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ママは女子高生♪  作者: 苺みるく


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230/235

ある日の春休み② 高2(挿絵あり)

「♪〜〜♪♪ ♫〜♪」


「ねぇ、ママ···。何だかご機嫌だね?何やってるの〜??」


「ああ、これ?これはね、この間の卒園式の写真を印刷してるんだよ。スマホでもいいんだけど、やっぱりきちんとアルバムにして残しておきたいからね。」



自分でも何の曲か分からない曲を鼻歌交じりにしていたら、側にいた雪ちゃんに不思議がられたんだよね。 

普段雪ちゃんの側にいる時はニコニコとしている私だけど、鼻歌交じりにする程ご機嫌というのも珍しいと言えば珍しいからね。

で、そのご機嫌の正体は先日行われた雪ちゃんの卒園式の写真をプリンターで印刷してたからなんだ。


雪ちゃんの幼稚園の卒園式から数日。

外は相変わらずぽかぽか日和で、散歩をしたり遊びに出掛けたりするにはもってこいの季節。

そんな天候のある日の午前中に、私はスマホの中にある写真を印刷してたんだ。


雪ちゃんにも話したけど、理由は簡単。

アルバムを作りたいから。

スマホで気軽に何時でも見れるのはいいんだけど、それだと基本的には私しか見られないでしょ?

だから何時でも誰でも見られる様に、物理的に形としてきちんと残しておきたいっていう思いがあったからなんだ。

それなので、今、この時間帯に作業をしてたの。

そしてスマホやプリンターから印刷されてくる写真を見てたらご機嫌モードになってきちゃったって訳で···。


でも···今のプリンターとか機械の進歩って凄いよねって偶に思う時もあるんだよね。

昔···と言っても私が小学生とかそこらの時は、パソコン経由で写真を印刷してた記憶があるんだよ。

でも今はスマホから操作するとデータが飛んで、ダイレクトに印刷出来るの。

勿論それに対応したプリンターとかが必要なのは当然だけど、パソコンの電源を入れて写真データを開いてそこから····っていう手間が無いだけでも全然違うからね。

だから気軽にサクッと印刷出来てしまうのが、このプリンターの強み。



「で、この印刷された写真はね、一旦日陰で乾かすんだよ。それで完全に乾いたらアルバムの方に入れて作っていくの。」


「そうなんだ〜···。あー、じゃあ、ママの小さい時のもあるの?あっら雪、見たいなー。」


「あるにはあるけど見たいの?······いつ頃のがいい?」


「ん〜〜·····じゃあ、雪と同じの幼稚園の時のがいい!」


「そっか···じゃあ、少し待っててね。今、持って来てあげる。」


「うん♪」


雪ちゃんにおねだりされると断れない私。

とは言っても、駄目なものや無理なものはきちんと断るけどね。

で、今回の雪ちゃんから飛び出した要望は、私の小さい時を見たいとの事だったんだ。

てっきり幼稚園が懐かしくなって見たくなったのかな?なんて思ったら、まさかの私だとは驚きだよね。

まぁ、これは断る物でもないから二つ返事でOKなんだけど、正直にいってそんないいアルバムでもないんだよね。

何しろ作ったのはお母さんだから······。


私は先程印刷した写真を手に持って2階の寝室へと向かったんだ。

そこに私や雪ちゃんのアルバムを保管してあるのだけど、その前にこの印刷した写真を乾かすために一度部屋に行く必要があったからね。

この写真も大きさ的には葉書サイズくらいなんたけど、数が多くなると乾かすのに結構な広さを必要とするんだ。

だからリビングとかで干すと邪魔になるし、踏まれる恐れもある。

だから一番安全な私のベットの上に並べて夜まで陰干しするんだけど、これが一気に印刷出来ない理由なの。

ちょっとずつ印刷しては並べて乾かして、また印刷···その繰り返し。

のんびりと気長に、長期の休みにはピッタリの作業なんだ。


写真をベットの上に並べて、その後にクローゼットの中から雪ちゃんご要望の私のアルバムを引っ張り出すの。

クローゼットの中には私の制服や私服がハンガーに掛けられてあったり、他にも私や雪ちゃん絡みの書類や雑貨がしまってあったりするんだけど、私がきちんと整理整頓をしてるから「どこにしまったかな〜??」なんて言うお約束的な事は発生しないんだ。


