ある日の検定①-3 20歳高2(挿絵有り)
今朝、お姉ちゃんが英語の試験で学校ではない別会場に行くついでにと私を学校まで送って行ってくれた。
そして普段より早くに着いた為に、登校してくるクラスの皆から驚かれまくった私。
それは私より早く学校に来る千紗と夏美も例外ではなくて、やっぱり質問攻めになったんだよね。
で、そこから説明をしたら今度はお姉ちゃんの事であれこれと盛り上がっちゃって······。
今は千紗がテンションMAX状態······。
それを私と夏美がポカーンとしながら見つめてるんだ。
「千紗ってさ、普段は私達より大人しめなのにテンションが上がるとああも変わるんだね〜······。」
「そうだねー······。私も中学からの付き合いだけどさ、こういう千紗は初めて見るから驚いてるよ。」
「そうだったんだ·····。夏美もって事はあれは相当レアな千紗なんだね。」
そう話しつつ見つめる先の千紗は、それは嬉しそうに皆と話をしてる。
それにしても······。
「まさか千紗があそこまで、葵のお姉さんに入れ込んでるとは思わなかったな〜······。」
「だよねー。まぁ······何となくは分かってはいたけどさ·····。」
初めて見る千紗の姿に驚いて見つつ、私も思ってた事を夏美も感じてたみたいだね。
千紗のお姉ちゃんへの態度。
去年の文化祭で出会った直後からお姉ちゃんの事を『お姉様』と呼んだ千紗。
そう呼ばせるだけの何かを感じとったのかもしれないけど、その時はその場だけで終わるかと思ってたんだけど、でも実際はそうでもなかった。
その後も『お姉様』とお姉ちゃんの事を何かあればそう呼ぶし、今年の春休みや夏休みに会った時もそれは変わらなかった。
お姉ちゃんもお姉ちゃんで、そんな呼び方をする千紗を邪険にすることも無く優しく接するんだよね。
その辺りはお姉ちゃんらしいと言えばそうなんだけど、だから余計に千紗が惹かれるのかな?
夏美もお姉ちゃんに惹かれてるっぽいけど、さすがに千紗程ではないし。
「そういえばさ、送ってもらったのは良かったけど帰りはどうするの?」
「帰り?」
「うん。葵の場合は途中まではバスだから問題ないけど、その後は自転車なんでしょ?自転車で10分かかるなら歩くとなると結構な時間がかかるじゃない?だからどうするのかなー?ってさ。」
ああ······、なるほどね。
そういう心配をしてくれたんだね、夏美は。
「心配してくれてありがと。でも大丈夫だよ。帰りもお姉ちゃんが学校まで迎えに来てくれるから、それに乗って帰るんだ。」
「そうなんだー。じゃあ、安心だね。」
「うん♪ だから今日は通学が楽チンなんだよ。」
そうなんだよね。
お姉ちゃんが朝と帰りにそれぞれ学校まで送迎してくれるから、お陰で今日は行き帰りが楽チンなの。
これが更に雨とかだったら尚更最高だったのに······なーんて思うけど、そこまで望むのは贅沢だよね。
「えっ?! 今日、お姉様が学校に来るの!?」
「うそー!? マジ!?あのお姉さんが!!?」
「ねーねー、葵。本当に葵のお姉さん、学校に来るの??」
「「うわっ!!」」
ガタガタっと音を立てて、千紗を中心として話してた皆が一斉にこちらを振り返って、そして詰め寄ってきた。
その迫力というか気迫めいたものは、椅子に座ってる私としてはかなりの物があったよ。
その証拠に隣りにいた夏美まで、私と一緒に驚いてるからね。
「あ、うん。来るよ。」
あまりの迫力にそう答えるのが精一杯。
「「「「おおーー!!!」」」」
「マジか〜〜!!」
「あのモデルをやっているって言う葵のお姉さんに、生で会えるんだー♪」
先程とはまた違うテンションで盛り上がる、千紗をはじめとした皆。
「ねーねー、葵? そのお姉さんと帰る時にちょろっとでもいいから会えるかな?」
「えっ?」
「ね?お願い······。一目お姉さんを生で見てみたいの。」
「私も見てみたいんだ。だってあんなに素敵な人そうそうお目にかかれないじゃない?」
「私もまたお姉様に会いたいな。夏休みに会ったばかりだけどさ······。」
「「「「お願いします! 葵!!」」」」
············。
そっか、そっか〜。
そんなに皆、お姉ちゃんに会いたいのかー······。
驚いたのも勿論あるけれど、それよりもそれほど皆に会ってみたいと思わせる程の魅力のあるお姉ちゃんを私は嬉しく思ってしまう。
だってそれが私のお姉ちゃんで、私は妹。
別の考え方をすれば、アイドルや女優をやってるお姉ちゃんを持ってるような感覚に近いのかな?
