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ママは女子高生♪  作者: 苺みるく


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189/240

ある日の林間学校①-5 20歳高2(挿絵有り)

「おぉーー! ずっごーい!!」


「うん!これは凄いね!絶景だわ!!」


「ああー·····頑張って良かったよ〜·····。ありがとねー、このはちゃん、みんな······。」



みんなが思い思いに口にする、その光景。

それは頑張って歩いてきた者のみが見ることが出来る、そんな素敵な光景が私達の眼の前に広がっていた。






  ーーーーーーーー




私達がお互いに励ましつつ歩いて来て、ようやくたどり着いたゴール地点。

そこはそれなりに整備されて広々としてる、いわゆる展望台といった感じの休憩スペースだったんだ。

結構広いスペースに建物。

これは物販や飲食といった施設はなく、お手洗いのみの建物みたいだけど、それでもあるのと無いのではかなり違うし、私達としてもかなり助かるよね。


見渡せば私達の学校の生徒のみならず、私達を追い抜いていった一般の方々も見受けられて思い思いに休憩してる方達もいれば、更にその先へと進んでいく人もいらっしゃるんだよね。

気になってその先に目線をやればかなり本格的な登山を思わせるような、そんな道というか山しか見えないから内心では『凄いなー』ってしきりに感心をしてしまってる。



「ねー、みんなー!!こっち来て〜〜!!景色が凄いよー!」


「ほんと!? 今行くよー!」


そんな声に釣られてそちらへと赴く私達。

私もみんなも疲れてはいるけれど、それでも好奇心は抑えられなくて、しかも場所が場所なだけに、その景色という物を見てみたくはなる。



「おぉーー! ずっごーい!!」


「うん!これは凄いね!絶景だわ!!」


「ああー·····頑張って良かったよ〜·····。ありがとねー、このはちゃん、みんな······。」


「そんな事はないよ、咲夜ちゃん。咲夜ちゃんもみんなもそれぞれが、挫けないで頑張ったからここまで来れたんだよ?自信を持ってこ。」


咲夜ちゃんをはじめとした、体力に自信のなかった子達が私達にお礼を言ってくれてるんだけど、それは少し違うかな?とも思う。

確かに私達はサポートをしてあげたけど、それよりも本人達の頑張りが大きいからね。

頑張って足を動かして歩いて登って。 

その頑張った先のご褒美として、この眼の前の景色がある。


「ほら、見てご覧。凄いよ、このこの光景は······。みんなで頑張ったからこの景色を全員で見ることが出来てるんだよ······。」


「本当だね·····。」



眼の前に広がるそれは。

まず飛び込んで来るのが雄大な山々。

右を見ても左を見ても山々で、とても迫力があるの。そして山があれば当然谷もあって、私達の足元すぐ前は怖いくらいの谷間になってる。

深い緑の谷は思わずブルっと身震いしてしまう程の怖さがあるよね。

この柵が何らかの拍子で壊れて転落でもしてら······なんて考えると。

そして遠くの谷間には湖っぽいのも見えて、恐らくダムなのかもしれない。

深い色合いに山が光の反射で写ったりしてて、穏やかな気候なのを教えてくれてる。


そして次に来るのがその山の色。

ここに来るまでにも紅葉をしてるのを見ては来たけど、ここから覗くそれはより一層綺麗に見える。

谷間や下の方は木々が緑色をしてるのが多いのに対して、山頂に近くなればなるほど紅葉をしてる範囲が広がっている。

それは当然ながら山頂部の方が寒いからそうなる訳で、ちょっと前は時期的にまだ早かったかなー?なんて思ってたのが勘違いだったのを思い知らされたよね。


そして最後は天気。

山は天気の移り変わりが急だとかって言われてるけど、今日明日は全国的に天気が良いから、ここも当然天気がいいんだよね。

薄雲が多少はあるものの太陽が顔を覗かせる程の良い天気で、下から緑色〜黄色オレンジ〜青空という、とーっても素敵な色合いをしてる。

ホント、これだけでも癒やされるよ·······。




「よし!折角だからみんなで写真でも撮ろっか?それとも先にご飯にする?」


挿絵(By みてみん)


