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ママは女子高生♪  作者: 苺みるく


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ある日の席替え④ 20歳高2(挿絵有り)

「おーい。席につけ〜〜。」



「うわっ!やべぇ。先生来たぞーー。」


「戻れ戻れ〜〜!」


ガタガタと音を立てながら席に戻るクラスの男の子達。

普段だとこんな事はなく、チャイムが鳴れば自然と席に着いて先生を待っているのに、この時間は慌てて戻ってたよね。


これは多分だけど次の時間が週1のホームルームの時間だと言う事で、それ故に油断をしてたんだろうなと思う。

それでいて来るのは勿論担任である高橋先生で、先生もあまり小言は言わないのもあってだから余計になんだろうね。



「お前ら〜······。普段はしっかりしてるんだから、この時間もチャイムが鳴ったらきちんと座って待っとけよ?全く······少しは女子を見習えっていうの······。」


「「「気をつけまーす!」」」


「ったく······。返事だけは立派なんだから·····。」


あ······珍しく小言を言ってたね。

それに慌てて戻った男の子達も調子よく返事を返してるけど、あの子達のグループはいつもあんな感じなんだよね。

明るくてお調子者的な所はあるけれど、悪さとかそういうのをする事は無いから見てる分には面白かったりする所もあるんだけどね。


因みにだけど男の子達のグループはいつくかあって、それぞれ特徴があるんだよね。

今の子達はお調子者系の陽気な子が集まってて。

また別のグループは明るいけどきちんとする所はしてたりとか、大人しめのグループだったりとか色々だから、面白いと言えば面白いんだ。




「今日は恒例の席替えをするぞー。その前に先日のテストの順位表を渡すな。男子から名前の順で呼ぶから取りに来るように。相沢〜···。」


「ほーい。」


「うえぇ···マジかー······。」

「とうとうこの時期が来ちまった···。この席結構気に入ってたのになぁ···。」

「このはちゃんの側も楽しかったのに、もう終わりか······。また当たるかな?」


高橋先生の『席替え』と言う言葉にみんなが即、反応をした。

喜びよりも残念がったり名残惜しむ声の方が圧倒的に多かったけどね。


まぁそれも、みんなが嫌がるであろう教卓の前は私と茜ちゃんが座ってるし、その周りも自ら希望した子の中で当たった子が座って埋まってるからね。

だから後ろの方の席とか壁際の席が良いよって子には、かなり嬉しい感じにはなってる。

なんたって、当たりやすいからさ。


そんなんだから、いい位置をゲット出来たのに離れる事への残念感や名残り惜しむ声があがるんだよね。

あとはまぁ······、私の側の席を座ってる子たちからの残念がる声と······。



「茜ちゃんは離れるかもしれないけど、大丈夫?」


私は1番気になってる茜ちゃんに声を掛けてみた。

前回あえてここを希望して席をゲットした茜ちゃん。

この子がみんなの中で、私と離れるのを1番寂しがるのは分かってる事だからね。


「心配してくれてありがとうね。このはちゃん。でも、大丈夫だよ。」


「そう?ならいいんたけど······。」


なんか意外だった。

てっきり「寂しいな〜」とかって言うと思ってたからさ。


「それにね······。」


