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ママは女子高生♪  作者: 苺みるく


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ある日の出来事⑦ 高2(挿絵有り)


「ねぇねぇ? 皆はさ〜、あれから進路とかは考えた??」


「「「「進路ぉ??」」」」

「いきなりどうしたのさ? 彩??」



外はすっかり寒くなった、とある日のお昼休み。

皆が1番のんびりゆっくり出来て好きな事が出来る、そんな時間帯に彩ちゃんがいきなり進路の話を切り出してきたんだ。

その突然の事で素っ頓狂な声を上げた皆。

まぁ······でも、みんなの気持ちは分からなくもないんだよね。

私達が一塊で集まってるといっても会話してる内容は1つではなくて、大体いつも複数の話題を同時にしてたりするからさ。

それを其々が好きな方の話題に加わったりして、話をしてる様な感じだからね。


私も勿論そういう感じではあるんだけど、実際のところ私はどっちにもつかずに聞き手側に付いてる方かな。

だってごく普通の女子高生である皆と、歳も少し違えば環境もかなり違う私とでは、夢中になる物や好みの話題がやっぱり違うんだよね。


分かりやすいのは芸能絡みの話かな。

若手のイケメン俳優や歌手グループの話題でキャーキャー楽しそうにあれこれ話ししてる皆だけど、私は正直興味がないんだよね。

情報番組とかで耳にはするから知ってはいるけれど、それで熱く語れるほど興味とかが沸かないの。

これが一人身の私だったらまた違ったのかもしれないけど、母となってしまった今の私では興味の対象がどうしても雪ちゃんになるからね。


そう言った興味の話題や価値観とかの違いで、私は基本的には聞き手。

そんな感じの私だけど、皆に言わせるとそれが良いんだって。

盛り上がり過ぎた自分達を抑えてくれたり、または視点の違ったいいアドバイスをくれたりするから為になったり参考になったりするんだってさ。



そんな感じの会話の中で彩ちゃんの進路話は、全然これっぽっちも掠ってはいなかったの。

だから皆が驚いたわけ。

まぁ·····話の流れは一段落ついていたから、その点は問題なかったと思うけどね。



「いやさ〜·······、また近い内に先生と進路とかの話があるじゃない?それでさ最初の時もそうだったけど、私まだこれと言って決まってなくてさ、どうしたものかなー?なんて思ってね·······。」


「ああ······。確かに近い内にまたその話をする様な事を高橋先生言ってたねー。」

「言ってた言ってた。」


「で、皆はどうなのかなって思ってさ。」


彩ちゃんがどうしよう?っていう深刻そうな表情をしつつ、皆に意見を求めていた。

それに対してコメントがあったように、高橋先生による進路相談的な話も近い内にまた行われるんだよね。

進路相談、これは1学期の時に1回目が行われた訳だけども、その時点では時期的なものもあってまだ未定という子が多かったらしいです。

だけどもあれから月日が経ち、3学期になった今ではある程度どうするのか決める必要が出てきたんだよね。

というのも私達はもう直ぐ3年生になるから、そうなったら進学するのであればそこに向けての受験勉強等も今以上に力を入れる必要も出てくるから。

専門学校と大学、どちらを選ぶかにもよってその対策も違うし就職という道もまたある。

何を選択するにしろ、ある程度道を決めないといけないタイミングに私達は来ているんだ······。


「私は一応進学で考えてるよ。」

「あー······私も一緒。まぁ······どことは決めあぐねてはいるけどさ·········。」

「このはちゃんみたいに、ピンポイントでコレだっ!ってのがあればいいんだけどねぇ〜·····。」

「ほんと、ほんと。」

「だねぇ〜······。」


「まぁ······私はある意味では運が良かったんだよ。皆にも話ししたけど、元々は就職するつもりだったからねー······。」


ため息を吐きつつ其々の進路に関して話をしてる皆を眺めながら、それなりの人数の子は進路については多少なりとも決めてきてるんだなと思いつつ、私は懐かしく想うあの頃の自分を思い出した。

