表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ママは女子高生♪  作者: 苺みるく


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

21/236

ある日の席替え① 高1(挿絵有り)

2023.10.23 加筆修正しました。

  ーーあるクラスメイト男子 視点ーー


今日は二学期が始まって2日目の朝。

普段は和気あいあいとしている教室が、いつもよりピリピリした緊張感に包まれていた。

理由は分かっている。

席替えがあるからだ。


たかが席替えで?なんて思うかもしれないが、ただの席替えじゃないんだよ、うちのクラスは。

その一番の原因である人は多分もうそろそろやって来るはず。

時計を見て確認すると、


「おはよー」


と、明るく元気に教室に入って来た。

そう、そのある人とは鈴宮このはさんなんだ。


挿絵(By みてみん)



鈴宮このはさん。

綺麗な白髪ロングヘアで赤い瞳、色白なんだけど健康的でスタイルも良くておまけに性格も良しときた、これで俺等と同い年?って思ってしまう女の子である。


俺もだけど男子はまだまだガキでゲームの話だったり漫画の話、裏じゃこそこそエロ話なんかもする。

つまりはバカである。


でも女子は違う。

昔から女の子の方が成長が早い、と言ったものだけど正しくその通りで。

個人差はあるが胸の大きな女子もいるし、腰などもくびれてて女の子と言うより()として見てしまう。

また中学時代と比べてスカートも短くしてるから色っぽく見えたりもするんだよな。

だけど、鈴宮さんと比較しちゃうとなんか違うんだよなー?

例えばだけど、鈴宮さんと同じ様な体型の子を並べても絶対に鈴宮さんの方が魅力的に見えてしまうんだよ。

髪色とか目の色とかの違いとかではなくてさ。

それが不思議でよく分かんねーんだよな。





で、そんな鈴宮さんと席替えの関係だが、事の始まりは入学式から1週間後のホームルームの時間だった。


「今日のHR(ホームルーム)は席替えをするぞー。」


と担任の一声で始まった。

え?いきなり?

なんて思ったものの、中学の時もやってたし今更か、なんて思い出した。



「席替えの説明な。やり方はくじ引きとする。この袋の中に番号札があるからそれと黒板の席番号を見て移動するように。」


説明しながら担任が黒板に席表を書いていく。

教卓があって席がある。

今の並びと変わらない席位置で、廊下側前から1番2番と続いてる表である。



「で、引く順番だか特にない。男女構わず自分の判断で引きに来ていいぞ。駆け引きが大事だぞ。低い確率で先に当たりを狙うか、残り物には福があるを信じて後にするか······。ここまでて質問はあるかー?」


なるほど〜と思う。同時にこれは難しいなとも。

やはり人気は後方の席だろうと俺は思う。

俺も出来ればそこがいい。

だが確率がなぁ······。

うちは40人いるから序盤は確率が低いだろう。

すると行くなら中盤辺りか?とは思うが、序盤から出ないともかぎらないからな。

状況を見極めつつ行かなくてはダメか。

うん······これは中々に難しいな。



そう考えていると1人質問者が出た。

質問したのは女子だった。


「はい!せんせー。このクジにはどういった意図があるんですか?」


「お!いい質問だな。まず、クジにしたのは男女問わず色んな子と隣になったりすることで仲良く慣れればいいなと思ってだ。体育祭とか文化祭もあるしな。」


「2つ目。これは先生も経験あるんだが前の席は不人気で後ろは人気だろ?運悪く前に当たるとやる気が落ちる。だからクジではあるが席替えは2ヶ月ごとにやろうと思う。2ヶ月頑張れば次はいい席が当たるかもしれんからな。」



うん。

先生なかなか分かってらっしゃる。

ハズレ引いても2ヶ月なら頑張れるな······寝ることは出来ないけど。


「ああ、あと女子かな?替えてみて前の席の男子が大きくて黒板が見えないとかあれば考慮するから、その時は言うようにな。」



「他に何かあるか?なければ始めるぞ~。」


いよいよかと思った時、「はい!先生!」と声があがった。

あれは鈴宮さん?


