ちょっと先の未来の出来事⑧ (挿絵有り)
「雪ちゃん、雪ちゃん!」
「ん? なーに?」
とある日の2時間目と3時間目授業の間の休み時間の出来事。
その時私は先程終わった授業の教科書類を片付けて、次の授業の教科書類を机の中から探してた所に、クラスメイトの友達に声を掛けられたんだ。
この時間の休み時間は、他の休み時間よりやや長い休み時間になってるから、お手洗いのお誘いかなー?って思ってたんだけど······。
「今日さ、午後から授業参観があるじゃん? それで、雪ちゃんのお母さんは来るの?」
「ママ···? うん、一応来る予定だけど、それがどうかしたの?」
「おぉ!来てくれるんだ。やった〜♪···じゃなくってね、皆で雪ちゃんのお母さんは来るのかなー?って話をしてたんだよ。」
「そうそう。前に会ったのって暫く前だからさ、次は何時だろうってね。」
「なんだ···そう言う話だったんだ。私てっきりお手洗いの誘いかなーって思ったんだけど?」
「あ、それもあるよ。取り敢えず行く?」
「あったんだ·····。うん、行っとく。ちょっと待っててね。」
なんだ······。
思ってたのと全然関係のない話だったよね。いや、そうでもなかったのかな?
だけど本題の方がママが来る?って話だし······。
取り敢えず私はささっと教材を準備する事にした。
だって友達あまり待たせてもいけないからね。それにいくら他の休み時間より多少長いとは言っても体感的にはやはり短いし、お手洗いも混雑具合によっては少し待たされるから尚更で。
「はい、お待たせ。じゃ、行こっか?」
「「「おっけー。」」」
席を立ち上がり皆に声を掛けて、ぞろぞろと向かう事にした。
そんなやりとりをいつもやってる私達だけど、こういうのは行きたい子がささっと行ってくればいいのになーなんて思うけど、口には出さないの。
誘ってくれるのは嬉しいのはあるけれど、トイレに皆で揃って行くのは不思議な光景だなって感じてる部分もあるから······。
「で?なんで私のママの事を聞いたの? 暫く前って言っても体育祭の時には会ったでしょ?」
「うん······まぁ···そうなんだけどさ······。」
歯切れの悪い私のお友達、愛ちゃん。
「あれだよ、雪ちゃん。」
「ん?」
「愛ちゃんはさ、何だかんだ理由をつけてるけど、ただ単に雪ちゃんのお母さんに会いたいだけなんだよ。」
「そーそー。憧れの人だもんねぇ〜。」
「あぁぁぁぁ······。雪ちゃんの前でソレを言わないで····。」
いきなり暴露されて顔を手で隠し紅くしてる愛ちゃん。
なにそれ?初聞きなんですけど??
「なんだったかなー·····ああ、あれだ!思い出した! 愛ちゃんはさ、入学の説明会の時に雪ちゃんとこのはさんを初めて見た側でしょ。それで衝撃を受けたらしいよ。」
「そうそう! 最初はお母さんの代理で来てるお姉さんなのかな?って思ってたらしいけど、入学式の時にまた一緒に来てるから「これはもしかしてお母さんなの!?」ってなって、後で聞いたらそうだったと·····。」
「あぁ·····。それは分かる。初見の人は皆そう思うよね。私たちも最初はそうだったし。」
いつもそうだけど、初見で私とママを親子と認識する人はまずいないの。
基本的には姉妹に見られて、双子の線もなくはないけど少ないかな。
髪の長さや背丈はほぼ同じくらいになったけど、顔つきがママと比べるとどうしても幼く見えてしまうからね。
「その点、私達は全然平気だよねー。小さい時から見てきてるから、それがもう普通になってるからね。」
「そうそう。幼い故にすんなりと受け入れられたから、愛ちゃん達と比べてショック度は少なかったよね。」
そう言うこの子達は、同じ小学校組なんだよね。
小さい時から知ってるが故に、大きくなった時に知った愛ちゃん達程の驚きはなかったんだ。
因みに愛ちゃんみたく、中学に入ってから私の事を知ったのは学年で約半数いるの。
それは私の通うこの中学は、町内を流れる川を挟んだ2地区の小学校の生徒が合流して通う学校だから。
その片方は私が通ってた小学校の生徒で、当然私とママの事は知ってる。