それは以前に皆にも話したことがあるけど高校に入学した当時、私は卒業後は就職するつもりでいたんだよね。

それがなんだかんだあって『なりたい・やりたい』と思える職業・仕事が出来て、両親の後押しもあり目指すことなったの。

だからそのきっかけが出来たことには凄く幸運だっと私は思うわけで······。


「そういえばさー、茜はどうなの?部活も辞めちゃったし、何か目標とかそういうのがあるの??」

「私?」

「そそ。茜のその手の話ってそういえば聞いてなかったなーって思ってね。」

「「「あー······、確かに。」」」

「私もその話は聞いた事はなかったかも·······。」

「······このはちゃんまで···意外だね·······。」


私が物思いにふけってる間に茜ちゃんの仲良し友人である美紅ちゃんが、茜ちゃんの進路について尋ねていたんだ。

そして意外にもクラスの皆も聞いたことがないなと言う事が判明して、私もこの話は聞いた事がないと茜ちゃんに伝えたんだ。


ちょっと驚く茜ちゃん。

まぁ、聞こうと思えば聞くタイミングはいくらでもあったのには違いないんだけど、変に聞いて焦らせても悪いかな?と思って今迄で聞いてこなかったんだよね。

それに時間的にはまだまだ余裕があったというのも理由の1つなんだけど······でも、相談とかされれば私なりに答えたり調べたりはするつもりではいたんだ。

可愛い茜ちゃんの為だからね。

ま、それすら今迄無かったんだけど······。


「私ね、実はもう決めてあるんだ。」


「「「えぇーー?!」」」

「まじ!?」

「ほんと?! 何々??教えて!」


『決めてある』その言葉に私も含めて驚く一同。

その当の本人である茜ちゃんは指で髪の毛をもじもじしながら、少し照れくさそうにしてるんだ。


(ほんと、こういう仕草はまた可愛いんだよね〜〜♪)


そんな茜ちゃんの姿にほっこりする私を尻目に茜ちゃんの話は進んで。


「私、管理栄養士になりたいの。その為の勉強をしたいんだ。」


「「「「管理栄養士?!」」」」

「なにそれ??」

「栄養士とはまた違うわけ??」


茜ちゃんの口から具体的な目標が飛び出して、そして誰もが思ってもいなかったであろう意外な目標に更に驚く私達。

当然、私も『管理栄養士』という言葉が出てくるとは思わなかったよね。

私の中では茜ちゃんは進学するだろうなとは、なんとなく思ってはいたんだ。

2年生になってからの勉強の頑張り具合や成長は目を見張るものがあったからね。

そういう訳でそんな予想は立ててはいたけど、それが大学なのか専門学校なのかは聞いてはいなかったから分からず仕舞いだったけど、まさかこうも具体的に目標があるとは本当に思わなかったよ······。


「管理栄養士は国家資格なんだけど、栄養士との違いはその対象相手が違うんだよ。栄養士は健康な方を対象にするんだけど、それに対して管理栄養士は病気を患ってる人や高齢で食事が取りにくい人とか、健康な方を含めた様々な状態の方のサポートとかそういうのが出来るのね。栄養士で身近な分かりやすいのだと、学校給食のメニューを考えたりするのが栄養士さんだったりするかな。で、管理栄養士は学校給食も出来るし、病院の入院食とか老人ホームだとか様々な場面の所で活躍出来るの。」


「「「おおぉーー!」」」

「すっごいじゃん、茜! そこまで調べてるなんて信じられないよ!」

「ほんと、ほんと!」

「あははは······。ありがとね。」


茜ちゃんの話す管理栄養士についての説明で沸き立つ私達。

キャッキャとはしゃぐ皆とは対象的に照れくさそうにしてる当の茜ちゃん。

私も言葉としては知って入るけれど具体的な違いに関しては知らなかったから、凄く勉強になったなって感心しちゃったよね。


「でもでも、なんでまた管理栄養士になりたいなって思った訳?」

「そうだよね~。何か理由とかきっかけがあって目指そうって考えた訳でしょ?」


確かにそうだねって私も思う。

私もそうだけど何かを目指すって決めたのには何かしらの原因とかきっかけがあって、それで頑張ろうってなるんだと思うんだよね。


「理由かぁ······。」


ちょっと考え込む仕草をしつつも、その理由について話し始めてくれた茜ちゃん。


「私が家の家事をやってるのは皆も知ってるでしょ?まぁ······私がする必要があったからやり始めたってのはあるんだけど······。」

「うん、知ってる。お母さんとかお姉さんの事だよね?」

「そそ。で、それをやってるうちに料理をしてるのが結構楽しくて、美味しい♪って食べてくれて褒めてくれるのが嬉しくなっちゃってねー。」


そこでチラッと私の方を見つめて微笑む茜ちゃん。

それって茜ちゃんのお父さんの事じゃなくて、夏休みに泊まりに行った時の私の事を指してるよね?と、その仕草で気付いてしまった私。


挿絵(By みてみん)


「スーパーで値段を見ながら何にしようかな?とアレコレ考えたりして、そういうのをやってると次第に栄養面とかそういうのもよく考えて作るようになるんだよ。家事を預かってる身としてはお父さんには長生きしてもらいたいからねー。」


