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ママは女子高生♪  作者: 苺みるく


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ある日の放課後② 20歳高2(挿絵有り)

本日6月12日、ヒューマンドラマの日間・連載中のカテゴリーにて16位にランクイン致しました。


初です。

ありがとうございます。


引き続き頑張って参りますので、御愛読のほどよろしくお願いいたします。

「終わったーー!!」


「イェーイ!!」


「ひゃっほーう!!!」


先生の最後の言葉が終わった瞬間に、春が来たと言わんばかりに喜ぶ皆だった。

まぁ、今は春ではなくて夏ではあるけれど。


「ほらほら、お前ら。嬉しいのは分かるけど、そんなに浮かれてると怪我とかするぞ? キチンと自分を律して規則正しい生活をしろよ?」


「「「「はーい!」」」」


はしゃぐ皆の様子を見ながら、苦笑する高橋先生です。

それは私も理解は出来る。

なんたって終わった途端にこの賑やかさやはっちゃけ具合だから、心配になる気も分かるよ······。

私も教師を目指そうと決めた側だから、こういう時はどういう対応がいいのか考えてるけど······でもやはり何も言えないかな?


私も今は落ち着いてるけど、小学生や中1の時はかなり嬉しかったのを覚えてるからね。

1ヶ月少々という長い夏休み。

やはり学生にとっては特別な休みだもんね。

ハメを外さないように願い見守るくらいしか、多分出来ないような気がする。





「このはちゃーん。行くよ〜。」


「はーい。」


茜ちゃんに呼ばれて、鞄を持って教室を後にします。

今日は1学期の修了式とあって、鞄は非常に軽い。

毎日がこれだけ軽ければいいよね〜なんて、皆と話したのを思い出しながらも皆の後をついて行きます。


「自転車組は誰だっけ?」


「んーと······私とこのはちゃんと、みっちゃんとさゆちゃんかな?」


「意外と少ないよね。いや···寧ろ人数を考えればこの位なのかな??」


私達のクラスの女子は10人少々だけど、その中で自転車登校は4人。

多いのか少ないのかは分からないけど、他は電車かバス登校だからね。

もちろんそれは立地の関係や通学の便を充実させた学校側の努力の成果なんだろうけど。


下駄箱に到着して靴を取り出し、上履きは持ち帰る。

長期休みで私は学校に来ることもないから、洗わないとだしね。

それに仮に来る事が出来た時は、持ってくればいいだけの事だから。


「このはちゃん?」


「ん?どうしたの??」


「·····あれから、ラブレターらしき物は入ってない?」


茜ちゃんのそんな一言に、みんながピクッと反応したのが分かった。

皆、この手の話が好きだよねーほんと。

思春期で誰が誰を好きだとか、あの子とあの子が実は!!みたいな話に敏感なお年頃なんだろうけど、私は冷めちゃってるからなぁ······。

みんな程、熱くなれないんだよね。

只、雪ちゃんの恋話になったら熱くなるとは思うけど。


「お陰様?で、あれからは一通も入ってないよ。今の時代にラブレターも珍しいだろうけど······、私としては断る手間がないだけありがたいけどね。それより、みんなはどうなの?皆、可愛いんだから何かしらアプローチとかあってもいいんじゃない??」


