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ママは女子高生♪  作者: 苺みるく


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169/234

ある日の夏休み⑥-5 20歳高2(挿絵有り)

スゥ~···スゥ~······。


「よく寝てるね、雪ちゃん。」


「そうだね。まぁあれだけプールではしゃいで楽しく遊んでたから、流石に疲れたんだろうね。」



帰りの車の中で、私の隣の助手席から雪ちゃんの寝息が聞こえる。

皆とブールでお別れをした後に駐車場まで歩いて行って荷物を積み込んで、朝乗せてきた皆と帰宅の途へついたんたけど、車を動かして比較的早い段階で寝ちゃったんだよね。


信号で止まるたびに、助手席で寝ている雪ちゃんの寝顔を確認する私。


(うん。気持ち良さそうに寝てるね。)


気持ち良さげに寝てる雪ちゃんを見つつ、今日のプールの事を思い返した。







  ーーーーーーーー




「ママー! 行くよー!早く早く!!」


「はいはい····。そんなに急かさなくてもプールは逃げないよ?全く······。」


雪ちゃんに急かされながら、流れるプールへ向かった私達。

タイミング悪くというかそんな感じで休憩タイムというお預けを食らったから、雪ちゃんのテンションがまた変に上がってるんだよね。


「雪ちゃんはここから入るよ。それと、浮き輪によく捕まってるんだよ?」


「うん!」


雪ちゃんと一緒にステップのある場所から流れるプールへと入って行きます。

みんなは普通にドボン、ドボンって入っていくけれど、ここは深さもそれなりにあるから万が一浮き輪が外れると雪ちゃんにはちょっと危ないんだよね。

なので私は、安全第一で。



「うわっ!冷た!!」

「でもすっごく気持ちいいねー♪」

「私、こういうの初めてなんだけどさ、いいねコレ。」

「だよねー。こう···浮き輪に捕まりながらのんびりと行くのも悪くはないよねー。」


みんながキャッキャしながら楽しんでるのを脇目に、私達もそれぞれのペースで楽しんでた。


「雪ちゃん、どう?」


「う〜ん? ちょっと恐いけど、足がプラプラしてるのって変な感じー。でもなんか面白いよ!」


「そっかー。それは良かったね♪」


どうやら雪ちゃんも大丈夫そうな感じで私も一安心。

まぁ私もすぐ隣で浮き輪を掴みながら押したり引いたり、時にはくるくると浮き輪ごと雪ちゃんを回してみたりしているんだけどね。


「キャハハハ♪ママーおもしろ~い!もっともっとー♪」


浮き輪を使ってあれこれとやってあげてるのが面白いみたいで、ご満悦の雪ちゃん。

そんな姿を見てる私も、これまた楽しくて幸せを感じてた。



「お〜い!このはちゃーん、雪ちゃ〜ん、茜〜!こっちこっち!」


「なぁ〜に〜? わっぷ!?」


「わはははは······。隙ありだよ!」


前方で遊んでたみんなに呼ばれて向かってみれば、みんなから水を掛けられた茜ちゃん。

スライダーでもう水を被ってるから今更ではあるけど、不意打ちを食らった茜ちゃんはたまったものじゃないよね。


「こんのーー!!やったなー!!」


「「キャーー♪ 茜が怒ったー!(笑)」」


バシャバシャと水のかけっこをやり出したみんな。

こっちには雪ちゃんに気を遣ってくれたのか被害は来なかったけど、あれはあれで楽しそうだよね。



パシャッ···


「わっ!? 何なに〜?」


「雪ちゃんにはこのくらいの方が良かったかな?雪ちゃん?良かったらお姉ちゃん達とも遊ばない?」


「あ···うん!遊ぼー。」


「やった〜♪このはちゃん。雪ちゃんと遊んでもいいかな?」


「うん、いいよ。宜しくね?」


こっちにも水がかかってきたなーって思ってたら、それをしてきたのは何と志保ちゃんだった。

雪ちゃんに配慮して少しだけかけてくれたみたいなんだけど、それでも雪ちゃんは嬉しそうだったね。

で、雪ちゃんは志保ちゃん達とも游ぶようになって一緒に流れるプールを回ったり、誰かが借りてきた板状の浮き輪に恐る恐る乗せてもらったりもしてた。


これはバランスとりが難しいから私達で両側を支えながら雪ちゃんを乗せてたんだけど、見てる方も結構ひやひやしたよね。