「や〜〜ん!茜ってばちょー主婦してんじやん!!」

「だよねー。そこまで考えてるなんて、立派だよね!」

「私なんて、料理どころか家事だって殆ど手伝った事はないのに······茜ちゃんってば凄いよ!!」

「これは······このはちゃんに次いで茜ちゃんも超優良物件だね!」

「あははは······。なにそれ······そんなに褒めたって何も出ないよ?」


そうは言うものの、皆から褒められて満更でもないご様子の茜ちゃん。

でも、それは褒められて十分なレベルの事をやってるよと私は感じてる。

それは料理は美味しのは勿論だけど、食材を買う所からきちんと考えて作っているし、ましてや料理や洗濯は毎日の事。

毎日の料理を考えて作るのは結構大変なんだよ······。

それに掃除とかそういうのもあるでしょ。

茜ちゃんのお家はたまにお邪魔してるだけど、きとんと掃除されてて整理整頓されてるからね。

茜ちゃんも茜ちゃんのお父さんもあまり散らかさないタイプなのかもしれないけど、それだって掃除は必要だからね。

こういうのも出来ない人は本当に出来ない・しないから、しっかりと出来てるのは立派だと思う。


「ま、そういう理由でもっと食事に関する事とかを学びたいなって思ったの。仕事としてはまだ考えてないけど、それを抜きにしてもこれは普段の生活の中でも活かせるじゃない。将来子供が出来た時とかでも栄養面を考えられるし、スポーツとか始めればそれに合った食事を出すとか老後のお父さんのご飯とか、色々と役に立つ場面も多いと思うしね。」


「「「「·········」」」」


し〜んと静まりかえる私達。そして·······。


「やだ〜〜〜♪ なにこの可愛い子は〜〜♡」

「ちょっ····ちょと美紅ぅー?! 苦しいよー」


そう言うなり茜ちゃんを抱きしめる美紅ちゃん。

抱きしめて頭をなでなでしてるその姿は私がしてあげてるのとそんなに変わらないのだけど、見ていてほっこりとしちゃうよね。

私の時も傍から見ればこういう風に見られてるんだなーって改めて感じさせられる部分もあるし······。


「今からお父さんの老後の心配とかしてるとか、どんだけいい子なのよー。」

「だねー! 私なんてそんな事を考えた事もないし、言っちゃなんだけど面倒みたいとか思わないもん。」

「確かにねー·····。まぁまだ何十年も先の話だし、こういうのってそういう時が来ないと中々考えられないよね。」


「ちょっと美紅ー?! ギブギブ!」

「あぁ!ごめんごめん!! つい力を入れ過ぎちゃった······。」


各々が感心してる中、当の茜ちゃんは抱きしめてる美紅ちゃんの背中をポンポンと叩きながら必死に助けを求めてて、そんな光景に思わずクスッと笑ったりもして。


「まったくもー······、ちょっとは加減をしてよね?」 

「う·····。そこに関してはごめんね。ついやっちゃったから、加減を忘れてわ。あはははは·······。」


ぷりぷりと怒ってるようでその実は嬉しそうな表情の茜ちゃと、苦笑いを浮かべつつ謝る美紅ちゃんと。

私と仲良くなる前から仲良しだったらしいこの2人のやりとりは私とはまた違った雰囲気で、でも、楽しそうにしてるのを見てると私も嬉しく感じるよね。


「でもさー、お父さんの事を想う事も偉いと思うけど、子供って早くない??」

「たしかにねー。まぁ、このはちゃんって前例があるにはせよ、まだ彼氏もいない私達にはまだまだ先の話だよ?」

「だよねー。先ずは彼氏を作ることから始めないとだもんね。」


「まぁ、確かにそれはそうなんだけどさー。でもこのはちゃんと雪ちゃんの関係を見てると、私も子供は欲しいなってつくづく思うんだよ。いつになるかは分からないけど、いつか出来た時にはご飯とかきちんと作って食べさせてあげたいなって思うし·······。そういう時にもこの資格の勉強した事が役に立つでしょ。だから私はそれを取るのを目指す事にしたの。」