「おっ! 写真!?」

「いいね!いいね!! 是非撮ろー♪」

「そりゃー、ご飯より先ずは写真でしょ?!」

「このはちゃん、ナイス提案だよ!!」

「天気が良い内に撮っちゃおう!」


「オッケー! じゃぁ、私、撮ってくれる人を探してくるから、ちょっと待っててね?」

 

「「「「はーい♪」」」」


折角こんな素敵な所に来たのに風景だけを撮ってるのは勿体ないので、みんと一緒に写真を撮るのを提案してみたんだ。

一応お腹が空いてるかも?と思って、どちらが先に良い?と提案してみたけど、みんなが写真を選んだのは意外だった。


今回の行事はさ、先生が写真を撮ってはいるらしいのだけどクラス全体での、いわゆる集合写真的なものは撮らないらしいんだよね。

だから個々で仲の良い子と撮ったりしてるのを、ちらほらと見かけたりもしてるんだ。

まぁ今のタイミングだとお昼を食べてる子もかなりいるから、下山を開始するまでは食べたり撮ったりという光景が続くのだと思うのだけど。

 



その後。

近場にいた井上先生を見つけたので、お願いして皆と並んだ写真を撮って貰ったんだ。

1列並びだと全体が小さくなってしまうから、2列······前後で並んで前の人は座る様な感じでね。

ワイワイやってる私達を見て、井上先生が一言。


「貴女達、本当に仲が良いわねー♪」


「「「「はい!」」」」  カシャ!


どういう風な合図でシャッターを切るのかな?なんて考えてはいたけどまさかの合図ではなくて、なんて事ないただの一言に対して反応した皆のタイミングでシャッターを切ったんだよね。

しかもそれが皆が嬉しそうに言うタイミングなもんだから、実にいい素敵な笑顔で······。

さすが井上先生。

私達のクラスの事をよく分かってらっしゃる。



「このはちゃ〜ん。今度は私と撮ろう?美紅撮って〜。」


「いいけど······じゃあ、次は私ね? 茜、次撮ってね?」


「うん!」


「あ、茜ちゃん美紅ちゃんずるい! このはちゃん!その後、私とも一緒に撮って!!」

「私もおねがーい!」

「私も!」

「うちもお願いします!」


「大丈夫、大丈夫! 私は逃げないし、皆とも撮るから順番ね?」


茜ちゃんが私と写真を撮ろうって言ったのを切っ掛けに「私も!」って皆が言ってきて詰め寄ってきて、皆と写真を撮ったりもしたんだ。

茜ちゃんは私には抱きついて来てパシャリ。

美紅ちゃんは恥ずかしながらも手を繋いで。

彩ちゃん、志保ちゃんは腕組み。

瑞穂ちゃんは「ありがと♪」って、私の耳元に呟いた所をパシャリと。

みんなの性格が出てる、そんな1枚になったんだ。





  ーーーーーーーー




「帰りは楽だねー♪」

「ほんとほんと。アップダウンはあるけどさ、全体的には下りだから歩く分には行きより楽だよね。」


写真を撮ってその写真をお互いに見せ合いっ子しながらワイワイと賑やかにお昼を食べて。

少しゆっくりと身体を休めてから、先生の合図で帰路につくことになった私達。

帰り道も行きがそうだった様にアップダウンそのものはあるんだけど、全体の道としては下り坂になってるから行きで疲れてた咲夜ちゃん達も大丈夫そうだった。

それでも皆で会話をしつつ、励ましたりしながら歩いていったんだけどね。


ちなみに、この時のお昼はお弁当を持参です。

でも私はお弁当箱とかそういうのは持ってこないで、おにぎりにしたんだ。

中身の具材を工夫してご飯とおかずを同時に摂れるような、そんなおにぎり。

そうすると食べ終わった後でも容器が荷物にもならないし、ラップは小さく纏めて捨てるだけで済むからね。

それに栄養バランスもある程度良くは出来るんだよね。

みんなにも感心されたけど、こういう方法もあるんだよっていう参考にもなったみたいで。



「あれ?」


「どうしたの?このはちゃん??」


「いや······あそこの3人組の女の子がね······。」


そういう私達の歩く先に、3人組の女の子のグルーブがいたんだ。

すぐに私達の学校の生徒だっていうのは分かったんだけど、何だか様子が変なんだよね。

3人のうちの1人の子がひょこひょことぎこちない歩き方をしてて、もしかして怪我してる??


