ある日の小学校①-2 高2(挿絵有り)
キーンコーンカーンコーン······♪
「では、今日の授業はここまでとする。この範囲の所はテストに出るからしっかりと復習をしとく様にな?」
「「「「はーーい。」」」」
「起立!」
ガタガタガタ······。
「礼!」
「「「「「「「ありがとうございました!!」」」」」」」
授業の終わりを知らせるチャイムがして、それに合わせて先生が授業を終わりにしてくれた。
ご丁寧にお土産もくれて、これを皆がテストまでにしっかり覚えていてくれればいいんだけ、まぁ私が覚えていれば問題ないね。
そう思いつつ挨拶をして4時間目の授業が終わった。
「おーし!お昼だー!食べるぞー!!」
そんな男の子の嬉しそうで賑やかな声と共に活気が漲る教室。
学生にとっては、この時間がとても大切で一番好きな時間でもあるからね〜と思いつつ、私は帰りの支度をするんだ。
これから家へ一旦帰って、着替えて軽くお昼を食べた後に雪ちゃんをお迎えに行かないといけないからね。
「このはちゃん、お疲れ様。気を付けて行ってきてね。」
「うん、ありがとうね。それと、何か連絡事項があったら手間だけどお願いします。」
「うん!そこは大丈夫だよ。そんな大した手間でもないからね!」
改めて茜ちゃんに連絡事があった場合の連絡をお願いをして、そのお礼も伝えたの。
大丈夫だよとは言ってくれてるけど、手間をかけてしまうのには変わりはないからね。
「じゃ、行ってくるね〜。またね、みんな。」
「「「このはちゃん、まったねー!」」」
「気をつけてねー。」
「雪ちゃんにも宜しくね〜♪」
皆に見送られてそそくさと教室を後にする私。
時間的には余裕はあるけれど、それでも余裕を持って向かいたいのには違いないからね。
着替えてお昼を食べて、迎えに行ってからそのまま小学校へと。
する事は複雑ではないけど移動時間がそれなりにかかってしまうから、どうしても時間には敏感になるよね。
ーー茜ちゃん 視点ーー
「このはちゃん、行っちゃったね〜。」
「そうだね。」
このはちゃんが早退して寂しくなったお昼休みだけど、それでもいつもと変わらずに皆で輪になってご飯を食べてるんだ。
まぁそこで空席になったこのはちゃんの席をどうするか?で話し合いをしたけど、今回はそのまま空席にしたんだよね。
それがある意味では揉めないからさ。
「朝も言ったけどさ、ああいう事をリアルで聞くとお母さんやってるんだなって改めて思うよね。」
「確かにそうだよね······。パッと見て子供がいるなんて思わない若さとプロポーションしてるからねぇ······。」
「ほんとほんと。」
「それに制服姿も違和感ないから、どうみても女子高生にしか見えないし。」
皆が言うように本当にそう見えるんだから、このはちゃんは凄いんだよ。
実際に去年の入学してから文化祭まで、出会ってから約半年間でこのはちゃんに子供がいるって気づいた人は皆無だったからね。
雪ちゃんがいるという事をほのめかす様な言葉を言ってなかったのもあるけれどさ、それ以前に子供を産みました、育ててますっていう体型とかをしてないんだもん。
それだけ経産婦とは見えない抜群のスタイルをしてたから······。
「ねぇ?」
「うん?」
「どうしたん??」
「競うわけじゃないけど、うちらの中でさ誰が1番に結婚するかな?」
「「えぇぇ〜〜!?」」
「結婚!?」
何を思ったのか彩ちゃんがいきなりそんな事を言ってきた。
「前々から感じてはいたけど、このはちゃんを見てると親になるっていいなーって思うわけよ? 勿論それ以上に苦労とか大変な事が沢山あるのは自分の親を見て知ってるけど、それでもねー······。」
それは私も分かるよ。
だって私のお姉ちゃんが正しくそれだからね。
妊娠の悪阻で苦しむ姿、産んだ後もギャンギャン泣く赤ちゃんに困惑して戸惑い、疲弊して······。そんな大変な思いをしてたからね······。
でもそれ以上に幸せそうな顔をしてる時もあるから、いいよね〜って私も思うんだ。
「気持ちは分かるけどさー······、当分先じゃない?」
