ある日の夏休み⑥-3 20歳高2
「開園があと少しだから、改めて確認をするよ?」
「「「「はーい。」」」」
プールの開園があと数分という時間になって、改めて美紅ちゃんが皆に確認をしてくれるらしいです。
「まず、ロッカーは沢山あるから場所には困らないよ。だから浮き輪を膨らませる必要のある子は、着替える前にやっとくのがオススメだね。そこのゲートを入って直ぐ左の隅に浮き輪を膨らませる場所があるからさ。レンタル浮き輪も直ぐそこにあるから、それは各自お任せね。それとテント位置はこの辺りが良くて張る予定だから、着替え等に時間がかかるなら後から来てね。待ってるから。」
そう言ってスマホからマップを開いて、今日のテントを設置する位置を皆に教えてくれたんだよね。
それを皆で見て確認して、情報共有です。
一応、私も公園の衛生写真とかマップなんかで確認はしていたんだよね。
ワンタッチテントを私を含めた車組で持ってる子に持ってきて貰ったから、どこに設置をするのがいいのかを確認がてらね。
人数が多いから一斉に休憩すればみんながテントに入れる訳ではないからテント前にレジャーシートを敷く予定で、だから出来れば日陰になる場所がよいよねって意見で。
それにこのプールは広いから、なるべくなら沢山遊びそうなプールの中心辺りがいいんじゃないかな?って思ってた。
そういうのをこのプールに来たことのある美紅ちゃんと相談して、結果この位置に決定したんだ。
メインになるであろうプールの中心辺りにして、このエリアは木々も多い。
なのでその中に設置すれば日中を通して日陰でいられそうだし、他のプールへも近いから。
来た事のある美紅ちゃんがいてくれたのは、非常に心強かったよ。
「あとはそうだねぇ〜·····。何から行くかだけど、最初はスライダー中心がおすすめかな?多分だけど11時を過ぎると一気に混み出すからね。」
「スライダーか······オッケー!」
「確かにああいうのは順番待ちが長いから、人も増えればその分混むからねー。」
「うんうん。」
「じゃあ、後半は流れるプールとか波プール、多目的プールなんかを中心にしよっか?」
「そだねー。」
「異論な〜し!」
そしてプールに入る流れる的なものが大まかに決まった。
最初はスライダー中心で、その後はその他各種のプールにって事で。
「ありがとねー、美紅ちゃん。」
「ほんと、助かったよ、美紅。」
「いいって、気にしないで。偶々来たことがあっただけだったしさ。」
私と茜ちゃんで美紅ちゃんにお礼を伝えた。
「それでもさ、来たことのある人の意見は大きいから本当に助かるよ。」
「「「うんうん。」」」
「だよねー。」
私がホームページから調べた事。美紅ちゃんから聞いたこと。
それを合わせるとここのプールは、今は当日券は発売してなくて全て事前にチケットを購入する方式になったらしいんだよね。
ついでにある程度の混雑防止を兼ねてか、時間帯で入場者数を区切るという仕様で。
開園組、その1時間後の10時入園、11時入園という3段階の仕組み。
だからスライダーも開園直後はかなり空いてるんだって。
で、時間が経って人が増えれば当然待ち時間は増えるから、最初に滑りまくって満喫しようってなったんだよね。
私は雪ちゃん次第なんだけどね。
あとはテントの位置だとかお昼の事だとか、そういう細かい所も聞けたのは大いに参考になったよ。
ほんと、美紅ちゃんありがとねー♪
ーーーーーーーー
「雪ちゃん、脱いだお洋服はこっちにいれてね。サンダルはそのままでいいよ。」
「はぁ〜い♪」
雪ちゃんに指示を出しながら、私も着ていた服を脱いでいく。
もう雪ちゃんは待ちきれないのか、そわそわソワソワしっぱなしなんだよね。
それでも私の言うことはきちんと守ってくれるから、凄く助かってはいるよ。
「あれ?このはちゃんは、水着を着てきたんだ?」
「うん。どうしようかな?とは考えたんだけど雪ちゃんもいるからさ、なるべく手間は省きたかったんだよね。」
「なるほどねー。やっぱり色々と考えてるね、このはちゃんは。······私も着てきちゃえばよかったなー······。茜ちゃんも着てきてるし。」
チラッチラッと見渡してみれば、水着を予め着て来てるのは半々ってくらいかな?