「あったあった。」


何冊かある同じデザインで同じ色合いの私のアルバム。

その一冊一冊を手に取り開いて確認し、雪ちゃん希望の時期のを見つけた。

それを手にとって、またリビングへと戻って行ったんだ。



「ママぁ?あった??」


「うん、勿論あったよ。早速見る?」


「うん!見る見る!!」


早く見たくて、うずうずしてるっぽい雪ちゃん。

トコトコトコ···っと寄ってきて、ソファに座った私のすぐ隣にちょこんと座ったんだよね。


「はい、どうぞ。雪ちゃんのペースで好きに見ていいからね。」


「はぁ〜い♪」


雪ちゃんにアルバムを渡して、後はご自由に見てもらうの。

これも何年か前に見せた事はあるんだけど、それからまた月日も経って大きくなった雪ちゃんがどういう反応をするのか、ちょっぴり···いや、結構興味が在るんだよね。

そうわくわくしつつ、雪ちゃんが見てる間に私はスマホをチェックする事にしたんだ。

先程階段を降りてくる時に通知音がしてたから、その確認をね。


「うわぁぁ〜〜♪ ママ、可愛い!!」


「そう?それはありがとうね、雪ちゃん。」


雪ちゃんからの第一声は「可愛い」だった。

娘から時たま褒め言葉を貰う事はあるけれど、『可愛い』と言われるのは意外とないのでちょっと照れる♪

『綺麗』とか『凄い!』とかそういう言葉は貰うけど『可愛い』となると、今の私には合わない気がするからね。

まぁでも···見てるそれが今の雪ちゃんと同じか少し下くらいの年齢の私だったなら、そう思っても不思議はないんたけど······。


「この頃のママって、髪の毛短かったんだね。それも雪とそっくり!!」


「うん、そうなの。この頃はママも短くしてたから、雪ちゃんと一緒だね。嬉しい?」


「うん!」


アルバムをめくりながら気が付いた、この頃の私の特徴。

それは雪ちゃんの言うように、この頃の私は髪の毛が短かったんだよね。

長くしても肩にかかるかくらいで切っていたから、雪ちゃんとそっくり同じ髪型をしていたんだ。

だから本当に私と雪ちゃんは同じに見えるんだ。

この時の私の写真と今の雪ちゃんの写真を並べたら、きっと双子に見える事間違いなしだね♪


「ねぇねぇ、ママ。これは運動会?」


「そうだね、運動会だね。これは駆けっこをしてるので、こっちは踊りかな?何を踊ったかは忘れちゃったけど·····それで、これはあれだね·····。」


アルバムを見つつ雪ちゃんの問いかけに答えていく私。

幼稚園に関して雪ちゃんは私が通った幼稚園に入れたから、基本的な行事は同じなんだよね。

運動会だったりお遊戯会。又は遠足だったりお泊り保育。

季節物ならプールや七夕飾り、クリスマス会や新年だと餅つきなんかもやったよね。

それを雪ちゃんも経験してきたから覚えていて、私の時はどうだった?って聞いてきたりもしたんだ。

多少内容が変わったりもした催し物もあったりはしたけれど、私が卒園して10年程ではそこ迄大きな変化もなく、私としても懐かしいなーって感じたりもしたし、雪ちゃんも雪ちゃんで私と同じ経験が出来た事がこの上なく嬉しかったみたいだね。