「私もそう思うかな?当面は彼氏作る気はないしさ、30くらいまでに結婚出来ればいいかなー、なんて思ってるけど······。」
「私はいい人と出会えれば早くてもいいかな?って思うけど、でもやっぱり自分の仕事とか生活が安定してからが理想かな?もしくは貯金をある程度蓄えてからとか??」
「おぉ······。結構皆、しっかり考えてるんだねぇ〜。」
それは同感です。
前に志保ちゃんがそんな事を言ってた気がしたけど、皆もそういう風に言うとは私も思わなかったな。
中には「早く彼氏欲しい〜〜!」って言う子もいるかな?とは思ってたけど、蓋を開けてみればそうでもないし······。
興味とか憧れはあっても、別に急いだりはしないみたいだね。
「でも······結婚とかはわからなくても、茜は結構いいお母さんになれるんじゃないかな?」
「えっ?! いきなり何を言うかな?美紅は······。」
「あー······確かに······私もそれはそう思うな。」
「うん、それはわかる気がする!」
「ちょっとぉ〜······皆まで·······。なんで??」
美紅がいきなり変な事を言ってきて、それに皆まで賛同する始末だよ·····。
まぁ、そう言われるのは嬉しいけどさ〜······。
「だって茜ってば料理上手じゃない。林間の時の教え方とかさ、あれ結構わかり易かったよ。ああいうのって、自分がきちんと料理できないと教えられないでしょ?」
「そうそう。私もそう思ったの。」
「茜ちゃんが家事をしてるのは知ってるけど、あそこまで上手だとは皆、思わなかったんだよー。」
「··········」
「それに······雪ちゃんも茜には結構懐いてるでしょ?私も妹がいるから分かるんだけど、子供ってさ感覚が敏感なんだよね。だから雰囲気とかで懐く懐かないとかもあるからさ、そういう点では茜って凄くいいと私は思うんだよ。」
「そ、そっか······。ありがとう、美紅······。」
「キャ〜♪茜ちゃん照れてる〜♡」
「可愛いー♪」
「顔、真っ赤っ赤だよ〜(*´艸`*)」
美紅のあまりの真剣で真面目な言葉に、思わず赤面してまった私。
そしてそんな私を皆が茶化してくるし······。
「ま、まあ、私も皆と一緒で結婚はまだ先でも、いつかはって想いはあるよ。」
「「「「おおっ!!」」」」
「······それはやっぱり、このはちゃんの影響なの?」
「それも1つの理由かな? 後は······皆にも話したけど、私ってお母さんを亡くしてるじゃない。 だから、父母子供っていう家族を持ちたいなって言う憧れとか、そういうのを持ってるの。勿論、私が子供を残して先に死んじゃったらどうしよう?っていう、怖さとかもあるけどね······。」
「あかね······。」
「「「「茜ちゃん······。」」」」
お母さんを早くに亡くした私。
今まではそんな気持ちを微塵も思う余裕はなかったけど、このはちゃんのお陰で私は随分と救われたし変われたの。
そうしたら今まで見えてなかった世界が見えて来て、そこにこのはちゃんと雪ちゃんがいた。
優しくて慈愛に満ちた、このはちゃん。
そんなこのはちゃんが大好きで甘える雪ちゃん。
私が子供の頃に憧れてた光景がそこにあって、いいなーって思ったの。
そしてこのはちゃんの家族。
温かくて明るくて楽しい空間。
それを目の当たりにして、そういう風な素敵な家庭を私も築けたらなって思ったんだよね。
そういう想いをこのはちゃんには伝えてあるし、応援もしてくれた。
ハードルは高いけど、私の叶えたい夢の1つ。それがこれ。
ガタッ! スタスタ·····
「「「うん?」」」
「どうしたの?美紅ちゃん?いきなり立ち上がって??」
話の途中でいきなり美紅が立ち上がったんだよね。
皆して驚いて、お手洗いかな?なんて一瞬思ったけど食事中だから流石にそれはないなーとなったんだけど······。
ギュッ······
「むぐっ!!??」
「もー······、茜ったら何でこんなに可愛いのよ〜〜♪このはちゃんじゃないけど、私までハグしたくなっちゃったじゃない!!」
「むーむーむーむぅ〜······。」
ジタバタと藻掻く私。
だっていきなり美紅にハグをされたんだもん!
