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ママは女子高生♪  作者: 苺みるく


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207/234

ある日の文化祭②-5   高2(挿絵有り)

「きゃ~~♪見てみて! 鈴宮さんと手を繋いでる子! そっくりだよー!!」

「やっぱり親子だったんだね! 凄くそっくり!」

「それにすっつごく可愛いよ!! あんなに嬉しそうにしちゃってさー。」



葵から雪ちゃんを預かって、クラスメイトに無事引き継ぎをしてから文化祭を観て回る事にした私達。

そしていざ校舎内を歩いていると、すれ違う同級生をはじめとした在校生から黄色い声が飛んでくるの。


「すっごい反応だねー。」


「だよね〜。まぁそれだけ雪ちゃんが可愛いってのもあるけどさ、1番はそのインパクトだよね。自分達と同じ在校生が子持ちでしかも大きい。そしてそのママが男女問わず人気で、尚且つ美人で人柄も良いって言うこのはちゃんだからねぇ〜。」


「そうそう。1番そういう事と無縁そうな人がまさかのお母さんだった!!だもんね······。」


「もぅ···皆して私で遊ばないの。まぁ、インパクトと言う部分では分かってはいるけどさ。」


そう楽しそうにはしゃぐ皆だけど、気持ちは理解してるからこれと言った反応を返せないんだよね。

迷惑······という程ではないとは思うけど騒がしてしまってるのは分かってる。けど、だからってコソコソしたりするのはそれはそれで嫌だからね。

堂々と自信を持って、若くても立派にお母さんをやってるんだぞ!って言うのを私は見せたい。

その為の家事も勉強も体系維持だとか、様々な事を頑張ってきたんだから······。


「それはそうと······皆も行きたい所とかあったら気軽に言ってね? 私は雪ちゃんが入りたい所を入るけどさ、皆の気持ちも大事だからね。」


「「うん!」」

「ありがとねー、このはちゃん。」


去年もそうだっけど、私は雪ちゃんと一緒にいるから基本的には雪ちゃんの気になった所を入るつもりでいるんだ。

だけど入れ替わりはあるにせよ、茜ちゃんを含めた何人かと動いて回る予定だから皆の意見や気持ちも大事にしたいんだよね。


「でも私は正直言ってあまりないかな? 寧ろこのはちゃんと雪ちゃんと一緒に見て回るだけで満足だよ。」


「私もそんな感じかな。雪ちゃんを見てると心が和むし、おまけに普段と違ったこのはちゃんが見れそうで、そっちの方が楽しみなんだよね。」


「私もそんな感じ。」


「う〜〜ん···そっか······。了解。」


上から茜ちゃんにみっちゃんと途中で合流した皆。

結果的にはクラスの出し物はそこまで見たいのはなくて、寧ろ私と一緒にいる事の方が良いんだとか。

まー、茜ちゃんは私や雪ちゃんの事が好きで大切にしてくれてるから分かるんだけど、みっちゃん他みんなまでもそう言うとは思わなかったなって内心思ってるんだ。

確かに普段、一緒に活動してる事が多いけどね。



「ママぁ、あれやってみたい!」


「あれ?あぁ、射的かー。うん、いいよ。皆も大丈夫かな?」


「「大丈夫だよー。」」

「うん、おっけーおっけー。行ってみよー!」


「ありがとね、皆。じゃあ、雪ちゃん。遊んでみようか。」

「うん!」


在校生に色んな声を掛けられつつ廊下を歩いてて、工夫を凝らした多種多様な催し物をしている各クラスの中で雪ちゃんが見つけたのが『射的やってまーす!遊んでいってね!!』と書かれたクラスだった。