「はぁぁぁ〜〜······。やっぱり何気にこのはちゃんの影響を受けてるのね?」

「ま、それは否定はしないかな。でも、この意志はこのはちゃんは関係なしに私がそう決めた事だからね。後悔はないよ。」


力強い茜ちゃんの言葉。

そこにはきちんと自分で決めたという決意が籠もっていて、迷いもない意思が感じられた。


「そかそか。ならいいんじゃない。私、応援するよ!」

「うん!私も!」

「頑張れ!茜!」


「ありがとー♪みんな。」


しっかりとした決意にクラスの皆も応援するよという雰囲気になって。


「じゃあさ、最初の質問のあれだけど、茜ちゃんはもう学校とかもある程度決めてるの?」

「うん、一応決めてるよ。管理栄養士を学べる大学自体もある程度絞られてくるけど、その中で家から車で通える範囲に1つあったからそこを受験してみようかなって考えてる。◯◯◯大学って所なんだけど、えーと······△△△市にあるんだよね。知ってる?」


「いや······私は知らないなー。」

「私も知らないなぁ。その市町村は知ってるけど、学校までとなると流石にね·····。」

「だよねー。」


「このはちゃんは知ってる?」


「私? う~ん······正直大学名は知ってるけど、その市にその大学のキャンパスがあったとまでは知らなかったよ。私も自分の目指す学部のある大学は調べはしたけど、それ以外の大学に関してはスルーしてたからね。」


「そっかー。流石のこのはちゃんでもコレは知らなかったのか。」


そんなんだよねぇ。

私も私の目指す学部のある大学は調べたけど、その学部がない所はスルーしてたからね。

だから茜ちゃんの目指す大学名そものもは知っていても、そのキャンパスが何処にあるのかは流石に知らなかったんだ。

ただコレも私が教員を目指すなら知らないといけない情報の1つではあるよねと、改めて知る事も出来たのはよかったなと思う。

だって、教員になってその生徒の進路という話が出て来た時に知らないではマズイからね。


「でも、確かにここなら茜ちゃんの家からでも通えるね。」

「だよね!?」

「うん。」


私は早速その大学を調べて情報を見てみたんだ。

先ずは△△△市のどの辺りに位置してるのかという箇所を。


「······ここだと車で多分40分ちょいくらいあれば行けるんじゃないかな?私もこの辺りのショッピングモールに行った事があって、その時は30分位で着いたからね。」

「あら·····。このはちゃんはこの辺りのお店に行ったりした事あったんだ?」


「うん。とは言っても年に1回くらいだけどね。」


「いいなー。あ〜······やっぱり車がないと移動には不便だよねー。」

「確かにねー。高崎線が近ければ大宮とか東京に行く分にはそんな不便はないけど、近場のショッピングモールとかお店に行くのには不便だよね。」

「まぁ、確かにそうではあるけどさ、皆も早ければ今年の夏には教習所に通えるでしょ?その後に運転させてもらえるかはまた別問題だけど······。」


調べてみたら以前に私が行った事のあるショッピングモールから、そこそこ近い場所にあるキャンパスだったんだよね。

だから大まかな目安としての時間は分かった訳で、これなら茜ちゃんの家からでも通える範囲だよねって判断したんだ。


たまたま近場にあったからいいけれど、これが遠くならアパートを借りるとかしないといけなくなるからさ。

そうなると家賃とか生活費とか新たに掛かってくるし、多少仕送りがあったとしても自分自身でアルバイトとかする必要も出てくる。

実際その様な大学生は世の中に沢山いる訳だけども、それで単位を落としましたとかになったら本末転倒だし、何よりも私としては茜ちゃんが一人暮らしをするってなったらそっちの方が心配なんだよね。