「うん?」


手をもじもじしながら、何かを伝えようとする茜ちゃん。


「多分だけど、次もここに座れると思うんだ。このはちゃんもそこでしょ?」


「うん。そうだね。ここ、授業に集中するのにもってこいだからね。」


「やっぱり······。だから、きっと大丈夫。」


どうやら茜ちゃんは、またここに座れる確信的?な物があるみだいだね。

だから大丈夫だと。

そうすると、また前回みたくここに立候補でもするのかな?と、私は考える。

去年の後半から私の周りの席は結構人気にはなってるけど、それでも私の隣、つまり茜ちゃんが座ってる所はそこまで人気って訳でもないからさ。

それは私の席と同じで教卓の真ん前だから、好んでここに座ろうって子は普通はいないからね。



「鈴宮〜。」


「あ、はーい。」


呼ばれて立ち上がり、その場で順位表を受け取った。

眼の前に高橋先生がいるから、そのまま動かずに渡してくれたんだけどね。


「このはちゃん、今回はどうだったの?」


「このはちゃんは数学と英語は完璧だから、また1位じゃない?見せて貰ってもいい??」


「まぁ···構わないけど······。」


そう言われては断るのもあれなんで、見せる事にはしたんだけど···』··。

私のを見ても面白いのかな?と、思ってしまう。


「うわっ!凄いよ!数学と英語、1位だよ。」


「というか、全教科1位じゃん!すっごーい!」


私の順位表を見て、はしゃぐ茜ちゃんをはじめとした周りのみんな。

表を見てキャッキャして······これは面白さよりただ好奇心で見たかっただけなのかな?と感じたよ。


「茜ちゃん?先生が呼んでるよ?」


「あっ!いけない。 行ってくる〜。」


こっちに夢中になっちゃって、自分が呼ばれてる事に全く気づかない茜ちゃん。

教えてあげれば、慌てて受け取りに行ったよね。



さて、この順位表なる物。

私が中学に通ってた時にも似たようなのを、毎回テスト後に貰ってた様な覚えがある。

この高校でも作りは至ってシンプルだけど似たような物をくれて、各教科で取った得点と平均点及び学年順位が書いてある物なんだ。

自分が平均点より取れてるのかどうかと、学年でどのくらいの位置にいるのか?位しか分からないけど、それだけでも自分が学年の中でどの位置にいるのだろう?と、知る分にはいいのかなとは思う。


ちなにみこの平均点と順位は、私達のいるコースの中での物になってるんだ。

他のコースだと授業の進め具合も違うし、週の授業数も違うからね。

例えば私達は数学と英語が週5時間あるけれど、別のコースは週3時間という感じかな。

ただ少ない代わりに私達は学ばない、そのコース専用の事を学ぶ訳だけどね。


そういう理由でテスト内容も若干違えば順位としても分けてあるのは理解できると思う。

それに私達のコースは5クラスあるし人数も200人はいないけどそれに近い人数はいるから、それなりのインパクトはあるんだよね。


下の方の順位になれば落ち込んだりもするし、上の方になれば喜びもする。

みんなの反応を見てる限りでは、色々だからよくは分からない。

だけどそこまで凹んでる感じはしないから、結構良かったんじゃないかなーと推測はしてる。



「よーし······皆、渡ったな? 今回は数学をはじめとして結構出来が良かったから、引き続きこの調子で頑張れな! それと苦手な教科もそれぞれ自覚はあるだろうから、それを克服出来るように日々復習を忘れないようにする事。」