だからほんとにニッコニコ。

終始あれは?これは?って聞かれて、以前にアルバムを見た時とはえらい反応の違いに私も驚きだったよ。

それだけ物事に対して思考したりする力がついたんだなって嬉しく感じるんだけどね。



ピンポ~ン♪


雪ちゃんと楽しく見たり話をしたりしてそこそこの時間が経過した頃、来客を知らせるインターフォンが鳴ったんだ。

この午前中に誰だろう?っていうのも普通なら考えるけど、今のこのタイミングでは誰が来たか当たりはついているんだよね。


「は〜い。今行くね〜。」


立ち上がってモニターをポチッと押して誰が来たのかを確認後、一言伝えたの。


「雪ちゃん、ママちょっとお外に行ってくるから待っててね?」


「うん、大丈夫だよー。」


雪ちゃんにも一言伝えて了承を取ったんだ。

続きはまた戻ってからでも出来るし、雪ちゃんもそれは理解してるからすんなりと受け入れてくれたからね。

そして私は玄関へ行き、家の外へと向かったんだ。



「おはよう、このはちゃん。急にごめんね。」


「おはよう、茜ちゃん。私の方は問題ないけど······、それよりもどうしたの?予定だとこれからアルバイトなんじゃなかったっけ?」


「うん、アルバイトはこれからあるけど、まだ大丈夫だよ。」


「そっか。ならいいんだけど·····。」


我が家にやって来た来客は、なんと茜ちゃんだったんだよね。

なんで知っていたのかと言うと、ちょっと前にスマホに『これから少しだけお邪魔してもいいかな?』って、連絡が来ていたからなんだ。

勿論二つ返事で『いいよ』って返信したんだけど、どうしたんだろ?って思いでいっぱいだったんだよね。

 

理由として先ず思い浮かぶのが、アルバイトがあるから。

茜ちゃんは去年の秋頃からアルバイトを始めて、平日は休日をメインで働いてるんだよね。

そして冬休みや春休みといった長期の休みの時は日中もシフトを入れていて、流石に毎日じゃないけど働いているの。

そしてそれは今日もそうであって、日中からアルバイトって話を聞いていたんだよね。

流石に何時から?という事までは知らないのだけど、それなのにその前に私の家に『お邪魔してもいい?』だからねー······。


春休みが始まって約1週間経って残りも半分あるかな?くらいの時期だけど、茜ちゃんの日中アルバイトがない時なんかは一緒に課題をやったりとかもしてるから、淋しいとかそういうのはないと思うんだよね。

だから余計にどうしたんだろう?って思ったんだよね。


挿絵(By みてみん)


「えっとね······アルバイト前に、このはちゃんに渡したい物があったの。」


「私に??」


「うん。今日はこのはちゃんの誕生日でしょ。だからどうしても先に渡したくて·····。受け取ってくれるかな??」


「あ······うん! ありがとう♪」


何だろう?って連絡をもらった時からずっと考えてて、そしたらまさかのプレゼントだったんだ。それも誕生日プレゼント。

思ってもみなかった出来事に一瞬きょとんとしちゃって碌な言葉も出せなかったけど、でもすごく嬉しく感じたの!


私は雪ちゃんを産んでから自分の誕生日にあまり関心を示さなくなった。

両親が「何欲しい?」って聞かれても特にないし、しいて言えば雪ちゃん関連で何か欲しいかなってくらいでね。

おまけに最近は自分の誕生日を祝われるのが恥ずかしくて「止めて〜」って思うくらいだからね。


それをまさか茜ちゃんがしてくれるとは思わなかったんだよね。

確かに以前に私の誕生日を教えた事があったけど結構前の気がするし、覚えててくれてるとは思わなかったんだよね···。


「あのね、このはちゃん·····。」


「·····うん。」


「このはちゃんが私に誕生日プレゼントを贈ってくれて凄く嬉しかったの。しかもあんなに素敵なネックレスを貰っちゃって、私でいいのかなーって······。だから今度は私がこのはちゃんに日頃の感謝を込めて、誕生日プレゼントを贈りたいってずっと思ってたの。」


ちょっと前みたいなもじもじとした様子はなく、しっかりと私の目を見て話す茜ちゃん。


「そうだったんだ·····。あれ?じゃあ、もしかしてアルバイトって······。」


話を聞きながら私はもしかして?と、思ったんだよね。

確か茜ちゃんがアルバイトを始めたのは秋頃だった筈で、しかも秋という事は茜ちゃんの誕生日が過ぎた時なんだよね。


「多分、このはちゃんが考えた通りで合ってると思うよ。このはちゃんに渡すプレゼントは私のお小遣いじゃなくて、()()()()()()()()()で買って渡したかったの。だからアルバイトを始めたんだ。まぁ···受験勉強をしたいからって理由で部活を辞めたのも、間違いではないんだけどね。」