「みんな、ちょっと待っててくれる?声かけてくる。」


「「「「うん。」」」」


みんなに一言断りを入れて了承を貰ってから、その3人組の女の子達に小走りで近づいて声をかけたんだ。


「ねぇ、貴女達どうしたの? その子、足を怪我したの??」


「えっ?!」

「あ······貴女は···鈴宮さん?」

「············。」


「あら······私の事をご存知なんだ?」


「あっ···はい。鈴宮さんは目立ちますし、下級生にも人気が有りますから有名ですよ。」

「寧ろ、知らないって人を探す方が難しいかも?」


「あははは······。そっか、やっぱりそうなるのね······。」


どこのクラスの女の子達なのかは私には分からないけど、向こうが私の事を知ってるのはある意味では良かったかな。

知らないよりはまだ多少は早く話が進むだろうからね。


「それで?その子が怪我をしてる様に見えたのだけど?」


早速本題を聞いてみた。


「あ、はい。そうなんです。彼女、前園さんなんですけど足を挫いちゃって、痛いみたいで········。」


「なるほど······。」


挿絵(By みてみん)


話を聞いてやはりそうだったかと思ったんだ。

だってね、後ろから見てた分でも足を庇うような変な歩き方をしてたから、もしやとは思ってはいたんだよね。

この道も上の休憩に使った場所も整備はされてるとは言っても、一般的にイメージする登山道よりは整えられてるだけであって、大小の石や地面の窪みとかは普通にあるからね。

それに落ち葉なんかも沢山落ちてるから、場合によっては地面の窪みが隠れてて足を踏み入れてしまうかもしれないし。



「ちょっと見せてくれる?」


「あっ! ちょ······ちょっと!!」


何故か渋る彼女を近くにあったちょっと大きめの石に座らせて、患部を診てみる事にしたんだ。


「ちょっと患部を触るよ?痛いかも知れないけど、少し我慢してね?」


「····痛っ!?」


断りを入れてから挫いたと思われる足の方の靴を脱がせて、幹部を触る私。

見てた限りでどちらの足を怪我して庇っていたのかは分かってはいたから、それは敢えて聞かなくても大丈夫だった。

そして足首を少し動かして、どの方向に動かすと痛いのか痛くないのかを確認する。


「「このはちゃーん。」」


「あ、みんな。もう少し待っててね。」


「「「うん。」」」


後から歩いてきたみんなも合流して、成り行きを見守っててくれる。

私がお節介を焼いて見てあげててみんなの時間をロスしてるのに、文句の一つも言わないで付き合ってくれるから、申し訳なく感じてしまう。

それにまた、みんなも優しいよねとも。



「それで、鈴宮さん。その······やっぱり怪我ですよね?」


「そうだね。状況と症状から捻挫ってやつかな? ただ触って診た感じだと程度としては軽いと思うから、2〜3日安静にしてれば痛みは引くとは思うよ。まぁ、詳しくは先生の判断にはなるけどね。」


「そっか······。それはよかったです。」


ホッとしてくれる一緒にいた女の子。

まぁこういう場面で同じグループの子が怪我をしたとなれば、自分に非がないとはいっても多少は思う所もあるとは思う。

それが優しい子や責任感のある子なら尚更に。


「陽子ちゃん。先生から預かったやつで包帯とか湿布とか、そういうのはなかったっけ?」


「えーとね······ちょっと待ってて······。」


ガサゴソとリックの中を探す陽子ちゃん。

陽子ちゃんは保健委員なんだけど、各クラスで先生から怪我をした時の為にと少しの医療品をお預りしてるんだよね。

とはいってもそんなに大層な物ではなくて、絆創膏とかガーゼとかそういう物くらいなんだけど。

これはハイキングをするにあたって万が一怪我をした時に、直ぐに対処が出来るようにという事なんだ。

先生も同伴はしてるけど、みんながそれぞれのペースで歩く関係上直ぐに駆けつけられないかもしれないから、だからその時は自分達で出来る範囲で使ってくださいねって事でね。


