ある日の夏休み⑥-1 20歳高2
>>「いよいよ明日なんですけどー!!」
>>「ホントな!」
>>「台風もなしの晴天で、テンション上がるんですけど!?」
夏休みも終盤に入った8月のある日の夜。
マナーモードにしてるスマホの震えが多くなった。
見てみればLI◯Eの受信のお知らせだったのたけど、それがやたらと賑やかになって来たんだよね。
開いて見てみると、それはクラスの女の子達のグループLI◯Eだった。
>>「水着、どういうの買った?」
>>「ナ・イ・ショ♪」
>>「当日をお楽しみに〜(*´艸`*)」
>>「······買い忘れた(ノД`)シクシク」
>>「マジ!?」
>>「うっそー!? ネタじゃないよね??」
賑やかだねぇ〜······。
ベットに横になりながらスマホを眺めてる私。
普段はあまりこういう事はしないんだけど、今夜はあまりも賑やかで気になっちゃったから少しだけ見てはいるんだ。
その盛り上がってる原因は、明日みんなとプールに行くからなんだよね。
>>「やっとこのはちゃんに会える♪」
>>「休み長いのは嬉しいけどさ、会えないのもまた辛いよな?」
>>「うんうん!」
>>「分かる!」
>>「私、行けないんですどー!?(ToT)」
>>「同じく···。こんな時に生理とかマジ最悪(つд⊂)エーン」
>>「ドンマイ!」
>>「こればかりはねぇ〜···」
なんだかんだで盛り上がってはいるけれど、やっぱり多少は行けない子もいる訳でさ。
どうしても予定を外せない子や、今みたく生理が被ってしまった子とかね。
後者なら薬でずらせるけどそこまでお金を出してするのもあれだし、何よりこの歳の子には婦人科はハードルが高いよね。だから私がまた後で埋め合わせとして、一緒に遊びに行く約束はしてるんだけどね。
「行けなくても埋め合わせするから安心してね」<<
>>「このはちゃん降臨!!」
>>「Σ(゜∀゜ノ)ノ キャー」
>>「キタキタ!このはちゃん♪」
>>「ありがとー♪ (≧∇≦)/ 楽しみにしてるよ!」
∶
∶
∶
>>「ってゆーか、茜はどうした?寝てる?」
>>「こういう話だと、1番食いついて来そうだけどね?」
>>「このはちゃんに、ぞっこんだからねー (・∀・)ニヤニヤ」
>>「このはちゃん、愛してるってか? (・∀・)ニヤニヤ」
私が書き込んだら、それはそれでまた盛り上がっちゃって······。
1ヶ月少々会ってないのもあるんだろうけど、それ以前に私は余りこういうやり取りに書き込みをしないからね。
今までは家族としかやり取りをしなかったし、それも連絡や写真の共有ぐらいの用途だったから、どうも苦手でねー。
だから珍しいのもあるのかもしれない。
それにしても茜ちゃんか······。
「私にぞっこん愛してるだってよ?どうする??茜ちゃん?」
「うぅ〜······。何なのよ、皆······。」
私の隣でタオルケットを被って唸ってる茜ちゃん。
頭まで被ってるからその顔は拝めないけど、きっと真っ赤なんだろうなーと想像するのは容易い。
で、何で茜ちゃんがいるのかと言うと、明日皆とプールに行くからなんだ。
それに加えて明日は朝が早いしどの道お迎えにも行くから、だった家に泊まりにおいでって誘ったんだよね。
ちなみに今回は茜ちゃんを含めて何名かを私が乗せて行く予定なんだ。
私や茜ちゃんみたいに駅まで不便って子がいるからね。
「茜ちゃん。どうするの?何かコメントでも入れとくの?」
唸ってる茜ちゃんに尋ねてみる。
私としては何かコメントをしようがしまいが、どちらでもいいのだけど。
「一応、入れとくよ。これ以上突っつかれるのもあれだし······。」
「そっか。」
私もそれ以上は何も言わない。
みんなが知ってる茜ちゃんの私への想いはもう知ってるし、聞いてもいる。
ただその事を茜ちゃんが私に伝えたという事を、みんなは知らないけどね。
>>「もう寝ようとしてた。明日早いから (つ∀-)オヤスミー 」
暫くして反応のあった画面を見てみれば、それは茜ちゃんの書き込みだった。
うん。実にシンプル。
でも今の状況ではいいのかな?
