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ママは女子高生♪  作者: 苺みるく


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218/233

ある日の成人式①-2 高2(挿絵有り)

「うわぁ!すっごい人だかりだね。これだってほんの一部なんだよね······。」


「そうねー。これにはお母さんも驚いたわ。流石、市内合同の成人式なだけあるわね······。まだ受付開始前だと言うのにこの人の数だから、この後はまだまだ増えるわよ。」



お母さんの運転で会場へと到着した私達。

そして車を停めるべく駐車場へ向かってたんだけど、その時に会場らしき建物の前を通ったらもの凄い新成人の人数にお母さんと2人、圧倒されちゃったんだ。

色とりどりの鮮やかな着物に刺繍模様。髪形も様々で髪飾りと相まって本当に綺麗なんだよね。

そんな女の子達とは対照的に男の子はスーツ派がやっぱり多いみたい。

それでも皆、ビシッと今日という日を決めてきているから格好良く見えるよね。




「じゃ、車はここに停めるわね。でも本当にもう大丈夫?」


「大丈夫だよ、お母さん。後は受付して話を聞いてくるだけだからね。それに何人かは同級生にも会えるだろうからさ·····。それよりもお母さんは本当に待ってるつもり??」


やっとの思いで空いてる場所を見つけて、そこへ車を停めたお母さん。

そしてそこからは「1人で行くよ」と言った私に心配してくれて、「途中まで付いていくよ」と言ってくれたけど、私はそれを断ったんだよね。

荷物もそんなにあるわけでもないし、式そのものは話を聞いてくるだけだからね。

それよりも私はお母さんの方を心配しちゃったよ。

だって、私の式が終わるまで待ってるっていうんだもん。


「だってねぇ〜·····ここ、車を移動させちゃったら迎えの時にまた苦労しそうなんだもの。このはも式の後は同級生達と話をしたりして直ぐには戻ってこないでしょうし······。だったら車をそのまま止めといて、私は少し歩いて出掛けてくるわ。幸いにして近くにいくつかお店があったから、いい時間潰しになるわよ。」


「まぁ···確かに今の時間でこの車の数だと、動かしちゃったらこの後に止めるのは苦労しそうだよね······。うん、分かった。気を付けて行ってきてね。」


「そういうこのはもよ?大丈夫だとは思うけど転ばないように気を付けて、何かあったら直ぐに電話しないさいね?」


「はーい。」


という訳で、お母さんはお母さんでこのまま時間潰しに近くのお店へと行くことになって、ここで一旦お別れ···とはならなかった。

だって外へ出る為には入って来た時の道を戻らないといけない訳だから、結果的には途中までは一緒なんだよね。

という事で途中まで、車の中から見たあの混み合ってる会場の前付近までは一緒に歩いて行くことにしたんだ。




  ーーーーーーーーーー




「見てみて!あの子! すっごく綺麗だよー!」

「しかも髪の毛が白いし···外国人さんなのかな?」

「私、あの子見たことあるよ! あの子、モデルをやってる子だよ。特徴的だから絶対に間違いないよ!!」

「「うっそーー!??」」

「マジで!?」


「ホントかよ······。どこの中学出身なんだろな?おい、お前声掛けに行ってみろよ?」

「えぇー?! ヤダよ····。しかも俺、英語苦手だし······。」



駐車場から木々の生い茂る公園の脇を通り、会場へと歩く私とお母さん。

車に乗ってる時は気づかなかったけど、こうしてゆっくり歩くと木々の向こうに水辺があったりテニスコート、運動場があるのが見えるんだよね。

私も全貌は知らないのだけど、もしかしたらここは運動をメインにした公園なのかもしれない。


そう思いつつ歩いて会場に近づくにつれて聞こえてくる、いつもの驚きの声。

でも、私もお母さんも対して気にしてなかったりするんだよね。

しいて言えばこの時期にニュースで見かける、少しやんちゃな新成人が絡んで来なければいいなーって思うくらいで······。



「お母さん、いつもありがとうね。感謝してるよ。」


「急に何よ?改まって??」


会場に近づくにつれてどんどんと賑やかになってきた中、私はお母さんにふと感謝を伝えたんだ。

そしてこれといった脈絡もなく言われたお母さんは、不思議そうな表情をしてる。


挿絵(By みてみん)