でももう片方は私をしっててもママまでは知らないから、中学に入ってから知ったって子が多いんだ。
だから、その時はかなり驚かれたよね······。
「もう·····雪ちゃんの前で話すなんて、ちょー恥ずかしいじゃん·····。」
「まぁまぁまぁ、愛ちゃん。憧れっていう点は私達も同じだから、全然へーきだよ!」
「そうそう!雪ちゃんのお母さんを見て何も思わないって事はまず無いから、そこは安心だよ。」
「それ···フォローになってる??····あ、空いた。私、行ってくるね。」
愛ちゃんが逃げるように空いた個室へと入っていった。
「あ〜ぁ···行っちゃった······。」
「行っちゃったって···元々お手洗いに行きたかったんでしょ?」
「うん。ま、そうなんだけどさ·····でも可愛いよね、愛ちゃん。」
「「うんうん。」」
反応が可愛いって思われてる愛ちゃんだけど、他の皆だって似たような感じになるじゃないとは心の中で思っておくだけに留めたの。
小学校から一緒の面々、私のクラスにはいないけど幼稚園から同じ子もいる。
けどその誰もが私のママに会えば、同じ様な反応をしてるんだからさ······。
私のママは昔から人を惹きつける不思議な魅力があった。
性別も年齢も問わず·····特にママと同世代やその下の世代は特にだよね。
身近な所では葵おねーちゃんや茜お姉ちゃん、従兄弟の風花ちゃんは昔からママ大好きっ子だった。
ママの元クラスメイトさん達もそういう感じだったし、幼稚園や小学校で一緒になった友達もママの事が好きそうだったし·····、いや、好きだったんだろうな·····。
だから愛ちゃんがそうなのも私は納得できるんだよね。
「あ。次、私行っていい?」
「「いいよー。」」
空きが出来た個室へ、順に入っていく私達。
今からこんな感じだと、午後からの授業参観はどうなるんだろう?と思わずにはいられない私だったの······。
ーーーーーーーーー
「いや〜······あと少しだねー。」
「ほんとほんと。午前の授業が長く感じたよ·····。」
「·····皆、なんだか嬉しそうだね?嫌じゃなかったりしないの??」
嬉しい、楽しみだって風に言う皆に、分かりきってはいたけど念の為に聞いてみたんだ。
だって普通は授業参観って嫌って思うって聞いたから。
「まぁ…うちの親が来るのは嫌だけどさ、でもそれ以上に雪ちゃんのお母さんが来じゃん。そっちの方が楽しみだからね!」
「そうそう。このはさんに会えるのは私も楽しみだし、嬉しいからねー♪ 自分の親なんてどうでもいいよ。」
「どうでもって·····。」
何とも酷い言い方を言う友達に、それじゃおばさんが可哀想だよと思ったけど、私からじゃ言えないよね·····。
「それにさ、雪ちゃんママが来ると先生が面白いじゃん! それもまた楽しみでさ!」
「ああ!それね!」
「分かる分かる!」
「そーそー。あからさまに態度が変わるよねー(笑)」
そこは私も同感だよ。
授業参観って普段の授業とはちょっと違う内容をやったりするんだよね。
小学校の頃は何かの作文発表や個人やグループで調べたりした事の発表をよくしてたなと思う。
勿論普通の授業もやったりもしたけど、何故かその時は先生が優しいと言うか、やたら丁寧なの。
それは大勢の保護者を目の前にしてるからだと小さい時は思ってたけど、今は違う。
何となくだけど男の先生は女性の保護者、特にママを意識してる様に感じるし、またママが先生をしてるのを知ってるから、その同業者に見られてる意識で緊張してる様にも見える。
それはあくまで私が見ていての感想だけど、でも恐らくそういう理由でいつもの先生と違う態度の先生が面白いって言うのを皆が分かっていて、それを楽しんでる部分もあるんだよね。
何だかんだで盛り上がって、お昼休みももう少しでお終い。
廊下がざわざわとしてきて、少しずつ保護者の方が来たんだなっていうのが嫌でも感じられる様になってきたの。
そしてそうなると当然クラスの皆もザワザワとして、少し落ち着きがなくなってくる。