「そこまで私の事を想ってくれたなんて、本当にありがとう。茜ちゃん。」


まさかアルバイトを始めた理由が私だったとは少しも思わなかったよね···。

別にお小遣いの中から買ったってその気持ちだけでも嬉しいのに、わざわざ自分で稼いだお金でプレゼントしたいだからね。

本当にこの子は優しくて可愛い女の子だよね······。


そんな事を思いながら、私は渡された袋を見つめた。

渡された可愛い袋は色々と入ってそうな感じなんだけど、そんなに重さは感じられないんだよね。

でもそこに込められた茜ちゃんの想いはとっても重い。


「私の方こそいつもありがとうだよ、このはちゃん。······それ···、私なりにこのはちゃんに似合いそうな物を選んだつもりなんだけど、気に入って貰えたら嬉しいな〜なんてね···あははは····。」


「大丈夫、そんな事はないよ。茜ちゃんの気持ちだけでも嬉しいから、大切に使わせて貰うからね。」


「うん!!」


何かは分からないけどちょっと自信なさげに言う茜ちゃんだけども、私としては似合う似合わないはあまり関係ないだよね。

気持ちが籠もってる、その事が一番大切なのであって、何かは分からないけど似合わないのなら似合う様にすればいいだけの事だから。


「じゃあ、私、アルバイト行ってくるねー。お誕生日おめでとー!このはちゃん♪」


「うん!本当にありがとうね、茜ちゃん。アルバイト行ってらっしゃい。気をつけてね!!」


「はぁ〜〜い♪」


嬉しそうに自転車に乗って、アルバイト先へ向かって行った茜ちゃん。

それを私は手を振りながら、ここからちょい先の曲がり道で姿が見えなくなるまで見送ったの。

そしてそれから自宅の中の雪ちゃんの元へ戻っていったんだ。



ぽかぽかと幸せな気分でリビングに戻ると、そこには私の可愛い天使が居てくれたの。

私の妙に数の多いい写真を見てる雪ちゃんがね。


雪ちゃんが見てるこの頃の写真は、主にお父さんが撮影した物らしいのだけど、結構な枚数があるんだよね。

それは第一子で女の子というので大変に喜んだお父さんらしいけど、そこにこの容姿だったもんだから、かなり溺愛された覚えがあるんだ。

それなので写真の枚数は多いけど、アルバムとしては普通なの。

アルバム帳にただ写真を入れてあるという至ってシンプルな物で、私が作ってるのとはかなり違うんだよね。

因みに私の作ってる雪ちゃん用のは、写真を多少カットしたりしてはさみ、そこに一言コメントを書いたのを添えてるの。

いつ何処で撮った物なのかとか、その時の状況や感じた事とかを書いてね。

これがあると後々見返した時にこの時は何処どこに行って、こういう風に思ってたんだとかって誰が見ても分かるからね。


「ただいま〜、雪ちゃん。」


「おかえり〜、ママ·····ママ、それなぁに??」


雪ちゃんに戻って来た事を告げると、その声に反応して振り向きつつ応えてくれた雪ちゃん。

でもその途中で私が腕に抱えていた袋に視線が釘付けになったんだ。

私に似てプレゼント等に関してはあまり物欲のない雪ちゃんではあるけれど、こういった謎(?)の荷物には興味を示すみたいでちょっと可笑しかったりもするんだ。


「これはね、茜おねーちゃんがママに誕生日プレゼントって持って来てくれたんだよ。」


「あかねおねーちゃんが!? よかったね~ママ!」


「そうだね。嬉しかったよ。」


雪ちゃんの疑問に答えてあげたら、茜ちゃんが来た事に驚いた雪ちゃん。

そして直ぐに喜んでくれたんだ。

私と茜ちゃんが仲良しなのは雪ちゃんも知ってるし、又、私が喜ぶと雪ちゃんも嬉しいみたいでね。

そんな雪ちゃんにほっこりとしながら、私はソファーへ腰掛けたの。

そして雪ちゃんも続いて隣に座り直して、目線は頂いた例の袋。


「さて······何を選んでくれたんだろう?」


「何だろうね?ママ。雪、ワクワクだよ〜。」


こういうのって不思議だよねって思う事があるの。

今回は中身を知らないから当然なんだけど、自分でネットショップ等で買った物が宅配で届いた時も、中身は知ってる筈なのにワクワクしたりするんだよね。


