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ママは女子高生♪  作者: 苺みるく


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ある日の検定①-1 20歳高2

「お母さん、ちょっといいかな?」


「どうしたの?このは。」



お母さんに話しかけるのは、後の我が家のリビングでいつもの様に晩ご飯の終わったリラックスタイムの時。

この時はもう家事(皿洗い)も終わり、用としては後はお風呂に入るだけだから私を含めて家族みんなが思い思いに過ごしてる時間なんだよね。

だから何か要件を伝えるには1番都合が良くて話しやすいと言うのがあるの。



「今週の〇〇日何だけどさ、私、朝がいつもより早いから雪ちゃんをお願いしても良いかな?」


「それは構わないけど······何かあるの?」


「うん。前·····春頃に話した事のある、英語の検定日なんだよ。」


「あぁ······あれね。お父さんに新聞を取ってってお願いしてたやつね。」


「そうそう。それ。」


お母さんが何だろう?って不思議に感じた物の正体は、以前に話ししてあった英語の検定日が間近に迫って来たんだよね。

それで、その当日についてお母さんにお願いをする所だったの。


「早いと言っても、具体的にはどのくらいになりそうなの?」


「ん~·····そうだねぇ·····。ある程度余裕を持って行くにしても、葵が家を出る時間くらいかな?だから雪ちゃんをお願いって言っても、ご飯とかの支度は全部出来るから問題はないよ。」


そう。

いくら出かけるのが早いと言っても何も出来ないとかって言う訳ではなく、基本的には全部の事は出来るの。

朝の洗濯もご飯の用意も幼稚園の準備も。

だから出来ない事といえば、雪ちゃんが朝ご飯を食べ終わった後にする私とのまったりタイムを満喫出来ない事ぐらいなのかな?


「ねぇ、お姉ちゃん?」


「なーに?」


「早いって言ってもさ、そういうのって学校でやるんじゃないの?違うの?」


「あぁ、それね。」


私の話に疑問を感じたのか、葵が私に尋ねてたきた。


「基本的にクラス······いや、この場合は私の通ってるコースかな。そこのみんなは全員学校で受けるんだよ。団体申し込みっていうのかな?そういうので色々と条件があるらしいけどね。」


「へぇ〜。」


「で、私はみんなと間違う級を受けるんだけど、それはもう会場が指定されてるっていうのかな。そういう感じだからみんなとは場所が違うのよ。·······まぁ、色々と細かいから詳しいことは省くけど、そういう訳なの。」



先生から話を聞いて、私も私なりに検定について調べてみたんだよね。

試験がどういった感じで出るのかとか、大まかな日時とか。

過去問とかも載ってたから、それはそれで参考にはなったけどね。


で、見てみたらクラスのみんなが受ける級は基本的には学校とかでも受けられるみたいだけど、私の受ける級は会場自体が指定されてるらしいんだよね。

で、試験が近くなって届いた受験票に今回の私の試験会場が記載されてたけど、そんなに遠くではなくてホッとはしたんだ。

同じ県内でもエリア毎···要は県北部とか南部とかそういった住所によって振り分けされて会場が用意されるみたいで、今回の私の行く会場も車なら比較的近い場所だった。




「ねぇ、葵。その日の葵の学校は何時に終わるの?」


「うちの?えーと·······今の所何もない筈だから、4時には終わるかな?どうしたの?お姉ちゃん??」


不思議そうにする葵。

試験の話から打って変わって、全く関係のない葵の学校の時間を聞かれれば、まぁそういう反応にもなるかな?とは思う。


「いやね·····、葵が良ければその日の学校の送り迎えをしてあげようかなと思ってね。」


「えっ!? マジ?? いいの!?」


「うん、いいよ。まぁ、家を出るのが葵の普段の時間と同じになるから、その分学校に着くのが早くはなっちゃうけど、それでも良ければね。」


「やった~♪ 早く着くならそれはそれでも全然構わないよ! いつものさ、自転車で途中まで行くのは大変って言えば大変だったからね。それが楽できるのなら、それはそれで良しだよ。」