「ん~~·····何となく言いたくなっただけだよ。ただ···今の私があるのはお母さん達のお陰だから····ありがとうね。」


「そう?それはありがと。·····まぁ、私も貴女が生まれてきてくれて嬉しかったし、良かったよ。」


満更でもなく嬉しそうに、そして照れてるお母さん。

それは指で頬をかいてる珍しい姿をみれば、そうなんだなーっていうのが丸わかりなんだよね。

まぁ、私も日々感謝してるよ。

それにそういう気持ちもきちんと言葉に出してその都度伝えたりはしてるけど、向こうで新成人の子達が親子で写真を撮ってたりしてるのを目撃したら何となく言葉に出ちゃったんだよね。

成人式って人生の1つの節目なんて言われたりもするし、ここまで育ててくれた両親に感謝をする場でもあるからね。


「ねぇ、お母さん。」


「うん?」


「落ち着いたら、家族皆でどっかに食べに行こうよ? 私が奢ってあげるからさ。」


「食べに行くのは構わないけど、何も別にこのはが奢らなくてもいいのよ? そういうのはお父さんに出させればいいんだから······。」


「いいのいいの。私が出すのに意味があるんだから。それに偶にはいいでしょ?そういうのもね?」


「はいはい、分かったわ。このはの言うようにしましょう。······全く、こういう所は誰に似たのかしら·········。」


感謝の印って訳でもないけれど、何となくそうしたくなったのでお母さんにそう提案してみたの。

案の定、私が出す事に渋ってたお母さんだったけれど、最後には納得してくれたよね。


あと、誰に似たって?

それはお父さんとお母さん、両方にでしょ?って思う。

しいて言えばこの辺はお父さんかな?って思うけどね。

それにお母さんはどちらかと言うと葵と似たタイプだから、若い時は葵みたいな感じだったんじゃないかなーって思うんだ。


そんな両親がいて、私が生まれた。

そして見た目が全然違うという事や、雪ちゃん絡みで苦労や心配をもの凄くかけてしまったなとも思う。

それでも私を助けてくれて信じてくれて、そのお陰で今の私がここにいる。

この20年、本当にありがとう。

そんな気持ちでいっぱいだよ。





  ーーーーーーーー





「う〜〜ん···ダメだね、これは······。全然分からないや······。」


只今私は絶賛困り中。

何に困っているのかと言うと、それは同級生探しなんだ。


お母さんと別れた後、受付け開始まではまだ時間があったので誰か知ってる子がいないかな?と探そうとしたものの見事に分からないの。

だって皆、綺麗な振袖を来てメイクもばっちり、髪も結ったり盛ったりして普段とは全然違うもの。

また、私の思い出の中にある中学時代の皆の顔と、今の顔立ちがだかなり違う。

当たり前だよね。

中学の時は個人差はあれどまだ子供っぽい顔立ちをしてるけど、今はすっかり大人びた顔立ちに体型もかなり変わってるから。

だから見分けがつかないのもあるし、その上にこの人数が多過ぎて私には無理。


この人数が多いという事。

これは市内の各地域の新成人合同の式だから、参加人数が多いの。

私の住む地域の中学は1校だけだったけど、それでも約130人くらいだったんだよね。

それが平成の大合併というものでエリアが広がったから、人数そのものも増えた。

だから今回も1000人近くになるんじゃないのかな?なんて考えてるの。去年がそのくらいだったらしいから······。


そしてもう一つの私の認識不足。

これは私が中学2,3年生の時に殆ど学校に行かなかったから、同級生の顔や印象をあまり覚えてないんだよね。

妊娠が発覚して学校を休む様になって、2年生の1学期なんかは全く通えなかった。これはお腹が大きくなってきて直ぐにバレるのもあったのと、出産直後で身体的にテストすら行けなかったのもある。