「「「えっ!?」」」


「どうなの?どうなの??今日の私はそこんトコ、詳しく聞くよ〜〜。」


「えー?!マジで!」


「このはちゃんどうしちゃったの?」


「このはちゃんに迫られたら、誤魔化せない気がするんだけど······。」


いつもこの手の話に冷めてる私。

どちらかと言うと、みんなの話の聞き手役な私。

だけど、決して嫌いとかそういう訳ではないからね。

だからたまには、私から聞いてみたら面白いんじゃないかと思ったんだ。

案の定、みんながビックリして慌ててるし。



「自転車持ってくるから、待っててね〜。」


「はーい。校門の所で待ってるね。」


みっちゃんが声を掛けて、私達4人は自転車を取りに行く。

自転車組とバス、電車組。

バラバラな私達が何故一緒に行動してるのかというと、この後みんなで駅前のファストフード店に少し早いお昼を食べに行くんだ。


私は帰宅部だから帰るだけだけど、みんなの中には部活がある子もいる。

特に文系や音楽系の部活はね。

だから少し早いけど、軽く昼食を兼ねてみんなで食べよって。

それに休みに入るから、1ヶ月少々みんなと会えない寂しさもあるみたいでさ。



コロコロコロ·····と自転車を転がしながら、みんなの後をついて行く私達。

幸いにして曇ってるから直射日光はないけれど、それでも暑いよね。

だからこういう気候の中でやってる運動部の子は、危険もあるから大変だよねっていつも思う。

それでも大会があったりするから、練習を休む訳にもいかないんだろうなって、毎度の事ながら考えされられてしまう。



「このはちゃんは何を頼むの?」 


「ん?そうだねぇ〜······。」


この手のお店に入ると必ず迷うメニュー選び。

基本的に好みの品は決まってるから、それをよく選びがちではあるけれど偶には変えてみるのもありかな?と考えてみたり。

それにここ最近、このお店には来てないからね。


「私はてりやきが好きなんだけど、今日は他のにしようかな?って考えてるよ。偶には季節限定物にでもしてみようかな?」


「てりやきかー。あれ美味しいよね。私も好き。」


「分かる分かる!値段も手頃だし量も多くはないから、軽く食べる分にセットと合わせてイイ感じになるんだよねー。」


「ソースの扱いが難しいけどね。」


「それを言ったら、もっとボリュームのある物の方が食べにくいよ?」


なんだかんだ言っても、みんなもこの店のバーガーは好き。

それは体育祭のネタか何かのつもりで言った高橋先生の発言による、やる気のスイッチからでも察する様に。


もちろん雪ちゃんも好きだよ。

昔はポテトが好きだったけど今はそれに追加して、てりやきがお好き。

私が食べてたのを欲しそうにしてたから、一口あげたら「おいしー♪」って言って気に入ったんだよね。

あの時のあの笑顔は、これまた可愛かった。

マジ、私の天使さまって感じだよ♡

ほんと、なんで子供ってこうも可愛いのか謎だよね。でも、それがまたいいんだけどさ♪



「「「············」」」


「·········このはちゃん。どうしたの??」


「え?」


「今、すっっごく嬉しそうな顔をしてたよ?」


「そう···かな?」


いけないいけない。

雪ちゃんの事になると、つい表情に出ちゃうんだよね。

なるべく冷静にって思ってはいるけれど、みんなが雪ちゃんの事を知ってるのもあってか、ついそこの所が緩んじゃう。

私のちょっと悪い所······。


「雪ちゃんがさ、てりやきを好きなんだけど好きになった時の事を思い出してたら、ちょっと頬が緩んじゃった······。」


「へぇ〜···そうなんだー。好みも親子で似るものなのかな?」


「どうなんだろうね?うちはみんなバラバラだけど······。」


「私ん所もバラバラだよ?」


「だよねー。さすがに好みまでは、そうそう似ないよね。」


そんな話を、みんなとしながら歩く。

このてりやきは、たまたま美味しくて気に入っただけであって、それ以外は雪ちゃんといえど好みは全然違うからね。

一卵性の双子で好きになる異性が似たようなタイプだとかって話は聞いたことがあるけれど、食に関しては良く分からない。

まぁ私としても、そっくりという部分は嬉しいけど、そういった好みの所までは別に似なくてもいいかなー?って思ってはいるけれど。

雪ちゃんには雪ちゃんなりの、好みの物を見つけて貰いたいからさ。

食べ物にしても趣味にしてもね。




  ーーーーーーーーー




「着いたー···。」


「あ〜〜〜······涼しい···。極楽だよ······。」


駅前のファストフード店に到着し店内に入った瞬間に、みんなが口々に想いを述べた。


「やっと着いた」 「涼しい」


主にこの2点の言葉をね。