寝ようとしてたのは間違いないし、これならみんなからも突っ込まれたりはしないだろうからね。
>>「あ、それはゴメン!」
>>「反応がないなと思ったらそれだったか」
>>「おやすみ〜」
>>「おやすみ」
>>「いい夢見てね〜」
「おやすみー。みんなも朝早いから程々にね?」<<
>>「うっ···」
>>「ここんとこ夜ふかし気味···」
>>「それ、直さないと学校きつくなるぞー? (・∀・)ニヤニヤ」
>>「そうそう!」
>>「寝るか···」
>>「寝ろ寝ろー。寝坊しても誰も助けてくれないぞ (゜∀。)ワヒャヒャヒャ」
>>「 ((((;゜Д゜))))ガクガクブルブル 」
>>「行けない私は関係なし! (;´д`)トホホ…」
>>「 ネムイ(´・ωゞ) 」
>>「ドンマイ!」
>>「(つ∀-)オヤスミー」
>>「おやすみー。私も寝るかな?」
プチッとスマホの画面を落としてベットに伏せた。
これなら何か通知が来ても画面のついた時の明るさは防げるからね。
「こんなんで良かったのかな?」
「いいんじゃない?少なくともみんなも寝るような流れにはなってきてたからね。さぁ、私達も寝よ。明日は早いよ?」
「うん。おやすみなさい、このはちゃん。」
「はい。おやすみ〜、茜ちゃん。」
茜ちゃんにも寝るのを促して、私も寝る事にした。
LI◯Eは賑やかだったけど、茜ちゃんがいい感じて書いてくれたのでみんなも寝る方向に持っていけたからね。
それに実際には明日の朝は早い。
起きる時間は学校に行くときと変わらないけれど、家を出る時間が早いからね。
それにプールって意外と疲れるからさ。
そういうのも含めて早く寝るに越したことはないよねと思う。
ー翌朝ー
「雪ちゃ〜ん、これ着たらこっちのお洋服着てね?」
「うん!分かったー! ねぇ、ママ?今日は大っきいプールに行くんだよね?」
「そうだよ。大きいプールだよ。すべり台のプールとか流れるプールっていう大きいプールとか、波が出るプールなんかもあるみたいだよ?楽しみ??」
「うん! 雪ねー、すっごくワクワクしてるの!!」
「そっか、そっかー。じゃあ、いっぱい遊ぼうね♪」
「遊ぶー! えへへへー♪」
朝起きて軽くではあるけれどご飯を食べさせて、歯磨き等の身支度をしてから雪ちゃんを着替えさせる私。
そんな一幕でのやりとりです。
もう雪ちゃんは楽しみで仕方ないみたいで、朝からテンションが高かった。
ワクワクそわそわを隠そうともせずに、「プール♪プール♪♪」なんて呟いてるくらいだからね。
「雪ちゃん、嬉しそうだねー。」
「そうだね。まぁ去年まではプールと言うより、水遊びの出来る所しか行ってなかったら余計に楽しみなんだと思うよ。」
「そうなんだ···。でも確かに水遊び場とプールじゃ規模が違うもんね。やってる事は水遊びで変わらないけどさ。」
雪ちゃんの着替えを見守りつつ、私達も着替える。
その途中で楽しそうな雪ちゃんの様子を見た茜ちゃんの問いかけに私は答えるの。
「そうそう。それに今までは庭でプールとか後は◯◯◯◯公園の水遊び場を使ったりしてたんだよ。それだって深い所だと雪ちゃんのお腹か胸元くらいまではあったりもしたし、広さもあったから遊ぶ分には十分な感じだったけどね。」
その場所はあくまで子供が水と戯れる場所たったから、大人は付き添いで入るくらいだった。
それも裾をめくってついて歩く程度だから、親が水着になるとかそういうのはないんだ。
子供は水着になったりして遊んではいたけどね。
ちなみに私の膝くらいまでは余裕で深さがあったりしたから、意外と気持ちは良かったんだ。
「それに来年は1年生でしょ?そうするとプール授業も始まるじゃない。私さ、雪ちゃんをスイミングスクールに通わせてないから、この機会を利用して少し慣れさせようかな?って思ってるんだ。」
