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ママは女子高生♪  作者: 苺みるく


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138/234

ある日の撮影①-3 20歳高2(挿絵有り)


浴衣のモデル撮影をした翌日の学校にて。




「ねぇ? みんなにお知らせがあるんだけど······。」


「「「「お知らせ??」」」」


「珍しいね?このはちゃんがそういう風に言うのって······。どうしたの?」


私は撮影の翌日にクラスのみんなに伝える事にしました。

そういう約束をしてたのもあるのと、あとこういう事は早めに言っとかないと忘れちゃったりもするからね。

それで後で言った言わないって、トラブルになるのも嫌だからね。

まぁ、みんなの事だからそれはないかな?って思ってるけど。



「えっとね、昨日また新しいモデル撮影をしたんだ。そのお知らせね。」


「「「新しいモデルぅ〜!?」」」


「えー?!このはちゃん、今度は何を着たの?」


「すっごい気になる〜!」


「夏も近いから······もしかして水着?!」


「ええーー!?うっそー?!マジ!?!?」



キャーキャー言って、なんか勝手に想像して盛り上がる皆の衆。

やっぱりこれが若さなんだろうか?って思うけど、そんな皆には残念なお知らせをしないといけない。

だって······水着じゃないからね。



「いや、残念だけど水着じゃないよ。水着は撮らないって伝えてあるからね。で、昨日撮ったのは浴衣だよ。夏が近いからって言うんで、特集みたいなのがあるんだってさ。」


「浴衣かー······。それもいいかもね。」


「だね。私は着たことないけど、憧れはあるなぁ······。」


「あー···分かる分かる。浴衣を着てお祭りに行くとかって奴でしょ?偶にそういう人見かけるけど、いいなっていうのはあるよね!」


水着じゃないと知って一旦は落胆した皆たけど、これはこれで盛り上がる皆です。

話の内容からいくと、みんなも浴衣は着たことがないけれど憧れはあるみたいで。

実際に私もいままで着たことはなかったし、着付けも含めて手前が掛かる的なイメージがあるからねぇ······。

だからお祭りとか行くにしても、普通の服を着て行ってたんだよね。



「このはちゃん、このはちゃん。 これもまた雑誌とかに載るの?」


「うん。一応その可能性はあるらしいけど掲載されるかはまだ分からなってさ。でも、掲載されるなら◯◯◯◯◯っていう雑誌の7月号だって。」


茜ちゃんからの問いかけに答える私です。

これがみんなが知りたって思ってる事だからね。


「あ〜、待って。今メモる······。」


「私、この雑誌知ってるけど7月号っていうと来月の後半に発売かな?」


「そうなんだ?じゃ、予約でもしとこうかな。その方が確実だよね?」


「あー、私もしとこ。週間漫画雑誌みたく、沢山入荷って訳でもないだろうからさ。」


「そだねー。私もしよっと。」



また以前みたいに、みんなが雑誌を予約しようとかって話してるよ。

まだ掲載されるかは分からないって、言ったばかりなのに······。


「ねぇ······?さっきも言ったけど、掲載されるかはまだ分からないんだよ?その可能性を含めて今から予約って不味くない??」


私の浴衣姿を目的で買うのなら、載ってなかったらガッカリすると思うんだよね。

雑誌がいくらするのかは知らないけど、それでも多分1000円前後はするだろうと思うしさ。


「ん〜······まぁ、そうなんだけどさ·······。でも、このはちゃんの浴衣姿なら不掲載はないと思ってるよ?私は。」


「そう?」


「私もそう思うな。だってこのはちゃん、お世辞とか無しで綺麗だもん。これで不掲載なら、その編集の人はバカで見る目がないよ。編集失格だよねって私は思うな。」


「確かに! それは私もそう思うな。」


「うちもー。」

「同じく!」

「「「だね!!」」」


「······そっか。まぁ、みんながそれでいいのなら、それでいいんだけど······。ま、私も発売までに聞けたら聞いとくね。載ってなかったら直ぐにでもキャンセルが出来るようにさ。」