ふふふ。

葵が小躍りしながら喜んでる。

そんな様子を見ながらそんなに嬉しかったのかな?なーんて、思ったよね。


私は家から1番近いこの桜ヶ丘高校を選んだのに対して、葵はやや遠い高校を選んだからね。

その高校に通うには我が家から自転車で出かけて、少し先にあるやや大きな病院からバスに乗って隣町の方に向かう必要があるんだよね。

そのバスというのは私の学校にあるようなスクールバスではなくて、一般の路線バスなの。

だから、通うにはそれなりに大変なんだよね。



「あー······、でも良かったの? 朝はまぁいいとしても、帰りは? 試験終わったらお姉ちゃん、学校に行ったりしないの?」


先程の小躍りしてた嬉しさは鳴りを潜めて、ちょっと心配そうな感じで聞いてくる葵。


「大丈夫だよ。一応試験はお昼ぐらいで終わるし、その後は私フリーだから。学校も公欠扱いにしてくれるから行かなくてもいいんだ。だから、葵のお迎えも大丈夫だよ。」


「おぉー♪ いいなぁ〜、お姉ちゃん。その待遇。羨ましいよ。」


「いいなぁーって言われてもね······。これも授業の一部ではあるからね。」


葵が羨ましそうに言ってはくるけど、これも授業の一部なんだよね。だからみんなと会場は違うけど、休み扱いにはならないの。


そしてこれは葵には伝えてはいないけど、本来は終わった後に学校には行くつもりではいたんだ。

それを先生に伝えたら、「来なくていいよ」って言われてさ。


「えっ?」


って、そう思ったよ。


「来た所で6時間目の授業くらいしか受けられないんだし、鈴宮なら1時間くらい受けなくたって問題ないだろ? 授業も出席扱いにしとくから、偶にはそのままゆっくり休め。」


なーんて、言われてポカーンってなったよ。

それでいいの?先生??って具合にさ。

そんな私を察してか高橋先生が、


「大丈夫だから気にするな。それに普段真面目で優等生な鈴宮だから先生方も許可してる訳だし、たまにゃ甘えとけ。」


だって······。

高橋先生の判断だけじゃなくて、()()()ですか······。

そう言われてしまえば、それ以上は何も言えないからその言葉に甘える事にしたんだよね。

だから、葵にはその事は言えなかった。

勿論お父さんやお母さんにも内緒。

別に話した所で問題は何一つないのだけど、それでも変にかいぐって心配されるのもイヤだったからね。




「そう言う事なら、その日はお願いしてもいいかな?お姉ちゃん?」


「オッケー。任せといて。·······ああ、帰りはそのまま雪ちゃんのお迎えにも行くからそのつもりでね?」


「うん、それは大丈夫だよ。 それにしても·······お姉ちゃんの送迎に雪ちゃんのお迎えかー·····。お迎えに行くのも久しぶりではあるけど、豪華な1日だなぁ······。」


「豪華な1日って······そんな大袈裟な······。」



側で嬉しそうに話す葵を見てると、相変わらず面白い娘って思ってしまう。

それにお姉ちゃんっ子って所も、小さい頃と変わらないなって所もね。


昔、雪ちゃんが生まれるまではいつも私にくっついてきてた葵。

小学校時代の登校時の手繋ぎは勿論の事、お風呂や寝る時もいつも一緒だった。

お陰でお母さんが『葵がお風呂に一緒に入ってくれない』と、嘆いてたのを覚える。

その後私が雪ちゃんを妊娠してだんだんとその機会が減ってはいったんだけど、雪ちゃんが生まれた後はお姉ちゃん気質が出来たのか、雪ちゃんを可愛がってくれて自然と私に甘える事もなくなってはきたよね。