2学期以降はテストのみ受けに行ってたけど、流石にそれだけだと同級生との思い出も何もないんだよね。


だから私に思い出としてあるのは、1年生の途中まで。

そして同級生の顔や名前とか、印象として思い出せるのもその辺りの事が中心になるんだよね。

それなのでここに来る前に卒業アルバムをひっぱり出してきて、同級生の名前や顔を再確認して当時の記憶を取り戻そうとしてきたのだけど·······。


無理だった······。

分かりません······。


仲良くしてた子達とかはきちんと覚えてたけど、あの時とは違ってすっかり大人びて化粧して綺麗に着飾った、この大人数の中からピンポイントで探し出すのは不可能に近かった。

そして当時は携帯も持ってなかったし、卒業アルバムにも住所等は載せてないから連絡とかも取れない&取ってなかった。

私が病気という名目で休んでたから、同じ町内といえど同級生達も気を遣ってたのもあるんだろうけどね······。



そんな理由から私から探すのは諦めて、逆に向こう側から見つけて貰う作戦に変更したんだ。

私のこの髪色は唯一無二の特徴で目立つから、覚えててくれれば直ぐに気付いてもらえると思うんだよね·····。

まぁ誰も覚えててくれてなかったら隅っこの方で座って、ただ話を聞いて帰るだけなんだけどさ······。




「あっ!いたいた!! おーーい!このはちゃーーん!!!」

「やっぱりこのはちゃんだ〜! ひっさしぶりーー!!」

「あー、やっぱりその綺麗な髪の毛は変わらないね! 元気だった??」


「あ···!?もしかして······?」


新成人で賑わう会場前広場の端の方でちょこんと静かにしてた私の元に、鮮やかな着物を着た女の子3人組が手を振りながら私の方に近づいて来たんだ。

おまけに私の名前まで呼んでくれてる······。


「久しぶりたね!このはちゃん!! 私達分かる??」


「うん。吉田由依ちゃんでしょ?それと······。」


私の前にやって来た女の子達は私の手を取ってぶんぶんと振るような勢いで再会を喜んでくれてる。

それも代わる代わるやるものだから、ちょっと緊張してた私も段々とそれが解れてきて、いい意味で普段の私に戻れたよね。

そして良く見てみれば、最初に手を握ってきてくれたのは私と仲の良かった吉田由依ちゃん······だと思う。


だと思う、というのは正直に言って少し自信がないんだよね······。

私の記憶の中の由依ちゃんと卒アル写真と、目の前の子が中々一致しなくて·····。

面影がありそうなんだけど、成人式特有の飾りやお化粧で分からなくて······でも、声が中学時代の由依ちゃんと重なるからきっとそうだと思う。

そしてそれは、残りの2人の子も同じで·······。


「ぴんぽーん♪当ったりー♪」

「さすが、このはちゃん。覚えててくれてありがとね!」


「いやいや······こっちこそ、私の事を覚えててくれてありがとうね。3年生の頃は殆ど学校に来れなかったのに、まさか覚えててくれてるとは夢にも思わなかったよ······。」


どうやら正解だったみたいで、凄く喜んでくれた由依ちゃん達。

またまた手を握って喜んでくれて、おまけにお礼まで言われたけど、お礼を言わないといけないのは私の方なんだよ。

最初の1年の2/3くらいしか学校に行かなかったのにも関わらず、覚えててくれたんだからね。


「このはちゃんの事を忘れるわけないじゃん!寧ろずっと心配してたんだからね······。もう身体の方は大丈夫なの?」

 

「そうだよ。このはちゃんといた1年生の時はとっても楽しかったし、その後はずっと心配してたんだからね······。」


「そうそう。私達だけじゃなくて、クラスの皆も心配してたからね····大丈夫なの?」


「うん。今はもう大丈夫だよ。元気にもなったし······心配してくれてありがとう······。そんなにも心配してくれてるとは思ってもなかったし、余裕も無かったから殆ど連絡も出来なくてごめんね······。」