袋を閉じている紐を丁寧に解き、その中身を確認したの。

ざっと覗いたところ箱物と小袋が幾つか入っていて、複数の何かを選んでくれたみたいなんだよね。

それらを丁寧に袋から出していくと、もう一つ入っているのに気がついたの。


「あ、これ····手紙だ。」


「手紙?」


「うん。バースディカードとも言うんだけど······ちょっと待っててね。読んじゃうから。」


私も茜ちゃんに送る時に入れたバースディカード。

これはLI◯Eとかでも同じ様な機能はあってメッセージとかを送れるんだけど、私は敢えてこの紙媒体のを選んだんだよね。

理由は暖かみを感じられるから。

デザインも豊富たから何にしようかと選ぶ楽しみもあるし、何より手描きでメッセージを書くのがいいの。

手描きだとLI◯Eや普段の会話で言えない事も書けるし、手書きによって受け取り人が書き手の気持ちや温もりなんかを感じ取れるからね。

そういった理由で私はそれを贈ったけど、茜ちゃんもわざわざ書いて贈ってくれるとはね······。



「ふふ·····。茜ちゃんらしいや······。」


「ねぇ···ママ。何て書いてあったの?」


「ん〜〜···気になる?? でも、内緒。後で教えてあげるね。」


「えぇー〜〜?!!」


雪ちゃんの問には応えてあげる私が珍しく教えなかったから、驚いて抗議の声をあげた雪ちゃん。

でも···もう暫くは私の心に締まっておきたいんだよね。


カードを仕舞い直して、今度はプレゼントが入っているであろう箱物や袋を開けることにしたんだ。

幾つかあったから雪ちゃんに「どれから開ける?」と聞いて、雪ちゃんの選んだ物から開けていったんだよね。


「わぁ♪これ髪飾りだ〜。」


「そうだね。それに幾つか種類もあるし···あ、これ、雪ちゃん用だって。」


「えっ!ゆきの!?わーーい♪」


プレゼントの中身は全てを開けた訳ではないけど、ヘアアクセサリーの類が入っていたんだよね。

これもヘアゴム系やグリップ系とあって、その中でも細かい分類で沢山の種類、デザインがあるの。

私も基本はストレートでいるからあまり使わないんだけど、偶に結ったりして学校に行ったりする時もあるんだよね。

そして茜ちゃんはそのあたりを見て、私に似合いそうなデザインや色合いのを選んでくれたらしいの。

しかも、しかもだよ?

ヘアゴムやシュシュとかなら雪ちゃんでも使えるよね?って事で、私とお揃いの物を選んでくれたみたいで·····。


「ママ! 付けて付けて!!」


「はいはい。待っててね。」


雪ちゃんはヘアアクセサリーをつけたくて、うずうずしてるご様子。

まぁその気持ちもわかるんだけどね。

だって今まで短い髪型にしてたから、そういうのを身に着けるといった事をした事がなかったんだよね。

伸ばせは色々としてあげられるけど、そこは雪ちゃん次第だから私からは何とも言えないし。


さてさて、どうしよう?

結んであげるにしてもそんなに長くはないから····後ろをちょっと結んでポニテっぽく結んでみようかな。

ちょっとしたアクセントで可愛いかも♡

髪の毛を集めてアクセサリー付きヘアゴムで結んであげる。


挿絵(By みてみん)

 

「出来たよ。どうかな?」


「ほんと!? ちょっと見てくるーー!」


トトトトッと洗面所に駆けていった雪ちゃん。

「走っちゃ駄目よー」と普段なら言う所だけど、今は多目に見てあげるんだ。

ああいう雪ちゃんも可愛いからさ。親バカです。


その後、暫くして戻って来た雪ちゃんは大変にご満悦だったんだ。

そして私にもお揃ろのを付けてって言ってきて、身に付けた私と写真を撮って後に茜ちゃんに送ってあげたんだ。

『ありかとう』って、感謝の言葉を添えて。


本当にありがとうね。茜ちゃん。

お陰でとても素敵でいい1日になったよ♪



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