学校から数分歩いた先の駅とはいえ、夏場の暑さの中を歩くとなるとそれだけでもキツイものはあるから、みんなの言葉はとても良く分かる。

私も自転車で走ってる時は風が当たるけど、その風は暑いし頭上からは日差しが容赦なく襲いかかるからね。

信号待ちで止まれば尚更で······。

車のありがたみが染み染みと実感する季節だよ。本当に。



「お、ここにしよ?」


「おけおけー!」


お昼にはまだ早い時間帯というのもあってか、店内は比較的に空いていた。

そして私達はその店内で大きめのテーブルが数席並んでいる、比較的みんなで纏まって座れる場所を確保したんだ。

これならテーブルは違えど、会話をするにはそんなに支障もないから大丈夫そうだしね。

手持ちのペットボトルをポンポンと席の確保代わりに置いて、それぞれ注文です。

人数が多いからそれなりに時間は掛かるけど、それもまた楽しみの時間の1つかな。



「このはちゃんは何にする?」


「私はこれ。この季節限定のセットにするつもりだよ。この店舗が久しぶりだからさ、偶には変わったのを食べようかと思って。」


「なるほど〜。そういうのもいいよね。」


みんなでレジを3つに分かれて各々で注文して。

ここに来る時は自転車組で並んで歩いてたから、今はそれ以外の登校組の子達に何にするの?って聞かれた。

私は来る時に決めてた季節限定物。

みんなは私と同じく季節限定物にする子もいれば、定番メニューから選ぶ子もいて。

好みはあるけれど、どれも美味しいから好きな物を選ぶという点では同じだよね。


ピコン♪


「あ、私だ。はーい。···ありがとうございまーす♪」


ピコン♪


次々にみんなが呼ばれていって、私も受け取って席へと向かいます。


「このはちゃ〜ん、ここね!」


さて、どこにしようかな?と考える暇もなく、ポンポンとテーブルを叩かれてご指名された席は3つ並ぶテーブルの真ん中で、真ん中の席だった。 

まぁ、いつものパターンで多分そうだろうなとは思ってたけどね。

椅子に座り、他の子を持ちつつお話しをして。



「じゃ、揃ったから食べよっか。みんな、1学期お疲れ様〜♪」


「「「「「お疲れ様ー!」」」」」


志保ちゃんの合図で乾杯的?な事をして食べ始めます。

バーガーから食べ始める子。ドリンクから飲む子。

私は暑かったのでドリンクから頂いてからの、バーガーです。


「あ、結構美味しい·····。」


「そうなの?」


「うん。胡椒が効いてて以外とスパイシーな所がいいかも。私的にはありな方かな?」


こういう飲食物の限定物ってバーガーに限らず、当たり外れが結構あると私は思ってる。

スーパーに行くとドリンクコーナーとパンのコーナーで良く新商品とかって見かけるんだけど、意外とこの好みが分かれるんだよね。


そういう点も踏まえて、今回は当たりな感じだったので結構嬉しい。

それはメインの物というのもあるけれど、みんなと食べるという中で好みにあったというのが大きいから。


「私も次は買ってみようかな?」


「うん。スパイシーな感じが好きなら悪くないと思うよ。」


挿絵(By みてみん)


バーガーであれこれと話ししたり、学校の話をしたり。

色んな話をする中で、メインの話はやはり夏休みのプールの事。

もうこの打ち合わせは終わってるから、あとは当日行くだけなんだけどね。

ただ、さすがに全員とはならなかった。

どうしても部が外せない子、運悪く生理予定だって子もいてさ。

その子達とは後日プール以外で、埋め合わせをする事になったんだけどね。


そんな感じで終始賑やかで楽しく、1学期最後の日は終わりを迎えた。






  ーーーーーーー



「みんな、またねー。ばいばーい!」


「「「「このはちゃん、まったねー!!」」」」


「「プールでまた会おうね!バイバ~イ♪」」


私はお店の外でみんなを見送ります。

理由は部活やバスで学校に戻る子もいれば、そのまま駅から帰る子もいて、そんな皆とは私は方向が違うからね。


「じゃ、茜ちゃん帰ろっか。」


「うん。帰ろう。このはちゃん。」


私は茜ちゃんと並んで帰る。

今日は茜ちゃんも部活がないみたいだから。

朝は雨の日以外は一緒に来てるけど、帰りは意外と一緒に帰らないので何気に新鮮だったりするよねと思いながら。


「茜ちゃん。例の日はよろしくね。」


「うん。とっても楽しみにしてるよ。ありがとね、このはちゃん♪」



例の日。

それは夏休みが始まって比較的直ぐに訪れる、プールとは違うあるイベントの日。

この日、私は一晩フリーになる予定だから茜ちゃんにある提案をしたのだけど、それを茜ちゃんは了解してくれて楽しみにしててくれてる。

勿論、私も楽しみなんだけどね。



さてさて、どうなるか。

今からとっても楽しみです。

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