「いいのいいの。それだけ大変だったんだろうから、気にしなくてもいいよ。」


「そうそう。普通のインフルとかだって辛いのに、それだけ長期の休みになると相当の物でしょ。私達の事より自分を第一優先にしないとダメだよ。」


「うん···本当にありがとう·····。」


本当に、本当に涙が出そうになるくらいに嬉しさが込み上げてくる。

当時もそして今も、本当の事が言えなくて連絡も取れなかった私を責めることなく、逆に私の事を心配してくれてる皆に······。

そして出来ることならこの場で本当の事を言いたいのだけど、それはまだ言えない······。

この後に式典が控えてるのも関係してるけど、それ以外にもまだ伝えたい人がいるから、その人に会えてから伝える事にしてるんだ。


「よかった···良かったね〜このはちゃん······。」


由依ちゃんが私を軽く抱きしめながら、背中をポンポンとしてくれた。

なんだか私がクラスの皆にしてあげてるのと逆のパターンたけど、これはこれで何だか不思議な感じがするよね。



「それにしても····このはちゃん、すっごく綺麗だねー♪」


「そうそう!昔も綺麗だったけどさ、今なんてもっと素敵だよ。」


「その髪も昔と変わらないし、寧ろ前より綺麗になってる??いいなぁ〜〜·····。」


「あははは······。それはどうもありがとう。でも、皆だって凄く素敵になってるよ。だから私、最初は誰が誰とか分からなくて半信半疑だったんだし·····。当たってよかったって思ったくらいなんだから······。」


