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ママは女子高生♪  作者: 苺みるく


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ある日の夏休み② 20歳高2(挿絵有り)

「このはちゃーん♪ いらっしゃい♪」


「こんにちは。茜ちゃん。久しぶり·····って程でもないかな?」


「ん~~···微妙かな?電話じゃ毎日話してたけど、直接会うのは数日ぶりだから久しぶりと言えばそうだよね?······やっぱりどっちなんだろ??」


茜ちゃんの家に泊まってから、週末を挟んで翌週の今日。

私は久しぶりに茜ちゃんの家に来ました。

 

あのお泊りの後もLI◯Eや通話とかで、コミニュケーション自体は取り合っていたんだよね。

通話はビデオ通話がメインで、会話主体というよりは映像を流してるのが主なんだけどね。

これは私の方の都合でそうして貰ってるんだけど、茜ちゃん的にはそれでも満足みたい。

画面越しに私を見てニコニコしてるから。



そして今日は何をしに来たと言うと、遊びに来た。

だって友達の家に来たんだからね。

ま、実際は遊ぶというより夏休みの課題(宿題)の消化が第1優先なんだけど。


私は長期休みの課題(宿題)は、序盤に片付けてしまうタイプだから。

その後は自主勉強という形で勉強をしてるよ。

今は英語に力を入れてるけど、他の教科も満遍なくね。

来年の3年生になったら大学受験をするというのを、私は決めてるのでそれに向けて頑張っている。


そして茜ちゃんもどちらかと言うと、早めに課題は終わらせるタイプだった。

まぁ、この茜ちゃんのタイプは今回はあまり関係がなかったかな?

どの様なタイプでも課題である以上はやらないといけない訳で、『1人でやるなら一緒にやろう』って、私が誘ったからね。

それにさ、1人寂しく家にいるよりは私も一緒にいて取り組んだ方が、茜ちゃんにとってもいいと思ったから。



「お邪魔しま〜す。」


「は〜い♪」


靴を脱いで家の中に上がります。

前に来たのはほんの数日前だけど、それでもやっぱり懐かしくは感じる。

まぁそれだけ濃い一晩だったからねぇ······。



「どこで課題をするの?リビング?茜ちゃんの部屋??」


「どっちでも良いよ?お父さんは仕事だからいないし······でも、私の部屋でいっか?」


「了解〜。」


「じゃ、このはちゃん先に行っててくれる? 私、飲み物持って行くからさ。」


「うん。」


一旦別れて私は茜ちゃんの部屋へと向かう。

もうこの辺りは覚えちゃったよね。

それなりに出入りはしてたし、住宅の造りとしても複雑とかそういうのでもないから。


失礼して先に部屋に入る。

相変わらず可愛いお部屋。茜ちゃんらしいなって感じるね。

私の部屋は結構シンプルな部屋だから·····。

いずれは雪ちゃんにお部屋を譲るつもりなんだけど、その時は壁紙からカーテン、ライトに至るまでプチリホームしてから譲るつもりではいる。

勿論そこには雪ちゃんの希望も取り入れてね。



テーブルにノートと教科書を広げる。

今日は国語の課題の1つを終わらせるつもりです。

内容は漢字の書き取り。

これは覚える必要もあるけど、とにかく量があるのでテキパキとこなさなくてはいけないんだよね。

そして最後まで残しておくと、後々泣きを見る羽目になる課題でもあるんだよね。



ガチャ···


「お待たせ〜。······このはちゃんは国語やるの?」


「そうだよ。これはとにかく量があるから、先に終わらせときたくてね。」


「あー、確かに······。書くだけだから飽きやすいのもあるよね。数学や英語とかは解いたりするのに悩んだりして大変だけど、これはシンプル故に辛い。」


「そうそう。だから、ちゃちゃっと終わらせちゃお?」


「うん!」


そうして茜ちゃんと2人で黙々と進めていく。

勧めていく中で良かったのは、茜ちゃんが私と似たタイプだった事。

序盤に課題を終わらせるタイプ同士だから、集中力が続くんだよね。

これが例えばうちの葵みたいなタイプだと、集中力が途切れて続かなくなる。

そして話をしたりとかそんな感じになるから、こっちも中断を余儀なくされたりして効率が悪くなるし。



挿絵(By みてみん)


「ふう······。だいぶいい感じに進んだね。」


「そうだね。だいたい1/3位かな?」


「そう···だね。これだけ集中して書いてこの位だから、中々の量だよコレは。」


時計を見れば1時間少し集中してやってた事になる。

それだけの時間をこれと言って会話をする事もなく集中して出来たのだから、一緒に課題をやる相手として茜ちゃんは文句のつけようのないパートナーだよね。


「やっぱり茜ちゃんとは相性がいいね♪」


「え!? 何を急に言うのかな?嬉しいけどさ。······はい、麦茶。」


えへへへと笑いながら、麦茶を差し出してくれた。

それをゴクゴクと頂いて一息つく。

うん、美味しい。

夏と言えばやっぱり麦茶は外せないなと思う。

安価で砂糖も不使用で、沢山飲んでも身体には害はないからね。



「茜ちゃんはさ、あれから変わりはない?」


「変わり······?ん〜···このはちゃんが帰った後はかなり寂しかったけど、でも時間の経過で何とかなるものだなって感じたかな?それに、去年とは違ってこうして過ごせるし、その点はかなり嬉しく感じてるよ♪」