私達が乗ると沈みはしないけど高確率でひっくり返ったり、 又はひっくり返されたりとお約束の展開をやってたけど、これはこれでまた楽しい時間だったよね。





  ーー お昼 ーー



それなりに遊んで少しだけ早いけど、休憩がてらのお昼にした。

プールのあちらこちらに売店があったので、買うのには困らなかったよ。

ただ其々の店舗で品揃えが違って変わった食べ物なんかもあったりで、何を食べるかは悩むところだったけどね。

そして私はというと、雪ちゃんが焼きそばという無難なメニューにしたので私もついでにそれにして。

食べ終わった後に雪ちゃんには、かき氷というおまけ付き♪

そしてそんなタイミングで、それは起きた。



「ねぇねぇ?! 皆はさ、どんな水着を着てきたの?見せっ子しない?」


「「「「ええーー!!?」」」」

「やだよ〜。恥ずいじゃん!?」


「そうは言ってもさ、見せる相手は私ら女同士だから平気だよ?それに皆ラッシュガード着てるからどんなのを着てるのか全然分からないし······。」

 

そう言うのはやっぱり彩ちゃんで。

まぁでも、その気持ちは分からなくはないけどね。

多分みんなもこの日の為に水着そのものを新調してきてると思うんだよ。

中学の時にこういったプールや海に行ったかどうかは分からないけど、行かなければスクール水着しかない訳だし、仮にあったとしてもサイズが変わってる事もありうるだろから。


それに私と雪ちゃんも太陽は大丈夫で日焼けもしないとは分かってはいても、念の為にラッシュガードは着用してるからね。

そしてそれはみんなも同じで、日焼け対策に着用してる。

全身に日焼け止めを塗るのとこれを着用するのでは、手間とか効果も違うからね。

これが室内のレジャープールだったらまた違ったんだろうけど、今回は日差しのキツい野外だから尚更ね。


だからか口では恥ずかしいとか言ってる皆だけど、てもどことなく見せたいっていう感情が言葉の中に含まれてる、そんな感じを受けた。


「と言うわけで、言い出しっぺの私からいくよ?」


そう言って早速彩ちゃんがラッシュガードを脱いで、新調したらしい水着を見せてきた。


「「「「おお!」」」」


「どう?似合ってるかは分からないけど、取り敢えずビキニにはしてみたよ。」



言い出しっぺではあるけれど、恥ずかしいのか少し照れくさそうに見せてくる彩ちゃん。

そしてそれに反応するみんな。

やっぱり誰がどういうのを着てきたのか、興味はあったみたいだね。


「うん!結構いいんじゃない?」

「そうだねー。明るい色合いで彩に似合ってるよ。」


「そ、そう?それはありがとね♪実際にどんな色とか柄ならいいのかなー?なんて、結構悩んだんだよね。」


「あー······分かる分かる!実際に自分だけで選ぶってなると結構悩むよね〜。」

「そうそう!デザインとかも豊富過ぎて何を選んで良いのやら悩むし、試着もそんなには出来ないしねー。」


あははは······なんて苦笑いしつつ、そう語る彩ちゃん。

そしてそれに同調するみんなでもあるし、私もそれは分かる。

豊富にあるデザインの中から選ぶのは大変だしね。

まぁ、私の場合はサイズ的な物もあるから先ずはそこからになってしまうのだけど·······。


そしてその後はみんながその気になって、見せ合いっ子が始まった。

そしてそれは、私と茜ちゃんも例外ではなくて。



「はい。私はこんな感じ。ま、よく目にするタイプのデザインだけどね。」


挿絵(By みてみん)


「「「おお!!」」」 

「赤かー···。いいね、このはちゃん♪」

「更衣室でチラッとは見たけど、改めて見ると素敵だね!」


みんなが口々に感想を述べてくれる。

まぁこの辺りはみんなが其々披露してる時と一緒だから、特にこれと言う事はないんだけどね。


「ねぇ? 良かったら後ろ姿も見せてくれる?」


「後ろ?」


「うん!やっぱり後ろも気になるじゃん?」

「あー······確かに。私も見たいかも。」

「「私もー!」」

「うちもー!!」


「後ろなんて前と一緒で、ごく普通だよ?」


挿絵(By みてみん)


そう言いつつ後ろを向いて背中を見せる。

今さっき言ったけど、本当に普通なんだよ?

