分からない状況で一緒なんて、葵ちゃんには悪いけど『ありがとう』とも感じてる。

だから折角のチャンスを私は堪能するんだと決めたからね!




「ヒノキ風呂·····こういう温泉だと定番系だけど、うん、悪くないね。お湯も丁度よいし、気持ちいい······。」


「そうですね~。お湯も熱くない所がまたいいですし、これくらいだと入りやすいです。」


2番にやって来たのは定番系のヒノキ風呂。

広さはそこそこあって、仮に私達全員が浸かってもまだまだ余裕がありそうな感じはあるんだよね。

そしてお湯もまた熱過ぎる事もなくいい感じで先程の岩風呂もそうだったけど、もしかするとここのお湯はあまり熱くはないのかもしれない。

ま、私としてはその方が嬉しいのだけど。


挿絵(By みてみん)


「葵ちゃんから聞いたんですけど、お姉様はお風呂好きとかって······。」


私も夏美ちゃんが並んで浸かって、お姉様は私達の正面に座って浸かるという位置。

そして折角の裸の付き合いなんだからこの雰囲気で聞きたい事を聞いてしまえと、思い切った行動に出ることにした私。


「うん、お風呂は好きだよ。熱いよりも温め、そして半身浴に近い形で長めに浸かるのが好きなんだ。」


「あ、それ分かります!程々の温かさでゆっくりはいいですよね。じゃあ、ここのお湯なんて丁度良いんじゃないですか?」


「そうなの。丁度よいお湯加減だから凄く助かってるよ。私って特殊な身体をしてるから敏感でね、お風呂もある程度の温度を超えちゃうと肌が赤くなっちゃうのよ。そしてそれは雪ちゃんにも遺伝してるから申し訳なくてね······。」


「それは大変ですね·····。」


言葉と仕草にお姉様の気苦労が伝わってきてたんだよね。特に雪ちゃんに関してはその傾向が強くて、それだけ心配してるのと同時に愛してるっていうのも伝わってきたんだ。


「じゃあ、先程洗い場で使ってたあれもその一環なんですか?」

「あれって何?千紗??」


あの時私とは少し離れた位置で身体を洗ってた夏美ちゃんが、不思議そうに尋ねてきた。

そっか、夏美ちゃんからは見えなかったんだね。


「夏美ちゃんからは見えなかったんだね。えっとね、身体を洗ってた所で備え付けのシャンプーとかあったでしょ。私はそれを使ったんだけど、お姉様は使わないで持参?したっぽいのを使ってたんだよ。雪ちゃんにもね。」


「そうなんですか?お姉さん??」


「うん、そうなんだ。さっきも言ったけど身体の関係でね、まぁ···ボディーソープは肌に優しいタイプを使えば大丈夫なんだけど、問題は髪の毛でね。私の髪に合うのが中々見つからなかったんだよ。それで色々と試してみて、結果的に合うのが見つかったから出先でお風呂に入る時は持参してるの。」


「うわぁぁ······それはそれでまた大変ですね·····。」


「うん、そうだね。でも私ね、この身体で髪が一番気に入ってるから、そこだけは妥協したくなかったんだよね。お陰でいいのが見つかったし、雪ちゃんにも使えるから結果オーライなんだけどね。」