皆が一度は会ってみたいけど中々会えない。でも私は家族だから気軽に会える、みたいな?
優越感とかそういう気持ちも、もしかしたらあるのかもしれないけど、今はそれよりも皆をそれ程思わせるお姉ちゃんが誇らしくて嬉しくなんるんだよ。
「じゃあ、後でお姉ちゃんに連絡いれてみるね。それで許可が出たらオッケーって事で。」
なるべく顔に出さないように注意をしつつ、皆にそう伝える。
これから試験だから今すぐは送らないで、終わる頃を見計らって送ればいいかなとも思うしね。
電源は切ってると思うけど、それでもなるべく変な気遣いをさせて負担をさせたくはないからさ。
そう思いながら、朝の時間は過ぎていく。
そしてその隣で想う人が1人······。
(千紗や皆も大概だけど、やっぱり葵も重症よねー······。隠してるつもりなんだろうけど、もろ顔がにやけてるし······。)
ーーーーーーーー
カリカリカリと黒板に字を書いて教科書の内容の解説をやっていく先生の声を聞きながら、私はお姉ちゃんの事を考える。
時間で言えば今はもうもろに試験最中。
何をやってるのかは分からないけど、考えることは大丈夫かなーっていうのか1番大きい。
お姉ちゃんの事だから大丈夫だとは思うけど、それでも絶対はないからね。
ダメな時はダメで失敗もするだろうけど、私はお姉ちゃんが努力してたのを誰よりも知ってるから受かってほしいと思うのは自然な事だよね。
私のお姉ちゃん。
誰よりも綺麗で美しくて頭も良くて。
でもそれは、努力の結果でそれを手にしてるのを私は知ってるからね。
料理だって今でこそもの凄く美味しくて色々と作ってはくれるけど、最初から出来た訳ではないから。
お母さんに料理のイロハを教わって作るようになって、その後はレシピを調べたりしながら色んな物にチャレンジをして今の美味しさ、レパートリーになった。
勉強だってそう。
中学校だって殆ど行かなかったのに隙間時間を見つけてはコツコツと勉強をして、今の高校に入学をした。
見た目の事だって毎日何かしらの運動をしたりして、人一倍体形とかを気にかけてるからね。
結局お姉ちゃんの全ては、お姉ちゃんの血の滲むような努力の結果で手に入れた物なんだ。
それは決して楽なものはなく、雪ちゃんの面倒を見ながら頑張ったもの。
今日の試験だって随分と前から取りくんいて、頑張っていたのを私は知っている。
だから私は、お姉ちゃんに是非とも受かって欲しいなと切に思う。
それだけの努力をしてきたのだから······。
ーーーーーーーー
「·········で、明日の連絡は以上です。皆、気を付けて帰ってね。」
「「「「はーーい!」」」」
「「お疲れ様〜〜。」」
担任の先生の締めの言葉で今日の学校が終わった。
その途端に元気になる皆。
この後はそれぞれ部活に行ったりする子もいれば、バイトに行く子もいるし帰る子もいる。
うちの学校はそこまで部活動に力を入れてないから、その辺りは結構自由だよね。
そんな中、私は帰宅部なんだけどね。
いつもは千紗達と少し話してから帰宅につくのだけど、今日は違った。
「葵〜、まだー??」
「早く早く〜!お姉さん待ってるんでしょー??」
「はいはいはい。もぅ、待ってってば······。皆、急かせすぎだよ·····。」
先生の話が終わった途端に荷物を纏め始めて、私を急かすんだよね。
そして早く行こうと急かして言ってくる。
これも皆がお姉ちゃんに会いたいが為。
お昼休みも大分過ぎた頃、もう試験も終わったかな?といったタイミングで、私はお姉ちゃんにLI◯Eを送ったんだよね。