私達から見ればどれもOKだけど、子供である雪ちゃんからみるとやっぱり遊べる物のほうが喜ぶし興味を惹かれるよね。

そしてその雪ちゃんが興味を惹かれたクラスへ、皆の許可を取ってから入る事にした私達。


「こんにちはー。遊ばしてもらってもいいですか?」


「あ、いらっしゃいませ〜って、鈴宮さん?! それと···うわっ! 可愛い子がいるー!!?」

「いらっしゃいま······マジだ。本当にちっちゃい鈴宮さんだ! わぁぁ♪かっわいい〜〜♪♪♪」


挨拶をして教室の中へ足を踏み入れたら案の定というか、雪ちゃんに気が付いた女子生徒に囲まれた。

そしてやっぱりキャ~~♪って。


「みんな、ありがとね。でも、余り騒ぐと怖がっちゃうから程々でお願いします。···で、遊ばせて貰ってもいいですか?」


「あっ、はい! 大丈夫です!! では皆様でこちらへどうぞ。」


みんなのテンションが爆上がりしてしまって、私と雪ちゃんが囲まれてしまったんだよね。

でもそうなると私はまだ背がある方だからいいんだけど、流石に雪ちゃんから見ると怖いみたいで私にしがみついてる。

だから安心するようにと頭を撫でつつ、皆を諭して案内をお願いする事にしたんだ。


「結構本格的な作りだね。」

「そうだね。机を重ねて段を作って、布で整えてキレイに見せてし。」

「飾り付けもちょっとレトロっぽくて、私こういう雰囲気好きかも······。」


入口で『射的』と見てどういう作りにしたのかな?なんて考えてたけど、いざ入ってみたら本格的な作りなってて、皆で驚いてるんだ。

まず机と椅子は教室の後方、私達が使うロッカーが設置してあるんだけど、そこに固まって集めてあるの。

そしてその机の上にまた椅子を並べて乗せて2段にしてあって。

で、それだけだと使い物にならないから大きな布を使ってそれらを隠すのと同時に景品()を乗せる台として使ってるんだよね。

出店の射的だと3段とか4段とかで置いてあったりしてるけど、このクラスでも2段ではあるけれどそういった工夫をしてあるの。

なかなか考えたよね。


そして飾り付けも『射的』から和とか出店をイメージしたのか、教室内がその手の雰囲気で飾り付けてある。

手書きで和テイストのイラストを飾ってあったり、少しだけど提灯なんかも付けてあって。

みっちゃんじゃないけど、私も意外とこういう雰囲気は好き。



「では、説明をさせてもらいますね。」


「「「はい。」」」


「私達の射的は輪ゴムを使っての物になります。お一人様10回、コチラにある銃の中から好きなのを選んでゴムを引っ掛けて狙ってください。」


そう説明されて見せられた銃というは割り箸や厚紙?を使って加工した手作りの物。

形や大きさが全て違っていて、しかもそれが30個くらい並んでるんだよね。


「結構な数があるんだね。」

と、茜ちゃん。

私もそう思った。


「はい。私達のクラスメイト一人一人が試行錯誤をして作りました。だた上手く飛ぶかどうかは正直分からないので、使ってみてダメそうなら遠慮なく他のを使ってください。で、獲得は景品を倒すか輪ゴムの中に入れるかです。入れると言うのは、輪投げでの成功と同じだと思ってくれればOKです。あと全部外れてもお菓子を差し上げてますので、お気楽に挑んでみて下さい。」


「ご丁寧にありがとうございます。じゃあ、雪ちゃん。好きなのを選んでやってみようか。セットはママがやってあげるから、好きなのを狙っていいからね。」


「うん!がんばるー!!」


「いやん♪雪ちゃん。マジ可愛すぎる!」

「天使だよねぇ〜。頑張れ!雪ちゃん!!」


女子生徒の丁寧な説明のお陰でルールが分かった私達。

チャンスは10回で獲得方法も2通りあるというのが分かったのだけど、こういうのは難しいんだよねー。

手作りの銃は色んなタイプがあって交換は自由みたいだけど、勢いよく飛ぶようなら倒すのを狙うのもありだけど、よくあるコルク玉とは違ってゴムの場合は軌道とかそういうのが読めないからね。

そうするとふんわりとゴムに入れるのもありなのかな??


「ママ!ゆき、これでやるの!」


「はーい。じゃ、これに輪ゴムをセットして······はい。いいよ。よく狙ってね〜。」


「「「雪ちゃん、頑張ってー!」」」


皆の声援を受けて雪ちゃんが挑戦する。

そしてそれを見守る私達と、先程説明をしてくれたこのクラスの女子生徒達。


雪ちゃんが最初に選んだのは、割り箸で作ったオーソドックスな物。

先端に輪ゴムを引っ掛けて伸ばしてトリガーの所にかける。

トリガーを引くと輪ゴムが外れて飛ぶという仕組みの物で。


さぁ!頑張れ!!雪ちゃん!!