首と背中の位置で紐を結んであるだけだから、みんなが着てるのと作りは一緒だし変わった所なんて何にもないからね。


「「おぉ!!」」

「「わぉ!!」」

「あー······やっぱり、このはちゃんはいいわ〜♪」

「だねー♪ 前からも綺麗だけど後ろ姿もやっぱり綺麗だよね。」

「ほんとほんと。毎回思うけど、このスタイルれで子供を生んでるんだから凄いよね!」

 

なんか感想が水着ではないような気がするのは気のせいかな?

気のせいじゃないよね。そんな気がする。

全く······。

たった1ヶ月少々会わなかったけど、こういうノリやテンションはやはり変わってないよねってしまうよね。

そしていつもと変わらないテンションと振る舞いに、この雰囲気もやはりいいよねって思い安心する私がいる。



「みんな、ありがとうね。実際はさ、あんまりコレっていうのがなくて、無難なコレを選んだんだ。」


「そうなの?そういう割にはいいと私は思うけど?」

「私もいいと思うな。このはちゃんってさ、結構どんな物でも似合うけど色合いでいくと赤って結構似合うよね。」

「あー······確かに。それはあるかも。」


「あー·····赤ね。確かに好きかも。」


再びラッシュガードを着直しながら、みんなの会話に答えていく。

確かに服の好みでいくと赤色は好きかな。

目の色と同じだから?う〜〜ん······なんだろう?

実際にそこまで意識して買ってる訳ではないけど、好きではある。

あとは私とは対極である、黒かもなん好きだよね。服に限れば······。


ちなにみに普段の色でいうと、緑色が好きである。

私の住まいの方だと畑や田んぼなんかも結構ある方だから、小麦や稲が成長したときに見るあの緑一色の田んぼ、雑木林も含めた新緑の黄緑色の葉からの緑など。

そついった意味で、植物が好きな私としては緑色は好きなんだよね。



「そーいえば······、茜ちゃんは随分と落ち着いてるね?」


「え!? 私??」


「あー······確かに!」

「そう言われると、確かに落ち着いてるよね?」

「私達の中で1番に喜んだりうっとりしそうな茜が·····?なんかあったの??」


私がちょっと関係ない事を考えていた内に、話の矛先が茜ちゃんへと移っていた。

まぁ······夏休み前の茜ちゃんしか知らない皆からしたら、少し変わった?って思われても仕方ないのかな?


「あ·····えーと···その、ね······。」


「何なに??」

「お?その反応は、もしかしてこのはちゃんと何かあったのな??」

「マジ?!」

「ホントなの?茜??」


皆からはやし立てられて、顔を赤くする茜ちゃん。

あーあ······これじゃ、何かあったって言ってるような物じゃない。

そしてそんな反応をする茜ちゃんを見た皆が、これは何かあったなと気付いちゃったよね。


「あのね、みんな。茜ちゃんとはこの水着を買いに行く時に一緒に行ったんだよ。で、試着とかを含めてお互いに見たりとかして知ってたから、みんな程の反応がなかったんだよ。」