でも何だかんだで私に対して甘えたり喜ぶ姿は昔と変わらない。


葵は私と違って喜怒哀楽を表に出しやすいからね。

特に『喜』と『楽』は見ていて凄く分かる。

今だってスマホを弄ってはいるけれど、「ふんふふふ〜ん♪」なんて、よく分からない鼻歌なんかを歌ってるし。


逆に私はその手の感情を出しにくいというか、押さえちゃう傾向なんだよね。

まぁ······雪ちゃん絡みになると周囲に分かるくらい感情に出ちゃってるらしいけどさ。

それは私も自覚はしてるし、反省をする事もあるよ。

でも、それ以外だと比較的わかりにくいと言われた事もあるしね。

だから葵を見てると、こうも素直に感情を出せるのもいいよねーって思うのもあるし、同時に姉妹でもこうも違うんだねとも思う。


私の側にいる雪ちゃん。

頭を撫でればくすぐったそうにして、私を見上げてくる。

でも何もないと判断したのかそのまま撫でれつつも、テレビへとその視線がいく雪ちゃん。

あと数年して思春期を迎えて大きくなって来たら、果たして雪ちゃんはどんな性格になるんだろうか?って思ってしまう。

私みたいな落ち着いた性格になるのか、はたまた葵みたいな明るくて元気な性格になるのか······。

見た目はある程度予想は付いてるけど、性格までは分からないからね。


さわさわ、さわさわと髪を撫でながら、そんな事を考えてしまった私だった。








  ーーーーーーーー




ガラガラガラ······


「おはよ〜♪」


「「「「おっはよー!」」」」

「茜、おっはよ〜♪」


教室の扉を開けて、既に登校していたクラスメイト達に朝の挨拶をする私。

こちらから挨拶をすればそれに対して挨拶を返してくれて、そうでなくても向こうから自然としてくれる皆なんだよね。

いつもの事ではあるけれど、今日というちょっと特別な日でもそれは変わらなかったのは流石だなって感じちゃった。


鞄を仕舞って、一先ず自分の席へ座る私。

10月が段々と近くはなって来たけど、まだまだ気温的には暑いなー、早く涼しくならないかなーなんて思いながら、持ってきてる水筒から一口二口と飲み物を飲む。



「ねぇ、茜ちゃん。このはちゃんはどうしたの?」


「うん?このはちゃん??」


一息ついたタイミングで、彩ちゃんにこのはちゃんの事を尋ねられたんだよね。


(あれ······? 彩ちゃん忘れてる?)


「あれ?そういえば、このはちゃんいないね?雨、降ってないのに········。」

「そうだね。もしかして、このはちゃん休み?」


周りにいた皆も彩ちゃんに同調して、このはちゃんが居ないことに不思議がってるの。


(何これ?)


そう思ってしまう私は悪くはないよね?

だって今日このはちゃんが居ないことは以前に先生が説明してた筈なんだけど、皆見事に忘れてるみたいだし。

まー、それ以外にも理由としては1つ思い浮かぶのが想像つくのだけど。


「今日はこのはちゃんは来ないよ。だって試験会場が私達とは違うから、今日はそっちに行ってるからね。」


「「「あぁ!」」」

「「そっか、そっかー·····。」」

「ゴメンごめん。すっかりその事、忘れてたわ。」


私がこのはちゃんがこの場にいない1番の理由を話せば、あっさりと納得&思い出してくれた皆だった。

手をポンって打ったり頷いたりとリアクションは様々だったけどね。


「いや〜·····私さ、茜ちゃんが来たのにこのはちゃんがいないから、アレ?って思っちゃってさ······。」


「あー、それ分かる。私もだよ。天気は晴れてるのにこのはちゃんが一緒じゃないから、変だなー?ってさ。」


「ほんとほんと。それだけこのはちゃんと茜の一緒の登校は、私達にとってもう見慣れた物になったって事だね」


「全くも〜〜······。それはそれで嬉しいけどさ、皆もしっかりしてよね?こんな調子で大丈夫なの?」


「「「あははははは·········。」」」



結局皆が先生の話を忘れてたのはあったのだけど、それ以前に私とこのはちゃんが一緒に登校してくるのが定番化して、見慣れた光景になってしまったのが大きかったみたい。

そしてこれは私が思ってたもう1つの理由が、当てはまった形にはなったんだけどね。


私がこのはちゃんと一緒に登校するようになって約3ヶ月。(夏休みは除く)