「やっだー···このはちゃんったら!」

「ほんとほんと。お世辞が上手いんだからーもぅ···。」


「えぇーー?! そんな事ないのに〜······。」


3人とワーワー、キャーキャーしながら久しぶりの話をする私達。

その感じは数年間会わなかったというブランクを感じさせない様な、極自然な会話だったよね。

そして蘇る記憶。

昔、まだ私が妊娠する前まではこうして毎日楽しく話をしてたなって······。


あの頃はスマホをまだ持ってなかったし、仮に持ってても高校とは違い中学校はスマホの持ち込みが禁止だった。

だから休み時間ともなれば、皆で寄って話をしたりしながら過ごすと言うのが極普通だったんだよね。

今の高校でも休み時間は皆と話して過ごすことが多いけど、中にはスマホを触ってる子も沢山いるし。

だからスマホが禁止な分、クラスメイト達とのコミニケーションがとても重要で楽しい時間だったんだ······。



「そういえば······他の皆はどうしてるの?合流するの??」


私は気になってた事を尋ねてみたの。

由依ちゃん達は私をたまたま見つけてくれたけど、その時に3人揃って一緒に来てた事からお互いに連絡を取り合ってただろうというのは予想出来たからね。


「うん。私の方でもあと数人に連絡は入れてるよ。」

「私もだよ。麻美ちゃんと陽子ちゃん、陽菜ちゃんと樹ちゃんとは連絡とってるんだ。」

「私も主に3年の時のクラスメイトの子と連絡とってるよ。」


「おぉ〜♪ それはまた懐かしい名前だね·····。元気にしてるのかな····?」


「元気にしてるらしいよ? まぁ、私もそんなに会ってはないんたけど、やり取りしてる分には相変わらずって感じみたい。」


「そっか····。なら良かった······。」


懐かしい名前が出て来て嬉しくなる私。

まぁ·····私の事を覚えててくれてるのかそこに不安はあるけど、でも元気に過ごしてくれてると言うのは嬉しい事だよね。


「じゃあ、このはちゃん。場所を移動しよ?」


「場所? ああ···待ち合わせ場所に移動かな?」


「ピンポーン!当たり〜♪」

「こんなに混雑してるからさ、取り敢えず分かり易い所で合流しよ?って決めてあったんだよね。」

「単純であれだけど、会場入り口の看板の所で待ち合わせ予定なの。もう何人かは待ってるって。」


「あぁ、確かにそこなら分かりやすいよね。」


「でしょでしょ? じゃ、そーゆー事で早速行きましょー♪」


そう言うなり私の手を取って、待ち合わせ場所に行こうとする由依ちゃん達。

そんな彼女達の元気さに早くも振り回されそうな私だけども、中学時代もそうだったねって思い出しちゃった。


「うふふふふ♪」


「どうしたの?このはちゃん??」


「いや〜····、昔もこういう風に皆に手を引かれて、あっちこっちに行ったりしたなーって思い出してね。そうしたら今も変わらないからさ、懐かしくって笑っちゃった♪」


そうなんだよ···。

あの頃もこうして皆に引っ張られて、特別教室だとか体育館とかに行ったりしてたんだよね。

そしてそれは今現在の高校でも同じ様な事になってて、どちらでも同じ様な事をやってる光景に懐かしさと笑いが込み上げてきちゃったんだ。


「私達はそうそう変わらないよ。まぁ···多少は変わってる部分もあるけれど、でも基本的にはねぇ·····。」


「そうそう。それに今だから言うと、このはちゃんとこうしてるのは結構楽しかったんだよ。だから裏で皆と取り合いしてたんだから·····。」


「えっ!? そんな事してたの??全然気づかなかったよ······。」


「そりゃぁ、このはちゃんには気づかれない様にしてたからねー······。だから皆で順番を決めたりして代わる代わる握ったりしてたんだよ。いやぁ〜、懐かしい懐かしい······。」


まさかそんな事をしてただなんて······本当に知らなかったから驚きだよね。

確かに皆が握ってくるなーとは思ってはいたけどさ·····。


「だからね、このはちゃんが学校を休む様になって、皆、寂しがって心配してたんだよ。新学年になっても1学期中は1回も学校に来れてなかったし。」


「うん。」


「2学期以降も殆どは休みだったし、修学旅行とか体育祭なんかもぜんぶ休みで······。」


「で、そのままの感じで卒業になっちゃったから·····。でもそこまで来れないとなるとそれほど悪いのかな?って思ってさ、こっちからも中々連絡取れなくてねぇ······。」


「何だかんだで私達も高校生活とかその後の進学諸々で忙しかったり大変だったりもあったから、尚更ね······。でも、安心したよ。今日のこのはちゃん見てると、すっかり元気そうだもん!それにこんなに綺麗になっちゃってさ、嬉しいよ♪」


「ありがとう······。本当に······。」


皆の想いを聞いたらそれしか返せなくなっちゃった······。

こんなにも心配して貰えてたのと、皆の優しさに。

だからより一層皆に本当の事を話さないといけないなと、私は改めて誓うの。

それが例えどの様な結果を生むにしてもね。



「ほらほら、あそこで皆が待ってるよ? おーーい!」


由依ちゃんの指す方向、会場の入り口に式場をお知らせする大きな立て看板が設置されてるのだけど、その近くに女の子数人がこちらの方を見ながら手を振ってるのが見えた。

ただ残念ながら、私からは誰が誰だとはやっぱり分からないのが辛い所なんだよね······。



ゆっくりと階段を登って行く私達。

そして段々と近づいてくる、懐かしい同級生達。


「久しぶり〜♪ あっ!?もしてその子····このはちゃん!!?」

「このはちゃんだよね!? うわっ!懐かしい!! 」

「もう身体は大丈夫なの?? 良くなった???」


次々と私だと気が付いてくれて、気にかけてくれる皆。


「うん!もう、すっかり大丈夫になったよ。ありがとうね。そして心配掛けてごめんね。」


第一声が私の身体の事を気遣ってくれる皆だった。

そしてそれに応える私と、そんな私を微笑ましく見つめてる由依ちゃん達と······。



数年ぶりの再会と皆の優しさに触れて嬉しさと申し訳なさと。

様々な感情を心に感じて、私の最初で最後の成人式は幕を開けたのだった······。

服装について本当はもっと振袖らしいのをご用意したかったのですが、これが限界でした。


でも、着物系という事でイメージを感じで貰えたら嬉しいです。

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