そういう私も心の中ではソワソワとしてるけど、それは表に表さない様に努めたけどね。
「あっ! 雪ちゃんのお母さんが来たよー!」
「本当!?」
「おおーーー!!」
「やりぃ♪」
わざわざ廊下で見てたらしい子がママが来たのを見つけて、それをクラスの皆に報告して。
そんな事をしなくてもいいのになーって思うけど、それはそれでクラスの中が盛り上がる。
「このはさんってさ、やっぱり時間とかにはしっかりしてるよね。」
「うん。まぁ仕事柄って言うのもあるだろうけど、でも昔からそうだったからね〜。」
昔からやる事にはきちんと取り組むママ。
それは時間に対してもそうで、遅刻とかは不測の事態を除けば絶対にしない。
寝坊だってしないし、何事にも早め早めの行動を心掛けてる。
何処かに待ち合わせだとかそういうのに対しても、渋滞や電車の遅れとかを考慮して家を出る。
当たり前と言えばそうだけど、そういう当たり前が出来ない人もまた大勢いたりするからね。
だから今回の授業参観も開始前からきちっと来てくれてる。
教室の時計をチラッと見つめながら、こういう所もママの素敵な所、見習わないとって常々思うんだよね。
「でも、そう言うのが当たり前に出来るってやっぱりいいなって私は思うよって···来たよ♪」
「「「キャ〜〜〜♪」」」
「「「おぉ〜♪」」」
ママが教室に姿を現したその瞬間に、黄色い声がクラスの皆から飛び出した。
その光景はどこぞの有名人が姿を現した時と似てるよね······。
「こんにちは、皆。元気にしてる?」
「「「はい!」」」
「元気です♪」
「勉強もがんばってます!鈴宮先生!!」
「私もこの前のテスト、少し点数が上がったんですよ。」
「それは良かったね。でも、あまり無理はしちゃダメよ?体調を崩したら元も子もないから、程々にね?」
「「はい!」」
ごく普通に担任の先生が教室に入って来るノリで私のクラスへとやって来たママ。
そしてそれを普通に受け入れている、我がクラスの皆。
まぁ、ママはつい今さっきまでお仕事をしてた訳だからそういう雰囲気なのは分からなくはないけれど、皆のあの態度というか受け入れようが本当に可笑しくて、つい笑っちゃうんだよね。
ママが教室に入って来て最初こそキャーキャーしてたのが一転して、今度は勉強の報告会になったりしてるんだもん。
やれ点数が上がっただの、どうやったら出来る様になるのかな?なんて、ママに先生として報告をしたりアドバイスを貰ったりしてさ。
そういうのは私らの担任に教えてもらいなよって思いつつ…。
でもママはママでそんな皆に律儀に応えていくんだよね。
「相変わらずだよね〜、このはさんは。」
「うん。まぁでも、それがママらしいって言えばそうなんだけどね。でも、凛ちゃんは行かなくていいの?」
「私?私はいいかなー。聞きたい事とかあれば、雪ちゃん家に行けばいいんだし。」
「そりゃ、そうだね。」
皆が輪になってる所に加わらなくていいの?って聞けば、私の家に行けばいいって返してくる凛ちゃん。
まぁ確かにその通りなんだよね。
家が比較的近い距離だから自転車でもそんなに掛からずに来れる。
それに凛ちゃんはとは小学校からの付き合いだから、お互いのお家に遊びに行ったりしてる仲なんだよね。
「それにしても·····このはさんってスーツ姿も似合うよねー。凛々しくて格好いいし、私服姿もいいけどこれはこれでまたなかなか······あれ····仕事はどうしたんだろ??」
「う〜ん·····どうなんだろ? 詳しくは聞いてないから分からないけど····また戻るのか、午後休にしたのかな······?」
スーツ姿のママを見て、ふと不思議に感じたのか凛ちゃんがそんな事を聞いてくるけれど、正直言って私にもそこは分からないの。
「そっか〜·····。でも、そこまでして来てくれるんだから、雪ちゃん愛されてるよね〜♪」
「そ、そう?愛されてるかな?えへへへ·····♡」
隠してたつもりだったけど、そう言われちゃうと嬉しさとかが隠しきれなくなっちゃうよね。
皆に対して何だかんだ思ったりしてるけど、ママに対しても一番想ってるのは私だからね!