1番ありそうなのは擦り傷といった裂傷。

あとは捻挫とか頭痛とかそういうのになるけど、薬は流石に渡されてはいない。

ただ頭痛が出た時や気分が優れない時は直ぐに戻るようにとは言われてるの。

これはそこそこ高い場所に来て、また慣れないハイキングで高山病とまではいかなくてもそれに近い症状の可能性もあるし、上に行くと直ぐにレスキューが来れるとは限らないから。



「あ、包帯と湿布が1枚あるよ。」


「あ、それはありがたい。じゃ、先に湿布をくれる?」


「はーい。」


「本当は冷却シートが有れば良かったんだけど、無いから湿布で対処するね。湿布を貼ってから包帯をちょっとキツめに巻くけど少し我慢してね。」


そう言いつつ作業をする私。

時通り前園さんが何かを言ってはくるけど、大丈夫だからと安心させつつ対処をしていったの。

そして一応の処置を終えて、後は下まで戻るだけ。



「前園さん。私の肩を掴んで? ホテルまで連れて行くから。」


「えっ?!」


「だってそのままでは歩けないでしょ?それに今は軽症だけど無理して歩けば更に悪化してもっと大変になっちゃうよ?」


驚いて、そして渋る前園さんにきちんと説明をして納得させる。

だって幸いにして軽症で済んでるのに、自ら悪化させるなんて愚の骨頂だもんね。

それにまだ林間はあるのだから、楽しんで欲しいのもある。

体力を使ったりや歩くのは明日もなくはないけど、今日みたいなものはもうないからね。

だからこの位の怪我ならこれ以降もまだまだ楽しめる。



「このはちゃん、私が隣の肩を貸すよ?」


「ありがと、美紅ちゃん。」


「良いって。こういう時はお互い様っていうし、それに私はまだ体力に余裕があるからね。」


ニカッと笑う美紅ちゃん。

そんな美紅ちゃんが、反対側の肩をかしてくれたんた。美紅ちゃんは私と背の高さが近いから、バランス的には丁度よいね。

だから申し出に甘える事にしたんだ。


「じゃ、行こっか。」


「「「「はーい。」」」」


待たせてしまったみんなと一緒にホテルへと道を戻る私達。


「あ、そうだ······。あなた達、もしよかったら先に行って先生にこの事を知らせてきてくれないかな?」


「私達ですか?」


「えぇ。きちんとした対処も早い方が治りにはいいし、もう少し下りれは道ももっと良くなるからね。向こうに車椅子があるかは分からないけど、有れば持ってきて貰えると助かりますって伝えてくれる?」


「「はい!分かりました!」」


このまま歩いて行っても問題はないのだけど、とにかく歩みが遅い。

これは前園さんを支えながら歩いてるから仕方のない事なんだけど、そうすると美紅ちゃんの体力的な所も心配になってくるからね。

私自身は別に構わないのだけど、善意で手伝ってくれてる美紅ちゃんにあまり負担をかけたくないのもあるから。

なので、前園さんと同じクラスの2人の子に先生への伝令をお願いをしたんだ。


「それと、絶対に走っては駄目だからね。転んだりして怪我をしたら元も子もないから!」


念には念を押して、走ったりして怪我をしない様にと伝えた。

こういう時って気が焦ってたりして、普段ではなんてことない事でも思わぬ怪我をしたりする事もあるからね。


2人の背を見つめながら、また私達は歩みを進める。

やはり普通に歩けばそのスピードは早くて、ほんの数分で姿は見えなくなってしまった。

これなら私達が到着するまでには、先生が来てくれるかな?なんて期待して。



「それにしても、このはちゃんはこういうのも知ってるんだね。」

「ほんと、驚いちゃった。」


「ああ、この応急処置の事?これはね、RICE処置って言って『安静』『冷却』『圧迫』『拳上』の頭文字から来てるのよ。 」


「「「へぇ〜〜。」」」


「患部を動かさないようにして安静を保って、患部を冷却シートなどで冷やし、炎症を緩和させる。今回はなかったから湿布で代用したけどね。で、続いて患部をテーピングや包帯で圧迫して、腫れや痛みを緩和させて、『拳上』は、患部を心臓より高い位置に挙げ、炎症反応を抑えるっていう4つの事ね。」