「どうした?鈴宮。」 


「あの······私、教卓の前の席がいいんですけど、いいでしょうか?」


「え?ここか??」


「はい。」



先生も驚いてる。もちろん俺もクラスの皆も。

だって教卓の前なんて一番嫌な席じゃん。

それがなんでまた······?



「鈴宮のこういう意見なんだが、教卓の前が鈴宮で何か不満とかあるやつはいるか?······まあ、いないよな。俺でも嫌な席だし。では、反対もないので鈴宮はここにする。ここの番号引いたやつはもう一回クジを引くように。じゃ、やるぞー」


始まった。ただこの時は嫌な席をとってくれてありがとう、鈴宮さん。ぐらいしかなかった。





さらに2ヶ月後の6月。2回目の席替え。

2ヶ月も経てばある程度の人となりも分かり、よく話すクラスメイトだとかグループだとかが、ぼちぼちと出来てくる。 

で、鈴宮さんだがやはり人気がある。

最初は容姿で目を惹いていたけど、人柄もいいって分かってきて女子にも人気。

男子は言わずもがな。


それにこれはある程度の人しか知らないが、あの時この教室で鈴宮さんが見せた微笑み、あれは凄かった。


挿絵(By みてみん)


あんな素敵な微笑みを見たら俺たち男子と、多分女子も虜になるぞ。

いや、もうなってるな······。

なので、今回は鈴宮さんの近くというポジションも捨てがたいな、と思ってしまう。

 



「今回も前回と同じでやるぞ。何があるか?」


「はい!先生。今回も出来たらここがいいです。」


先生も俺たちもまた「え?!」っとなる。

そこの席は一番嫌な場所だけども······。


「みんなは何が意見あるか?······ないな。じゃ、そこでいいぞ。でもいいのか?クジを引けば当たるかは分からんが、後ろとか行けるかもしれんぞ?それなのに······ちなみに理由聞いてもいいか?目は悪くないんだよな?」


うん。それは俺たちも気になる。

なんでそこがいいのかね?

マジ意味不明だよ。


「はい。目は悪くないです。ただ単にここだと先生の声もよく聞こえるし授業に集中しやすいのでここがいいんです。」 


素晴らしい模範的回答だ。

先生も感心してるし。




そして、今日の6時間目のHR(ホームルーム)の時間に3回目の席替えがある。

女子達の会話を聞いていると、今回も鈴宮さんはいつもの、教卓の前の席にしたいそうだ。

そうするとおそらく残りの半年もそこでほぼ決まりなのかな。


むむむむ······これは悩むな。

教室内を見てみると俺以外にも、男子も女子もほぼ全てのみんなが悩んでいるみたいだ。

当然だか後ろ、出来れば最後尾の席、または自分なら壁際が当たり。


だが、鈴宮さんの隣にもなりたい!


1学期の期間を通して彼女に惚れてしまっている俺がいる。

俺以外の男子もそうだ。

男同士で話をしていると、よく彼女の話題になったりするから分かりやすいんだよ。


そして意外なことに女子も彼女に惚れ込んでる?らしいんだ。

なんでも彼女と一緒にいると癒やされたり心が落ち着いたりして居心地が非常に良いんだとか。

あと、いい香りがするとも言ってたなぁ。

なんだ?いい香りって??



しかしな〜······。

あそこの席は教卓の真ん前だから嫌なんだよ。

それはみんなも同じハズ。

だから反対意見とかが出ない訳だしな。


鈴宮さんの隣や近くに座りたい。

けどその場所は教卓の前だからイヤ。

でも隣には······そんなジレンマにクラスみんなが嵌まっている······。




運命の3回目はもう間もなくだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