順位表を渡し終わった先生が、一言二言お話をしてる。

要はこの表を見て苦手な教科がどれか分かるから、それを出来るように頑張れって。

また大学進学を目指すなら、尚更にだって。

まぁここら辺はまだハッキリとしない子も沢山いるんだろうけど、それでも後々になってからだと勉強するのも大変だからね。


よく夜中まで勉強をしてるっていうのを何かで見聞きしたりたした事があるけれど、あれはあれで中々大変だと私は思う。

寝不足とかにもなるし、追い込まれいけば精神的にもキツくなるからね。

また受験ってインフルエンザが例年流行ってる時だから、そういった体調面での心配事もあるんだよね。

疲労が溜まれば免疫力も落ちてインフルとかにも罹りやすくなるからさ。


そういうのも考慮すれば大変ではあるけれど、今からでも少しずつきちんと勉強に取り組むっていうのは大切だと私は思うな。

後々苦労しない為にもね。




「さて······テストについてはこの辺にして、早速席替えをするぞ。」


「待ってました〜!」

「あー···とうとう移動か〜·······。」


いよいよ席替えを開始するという先生の発言に対して、2通りの声が上がる。

席替えを望んでる子と、残念がる子に。

望んでる子は今の席がお気に召さないのか、早く移動したいみたいでさ。

まだ逆に残念がる子は今の席が気に入ってて、変わるのがイヤって思ってるんだと思う。

まぁ······、いい席なんて人それぞれだから色々とあるよね。



「今回なんだがまず確認で、鈴宮はまたそこでいいんだな?」


「はい。特に問題なければここでお願いします。」


「大丈夫だ。今回は皆の方からそれでいいと意見を貰ってるからな。」


恒例のくじ引きを始める前に、先生から私の席について尋ねられました。

1年生の最初の席替えの時から、自ら望んで教卓の前の席にさせてもらって。

基本的にみんなが嫌がる席だから反対意見も出ずに今日に至るまでこの位置で来たから、とうとう先生から確認されちゃったよね。

しかもみんなからも承諾を既に貰ってるという、手際の良さ。

私がまたここを望むって、分かっちゃってるね······。



「で、だ。今回、鈴宮が今の席を変わらないという前提で、宮野から皆の意見と言う事で次の様な話を貰ってる。 鈴宮の隣をそのまま諸貫にして欲しいという意見と、その周りを別クジにしてやって欲しいという意見だ。間違いないかな??」


「はい、大丈夫です。」

「合ってまーす!」

「宜しくお願いします、先生!」


あら??なんだろう?これは······。

私の席の事は今までの流れでこの場所をまた希望すると予想しても、茜ちゃんの席までもう確定?

それもみんなの総意見として先生に話を通してあるとか······?


「茜ちゃん······。そんな話になってたの?」


小さい声で隣りに座ってる茜ちゃんに聞いてみた。


「うん。このはちゃんがお休みをした時にそんな話を皆でしたんだよ。そしたら皆が私はここでいいよって言ってくれてね。で、その周りは前回も希望者がいてクジになったから、だったら最初からこの辺りを別クジに出来ないかって志保ちゃんが先生に聞いてくれたの。」


「なるほどね~······。」


黒板に席表を書いてる高橋先生の背中を眺めながら、先程の茜ちゃんの言葉に納得がいったよ。

こういう事だったんだなって。

事前にみんなとこの様なやり取りがあってみんなが納得してれば、後は先生次第だもんね。

賭けではあるけれど、前回は私の周りを急遽クジを作ってやってたし、それを踏まえれば今回は事前に話を貰えれば用意も出来るから先生としても楽かな?


私としてもみんながそれで納得してるなら特に構わないし、まぁそれに······茜ちゃんが隣りというのはある意味で嬉しいからね。




「じゃあ、先ずはこの席表のここからここ。鈴宮と諸貫の周りの席を先にやるぞー。ここを希望する者は手を上げろ〜。」


「「「「はーーい!」」」」


「おぉ······。随分といるなぁ······。毎度の事だが、そんなにここがいいのか??」


高橋先生のちょっと呆れるような感じの声。

それもそのはずで、私も見回して見た限りでは私と茜ちゃんを除く女の子全員が手を上げてたんだよね。

それに追加で男の子も何人か手を上げてるから、総勢で15人くらいかな?


確かにある意味で凄い光景だとは思う。

1年生の1学期の頃を思えばあり得ない光景だし、しかもその原因が私だもんなぁ······。



「先生としても人数が多くて驚いてるが、まぁなんだ······好きな順で引きに来ていいぞ。一応外れクジも同じ座席分入ってるからな。希望者全員が引いて当たらない席が出た場合は、次の全体に含めてやるからそのつもりでな。 さあ!こい!!」