「確か······25メートルプールみたいなのがあったよね?そこ?」
「そうそう。それで少し潜ったりとか基礎的なのを、遊びながらやってみ「ママー!着れたよー!」···はーい。」
話の途中で雪ちゃんの声がして、どうやら水着が着れたみたいです。
この辺りは幼稚園でも自分で着てるから、特にトラブルもなくいけたよね。
「どれどれ······。雪ちゃん、きつかったりしない?大丈夫??」
「うん、大丈夫だよー。幼稚園でも大丈夫だったからー。」
「そっか······。じゃ、大丈夫そうかな。あとはこの洋服を着ればいいからね?」
「うん!」
雪ちゃんの水着姿を確認し、よれてる箇所があれば直して後は本人にキツくないかを確認すればお終い。
幸いにしてキツくはないみたいだから、良かったなとは思う。
一応これは幼稚園で使ってた物だから大丈夫だとは思ってたけど、それでも成長次第では分からないからね。
「雪ちゃんは予め着せて行っちゃうんだ?」
「そだよ?その方が手間も省けるしさ、いくら女性専用の更衣室って言っても露出が減らせるならそれに越したことはないからね。」
茜ちゃんが言ってるのは、家を出る時点でもう水着を着せて行くのか行かないのかと言う事。
この辺りの事は人によって意見は色々とあるんだろうけど、私としては家を出る時点で着せて行ってしまった方が楽なんだよね。
手間が省けるのもあるし、1回分とはいえ露出を抑えられるのもあるから。
そしてそれは私にも適用してる。
「このはちゃんも着て行っちゃうんだね······。」
「うん。だって水着を着てもそんなに変わる訳でもないし、服を着ちゃえば分からないからねって······茜ちゃんもじゃない?」
「私は······どうしようかな?って悩んだんだよ?でも、このはちゃんも着てるし、なら私もそれでいっかな?って思ってさ。」
確認として聞いてはきたけど、茜ちゃんもしっかりと水着を着用してその上に服を着てる。
まー、確かに最初はどうしようかな?って悩んでたみたいだったけど、私が着たのを見たら脱ぎだして着出したのが視界の端で見えてはいたからね。
「さっきも言ったけど、ここで着ていった方が良いと私は思うよ?まぁ、この辺りは子供と違って私たちの場合は意見が割れるだろうけど、女性同士とはいえ大衆の前で脱ぐのが減らせるからね。」
「そうだよね〜。私もこのはちゃんの前なら平気だけど、でもやっぱり他人の人から見られるのは恥ずかいしもん······。」
実際に水着もブラもショーツも機能は違えど、形状はほぼ同じだからね。
パットもあるから水着の上から服を着ちゃえば、透けない限りは水着着用とはそうそうとは分らないと思う。
それに移動の大半は車なんだから、知らない大勢の人とすれ違うとかもないし。
「あぁ······でも、あれだよ茜ちゃん。帰り用の下着を忘れました的なオチはいらないからね?」
「なっ·······何を言うかなー?そ、そんなの当たり前でしょ?」
「·······あったんだね?忘れた事······。」
この手の事でありがちな話を振ってみたら、どうやらやらかした事があったらしい茜ちゃん······。
本人はそんな事はしないよって否定してるけど、思いっきりきょどってるから分かり易すぎだよ。
「ま···まぁ···はい······。ありました···。小学生の時の夏休みに何度かやらかしました······。」
「あ〜······1番やりがちなヤツだね。」
小学校の夏休みのプール。
学校によってやり方は違うのだろうけど、地区毎または学年である程度分けて、時間をずらして行うあれ。