「うんうん。」


みんなの疑問に答えていく私。

こういうのは皆にも覚えてもらっても損はないから、寧ろ覚えて欲しいなって思う事なんだよね。


「で、この中で1番重要視されるのは冷やす事ね。冷やして炎症を抑えられればその後の回復も早くなるからさ。だから、あの子達に先生を呼びに行ってもらったの。皆も覚えておいてね?手首や足首を捻ったら、まずは冷やす! その後に固定して安静にする事ってね。」


「まずは冷やすね?了解!!」

「私もわかったよ!」

「足首なんて、グキッてやりそうな場所だもんね。」


皆にも分かって貰えたようで一安心。

テーピングとはか後でもよいけど、とにかく冷やすのを優先してするってのを覚えて貰えば最初の処置としても有効だからね。


「と言う訳で、前園さん。先生の診断にもよるけど、今夜はシャワーだけにした方がいいと思うよ。お風呂に浸かりたいかもしれないけど、患部を温めちゃうと良くはないからね。」


「えぇ、分かったわ······。」


当初の時と違って、すっかり大人しくなった前園さん。

それだけ痛みが強いのかな?なんて思いつつ、早くきちんとした処置を受けさせたいなって思う私だった。



「このはちゃんの、こういう知識もやっぱり雪ちゃん絡み?」


「うん、そうだよ。歩くようになって外で遊ぶ機会が増えてくると、どうしても怪我はするじゃない?そうするといざ!って時に何も出来ないのは辛いじゃない。何か少しでも出来れば助かる場合もあったりはするからね。たから覚えたんだ。幸いにして時間はあの当時は沢山あったからね。」


昔を懐かしみながら思い出した。

これは高校に行くって決める前の出来事なんだけど、雪ちゃんも赤ちゃんから幼児って感じになって以前ほど手が掛からなくなった時に覚えたんだよね。

昼寝とか夜の寝た後だとか、又はお母さんがみてくれてる時とかにね。

幸いにしてここまでの怪我をする事なく、元気に育ってくれたけど。



「雪ちゃんって······貴女、妹とかいるの?」


「ん?」


今まで静かに聞いていた前園さんがボソッと呟いた。


「あれ?前園さん、知らないの?」

「珍しいね?もう皆、周知してる事だと思ってたけど······。」


前園さんの呟きに対して皆が反応した。

私も一瞬『妹?』なんて思ってしまったんだけとね。


「えぇ、私は知らないわね。あまりその手の噂とか話は聞かないから······。」


それは私も同感です。

私の場合は部活もやってないし友好関係もクラスの中だけで完結してしまってるから、外の話は殆ど知らないんだよね。

それこそ皆からの情報がないと入手出来ないという······。


「雪ちゃんってのはね、このはちゃんの子供なんだよ!」

「そうそう!娘ちゃんでね、すっごく可愛いんだから♡」

「このはちゃんとそっくりなんだよー♪ 白髪で赤い目で凄くいい子なのーー♪」

「ママ大好きっ子で、来年1年生になるんだよ。」

「いいよねー!こんなに素敵で若いママを持てて。私、凄く羨ましくてさー······。」


茜ちゃんを筆頭にみんなが思い思いに雪ちゃんについて語ってる。

それは大半の子が夏休みのプールで一度は会ってるから、余計に思う所があるみたいで······。



「こ···高校生で子供? 来年1年生······?? 貴女、そっくり······??」


前園さんが私を見て、皆を見て、また私を見て目をパチクリしてる。


ああ·····。

こんな光景も久しぶりだなって思いながら、ホテルへとゆっくり歩みを進める私達だった·····。

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