始まったクジ引き。

私の周りと言っても、通路を挟んだ左隣とその後ろ。つまり私の左斜め後ろだね。あとは私の真後ろと茜ちゃんの後ろ。

この4席に残りの座席分のハズレクジを入れた抽選だから、かなり低い確率だよね。

みんなもそれが分かってるからか、なかなか足が動かないみたいで躊躇してるし。


先に引けばハズレる確率も高いし、だったらある程度ハズレが出た中盤からがいいのか······。

でも最初から当たりが出る可能性もあるからね······。

駆け引きが大事だと以前に先生が言ってたけど、これは分からないや······。



「ねぇ、先生?」


「なんだ?鈴宮??」


少し停滞してるこの状況の中、気になってた事を先生に聞いてみることにしました。


「先生がみんなの意見を受け入れてくれた事は嬉しいんですけど、よかったんですか? 私が毎回この席を希望しといて言うのも変だとは思いますけど·······。」


「ああ······。その事か。諸貫の席については事情も知ってるし、その上での皆の総意でもあるみたいだからな。全員が納得してるなら俺は構わんよ。 それにそれ以外だと、元の······2ヶ月毎にやる理由は話したろ?」


「ええ。みんなと仲良くなってほしいのと、嫌な席でも2ヶ月頑張れば······ですよね?」


「そうだ。1つ目の仲良くはもう達成してるからよいし、嫌な席も鈴宮と諸貫、あとその周りが希望者で埋まれば大方は消えるだろ?残るのは壁際の列と教室後方が大半だしな。だから別に良いと判断した。」



なるほど······。

確かに私と茜ちゃん、あと私達の周辺が消えれば壁際や後ろの席を狙ってる子にとっては美味しい展開ではあるもんね。


「それにこのクラスは皆が仲良くて協力的だから、俺としても凄く助かってるんだよ。まぁ······体育祭で優勝するとは思わなかったけどな······。そんな真面目にやってくれてるクラスの皆の意見だから、俺としても叶えてあげたいってのはあるし、理由もきちんとしてるしな。」


「さっすが先生!分かってるー!!」

「高橋先生、優しい〜♪」



みんなから喝采を貰ってる高橋先生。

こういう所を見るとやっぱりいい先生だなって私は感じる。

みんなの事をきちんと見ていてくれるし、考えていてもくれるから。

だから皆からも慕われるんだなって思うよ。


「で、先生?その体育祭のバーガーはまだ貰えないんですか!?」

「そうっすよ!先生。もう1週間は経つじゃないですか?まだー??」


先生が体育祭の話を出したから、みんなが思い出したかのようにハンバーガーの事を持ち出してきた。

前々からまだかなー?って話はあったから、ここぞとばかりに聞いてるよね。


「ああ、それな······あと少し···給料日まで待ってくれ······。1個は安いけど皆の分となるといい値段になるから、ちと小遣いがな······。」


バツが悪そうに頭を掻きながらそう話す先生。

まぁ確かにみんなの分となるといい値段になるし、まさか優勝するとも思わなかっただろうから、先生も大変だよね。

給料日か···。

一般的には10日辺りとは聞くけど、この学校の教員がいつだかは知らないからハッキリとは分からないけどね。

どっちにしろ、あと数日はかかるよね。


「ほれほれ。取りあえずバーガーの件はいいから、早く引きに来い。来ないなら来ないで、締め切って残りの方に混ぜちまうぞ??」


「えーー!?それは困りますぅ〜···。」

「行きます!行きますから混ぜないでーー!」



駆け引きというかそういうので中々引きに来ないみんなに対して催促を促す先生。

それに対してそれは困ると渋々引きに来る、女の子達と数名の男の子達。

さてさて、私達の周りはどうなるのか······。

見てるだけでも楽しい席替えは、始まったばかりです。






「ここに座っていられるようになって良かったね、茜ちゃん。私も嬉しいよ。」


みんながくじ引きでワイワイ、キャーキャーやってる間に、小声で茜ちゃんに伝えた。

みんなの善意とはいえ、大っぴらに言えない所が辛いところだけど。


「うん。私も嬉しいよ。皆には本当に感謝だよね。」


挿絵(By みてみん)


小さな声だけど、それでも本当に嬉しそうにそう答えてくれた茜ちゃん。

また1つ、この笑顔が増えたことに嬉しくなる私がいた。



茜ちゃんの言う通り、本当にみんなには感謝だね。 

そう感じた今回の席替えでした。

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