「そっか···。ま、余り無理しなくていいからね?辛い時とか具合が悪い時とかは必ず連絡する事!茜ちゃんは我慢する癖があるからさ。それも時としては必要ではあるけれど、不調の時なんかはその限りではないからさ。」


「うん、わかったよ。ありがとうね。」


頷いてくれた茜ちゃん。

この子はそういう所もあるからね。心配にもなるんだよ。

この前電話した時も、出だしが少しだけ変だったから······。


「あ、そうそう。お泊りの件なんだけどね。上手くいけば今週末くらいには行けるかも?」


休憩を利用して、茜ちゃんにお泊りについて伝えることにした。

前の帰る時にうちへの泊まりについては『もう少し待っててね』と伝えてたから、その進捗情報を教えないとと思って。

こういう楽しみな事って待つ側としては、その状況がどうなのか気になるからね。


「上手くいけばって······何かしてるの?」


はて?といった感じで、きょとんとしてる。

そんな仕草も可愛いな。


「えっとね、親の許可は取ったよ。だから泊まりに来るのは心配いらないです。」


「それは····うん。ありがとう。その時はこのはちゃんのご両親にもきちんとお礼を伝えなくちゃだね。お世話になりますって。でも······それが上手くいったなら、他に何かあるの??」


さすが茜ちゃん。

気が付いたみたい。


「当たり!それが少しだけ時間がいるんだけど、やっと目処がついたんだ。それはね······茜ちゃんの寝るベットを用意してるの♪」  


「べッ···べべべべットぉぉ!!?」


おぉ!驚いてる驚いてる。

ちょっと勿体つけて茶目っ気を出して言ってみたら、効果抜群だったみたいだね♪


「何で何で??普通にお布団とかソファーでもいいのに、わざわざベットなんて用意するぅ?? お金かかり過ぎじゃん!!」


茜ちゃんがあたふたと慌ててる。

ま、気持ちは分かるけどさ。

私だって同じ立場なら布団やソファーでいいよって言うもの。

でもね。それじゃ駄目なんだよ······。


「茜ちゃん。あのね······。」


私は茜ちゃんに説明をした。

先日お父さん達に話した様に、近い内に雪ちゃんのお部屋を作る予定がある事。

その時にベットは買わないとだし、今のも少し手狭になってきてる事。

実際はまだ全然狭いわけでもないし、作るのも数年先だから本当はまだ要らない。

いずれ買わないと、というのは本当だけどね。


「そっか······。買う予定があるのなら、早いかどうか位だからいいのかな?」


「そういう事♪ 話が早くて助かるよ。」


飲み込みが早くてホント、助かるね。


「それと理由はあと1つあるの。」


「······ゴクリ···。」


声のトーンを少し下げて、真剣な眼差しで茜ちゃんを見て伝える。


「私もね、似たような立場ならソファーでも布団でもいいよって言うよ。でもね茜ちゃんを呼んどいて、その茜ちゃんだけをお布団とかで寝させるっていうのは私には出来ないの。例え同じ部屋で寝泊まりでもね。」


「う、うん······。」


「だってそれじゃ、寂しいでしょ?たとえ同じ部屋でもさ。だから少し待ってもらって用意出来次第、呼ぶつもりでいたの。そうすればくっつけて一緒に寝れるからね♪」


そ。

何だかんだとお父さん達にも話したけど、結局の所これが1番の理由なんだよ。

私のベットの隣で布団を敷いて寝させたくない。

かと言って、別の部屋ってのは論外だし。

寂しい思いをしないようにって思いもあってお泊りに誘ってるのに、寝る時にポツンというのは私が許せないからね!