「そう、そうなの!このはちゃんと一緒に買いに行って、この水着を着るっていうのを知ってたからさ。」


返答に困ってる茜ちゃんに、助け舟を出す事にした。

だって根掘り葉掘り聞かれて、茜ちゃんが我が家に泊まったと言う事はまだみんなに知られたくないんだ。

別にやましい事をしてる訳ではないけれど、これを知られると『私も泊まりたい!』って、みんながそう言いそうな予感がするんだよね。

そうすると私も対処が出来なくなるし、困るから······。


なのでみんなには悪いけれども、これは内緒にすると茜ちゃんにも話はしてある。

そしてそれは私の隣でかき氷を「つめた~い!」って言いながら食べてる雪ちゃんにも伝えてはあるんだ。

雪ちゃんは小さいからうっかり話してしまう懸念はあるけれど、今の所は遊びに夢中になってるから大丈夫だったんだよね。


「そうだったんだ。それは良かったじゃん。茜。」


「うん。私一人じゃ遠くまで買い物に行けないし、選ぶのも無理だったから本当にこのはちゃんには助かったんだよ。」


美紅ちゃんが茜ちゃんの事に喜んでいてくれる。

そしてそれを信じてくれたのか、みんなも「良かったねー」って言ってくれて、それで事なきを得たよね。

で、やっぱりというか皆は優しかった。

茜ちゃんの事情を知ってるとはいえ、こうも気遣ってくれるんだから。

それだけ茜ちゃんを大切にしてくれてる証なのかなって思う。



「ねぇねぇ?この後はどうする? スライダーを見る限り、あれはもう無理そうだよね?」

「あー·······確かに。入口から並んでるんじゃ、どんだけ時間かかるのか分かんないよね。」


話は今後の予定をどうするかになったんだけど、スライダーの方はもう階段の登り口から待機状態になってた。

これも美紅ちゃんが言ってたのと同じ状況になったよね。

そして炎天下の中で何十分待つのか分からないのは無理だよねーって話になって、残りは流れるプールと波プール&多目的プールで其々遊ぼって事になったんだ。

こっちもそれなりに混んではいるけれど、出入りは自由だし制限もないから。


そして程々に遊んで閉園を待たずに、切りの良い所で終わりという事になった。

時間にしては6時間くらいかな?

でも始めはスライダーをガンガン滑れたし、その後は他のプールで楽しめたので、みんなも大いに満足したみたいだった。

もちろん雪ちゃんもそうで、寧ろ「疲れたー」って言って休んでたからね。

そして皆とは着替えの後、ゲートの外でお別れをしたんだ。

「今度は学校で会おうね~。」って。

名残惜しかったけど、あと1週間もすれば直ぐに会えるからみんな笑顔だったよ。






  ーーーーーーーー




「みんな寝ちゃったね?」


「そう···みたいだね。茜ちゃんも寝てもいいんだよ?私は大丈夫だから。」


「ううん。大丈夫だよ。私はこれでも運動部やってるんだから、このくらいならへっちゃらだよ!」


いつの間にか静かになったなーって思ってルームミラーを覗けば、茜ちゃん以外の皆も寝てたんだ。

まぁ、あれだけ元気にはしゃいでいれば、それは疲れるよねと思う。

プールの後って疲れもあるけれど気だるさというのも意外とあって、それが眠気なんかも誘うんだよね。

私は雪ちゃんを見てたからさほど疲れてはないし、茜ちゃんは?と思ったけど、そこはさすが運動部というものだった。


「大丈夫だとしても、今日は早く寝るんだよ?意外とプールの後は疲れてるものなんだからね。私も今夜は早く寝る予定だから、電話は出来ないからね?」


「心配してくれてありがとね、このはちゃん。大丈夫。私もやる事やったら早めに寝る事にするからさ。」


「うん。」



微かに寝息の聞こえる車内で、私と茜ちゃんの会話だけがする。

茜ちゃんにも話したけど、いくらまだ休みがあるとはいっても休む時は休んだ方が良いからね。

無理して次の日にダウンとかは洒落にならないしさ。


それにいくら運動をしてて体力があるっていっても、油断は禁物だから。

だから敢えて早く寝るって伝えて、茜ちゃんも早く寝るように促した訳。

そうしないと意外と無理しちゃう所があるからね、茜ちゃんって。





みんなをそれぞれの家に送り届けて、最後は茜ちゃん。

そんな茜ちゃんとも一旦のお別れをして後は私達の自宅へ帰るだけなんだけど、相変わらず雪ちゃんは寝ている。


挿絵(By みてみん)


これはやはり、相当疲れたかな?

まぁ無理はないかと思いつつも、この後の事を考える。

家に着いたら先ずは洗濯物を回して、お風呂に入って。

晩御飯は今夜はお母さんが作ってくれるらしいので、甘える事にしたんだけど果たして雪ちゃんはご飯は食べられるかな?

お風呂だけは絶対に入れるんだけど、ご飯はまた寝ちゃいそうな感じがするんだよね······。

まぁ、寝ちゃったらそれはそれでいいかとは思ってはいるんだけどさ。



ふと、顔を見る。

変わらず、いい寝顔をしてる。

一体どんな夢を見てるのかな?

今日の楽しかったプールの夢でも見てるのかな?

そうだったら、ママは嬉しいな♪



そう思いながら、私は帰路につくのでした。

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