  ーーーーーーーーー




「雪ちゃん、美味しい?」


「うん♪美味しいよ、ママ。」


「そっか。なら良かった♪」


挿絵(By みてみん)


今、私達は日当たりの良い場所でお昼ご飯を食べてるの。

今日は秋晴れの良い天気で風もなくて、こうして日向にいるとポカポカとして凄く気持ちが良いんだ。

そんな中、周りを見渡すと私達と同じ様にお昼を食べてるの在校生もいれば一般の方達もいたりして、相変わらずの賑わいを見せてる。


「焼きそばが売ってて良かったよね、このはちゃん。」


「そうだね。売り切れが心配だったけど、少し早い時間に買ったからまだまだ余裕そうだったしね。」


もぐもぐと焼きそばを食べてる雪ちゃんを眺めながら、私もパンを食べるの。

一応文化祭のパンフには、調理部やその他いくつかが焼きそばを始めとした諸々を作って販売って書いてあったので、今日の雪ちゃんのお昼はこれと+αでいいかなって考えていたんだ。

それに広間で行われてる地元の方々による物販ペースでも食べ物は売ってるからね。


因みに私達は去年もそうだったけど、火を使った調理だとか食べ物系の提供は禁止されてるの。

ソフトドリンクとかポットで沸かしたお湯を使った珈琲や紅茶、個包装された菓子類とかの提供はOKだけどね。

これは火災とか衛生関係の事が色々と関係してて、調理部をメインとしていくつかの所しか許可はされてないんだ。

また場所も設備の整っている調理実習室という制限もあるからね。



そして私達在校生のお昼は持参という事になってるんだ。

今みたいに買って食べてはダメという訳では無いんだけど、出来たら一般のお客様に優先させましょうとい事になっててね。

だから私達はお昼をそれぞれ持ってきてる。


私は今日はパン。

雪ちゃんが来ると分かってはいたから、お弁当という選択肢もあったけど止めました。

それはこういうお祭りで食べ物系を買って食べるのって楽しいからって思ってるから。

出店が出るようなお祭りやイベント事程の種類がある訳ではないけれど、それでも買ってその場で食べるというのは嬉しくもなるし、雪ちゃんもそういうのが好きだからね。



「雪ちゃんも楽しんでくれてるみたいで良かったよね。」


「そうだね。体験型の出し物が結構あったから雪ちゃんも楽しめたみたいで安心したよ。」


校舎の中を見て歩いて、校庭の方も行って。

今年も前回と同様に結構な体験型の出し物があって楽しかったみたい

なんだよね。

校舎内だと私達を含めたミニゲームみたいなのもあれば、教室の出入り口2箇所を使った段ボール迷路。

真っ暗にしたドッキリ体験とか、多種多様な物があったんだ。

また校庭でもサッカー部や野球部などがストラックアウトとかボール入れだとか、それぞれ部の特徴を使ったものを展開していて、雪ちゃんもバッチリ楽しんできたんだ。



「でも、あれは面白かったねー。」


「あれって??」

「何々??なんの話?」


最初にいたみっちゃん達はそれぞれの部の方に行ったりクラスの方に行ったりで居なくって、今いるのは志保ちゃんと美紅ちゃんなんだよね。

だから茜ちゃんの言う、その話は知らないんだ。


「えーとね·····あれは最初に入った射的ゲームの事何だけとね······。」


そう切り出した茜ちゃん。

それはあの射的ゲーム後に起こった事なんだ。





〜回想〜



「ママァ〜♪見て見て!いっぱい取れた!!」


「雪ちゃん、凄じゃん! いっぱいだねー♪」

「ほんとほんと! 凄いよ、雪ちゃん!」

「上手だったね!」


「うん!!」


そう言って嬉しそうに見せてるく雪ちゃんの手の中には先程の射的でGETした景品が4つ程あるんだ。

チロルチョコ×2にフーセンガム、うまい棒。

もー、雪ちゃんは嬉しくてルンルン♪だよね。


まぁ、本当の事を話すと雪ちゃんが取れたのは1個だったんだけど、雪ちゃんにデレ甘になった例の女生徒さんがおまけをしてくれたんだよね。

ただくれた訳ではなくて、景品が輪ゴムに入ったって事にして。

それが私達からだと丸わかりだけど、雪ちゃんからは身長の関係で見えないから。

だらか雪ちゃん的には輪ゴムに入って取れた!って事になってるの。

私も向こうがそれでいいなら特に何も言わないけど、どちらも喜んでくれてるからいいのかな?