生活能力の心配はしてないよ。

そっち方面はしっかりしてるのを確認をしてるから何の心配はしてないんだけど、それ以外の要は防犯面的な所を危惧をしてる。

今も昔もいろんな犯罪・事件が起きたりしてるけど、そんな中での若くて可愛い子の一人暮らしだからねー。

悪質な詐欺やストーカー、通り魔とか変な男性に引っ掛からないか?とか、まぁ考えればキリがない訳で·······。


「そっかー。早い子は夏休みから教習所に通えるんだよね。」

「そうだね。まー、私は冬生まれだから行けても冬休みかな?」

「お!私は7月だから夏休みから通えるわ! まー、取った所で卒業までは運転させえもらえないだろうけどね。」


新たなネタが投下されればその話でまた盛りがったりする皆で。

今度は進路話と免許が〜って話で盛り上がったりもしてる。


「茜ちゃん。」

「なーに?このはちゃん??」


そんな中、私は茜ちゃんに話しかける。


「このキャンパス、最寄り駅からバスとか出てるみたいだけど家から行くのにはちょっと不便だから、オープンキャンパスとか行くつもりがあるのならその時は送って行くよ。」

「あ、いいの?!」

「うん。」

「その時は近場のショッピングモールとかで過ごしてるから、大丈夫だからね。」

「わぁぁ〜♪ありがとね、このはちゃん。もし行くようならその時はお願いいします。」

「うん、任された。」

「良かったねー、茜。」

「うん♪」


ニコニコ笑顔の茜ちゃん。

そんな笑顔を見てるのは私としても嬉しいのだけど、実際にこのキャンパスに行くのに公共機関を使って行くのにはちょいっと不便なんだよね。

ホームページにあるように最寄り駅から大学へのバスは出てるものの、その最寄り駅はJR線とは別の私鉄の駅だから。

で、その私鉄で私達の家から近い大きい駅までは車で25分くらいはかかるんだよ。

もっと近い駅もあるにはあるけど、そこはかなり減便されてる位置の駅でやたらと遠回りになってしまうから、その駅を使うという選択肢は事実上使えないの。

だから時間はかかるけど本数も多いその駅まで行って使った方が便利なんだけど、そこまで行くのなら車で直接行っちゃった方がより楽・便利。

電車やバスの待ち時間を考慮するなら、


結局車の方が約早いからね。

それにその間、私も雪ちゃんを連れてショッピングモールで楽しんでてもいいし、夏休みの平日なら私も参加してみてもいいしね。(雪ちゃんは学童予定)



「そっかー。茜ちゃんももうそこまで決めてるのかぁ〜······。なんか焦るなぁ······。」


と言うのは、この話題の発信元の彩ちゃん。

結果的には最初の頃よりも具体的に決めてきている子もチラホラと出て来ていて、余計に焦ってきてしまったご様子。


「まぁまぁ、彩ちゃん。そなに焦らなくても大丈夫だよ。」


「そう?」


「うん。時間的にはまだ余裕はあるけど、だけど進学が必ずしもいいって訳でもないからね。」

「そうなんだ?」

「例えばだけど、皆が進学するから自分もって入っても途中で辞めちゃえばそれまでのお金とかは無駄になるでしょ。受験料とか授業料だってけして安くはないんだし。」

「確かにそうだね。」

「「うんうん。」」


皆も頷いたりしてくれて具体的な金額は知らないにせよ、決して安くはないという価値観はもってるみたいで、私としてはちょっと一安心。


「それに奨学金制度を利用する学生さんも多いみたいだけど、それがのちのちに大変だーっていう声もあったりするんだよ。」

「奨学金??」


はてな?顔の彩ちゃん。

まぁそれも無理はないかなとは思う。

普通の16、17歳の歳の子には馴染みのない言葉だからね。



「これは授業料とかを分割で返済していくような······住宅ローンとかそういうのに似てるかな。それを学生さんが卒業後に働きながら自分で返済してる人も沢山いて、まだ少なめな給料の中で家賃を払ったりしながらの生活をしつつ返したりしてるから大変みたいなんだよね。」


この辺りはそういう記事を見たりして知った事を話したりしてるんだけど、実際にそれを自分で返済していくのは結構大変だと思う。

実家暮らしならまだしも、部屋を借りてるとかという状況下なら余計にね······。


「だからさ、明確にこの資格を取りたい、勉強したいっていうのが無ければ無理して行かなくてもいいと思うんだ。途中で辞めちゃえばお金を頑張って出してくれた親御さんにも悪しさ、それと前にも話したけど専門学校とか大学とかって何歳になっで通えるんだし、お仕事をしながらこの資格が欲しいなとかってなったら通うのもありだよ。」

「そっかぁ〜。そういうのも選択肢としてはいいんだね······。」

「うん。」


この手の話しはオープンキャンパスで少し聞いたのも含まれてるの。

実際に大学なんて皆が全員、高校卒業と同時に入学する訳でもないからね。

浪人を経験して頑張って入ってくる人もいれば、専門学校だって一度社会人を経験してから学びに来る人もいるって聞いたし。

だから安易に進学を選ばなくてもいいんじゃないかなと、私は考えたりもする訳で······。


それにこれは言わなかったけど、女の子って男の子以上に変化が大きかったりもするじゃない。

例えば結婚とかすれば遠い所へ引っ越す可能性もあって会社を辞めたり、子供が出来ても同様に。

この辺は少子化もあって社会として色々と対策はしてるみたいだけども、それが必ずしも皆に上手く働くとも言えないからね······。

まぁ······そういう点では私はすごく恵まれてるなとは感じるし、そうさせてくれている両親にはとっても感謝してるんだけどね。


だから彩ちゃんを始めとした皆には、じっくりと決めてほしいなと私は思う。




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