最初の身体洗いの時にあれ?って思ってた疑問。

それが自身の身体に起因する事だとまた1つお姉様の事を知れて、同時にまた苦労も知った。


「じゃあもしかして···葵ちゃんもそれ使ってます?」


「······なんでそう思うの?」


「だって葵ちゃん·····お姉様好き好きオーラが出まくってますから!」

「そうなんですよ!前々からお姉さんの事を話す時はやたらと嬉しそうに話しますし、バレンタインの時は尚更ですね!」


「あ、そうなんだ。学校だとそういう感じなんだね。」


「「はい!」」


私と夏美ちゃんの声がハモった。


「それでそのシャンプー類だけど、葵も使ってるよ。理由は私が使ってるのを使いたいからって事らしいけど······気になる?」


「はい、気になります!色んな種類のがありますけど、お姉様の髪に合ったのなら結構いいのなんじゃないかな〜って思いますし·····。」

「私も少し癖っ毛なんで、試せるなら試してみたいなって思います。」


お姉様が専用のシャンプーとかを使ってるなら、お姉様好きな葵ちゃんが使わない理由はないなって思ってたけど、見事に当たったね。

そして葵ちゃんの髪の毛が綺麗な理由が分かった。


「いいよ。じゃあ、帰ったら教えてあげるね。因みにだけどそれはこの辺りの店舗だと取り扱いがないから、買うならネットショップの方をオススメするよ。」


「はい、ありがとうございます。」

「ありがとうございます、お姉さん。これで私のくせ毛も少しは良くなるかな?」


「どうだろう·····?でも、良くなるといいね。」


「はい。」


私は単にお姉様と同じのを使ってみたいっていう気持ちだけだったけど、夏美ちゃんはそうでもないからね。

夏美ちゃんは少し癖のある髪の毛で、雨の日や湿気の多い日などは結構気にしてたんだ。

そして癖のない私や葵ちゃんを羨ましがってたりもしてたから、これで少しでも改善できるならそうなって欲しいなって思うの。



「ところでさ·····、千紗ちゃんと夏美ちゃんは、好きな人とかっているの?」


「うぇっ!?」

「な、なんですか?いきなり···??」


「今どきの女子高生の恋愛事情っていうの?そういうのが知りたくって·····。」


お姉様がお姉様らしくない感じの事を聞いてきたんだ。しかも恋愛ときたもんたから、私達2人して驚いちゃったよ。


「女子高生って······お姉さんもそうじゃないですか?」

「ですです!それに私達なんかよりよっぽどモテそうじゃないですか!」


そうそう!

私達なんかよりお姉様の方が絶対にモテる!

それだけ美しい容姿にスタイルに性格も良しときて、モテない理由がないってもんだよね。


「いや、そうでもないのよ。というか、私は学校で恋愛とか彼氏とかそういうのは持つつもりはないって公言しててね。それが浸透したお陰か告白とかそういうのは無くなったんだ。」


「そうなんだ···。」


まさかお姉様が学校でそんな事をしてるとは思わなかったけど、お姉様の事情や想いを考慮すればその方が負担も減るのかな?

優しいお姉様の事だから、断るにしてもきっと気を使うはず······ん?


「あれ?? お姉さん···その言い方だと、もしかして告白とかあったんですか??」

「えっ!?!?」


「うん、あったよ。よく分かったね?」

「えっ?えっえっえぇー?!?! 告白あったんですか!?お姉様!?」


「うん。」


まさかお姉様に告白された経験があったとは·····驚きだよ。

いやね、お姉様ならモテるだろうから告白される事もあるだろうとは思ってはいたけれど、いざあったと言われると何故か驚いちゃうんだよね······。

そしてそれに普通に気づく夏美ちゃん。

私も途中からあれ?とは思ったんだけど、そこまでは気付かなかったし。


「お姉さんお姉さん!失礼なんですけど、どんな告白だったんですか!?場所は?相手は?どんな方法で!?? 良かったら教えて下さい!」


わぉ·····。

さっき気が付いて凄いなって思ったのに、その後の食いつきがこれまた凄いよ。

夏美ちゃんって、こんなに恋愛話って好きだったっけかなぁ??

それともお姉様の話だからなのかな??

訳わからなくなって私も混乱してるけど、でも、私もその話には大いに興味があるから聞けるなら是非聞きたい!


「えーと···最初の告白は高1の時の三学期で、相手は顔も名前も知らない3年生だったんだ。」


「「おぉ!」」


最初の告白!? って事は、その後もあったわけ!?

2人して声か゚ハモったけど、内心は驚愕でいっぱい!