「私もこのはちゃんと似たような理由だよ。手間とかそんなの。」
「そっかー······。」
振られて茜ちゃんも応える。
彼女も悩んではいたけれど、私が着て行くからって事でそうしたんだよね。
それはまぁ、言えない理由だけど。
「私達は車だったけどさ、電車だと水着を着て来ちゃうとあれじゃない?」
「いや、そうでもないよ?透けにくいのを着てくれば見えないし、ホールドもしっかりしてるから違和感もそんなにないし。」
「そっかー。」
私は予め着て来た理由として車というのも含まれてたけど、電車でもそんなに問題ないんだねって知った。
とはいっても、電車を使ってプールに来ることは恐らくないだろうけどね。
だって結局は車が便利なんだもん。
「ママー?早く行こーよ??」
雪ちゃんが私の手を引っ張ってきて、プールに行こうよと催促をしてきた。
流石にもう我慢の限界みたいだね。
まぁ朝から······いや、昨日の夜からかなり楽しみにしてたみたいだし、今日もそんな中ずっといい子にしててくれたからね。
「分かったよ、雪ちゃん。私達先にテントとか用意してるから先に行ってるね? レジャーシート誰かもってたら借りていい?それも一緒に敷いとくからさ。」
「「「はーい。」」」
「分かったー!」
「あ、レジャーシートあるよー。このはちゃんお願いね。」
みんなに一声掛けて、レジャーシートも預かる。
テントも含めて一気に場所を取らないと、どんどん埋まってしまうからね。
そして向こうへ持っていく荷物だけを出して、他はロッカーへとしまい行くことにします。
「このはちゃん。テントは持つよ?」
「ありがと、茜ちゃん。じゃ、行こっか。」
「「「うん!」」」
「オッケー!」
右手を雪ちゃんと繋いで、みんなと歩いて行く。
と、そこで茜ちゃんが私の荷物を持ってくれたのが凄く助かったんだよね。
肩に掛けられる物は掛けて後は左手で持ってたんだけど、正直ちょっとキツかったから。
なので私の持ってきたテントと預かったレジャーシートを、茜ちゃんにお願いした。たったこれだけだけど、それでもだいぶ楽になったよ。
ありがとう、茜ちゃん。
「ママー。広いねー♪」
「本当だね〜。それにほら、あそこにあんなに大きいスライダーがあるよ。こっちには子供用のプールもあるね。」
遠くに見えるスライダーを眺めつつ目的地まで歩く。
更衣室から出て歩くこのプールは思ってたよりも広くて大きかった。
そして何処となく懐かしさも感じるプールで······。
其々のプールとの間隔も広く取ってあって広すぎじゃない?って思うんだけど、これが時間が経つとテントで埋まるんだから凄いよなーって思う。
ネットで調べてる時にそんな画像が沢山出てきたし、今も制限はかけてるとはいえ、やっぱりそれなりにはなるんだろうなと思ってしまう。
それもこれも値段の安さを見れば頷けるというものだよね。
大人が1000円でお釣りがくるし、子供なんて200円。
家族4人で1日遊んでも、2000円でお釣りが来るプールなんてそうそうないと思う。
おまけにプールの種類も多いときてるしね。
「雪ちゃんはあそこの子供用プールは行きたい?」
「うーん······いいかなぁ?それよりも大きなプールとか滑り台ののを行ってみたい!」
「そっかそっか。スライダーか······。雪ちゃんチャレンジャーだね。」
入口1番手前にあった子供用プールに入るか尋ねてみたら、まさかの入らない宣言。
これは私もちょっと驚いたよ。
それに大きいプール······この場合流れるプールとかスライダーを滑ってみたいとかだもんね。
怖さがないんだろうか?と思ってしまうよ。
「ねぇ、このはちゃん。雪ちゃんってスライダー行けるのかな?」
「確かに······。この手のやつって身長制限があるから、場合によっては無理かもしれないよ?雪ちゃんっていくつくらいあるの?」
話を聞いてたみんなに心配をされて、確かにその問題はあるよねーって思った。
「今は110センチは越えてて平均身長くらいはあるよ?まぁ······あっちのチューブスライダーは無理かもだけど、こっちの滑り台タイプならいけるんじゃないかな?確認はしてみないとだけど······。」
「雪はあれ、滑れないの?」
「ん?いや···確認をしてみないと分からないけど、もしダメでもママと他のプールで遊ぼ?いっぱいあるし、きっと楽しいよ?」
「うん······。」
滑れないかも?なんて思ってしまって、ちょっと凹んでしまった雪ちゃん。