内容は『皆がお姉ちゃんに一目会いたいって言ってるんたけど、会ってくれるかな?』って。
暫くしてお姉ちゃんから返信が来て、今日の分は終わったという報告と、会うのはいいよって連絡がきたんだ。
それを皆に伝えたら、それはもう大喜びで。
千紗は勿論だけどクラスの皆も喜んじゃってさ、どんだけ会いたいのよって思ってしまった。
そして、今。
荷物を纏めて皆と外へ向かってるの。
目指すは職員、外来客用の駐車場のある学校の裏側。
一度昇降口で靴を履き替えてから校舎をグルっと周る手間はあるけれど、そんなのは関係ないよと言わんばかりに元気な皆だった。
「いや〜、葵のお姉さん楽しみだなー。」
「ほんとだねー。千紗達の話を聞くと、実物は写真よりも素敵って話でしょ?」
「そうだよ。とーっても素敵なんだから!」
ワイワイと盛り上がる皆を尻目に、私は黙々と歩いて行く。
お姉ちゃんにはさっき『終わったよ』って連絡を送っといたから、そちらに向かってるのは分かってる筈だから。
「あっ! おねーちゃーん!!」
暫く歩いて駐車場につけば先生達の車が止まってる駐車場の隅の方で、わざわざ車の外に出て待っててくれてるお姉ちゃんがいた。
そんなお姉ちゃんに私は嬉しくなって、つい大きな声で声をかけてしまったんだ。
「葵〜。お疲れ様〜♪」
「うん! お姉ちゃんも試験お疲れ様。出来はどうだった?」
「結果はまだ分からないけど、今日の分に関しては問題ないとは思うよ?」
「そっか。それは良かった。······あれ?制服姿で来たの?」
お姉ちゃんの側に駆け寄って労いの言葉をかけて。
試験についても尋ねてみたけど、お姉ちゃん曰く大丈夫っぽいとの事。
さっすがお姉ちゃんだね!
お姉ちゃんがそう言うって事は、間違いなく大丈夫で問題ないと言うことを私は知ってるから。
そして落ち着いてからよく見てみたら、お姉ちゃんは朝と同じ制服姿だったんだ。
「ああ、これ? 一度家に帰ってもよかったんだけど、帰らないでそのままお店とかをぶらぶらと見てたんだよ。たがらそのままなの。」
「そっか。まぁでも偶にはいいんじゃない?雪ちゃんなしでゆっくり出来る時間も少ないからね。」
お姉ちゃんは休みの日はほぼ雪ちゃんと一緒だから、こうやって1人でゆっくりすきに出来る時間というのは結構貴重だったりする。
だから今日、3時間くらい?時間が取れたのは良かったんじゃないかなって思うんだ。
「で、葵? 後ろの子達がクラスメイトかな?あ、千紗ちゃんに夏美ちゃん。久しぶりだね。」
「お姉様〜♪お久しぶりですー。」
「こんにちは、お姉さん。夏休みの時は大変お世話になりました。」
「いえいえ。こちらそこ、どういたしまして。いつも葵と仲良くしてくれてありがとうね。」
お姉ちゃんが毎度お馴染みの、お母さんみたいな挨拶のやり取りをしてる。
私としてはここはもっとお姉ちゃんらしく振舞って欲しく感じるんだけど、どうしても雪ちゃんのママとしての影響が出てしまうみたいなんだよね。
それなんで、いつもああいう感じになってしまうんだとか······。
「あ、葵のお姉さんですか?いつも葵から話は聞いています!」
「モデルさんをやってるって聞きました。とっても、素敵な写真で感動しました!」
「あの······一緒に写真を撮って貰えませんか?」
千紗と夏美に続いて、皆もお姉ちゃんに話しかけてる。
お姉ちゃんを中心に皆で囲って、まるでどこかの有名人を囲ってるレポーターやファンみたいな感じになってるよ······。
「ねぇねぇ、葵。お姉さんすっごく素敵だね!あの写真も良かったけど、本物はもっと違うね!」