「それで方法は下駄箱にラブレターがはい「「ラブレターぁぁ!?」」···うん、そう。ラブレターが入ってたのね。」


「す···凄いよ、夏美ちゃん!ラブレターだってよ!?」

「うん、凄いね。しかも、この時代にラブレターを書く人がまだいたんだ!? 漫画の世界だけだと思ってたのに······すごいね!」


私も告白の経験はないけどドラマや映画、漫画や友達との話とかでそれなりの知識は持ってるつもり。

でもその中でラブレターで下駄箱というのは無いものだと思ってたんだよね。


「それで場所は何処だったんですか?屋上?校舎裏?それとも学校の隅とか空き教室とかだったんですか??」

「夏美ちゃ〜ん···落ち着いてってばー····。」


駄目だ······。

いつものクールな夏美ちゃんと違って、何か暴走してる······。


「······うちの学校は屋上は禁止されてて上がれないから、体育館裏だったよ·····。」


「キャ~〜♪体育館裏だって!超ベタな場所だよ! でも人気も無くて告白にはいいですね。」


学校で告白する場所は?と聞かれたら、絶対に上位に出るであろうド定番な場所だった。

人の気配が無くて誰にも見られなく出来る場所として。

うちの高校も屋上へは行けないから、何処を選ぶと考えたら体育館裏は十分あり得る場所だよね。

でも······。


バシャッ!!


「わっ!??」


「ちょっと落ち着きなよ、夏美ちゃん·····。お姉様が困惑してるでしょ??」


私は夏美ちゃんにお湯をぶっ掛けた。

本当は水がよかったんだけど、それはここにはないから取り敢えず大量にあるこの温泉を顔にね。


「うぅ·····ごめんね···。つい興奮してテンションあがっちゃった······。お姉さまにもすみませんでした。」

「私からもごめんなさい。失礼なこと聞いちゃって······。」


私も一緒にお姉様に謝ったんだ。

夏美ちゃん程ではないにせよ、私も似たようにテンションがあがりあれこれ聞いてしまったから···。


「そんなに気にしないで大丈夫よ。実はね···私のクラスの子達も同じ様な感じになる時があるのよ。だから見慣れてるから、本当に気にしないで。気にされる方が私は気になっちゃうから···これからも聞きたい事が出来たら聞いてくれていいからね?」


「は···はい。」

「そう言ってくれると嬉しいです······。」


やっぱりと言うか、お姉様はお姉様だった。

怒ったり不機嫌になる事なく、寧ろ失礼な態度をした私達の方を気に掛けてくれて······。

本当に優しいよね。


「で···あの、その······その結果は結局どうなったんですか?」


「あぁ···それね······。勿論断ったよ。2人も知っての通り、私はその手の事はしないつもりだからね。」


ですよね〜。

今のお姉様の様子を見れば断っただろうってのは予想ついてたけど、それでも一応結果は聞きたかったんだ。


「因みになんですけど、今後もやっぱりそれは無いんですか?」


「うん、ないね。」


挿絵(By みてみん)


キッパリとそう断言したお姉様だけど、その顔にも迷いとかそういうのが一切なかっんだ。

恋心って私もよく分からないけど気が付いたら目で追ってるとか、好きになってたって聞くじゃない。

だからいつ、どこで、どう好きになるか分からないのに、恋をしない、彼氏を作らないってまだ若いのに断言しちゃうお姉様は何か凄い。

でもきっと、それを貫き通すんだろうなっていう感じはするんだ。

葵ちゃんから聞いているお姉様はそういう人だから······。


······でも、なんだろう? ホッとしてるこの心は??

告白されたって聞いて驚いて、安心して、今後の事も聞いて安堵した私の心。

自分の胸に問い掛けてみるけど、よく分からないや······。


「私さ、自分で言うのもあれだけど若くして雪ちゃんを産んでから異性に対しての恋愛感情とか性欲とか、そういうのがないのよ。で、今もそれは続いてるからきっとこの先もないと思うのね。まぁ···雪ちゃんが妹とかを望めば考えなくもないけどさ······。

そういう訳で葵に期待してるんだけど今の所そういう話は聞かないし、どうなのかなーって思ってね······。私の周りの子も今の所彼氏は要らないって言ってるから、そういうものなのかな?って···ね。」