「ねぇ、雪ちゃん。」


「なーに?あかねおねーちゃん?」


教室を後にして再び歩き出した私達なんだけど、そこで茜ちゃんが雪ちゃんを呼び止めた。

雪ちゃんも私も皆も、一体なんだろう?ってはてな顔をしてるよね。


「私が取ったお菓子、雪ちゃんにあげるよ。」


「えっ?! いいの?」


「うん。とは言っても1個しか取れなかったけどね。」


「わあぁ〜♪ ありがとうー♪あかねおねーちゃん!!」


「「「!!!??」」」


茜ちゃんからお菓子が貰えたのがやたら嬉しかったのか、凄く可愛い笑顔で喜んで抱きついた雪ちゃん。

そしてそんな雪ちゃんを、しっかりと受け止める茜ちゃん。

こういう所は茜ちゃんの優しさとか思いやりとかが凄く感じられるんだよね。

それに短いけど、だけど確かな時間の触れ合いもあるから、その中で雪ちゃんの行動や感情の扱いとかそういうのを良く理解してくれてるんだよね。


「でも雪ちゃん。全部一気に食べると虫歯になるからママの言う事をよく聞いて、食べたらキチンと歯磨きをするんだよ?守れる?」


「うん!だいじょーぶ。ちゃんと歯をみがくよ!」


「おっけー。はい、コレ。どうぞ。」


「わーい♪ ありがとーー♪♪」


「良かったねー、雪ちゃん。」

「うん!」


「それと茜ちゃんもありがとね。折角の1個だったのに······。」


「ううん。いいんだよ。寧ろこういうのは雪ちゃんの方が喜ぶからさ。気にしないで。」


茜ちゃんにお礼を伝えて、気にしないでと茜ちゃん。

まぁ、こういうちっちゃいチョコレートやガムとか所謂駄菓子に入りそうなお菓子は大人も好きだけど、子供はもっと好きだもんね。

私達は何時でも買えるけど、雪ちゃんくらいの年齢ならまだお小遣いというのはあげてもいないだろうし、うちもそう。

一緒にお買い物に行った時に『◯◯円までね?』って言う感じで選ばせて買ってあげてるからさ。

だからこういうタイミングで貰えるというのは、子供にとって凄く嬉しいのかもしれないよね。



「ねぇねぇ、雪ちゃん。私のもあげるよ。」

「うん。私の、お姉ちゃんのもあげる。何日かに分けて少しずつ食べてね?」


「あ·····う、うん。いいの?」


「「いいよ、いいよ。」」


茜ちゃんに続いてみっちゃん達からもあげると申し出があって戸惑う雪ちゃん。

2人の顔を見て、続いて私の顔を見て。

私が頷いたのを確認してからみっちゃん達からお菓子を受け取ってた。


「ありがとー♪お姉ちゃん達。大事に食べるね!」


「は~い♪」

「うん。」


満面の笑顔で受け取ってお礼を伝えて。

そして······。


「ぐはっ! ヤバイ······。雪ちゃん天使過ぎる······。」

「流石はこのはちゃんの子。このはちゃんが女神なら雪ちゃんは天使だわ······。笑顔の破壊力が凄すぎる······。」

「やばい······。私もあんな子が欲しい······。」





   ーーーーーーーーー




「·······って、感じのやり取りがあったんだ。それで、みっちゃん達は雪ちゃんにメロメロにされちゃったの。」


「「「うわわわ········。」」」


「メロメロって····茜ちゃん······。」


もうちょっと違う言い方があるでしょ〜に·····。もぅ···。

まぁ確かにそういう部分もあるにはあったけどさ。

茜ちゃんの説明した面白い事というは、要はみっちゃん達が雪ちゃんを、更に好きになってくれた事だったんだ。

射的は難しくて輪ゴムだから狙ってもそこに飛ぶわけでもなく、勢いが落ちればふよふよふよと予想もつかない所へ落ちる。

結果的には私達も1個取れれば良い方で、私なんて取れなかったから参加賞を貰っただけだった。


そして取れたそれを茜ちゃんが雪ちゃんにあげたのをキッカケに、みっちゃん達も雪ちゃんへプレゼントするという流れになって喜んだ雪ちゃんに······という事なんだ。

 