「髪の毛がさ、白いとは知ってたけど改めてきちんと見るとすっごく綺麗なんだね!おまけに目も赤くて綺麗でスタイルも良くて、とっっても素敵だよ。」
あれこれと質問したり話をしてる中で、一部は私の所に話がくる。
それはお姉ちゃんの容姿の事を褒めたりしてるのが大部分を占めてるのだけど、それは初対面の人が必ず言う事だから私もお姉ちゃんももう慣れてるんだ。
「髪とか目は、生まれつきなんだっけ?」
「そうだよ。遺伝関係の症状で生まれた時からあの姿はだったの。」
「そっかー······。でもやっぱり姉妹なんだね。」
「何が??」
「髪色とかそういうのは違っても、顔立ちとか目元なんかはお姉さんと似てるよ?」
「そ、そう?」
「うん。そっくり!」
う·······うふふふふ♪
そう言ってもらえるのは、私としてはもの凄く嬉しかったりする。
お姉ちゃんのその容姿は日本人離れしてるから、初見だと日本人には絶対に見られないんだよね。
だから当然私と一緒に居ても姉妹とは思われる事はまずなくて、寧ろ雪ちゃんの方が妹ですか?って言われるくらいだから······。
だから友達とはいえ、そういう所に気付いて言ってもらえるのは本当に嬉しかったりするんだ。
「それにしても······うちの高校に違う学校の制服の女子高生がいるのは不思議な感じがするねー。」
「確かに!でも、それもまた新鮮でなんだかいいよね?」
「うんうん。それにさ、その赤いスカートとリボンもお姉さんに似合ってて、とても素敵だよね。」
お姉ちゃんが制服姿でうちの高校にいる違和感。
これは去年、私達もお姉ちゃんの高校で味わってきたから分かる。
変に注目されて見られて、ドキドキして。
それが変にムズムズして、でも決して嫌な感じではないからまた不思議なんだよね。
「あれ?······葵。お姉さんが迎えに来たってことは······車?」
「そうだよ?言わなかったっけ?」
「いや·····言ってたけど、車って事は免許が······あれ?でも高校生??」
「でも、千紗がうちらと学年が一緒って前に言ってなかったっけ??」
「言ってた、言ってた。んん???」
混乱する皆。
それも仕方ないか。
だって学年の事は話しても歳の事までは話してはないから、車と高校生ってのを見聞きしまうと混乱はするよね。
「あれ?葵は話ししてなかったの?私はね、こう見えても20歳なんだよ。だから車の免許も持ってるの。」
「「「「えぇぇぇーーー!!?」」」」
「ほっ···本当なんですか!?」
「うっそーー!? 全然そんな風に見えないんですけどーー?!」
驚愕の声が上がる。
これもまぁ、いつもの事。
お姉ちゃんのその年で女子高生をやってるのは珍しいといえばそうかもしれないけど、それ以前にやはりその容姿。
この場合、髪色とかは抜きにしてお姉ちゃんはキリッとお姉さんっぽく見える時もあれば、少し幼く若く見られる時もあるんだよね。
服装とかあとは纏ってる雰囲気とでもいうのか、そういうものの関係で時通り異様に若く見られたりして驚かれるんだよ。
そして今は恐らく後者で若く見られてる筈だから、歳を聞いて皆が驚いてるんだよね。
「ありがとね、皆。でも、本当なんだよ。理由あって遅くに高校に入学したからさ、今は葵と同級生なの。」
「ほぇ〜······。」
「そうなんですかー······。でも、それも全然ありですよ!だって、制服姿凄く似合ってますもん!」
「ですです!! 全く違和感感じないですから、歳も一緒って言っても全く問題ないです!」
「あははは·····。それはありがとね。」
苦笑いとかそんな感じで返事を返すお姉ちゃん。