頭の回転が追いつかずに、ただ必死に藻掻いたよ!
「ちょっ····ちょっと!美紅ちゃん!? 茜ちゃんが苦しんでるってば!!」
「ストップ!ストップ!! 茜が倒れちゃうってば!」
「あぁ······茜、ごめんごめん! 可愛すぎてつい······。」
「はぁ····はぁ····はぁ·······。い···いいよ······取り敢えず許すから·····でも·····次はやめて? 流石に恥ずかしいよ·······。」
皆が必死に美紅を止めてくれたから、なんとか保健室送りは避けられた私······。
いやー·····これは危なかったよ······。
突然の事もあったけど、美紅ってば力が強いから苦しいのなんのって·······。
このはちゃんはこの辺りは絶妙な力加減で抱きしめてくれるから凄く居心地が良いのに、美紅のこれは拷問だね!力が強いだけに。
まぁ、それは言わないけど·····。
「ほんと、ごめんね。茜。次からは気を付けるけど······それよりも恥ずかしいって何よ? そりゃー、私はこのはちゃんよりは小さいから抱き心地は悪いだろうけど、恥ずかしいはないっしょ?」
「あれだけこのはちゃんにはハグするのに、今更なの?茜ちゃん??」
········なにこれ?
何か分からないけど私が責められてる?
「いや·····このはちゃんはもう慣れっこだからいいんだよ。皆にも話したけど、私はこのはちゃんの事を大好きだからさ、甘える事に抵抗感がなくなったっていうかそんな感じ?えへへへへ······♡」
「うわぁ·····。また可愛い笑顔·····。」
「うん。しかも惚けてるよ、この子·····。」
「私達もこのはちゃんの事は好きだけどさー、茜ちゃんはどんだけ?って感じよねー?」
「ほんとほんと······。バカップルって感じかなー?茜だけ。」
皆が「どんだけ?」とか「バカップル」っとかって言ってるけど、私は気にしないで惚けてしまったんだ。
それは夏休みのあの時の事を、また思い出してしまったから。
このはちゃんに私の気持ちを伝えて、それにこのはちゃんも応えてくれた事。
同性であるから恋人にはなれないけど、限りなくそれに近いお友達。
私の持ってたコンプレックス。でもそれは、このはちゃんも同じだった。
だけどこのはちゃんはその事を気にしてなくて、寧ろ受け入れてるから私も受け入れた。
だからもうそれは私にとっては恥ずかしくはないし、このはちゃんと同じだって知れて、逆に喜んだくらいだからね。
私を支えて救っくてくれて守る言ってくれて、ずっと仲良く過ごそうねって言ってくれて······。
だからこのはちゃんに甘えたりくっついたりするに、抵抗感というものは殆ど感じないんだ。
時と場所はこのはちゃんの迷惑にならないように、きちんと考えるけどね。
バカップル?上等だよ♪
今はこれが幸せだから、いーーっぱい満喫するの♡
「でもさ、このはちゃんに対しては良くても、私で恥ずかしいは無いんじゃないかなぁ?私と茜の中じゃん?」
美紅がまだ納得いかないような感じで聞いてくるね。
「ん~~······、説明が難しいけど、何て言うんだろ?? 美紅も皆もこのはちゃんに抱きついたりするけど、あまり恥ずかしくはないでしょ?寧ろもっと抱きついていたいとか思ったりとかさ······。」
「うん。それはあるね。」
「確かに。このはちゃんのアレは格別だからねー。」
「そーそー。あれを味わっちゃうと、もう逃れられないよね。」
皆が各々に頷きながら語ってくれる。
如何にこのはちゃんのアレがいいのかを、身を持って体験して虜になってる皆だからね。
そして咲夜ちゃんも顔を紅くして·······。
「そんなハグをさ、他の誰かにして貰うことが出来る?」
「「「「···········」」」」
「「「無理!」」」
「恥ずかい!」
「でしょ?それなんだよ。理屈は分からないけどさ、このはちゃんだから抵抗なく受け入れられてるのであって、それが他の誰かになったら羞恥心が出てくるんだよねー。だから、美紅のアレもそういう感じなの。決して嫌いとかイヤとかじゃないんだよ。ごめんね。」