だからお父さん達にはもっともらしい話をして、そう思わせた。

いずれもう1つ必要になるのは、間違いのない事だから······。


「ありがとう······このはちゃん。」


目をうるうるとさせてる茜ちゃん。

テーブルを挟んでるから来れないけど、なかったら今にでも飛びついて来そうな感じだね。



「そうそう。あと1つあってさ、8月の◯日って何か予定とかある?」


「8月◯日?? ちょっと待ってて······多分何も無いと思うけど······確認してみるね。」


スマホを弄くりながら予定を確認してくれてる。

何も無ければ1番いいのだけど、こればかりは分からないからね。


「お待たせ。えっとね、何もないから1日フリーだよ?どうかした?」


「ほんと!? それは良かった〜。」


予定がないという言葉を聞いてホッとした私。


「その日はね、隣町の······あぁ、茜ちゃんの住んでるこの街ね。そこのスタジオ栗田って所で私の成人式の前撮りをするのよ。それに茜ちゃんも来て欲しいなって思って確認してみたの。」


「え!? 前撮りって······それは嬉しいけどさ、私はこのはちゃんの家族じゃないよ?それに仮に居たとしても何が手伝える訳でもないし、迷惑になるよ??」


「いいのいいの。手伝わなくてもいいから、ただ見てて欲しいだけ。後は最後に一緒に並んで写真を撮りたいだけだから······来てくれるよね?」


ちょっと言い方がズルいかな?と、思いつつ茜ちゃんを誘ってみた。

だってこう言えば茜ちゃんは断りづらいと分かってるから。

でもそうでもして、茜ちゃんに来て欲しかった。

そして一緒に写真を撮りたい。


だって本番の時は当然ながら茜ちゃんは来れない。

それに時間的にも余裕はないかもしれないから、見せる時間も取れないかもしれないしね。

だったらこの前撮りで見てもらって、一緒に撮る。

家族とは一緒に写真を撮る予定だけど、それ以外は駄目っていうのは別にないしさ。


一緒に撮って思い出に残す。

写真を購入すれば栗田さんも潤う。

うん!いいじゃない。ね♪


「じゃあ·····是非行こうかな?でも、本当にいいの?」


「いいのいいの。そんで一緒に写真を撮ろうね。それでプレゼントも当然するからね♪」


「うん···ありがとー♪」


パァァァっとバックに花が満開で咲くような、そんな笑顔を見せてくれた茜ちゃん。

そういうのを見ると、やっぱり誘って良かったって思う。

この子はこういう笑顔が凄く似合う子だからね。


「ちょっとだけ甘えていい?我慢してたんだ······。」


「いいよ。おいで?」


「うん!」


テーブルを挟んでるだけだから立ち上がるということはしないで、はいはい的な前進でやって来た。

そしてそのまま私にくっついて、グリグリと。

私も座ってるから、イメージ的には膝枕に近いのかな?

頭を撫でれば「うにゃ〜」って、猫みたいな声を出してるし(笑)


「そうそう。詳細は後でまた連絡するけど、当日は朝に迎えに行くから待ってくれればいいよ。」


「は〜い♪」


「あと服装か······。これは制服でも私服でもどっちでも好きな方でいいかな?私は着物だからどっちを着ても違和感はそれなりに出ちゃうと思うから、好きな方を着ていいからね。要は()()()()()()()()()なんだからね。」


そこを強調する。

茜ちゃんとはそれが1番大切で重要な事だから。



「さて·····そろそろ再開しよっか?」


「ふぁ〜い♡」


うふふふ。

蕩けておられる···。

それも膝枕と頭撫で撫でのコンボは効くみたいだからね。

雪ちゃんもこういうの大好きだしさ。

そんな雪ちゃんを思い出しながら、そろそろ起こすかな?と思った時に、また1つ確認事項があった。


「茜ちゃんはさ、水着は持ってる?今度みんなでプールに行く用のやつ。」


「水着······あるにはあるけど、サイズがもう合わないかな?学校で使ったのでもいいけど、あれだとなぁ······。」


「学校のやつね···。あれはあれで勿体ないんだよね。1シーズンしか使ってないしさ。まぁ、ラッシュガードとか着るから水着自体は目立たないけど、あれはトイレが不便だからね······。」


夏休みに予定してるみんなとのプール。

その時の水着について聞いてみたけど、やはりというか買う必要があるみたいです。お互いに。

学校のやつでもラッシュガードを着てれば殆ど見えなくなるから問題はないのだけど、お手洗いが手間だというのがあるんだよね。

ジムとかで短時間の着用ならうってつけなんだけど。


「今度一緒に見に行こうか?どっちにしてもラッシュガードは雪ちゃんのも欲しかったし。」


「うん。私もどっちにしても欲しいなって思ってたからいいよ。またお世話になるね?」


「いいって。私達の仲なんだから気にしないの。」


という訳で、茜ちゃんとお店を見て回ることになった。

ラッシュガード自体は雪ちゃんのも欲しかったのもあるし、私のも。

それに雪ちゃんも大きくなったから、これからの夏休みのなんかはプールに連れて行く事も今後は増えるだろうからね。

何かいいのがあるだろうか?と、今から楽しみです。




「では、残りをまた再開しましょ?」


「うん!頑張ろう!!」



そうして私達はまた課題を再開していく。

時たま休憩を挟みつつ。



夏休み。

まだまだ始まったばかり。楽しそうな事も今年は盛りだくさん。

どんな休みになるかな?と思いながら、進んで行く······。


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