その辺りの事は最初に制服を着る時とかに気にしてたのを知ってるから、私としてもホッとしてる。
今はそういう素振りをしてたりはしてないけど、本心ではまだ気にしてるかもしれないからね。
だからその辺りの事を私以外の現役女子校生から言われれば、ある程度は安心出来るんじゃないかなとも思うし。
「お姉様ってそれだけじゃないんだよ? なんと、子供までいるんだから!」
「「「「「えっ!!?」」」」」
「あっ····ばか! それ言っちゃったらまた余計に混乱するから!!」
「あ········!しまった·····つい、嬉しくなって言っちゃった······。」
「「「えぇぇぇーーー!??」」」
「お姉さん、子供がいるんですか!?」
「うっそー!? マジで?? そのスタイルで??」
「いや、でも······20歳だから子供くらい居ても不思議はないかもよ?」
「あ······もしかして、高校の理由ってそれ?」
千紗の不用意な発言で、更に驚きに包まれて混乱する皆。
これがあるから私としては黙ってるつもりだったんだけど、テンションの上がった千紗の発言でそうもいかなくなってしまった。
「ごめんなさい·····お姉様。その······言うつもりはなかったんですけど、嬉しくてつい······。」
しょぼ~んとなる千紗。
頭を下げてお姉ちゃんに謝ってる。
好きなんだか憧れなんだかよく分からないけど、少なくとも好意を持ってる相手に迷惑をかければ、それは落ち込むのも無理はないかと思う。
そんな千紗に対して嫌な顔を1つもせずに、頭を撫でながら優しく対応をするお姉ちゃん。
「大丈夫よ、千紗ちゃん。別に私は隠してる訳でもないから、知られたって何も問題はないからね。だから、気にしないでいいよ。ね?」
「は···はい♡」
出た。
お姉ちゃん必殺のあれ。
あれは雪ちゃんのみならず、私でさえも耐えられない物があるんだよ。
凄く安心感とか幸福感に包まれて、幸せな気分に包まれるの。
そしてその時のお姉ちゃんの独自の雰囲気とかもあって、兎に角気持ちいいんだよね。
だから雪ちゃんはまぁ······子供だから仕方ないけど、高校生になった私でさえも耐えられない安らぎの気持ちを味わってしまうのだから、赤の他人である千紗達が耐えられる筈もないんだよね。
骨抜きにされる千紗。
あーあ······、あんなに嬉しそうな顔をしちゃて······。
この後、どうするんだか······私は知らないよ??
「千紗ちゃんの言ったように、私には『雪ちゃん』って娘がいるんだけどね。ほら、この子だよ。可愛いでしょ?」
そう言いつつ、スマホから雪ちゃんの画像を表示して皆に見せるお姉ちゃん。
そして更に爆弾を投下する。
だって、皆が想像してるのは恐らく赤ちゃんだよ?
それも、大きくても2歳前後でしょ?
それがまさかの6歳児で来年小学校だよ。
それを一体誰が想像するかって言うの。
しかも頭の回転の早い子は、何歳の時の子供?って直ぐに気づく。
そして更に驚愕の声が上がる。
「あーあ······私、し〜らないっと······。」
私はもう、この驚きの中に加わらない事に決めた。
だってこの混乱を収めるのは私には無理だから。
原因を作った千紗と······いや、千紗は無理だわ。
だからお姉ちゃんに後は任せることにした。
お姉ちゃんなら、きっとなんとなしてくれるだろうからね。
「葵······。あなたも結構大変ね?」
「······うん。でも、幸せだよ♪」
お姉ちゃんがいて、雪ちゃんがいて。
騒がしくもあるけれど、楽しいこの毎日が私はとっても大好き!