「ううん。私も理解出来たからいいよ。寧ろいきなり抱きしめちゃってごめんね······。確かにあれは、このはちゃんだからいいのであって、他の誰かだったら恥ずかしくなるよね······。」
何とか美紅にも伝わった。
決して嫌いとかじゃないって事を。
皆も理解してくれたから、これはこれでもう大丈夫かな?とは思うかな。
ただ最近は美紅がいきなり何かをしてくる事が度々あるから、気を付けないといけないんだけどね。
気を取り直して食事を再開です。
このはちゃんは不在だけど、これはこれで面白可笑しいお昼休みにはなったよね。
「ねぇ、茜ちゃん?」
「なーに?彩ちゃん??」
「このはちゃんと美紅ちゃん。どっちが良かった??」
「「ブハッ!?」」
ゴホッ!ゴホッ····ゴホ······
「ちょ····ちょっと彩ちゃん!?何をいきなり言うかな? 別にそんな事もういいじゃない?! 茜も答えなくていいからね!」
彩ちゃんがいきなり変な事を聞いてきたから、美紅と一緒になってむせってしまったよね。
そして復帰した美紅も、やたらと焦ってるしさ······。
「えぇ〜? だって最初、美紅ちゃんも抱き心地がどうのって気にしてたじゃん? だから気になったんだよ?」
「あー······、確かに言ってたかも??」
言われみれば、確かにそんな事を言ってた様な気がしなくもない。
ただ、どうしようかな?
美紅からは答えなくてもいいって、さっき言われたけど·······。
「抱き心地に関しては、このはちゃんの方が上かな。だって······あのボリュームには勝てないよ。」
「ぐはっ······。」
「うん!確かにあれには私達の誰でも勝てないね!」
「だね!」
「あの大きさにして、あの張り具合だからねー。比べちゃいけないよね。」
皆も体験してるから、納得の理由です。
それ以外にも皆は正体が分かってない、このはちゃん独自の香り。
凄く安らぐ香りでいい匂いなんだよね。
ハグされないと分からないレベルの香りなんだけど、それプラス、温もりや安心感が感じられるから、他の誰かじゃ対抗すらならないの。
「後は·····力、入れ過ぎだよ、美紅。 苦しかったんだからね·······。」
「ううぅぅ·······。」
答えなくていいって言われたけど、答えちゃった。
それはさっき恥ずかしい思いをしたのと苦しかったのと。
あとは林間のお風呂での出来事もあったから······。
そのちょっとした仕返しだよ♪
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「なぁなぁなぁ·······。俺等は一体何を見せられてるんだ?」
「さぁ?」
「分からん!!」
「只言えることは、あれは尊い光景だということだな!」
「そうだな! まさか創作の中でしかないような百合な光景が、またリアルで見れるとは思わなかったよ·····。」
俺等の目の前で広がる女子達の仲の良い光景を目の当たりにして、一緒に飯を食ってるヤロー共に尋ねてみたものの、返ってきた答えはそんなものばかりで······。
一部変な意見もあったが、まぁ年頃の男子なんてそんな物だよなーとスルーしていく俺。
でも、本当にうちらの女子達は仲の良い事で······。
当初は鈴宮さんが早退という事でどうなるか心配もしてたけど、そんなのは必要なかった。
仲良くお昼を食べだしてキャッキャして、何故か知らんが諸貫さんが突然抱きしめられて、美紅さんの背中をバシバシ叩いて苦しがってるんだよなー。
「あのバグって、高木さん(美紅ちゃんの苗字)より鈴宮さんの方が気持ちよいらしいぞ?」
「らしいな······。」
「ああ······。」
「なんでも胸のボリュームには勝てんらしい······。」
「胸·····。確かに鈴宮さん大きいもんな〜。」