でも、こればかりは安全性を考えた規制だから仕方がないよね。
「じゃあ、私がちょっくら行って確認をしてるくるよ。このはちゃん達は先に行って場所を取っといて?」
「いいの?」
「もちろん!ただ確認をするくらいだから、大した事ないからね。じゃ、見てくるー。」
そう言って、あっちゃんがスライダーの確認をしに行ってくれたんだ。
私はそんなあっちゃんに素直に甘えることにして、本来の目的の場所取りに行くことにしたよ。
「この辺り?」
「そうだね······。ここならスライダーと流れるプール、波と多目的プールにそれぞれ近くで尚且つ日陰。それにこの木の数なら日中ずっと日陰でいられるかもね?」
それらしいポイントに到着して、茜ちゃんが尋ねてきた。
私も決めといたポイントと場所が同じなのかを確認して、間違いのない事を確信する。
「じゃ、早速広げちゃおっか?」
「あぁ、待って!一応太陽の位置を確認して良さげな場所を見つけるから······。」
広げようとするのをストップさせて、一旦確認する。
ここまで美紅ちゃんが教えてくれたから、最後までいい所を取らないとね。
それに雪ちゃんもいるから、尚更涼しい所が欲しい。
上を見て確認をする。
木々の葉の隙間から漏れる太陽。
これが今は南東方向だから向こう側が西側。するとこっち方面が南になるから······。
「この辺りが良さげだよ。ここにテントを2つ並べて、その前にシートを広げよっか?」
「「「オッケー!」」」
太陽の移動ルートと木々の葉の生い茂り具合を見て、当たりをつけた所に設置をする事にしました。
みんなとテキパキと作業を進めれば、簡単な物だから直に終わっちゃう。
「おーい!このはちゃーん!!」
「あっちゃーん!こっちこっち!」
スライダーを確認しに行ってくれた、あっちゃんが戻って来た。
「ねぇ···お姉ちゃん。どうだったの??」
「お、お姉ちゃん····。なんていい響き·····。」
「「おーい···あっちゃ〜ん??」」
「しっかりしろーー!?」
雪ちゃんに問いかけられたあっちゃんは、何故か放心してる···。
そしてそんな風なあっちゃんを、突っつくみんな。
「はっ···?! そうだ!放心してる場合じゃなかった!! このはちゃん、雪ちゃん。朗報だよ! スライダーの滑り台タイプは100センチからになってたから、雪ちゃんも滑れるよ!! 良かったね♪♪」
「「「おおーー!」」」
「本当!? 良かったねー雪ちゃん!滑り台は雪ちゃんも遊べるってよ。」
「ほんとー!? わぁー!やったやったー!!! ママ! 一緒に滑ろーね?」
嬉しさここに爆発と言わんばかりに喜ぶ雪ちゃん。
そんなに滑り台が楽しみだったのか〜と、不思議に思いつつも良かったなって思う。
あとはまぁ······着地の時のバシャーン!!で、怖くならなければいいのだけどね。
「見てきてくれてありがとね。あっちゃん。」
「いいって、いいって。気にしないでー。」
「それでもだよ。お陰で雪ちゃんも喜んでるし、ホッとしたよ。」
改めてあっちゃんにお礼を伝える。
あっちゃんは謙遜してるけど、私としては確認をしてきてくれたので助かった部分も大きいからね。
チラッと雪ちゃんを見れば、スライダーを滑れると分かってルンルン♪気分で嬉しそうにしてるからねー。
こういう顔を、表情を見ちゃうと、私としても本当に良かったと思う。
「「「「おーい!」」」」
「あっ! こっちこっち!」
着替えや浮き輪等で遅れた子達が、美紅ちゃんを伴ってこちらにやって来た。
これでみんなの準備が出来てそろったね。
「おまたせ~。待たせちゃってごめんね?」
「大丈夫だよ。こっちも丁度設置が終わった所だからさ。ささ、荷物を置いたら早速行こっか?」
「りょ~かい♪」
「ねぇねぇ?何から行く?やっぱりスライダーかな?」
「雪はねー、滑り台を行きたいの〜。」
「おっ!? 雪ちゃんは滑り台かー。怖くないの?」
「うん!ワーッて滑ってドボーンって、楽しそうなんだもん!」
「うわっ!雪ちゃん小さいのに意外と度胸があるねー?」
「だねぇ〜····。こういう所もこのはちゃん似??」
「いや······どうだろう?さすがに私も分からないな······。」
なんだかんだと話をしつつ荷物を置いて、早速遊びに行くことにしました。
雪ちゃんも変わらずスライダー希望みたいで、それはそれで構わないのたけどね。
みんなと今日1日を楽しく遊べればね。
「さ。行こっか?」
「「「「「「 おーーー!! 」」」」」」