私の通った小学校でも当然あって、夏休み中なので自宅から登校班で通ったんだよね。
そして自宅から直プールの流れだから、大半の子は水着を服の下に着用して通ったんだよね。
そして······帰りの下着を忘れる(笑)
タオルは大きくてかさばるから忘れはしないけど、下着は小さいから忘れるのか履いてるとつい思い込んで忘れるのか······。
どっちにしろ、忘れると最悪なんだよねー。
特にスカートやワンピースなんかで着ていくとさ。
「という訳で、きちんと忘れずに持ってくんだよ?さすがにこの歳で忘れましたはキツいし······。まぁ···黙ってれば気づかれないとは思うけど······。」
「もぅ···心配性だな〜、このはちゃんは。 さすがにこの歳でそれはないよ。ほら、きちんと入れたから。」
そう言ってバックの中から下着を取り出して『入れましたよ』と言わんばかりに見せてくる。
「分かったから···。そう大ぴっらに見せないの。」
「はぁ〜い♪」
そしてまた、ガサゴソとバックに仕舞っていく茜ちゃん。
そんな茜ちゃんを眺めつつ、この子は変わったなーって思う。
今年の夏休み、よく一緒に過ごすようになって色んな出来事があって、茜ちゃんはまた笑顔が増えた。
それはそれで良い事なんだけど、他にも変化があって。
先ずは私に対して何かを隠すような事もなくなって、色んなことを話してくれるようになったんだよね。
それと以前はあった、恥ずかしくてモジモジする様な仕草がなくなって来たんだよね。
顔を赤くするのはまだあるけれど、恥ずかしい様な事も堂々としてくるようになって······。
今さっきの、あれを見せてきたのがいい例。
あれは以前の茜ちゃんなら見せないか、見せても顔を赤くしてモジモジと見せてきたはずなんだよね。
それが今さっきはこれといった変化もなく、ごく普通に見せてきたから変わったなって感じる。
「よし! 最後に今一度、確認してから出かけるとしましょうか。」
「オッケー!」
そんな訳で最後に今一度、確認をする。
とはいっても昨日の段階で全部確認済みだから、そんなにする事はないんだけどね。
あえてするなら、さっき茜ちゃんに言った帰りの下着を忘れない事。
私も雪ちゃんも水着を着ちゃったからね。
それに茜ちゃんにああも言ってしまった手前、私が忘れたら恥ずかし過ぎるし、いい笑い者だよね。
なので、それをきちんと入れてあるのを確認すればOKです。
「私はオッケーだよ!」
「はーい。私も大丈夫だから、行こうか。」
バックを持って1階の玄関へと向かう。
その他の荷物に関してはもう車に入れてあるから、楽ではあるけれどね。
「お母さん、行ってくるね。」
「このは、安全運転で気をつけて行くのよ?あと、茜ちゃんもね。」
「うん。分かってる。」
「はい。ありがとうございます。気をつけて行ってきます。」
リビングにいたお母さんに、出掛けるあいさつをします。
お母さんは今日、仕事が休みだから本来ならまだゆっくり寝てる筈なのに、わざわざ起きてくれてこうしてお見送りをしてくれたんだよね。
ちなみに葵はこの場にはいないよ。
あの子は元々朝が苦手なのもあるし、休みの日はかなり遅くまで寝てるからね。
何か予定でもあればさすがに早起きするけど、そういう日はあまりないし······。
「雪ちゃんもママと一緒に楽しんでくるのよ?」
「うん!雪、プール楽しみたから楽しんでくるよ!ババ、行ってくるねー♪」
「いってらっしゃい♪」
「「いってきまーす!」」
お母さんに手を振る雪ちゃんを連れて玄関を出ます。
雪ちゃんと初めての大きなプール。
そして、みんなと行くプール。
どんな出来事が待ってるか分からないけど、雪ちゃんにとって楽しい1日になるといいなと思いつつ、私達は出発します。