女子も会話を特に隠そうともしてないから、基本的には聞こえるだよな、話が。
ほんとうに不味い話とかそういうのは隠してはいるけどさ······。
こういう所も鈴宮さんの影響かな?なんて、考えてもみたりする。
「胸といえば、諸貫さんも大きいよな。身長とは裏腹に······。」
「そうなんだよ。確かに大きいよな。うちのクラスだとベスト3くらいか?ハッキリとは分からんけど。」
「しかもさ、2学期になってから更に可愛くなったんじゃね?前々から可愛かったけど、夏休み明けから随分と変わったっていうか······。」
「ああ、それ分かるー!」
「俺もそれ、薄々感じてたわ!」
話は段々と諸貫さんの話へとシフトしていった。
胸がどーのこーのとか、可愛さが増したとか。
まぁ······胸に関しては大きいとは思うけど、よくは分からん。けど、可愛さはついては確かに増してるんだよな。
さっきチラッと見えたあの笑顔も、以前には見られなかったからなぁ······。
「やっぱり夏休みに何かあったのかねぇ〜?」
「かもしれんし、じゃないのかもしれないけど······俺等にはわからんよ。」
皆が言うように何かあって変化したのなら、それは夏休みしか思い浮かばないけど、真相は分からない。だけど······。
「うちの親父の持って漫画にあったんだけど、あれかな??」
「「あれって??」」
皆が食いついた。
「女の子が好きな男とくっついて大人の階段を上がる······みたい話なんだよ。そんで内面からも素敵になるって話なんだけど······。」
「大人の階段って······アレか?」
「アレ······だよなー?」
「アレしかないよな??」
結構オブラートに包んで話たつもりだけど、何となく察したらしい。
さすが年頃の男子だわ。
「でも······ないな!」
「あぁ、ないね!」
「諸貫さんに限ってはそれはない!!」
あっさりと否定された。
そりゃ〜、俺だってそんなのは分かってたさ。だけど話の流れ的にそういう可能性もあるんじゃね?みたいな感じて言っただけなんだよ·····。
「だよなー·····。俺も諸貫さんと男の噂とかって、全く聞いたことないからな。部活を辞めたのも驚いたけどさ、それも特に何もなく以後もそれっきりだしさ。」
謎が謎を呼ぶ、あの変化の理由······。
結局は俺等も女子も誰も分からずに卒業を迎える事になるんだけど、それはまだ先のお話······。
ーおまけー
「でも······結婚とか子供は欲しいような事は言ってたな。」
「ああ。言ってた言ってた。」
「しかも女子いわく、料理も家事も出来るらしいじゃん?」
「らしいね。」
これは林間学校の時に判明した事。
諸貫さんは料理を教えるのが上手だった。なんでも彼女の家庭事情で、家の家事は全て彼女が担ってるそうなんだそうだ。
まぁ······母親を亡くしてるからそうせざるを得なかったんだろうけど、俺等と同い年の子が家の全てをしてるというのは凄い事だよなーと思ってしまう。
「それでいて勉強も何気に出来るし、鈴宮さんの娘さんにも懐かれてるんだろ?胸も大きくってさ······、これって背を小さくした鈴宮さんみたいなもんだよな?」
「「ああぁ〜·······。」」
「言われればそうだな······。小さい鈴宮さんだわ。髪と目の色が違うだけで、それ以外は似てるよな。」
気付いてしまった。
鈴宮さんと諸貫さんが、外見以外で意外と似てると言う事に。
「という事は······将来、彼女と結婚する男は幸せ者だな······。」
·········言わなくてもいい事を、知りたくもない事を言う我が友人。
そりゃそうだろうよ。
鈴宮さんに似て、今の若さで料理や家事が出来て、子供に懐かれる優しさを持ってて、おまけに可愛いと来た。(隠れ巨乳も······。)
本人にその気がある以上は、いずれは結婚するんだろうからなぁ······。
向こうの女子の輪の中で笑ってる彼女を見つめながら、複雑な心境になる俺だった·········。