今年の梅雨は1日シトシト雨という日は少なくて、短時間でザーーっと雨が降っては止む、降っては止むいう感じの日が多くて、朝に関しては比較的一緒に登校が出来たんだよね。

7月は梅雨が明けて晴れが多かったから言わずもがなだし、夏休み明けの今月も雨の日も多少はあったけど、大半の日は一緒にこれた。


そして今日。

快晴というわけではないけれど、太陽は出てるから皆が勘違いしてしまうのは無理もないかなとは思ってたんだ。

私自身も先生の話と、昨夜改めてこのはちゃんから話を聞いてはいたけれど、それでも晴れの日の朝に隣にこのはちゃんが居ないのに違和感を持ちながら自転車を漕いでいた身だからね。



「まぁ······、それはなるようにしかならないでしょ?ここまで来たら徹夜とか足掻いてもどうにもならないし。」


「そうだけどさー······。実際のとこ、皆はどうよ?」


皆が話すのは、英語の試験の事。

私達が所属してるコースの皆が受けるんだけど、このはちゃんは私達とは違う上の級を受けるらしいんだよね。

詳しい仕組みはよくは分からないのだけど、その級は学校で試験をする私達とは違って会場そのものが指定されてるのだとか。

あとは実施の日にちも少し違ってて、このはちゃんは今日が1次試験だけど私達は今週末に学校に登校して行うらしいんだよね。


「私はちょっと厳しいかなーって感じてるかな?」

「私もそんな感じかな~?」

「うちは微妙かな?行けそうな気もするけど、正直やってみないと分からないね······。せめて1次くらいは合格したい所だけどさ。」


話をしていけば、大半の子は厳しいかな?って意見が多かった。

そしてそれには私も似たような感じで、実際にはやってみないと分からないって部分が大きいんだよ。

レベル的には高校中程度らいしのだけど、そうは言われても試験そのものが初めてだから緊張とかもある訳で······。

過去問とかもやってみて、出来る範囲で対策・勉強はしてきたつもりではいるんだけど、やっぱり分からないと言うのが本音。



「茜はどう?いけそう??」


美紅にそう聞かれたけど、答えは1つしかない。


「やってみないと分からないかな? それなりに勉強はしたけどさ、まだまだだなーって感じてる部分も多いから、今回はせめて1次だけでも合格をしたいかな。」


「そっか······。」


私の事はもうそれ程重要ではないの。

無理かもしれないとは思ってても、受ける以上は合格を目指して頑張るのには違いはないからね。

端から諦めて挑むつもりはないし。


それよりも気にるのは、このはちゃん。

あれだけ頭の良いこのはちゃんがあれだけ勉強をしてたのだから、このはちゃんには頑張って合格を勝ち取ってほしいなと思う。

それだけの努力をしてたのを、私は知っているから。



だから······頑張って!このはちゃん!!



私は心の底から願う。

このはちゃんの努力が報われますようにと。

合格出来ます様にと。


私の事を色々と見てくれて助けてくれた、そんな優しいこのはちゃんだから······。

 


お願いします。神様。

このはちゃんが私に注いでくれた幸せの一部を、私に変わってこのはちゃんにあげてください。




そんな風に祈りながら、私は今日一日を過ごして行くのでした。


今回の英検の検定について、私なりに公式等から調べて理解したつもりで書いてありますので、実際と違っていてもご理解・ご了承ください。


見れば見るほど仕組み的に複雑そうで、団体申し込みや個人申し込みで違ったり、本会場や準会場など色々とあり難しそうです。

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