マザコンと言われると否定はしないけど、でも学校の中ではそれを出さないように冷静に務めてる。
でも、こうして言われるとどうしても嬉しさが込み上げてきて、隠せなくなるんだよね。
「はいはい。そろそろ戻っておいで、雪ちゃん。」
「あ、うん。ごめんごめん。」
パンパン♪と顔の前で軽く手を叩いて、私を戻してくれた凛ちゃん。
「でも、だいぶ増えてきたね。」
「そうだね。ざっと1/3くらい?」
見渡せば教室の後方にママを含む保護者の方が、揃い始めてきてた。
まだ全体の半分も満たない人数だけど、まだこれから増えて来るのかな?
「スーツ姿はうちのママくらいだね·····。他は皆、私服だ。」
「ま、大抵の人は予め休みをとってるんじゃないの?だからだよ。」
「そっか。」
そうだよね〜。
授業参観のお知らせそのものは何週間も前にお便りでお知らせしてある。だから大抵の人は、お仕事とかを予め休みを取ったりして来るよね。
そうなれば自ずと服装は私服になるし、わざわざスーツ姿でくるのは変だもんね。
そういうのを考えると、クラスの皆のお母さん達は服装に気合いが入ってはいるのは分かるし、私のママが仕事場から来たというのが直ぐに分かるよね。
ママの仕事柄、服装に関して私服がダメって事はない。
現に私の担任や学校の先生でも私服の人もいるし、スーツ姿の先生もいる。
多分その時々で使い分けてるのかな?って思うし、ママも恐らくそう。
私より先に家を出るけど、私服で行く時もあればスーツ姿の時もあるからね。
そんなママを見れば、うちのクラスメイトとの話は終わったみたいで今度は同じ保護者の方と話をしてるんだ。殆どは女性だけど。
何を話ししてるのか気になる所ではあるけれど、きっと来年の受験についてアレコレ聞かれてるのかなー?なんて思ったりしてる。
来年は私達も3年生で高校受験を迎えるからね。
クラスの中はまだそういう雰囲気にはこれっぽっちもなってないけど、親の立場からするとそうでもないのかな?なんて思うし。
それに現役の先生というママから話を聞いたり質問出来たりするという機会は、早々ないもんね。
受験の仕組みだとか、ママの勤務先の学校限定にはなるけどその学校の特色やその先の事。
親として聞けるなら聞いておきたい事だらけなんだろうなと、そうママ達を見てたら思ったんだ。
「あれ?凛ちゃんのお母さんはまだ来ないの?」
「うん。うちのお母さんはどうしても来れないって言ってたから来ないよ。私としては逆に助かるけどね♪」
「凛ちゃんがそれでいいなら、まぁいいんだろうけど······。」
後ろにいる保護者を見てて、凛ちゃんのお母さんがまだ来てない事に気がついて聞いてみたら、今日は来ないとの事。
それをまた嬉しそうに言うんだから、私としては何だか複雑な気持ちになるよね。
まぁ、大半の皆は親が来るのを恥ずかしがったり嫌がったりしてるのを知ってるけど、私はママが来てくれるのが嬉しく感じてるからね。
逆に来てくれなかったら悲しく感じる派だから······。
「でもでも、このはさんが来てくれてるから私としてはオッケーだよ。あ、ほら、手を振ってくれてるよ。」
「あ、ホントだ。」
凛ちゃんが小さく手を振ってくれてるママに気が付いて、それに2人で小さく手を振り返す。
そしてママも嬉しそうだ。
「やっぱ、このはさんはいいよねー♪あの姿もレアだけどさ、それよりもやっぱりお姉さんにしか見えん!」
「ほんとほんと。昔から変わんないよねー。」
「あの若さで中学生の母親だもんね······。うちのおかんとは偉い違いだよ。」
隣近所の席の子も話に加わって、また賑やかになるの。