「な、なるほど·····。」

「難しい問題ですね······。」


確かにこれは難しい問題だよね。

今、私には恋愛感情はないけど性欲みたいなのは正直言ってある時はある。

人には言えないけど体調の変化の違いでムラムラとかイライラとか出てくるけどさ、ぶっちゃけ無くても困らなそうな気がするんだよね。

でもそういうのが一切なくなると彼氏を作ろうとかって思った時に困るのか······。



人生経験の無い私達には凄く難しくて答えに詰まるけど···葵ちゃんに関してはどう答えようかな?

私は夏美ちゃんの方を振り向いて顔を見つめ、頷き合う。

そしてお姉様の方に振り返る。

そこには相変わらず整ったお顔があって、白い髪と赤い瞳のコントラストに目が惹かれる······。



「えっと·····単刀直入に言うと、葵ちゃんに今の所そういう話とかは多分ないと思います。」


「何となく予想はしてたけど···そうなの?」


「はい。まぁ···そう言う私達もないんですけどね。」


最後は自虐的に付け加えたけど、その通りなんだよね。


「学校では葵と千紗と基本一緒にいるんですけど、葵から誰が好きだとか気になるとかって話はないんです。まぁ···アイドルとか俳優だとか、タレント系でいいね!って話はするんですけどねぇ〜。結局うちらは3人でいるのが楽しいですし、現状で満足してるので高校時代は別にいいかなーって·····。」


「そうなんだ···。やっぱり今どきの子ってそういう感じなのかな?」


確かに私達とお姉様の周りの子っていう人達の言ってる事は、殆ど似たような感じではあるよね。

今が楽しくて居心地がよいから、別に彼氏とかを作らなくても問題ないっていうの。


「ん〜〜·····でも、人によりけりじゃないですか?うちの学校でも付き合ってるカップルもいるみたいだし、他にももしかして付き合ってる?って噂程度で聴こえてくるのもありますし······。」


「きっといつか変化はきますよ、お姉様。私も今は要らないですけど、将来的には子供が欲しいなぁ〜って思いますから。」


「えっ!? そうなの?千紗??」


「······なんでそんなに驚くかな?夏美ちゃん······??変だった??」


変な所で驚く夏美ちゃんだけどそんなに驚く様な事だろうか?と、私のほうが驚くよ。

確かに私達はその手の色恋沙汰には程遠いけど、お姉様と雪ちゃんを見ちゃうと私もいつかは欲しいなぁ〜って感じちゃうんだもん。


「大丈夫だよ、千紗ちゃん。千紗ちゃんも夏美ちゃんもとっても可愛いから、いつか素敵な人が出来ると思うよ。」


「「ホントですか!? お姉様(お姉さん)?!」」


「うん♪」


お姉様に可愛いと言われてて、上機嫌になる私と夏美ちゃん。

チョロいなーと思わなくもないけど、そう言ってくれたお姉様の笑顔はもっと素敵だった·····。






「お風呂っていいですね·····。」


「そうだね···。この景色に丁度よい湯加減といい、また良かったら皆で来ようか?」


「えっ?いいんですか?!」

「ホント!?」


ボソッと呟いた私の声がお姉様にも届いてて、それに対してまさかのお誘い。

これには私達もまた驚き喜んだんだ。


「勿論だよ。まぁ···千紗ちゃんや夏美ちゃん達の方が遠いから調整がいるだろうけど、そこをクリアしちゃえば連れて行く分には問題ないからね。」


「行く行く!行きます!」

「そうしたら今度はいつがいいかな?春休みはもう終わるから······G.W(ゴールデンウィーク)? あぁぁ···でもそこは帰省とかが絡むから無理で······。」



私達の頭の中はもう次のお風呂の予定をいつにしようかな?と、あれこれ考える始末。

そしてそんな私達をニコニコと見つめているお姉様と。


まだまだ序盤のお風呂タイムだけど、とっても楽しい時になった瞬間だった······。

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