「私達もその笑顔を見てみたかったなぁー。」

「ね〜。また見せてくれないかな??」


「う〜〜ん······どうだろう?ニコニコ自体はしてるとは思うけど······。

。」


その笑顔を見てみたいと言う志保ちゃん達のその願いが叶うかは正直分からない。

私と一緒なら比較的ニコニコしてる雪ちゃんではあるけれど、あの手の笑顔はまた別物だからね。


「美紅?志保ちゃん? いい?雪ちゃんのあの笑顔は見たらダメなんだよ!」


「「えっ?!」」


指をビシッと立てて、そう断言する茜ちゃん。


「いい? 雪ちゃんは子供でまだ小さいと言っても、このはちゃんそのものなの。大きく······そうだね···あと10年するかしないかくらいで今のこのはちゃんそのままになる。これはもう約束されてる。」


「「う···うん。」」


「そんな雪ちゃんから発せられる笑顔とかそういうのは、幼いと言ってもこのはちゃんと同質なの。だからこのはちゃんに弱い私達なら雪ちゃんでも同じ事か起こるんだよ。このはちゃんは大人で優しいから受け止めてくれるけど、雪ちゃんはそうもいかないでしょ。だから絶対にダメ! 雪ちゃんは守らなくちゃいけないの!!」


「わ、分かった·····。」

「うん···。」

「ど···どうしたの?茜ちゃん??」


普段のほのぼのとした茜ちゃんとは違う、はっきりと強い物腰でそう言う茜ちゃんに驚く私達。


「だって雪ちゃん本当に可愛いもの。だからあんな可愛い笑顔なんて見たら皆が夢中になっちゃうのは分かるんだよね。今、普通に雪ちゃんに会うだけでもそうなんだから······。だから守らないとって余計に思うの。まぁ·····私が偉そうに言えた口じゃないんだけどね······。」


最後は元の口調&雰囲気に戻って話す茜ちゃん。

うん!やっぱりこっちの方が普通にいいよね。

そう思う私だった。


でもあんな風に言ってくれるなんて思わなかったな。

普段会うときでも優しく相手してくれる子で安心して見ていられたけど、お姉さんの所にも赤ちゃんがいるって言うから、そういうところからでも影響されてるんだろうなとは思う。

ま、最後のあれは私に対しての事を言ってるんだと思うけどね······。


今は落ち着いてきてるけど、最初の頃はよく甘えてたりとかしてたからね。

よくくっついて喜んだり泣いたり······私はそれでも全然気にしてなかったけど。


「ありがとね、茜ちゃん。雪ちゃんのこと、気にしてくれて。」


「ううん。それよりごめんなさい。私の方こそ言いすぎかなーって思っちゃった。」


「そんな事な「あかねおねーちゃん!」ん?」


「なーに?どうしたの?雪ちゃん??」


今まで焼きそば&食後のお菓子を食べてた雪ちゃんが、茜ちゃんに声を掛けた。

スカートをつんつんと引っ張りながら茜ちゃんの顔を見上げて。


「ゆきねー、あかねおねーちゃん好きだから大丈夫だよー。」


「「!!??」」

「そっ···そう?それはありがとね♪私も雪ちゃんの事、好きだよ。ままた一緒に遊ぼうね?」


「うん!」



不意を突かれて照れる茜ちゃんと、不意打ちという形で雪ちゃんの笑顔をみてしまった志保ちゃんと美紅ちゃん。

3人とも照れたりポカーンとしたりと三者三様の仕草を見てせくれてこの後の賑わいを予感させてくれる、そんなお昼休憩の出来事だった。

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