話の内容はママ絡みになるのだけど、これはもう仕方ない事で皆も分かってはいるのに、どうしてもその手の話をしないと気が済まないらしいんだよね。
「雪ちゃん····このはさん、ちょーだい??」
「私にも〜。······あ、いや····私は義理の娘とかでもいいよ?そしたら雪ちゃんの妹かな?」
「どっちも無理に決まってるでしょ!? 全く······分かってて言ってるんだからたちが悪いよ·······。」
「「「あはははは·····。」」」
「それがいいんじゃない。それが皆の緊張も解れるあれになるからね。」
皆で冗談を言い合って、楽しくなる。
それが授業前でちょっと不謹慎かもしれないけれど、でも授業参観といういつもと違う状況ではいいのかなと思うよね。
皆の緊張も少しは解れるから、悪いことではないからね。
まぁそれに······仮に緊張しててもそんなのを吹き飛ばす様な物がこの後すぐに見れるんだから、これはあってもなくても結果的には大して変わらないのだけどね······。
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「これより授業を開始したいと思いますが、その前に保護者の皆様、本日はお忙しい中、授業参観にお越し頂きありがとうございます。今日はごく普通の授業を行い、普段のお子様の授業風景をご覧になって貰えたら嬉しいなと思います。また授業後は来年度についての事なども含めた懇談会もありますので、参加できる方は宜しくお願いします。」
授業前に担任の先生から保護者に向けて軽く挨拶が入って、それから授業が始まった。
この物言いもそうだし、今この黒板に書かれた字や話し方、態度。
その全部が普段の先生と違いすぎて、つい笑ってしまいたくなるけれど必死に堪えてるの。
そしてそれは皆も同じに感じてるみたいで、やっぱり何かを堪えてる様な感じだよね(笑)
ま、保護者の前というのがあるからよく見せたいって気持ちが出るのは分かるけどさ、それでもこれはねぇ〜って思うレベルだよ。
ただママ達はそれを知らないから、これが普通なのかな?って感じるかもしれないけどね······。
『授業参観』
親に見られているという環境。
普段と態度が違い、やたらと丁寧で優しい先生。
そんな緊張と共に笑いも堪えつつ普段とは変わった雰囲気の中、ゆる〜い授業は進んでいくのでした······。
ーー その後 ーー
「せんせー、可笑しかったねー!!」
「だよね! やったら丁寧で口調も変だし、あからさまに意識してるの丸わかり(笑)」
「分かる分かる。だからさ、最初可笑しくって、笑うの堪えてたよ。」
「あ、それ私もだよ!」
「私も!」「うちも!!」
「やっぱり皆もそうだったんだねぇ〜。何となくそんな空気になってたから、もしかしてそうなのかな?なんて感じてたけど······。」
諸々の事が終わった後、帰りのH.Rの待ち時間に皆で先程の授業参観の事で盛り上がるの。
その中でも特に先生の普段との違いが凄すぎて、それに対する笑い話だったりするんだけどね。
「いつもああだと、授業も楽でいいんだけどねー。」
「たしかに!」
「それは言えてる!!」
「「「「あはははは♪」」」」
良くも悪くも、皆の憂鬱にしてた授業参観も終わった。
そしてこれでこの中学での授業参観も、もうお終いなんだよね。
来年は受験が控えてるから三者面談やその手の説明会だとか、そういうのが中心になって行くから。
またその時も先生の雰囲気や態度の違いに笑いを堪えながら面談をするんだろうなーって、想像して密かに笑ってしまう私だった···。