「心配性だなぁ〜このはちゃんは······。でも、そこがこのはちゃんらしい所だよね。」



忠告はしたけど、みんなは私が必ず載ると思ってるらしいです。

それはそれで凄いなと思うけど、そう言われると私としてもそれ以上は言えなくなっちゃうよね。

後はさっきも伝えた、載る載らないかを事前に聞けて分かるかどうかくらいしか出来ないし。

分かればみんなに余計な出費をさせないで済むからね。



「このはちゃんの浴衣姿って、どんなんだろうね?」


「そうだね〜。すっごく興味あるよ。」


「分かる分かる!あのドレス姿も良かったしねー♪憧れちゃうよ。」


またみんながワイワイと着物や以前のドレスの事で盛り上がってる。

ドレスはみんなからも好評だったし、浴衣はまだ謎に包まれてるからあれやこれやと想像しながらだけど。



「そういえば······。」


「ん?どうしたの??」


「1枚、浴衣で撮った写真があるんだけど、欲しい?」


「「「「「「「欲しい!!!!」」」」」」」



おぉ······。

多分そうくるかなー?とは思ってたけど、予想通りみんなが一斉に即答してきたよ。

あまりの即答の揃いっぷりに、思わず驚いてたしまったよね。


「じゃ、LI◯Eで送るね。一応念を押しとくけど、ネットには絶対に上げたりしないでね?」


「うん。大丈夫よ。その辺はみんなで徹底してるから!」

「そうそう。このはちゃんが困るような事は皆でしないって決めてるし。」


「オッケ~。じゃあ、今送るね。」


みんなは皆で色々と決めて、それをしっかりと守ってくれてるみたいだね。

団結力も良いし、今はこれで皆を信じるよ。



ドキドキ······

ワクワク······


そんな雰囲気が漂ってる。

分かりやすいよね〜、みんな。


「そうそう。これはね、私が選んだのをおまけで貰ったんだよ。」


「このはちゃんが選んだの?」


「うん。撮った写真を確認がてら一通り見てたらさ、これが凄く気に入ったんでね。そしたらくれたの。」


「おお。このはちゃん自ら選ぶって、それはかなりのいい出来具合なんじゃない??」


「確かに······。やばい。かなり楽しみになってきたんですけど!?」



ブブッ···♪ 

ブブッ···♪


チラホラと受信したらしいスマホから、バイブの振動音がした。

今は学校だから、基本はマナーモードにみんなしてるからね。


「おおーー!すっごーい!!」


「きれー!!」


挿絵(By みてみん)


「なんか凄く幻想的じゃない?浴衣もいいけど、このはちゃんの笑みが良すぎて、凄く癒やされるんだけど!!」


受け取った子は、キャッキャ♪と喜んでる。

一方で······。


「何々なにーー?? 私んとこ、まだ来ないんだけど〜〜!」


「あ〜〜ん···気になるよぉ〜······。」


直ぐに受信した子もいれば、まだ来ない子もいて。

なんだろう?この差は?って思うけど、それは誰にも分からない。

で、結局まだ届かない子は届いた子に見せてもらってる。


「あー、いいね!すごい素敵だよ♪」


「だよね!このはちゃんが気に入ったっていうだけの良さとか魅力とかがあるよね!」


「ねね、このはちゃん。この背景はどうしたの?」


「あぁ、これ? これはね、スタッフの方が合成で入れてくれたんだよ。元は全部、白色の背景で撮影してるからそれじゃ勿体ないよねって。で、この写真に合うのを厳選してくれたんだよね。」


「「「なるほど〜!」」」


「そのスタッフさん、いいセンスしてるね!これ、凄くいいよ!」


「うんうん。このはちゃん本人とその髪と浴衣が綺麗に引き立ってるよね!」


「浴衣写真とかって明るい場所でのイメージがあるけど、これはこれでいいよね。私さ、これすごい気にいっちゃったよ。スマホの待受にするね。」


「私もそうしよっかな。スマホをつけたらこのはちゃんがいる······いいねぇ♪」



和気藹々と楽しそうにしてるみんな。

よほど気に入って貰えたみたいで、私はとても嬉しくなっちゃった。

これは私が気に入った写真だったけど、新井さんのお陰でもっと素敵な写真になったからね。



ありがとう。新井さん。

お陰でとっても素敵な写真になったよ。








  ーー その頃の葵達 ーー



「んふふふふ♪」



「「··········」」


「夏美ぃ〜······さっきから葵が変な声を出してるよぉ···。」


「言うな、千紗。あれはもう手遅れだ······。」


夏美とそんなやり取りをする原因は、さっきから······いや、朝、学校に来てから休み時間になる度に変な声を出してる私達の友達の鈴宮 葵。その人です。

スマホを見ては変な声を出して、ニコニコにやにや。

傍から見ると変な人にもみえるけど、時たま可愛くも見えるからあら不思議で。


まー、葵がこんな状態になるのは十中八九、このはお姉様が関係してるんだろうと思うのだけど。

お姉ちゃんラブ♡だからねぇ〜、葵は。

本人は隠してるつもりなんだろうけど、私達から見れば丸わかりという状態なんだけどね。



「ねぇねぇ、葵? 朝からどうしたのよ? このはお姉様が関係してるのは分かるんだけどさ?」


埒が明かないので、さっさとネタバレを聞くことにしたよ。

昼休みだってそんなに長くはないんだからね。


「うん?···よくお姉ちゃんだって分かったね?」


「丸分かりだよ。ずっとスマホを見てにやにやしてるんだもん。」

「葵がそうなるのは、お姉さんしかないでしょ?で、そのスマホに何があるのよ??」


全く何を言うのやら······。

こっちは100%このはお姉様って分かってるんだよ〜!

そして夏美が言うように、そのスマホに何があるというのだろうか······?


「実はね、お姉ちゃん時たまモデルをやってるんだよね。それでこの「何!?お姉様、モデルやってるの!?」···そうだよ。 あれ? 言ってなかったっけ??」


「「聞いてないよ!!」」


「······それは、ごめん······。」



何それ何それ??

そんな話、全然聞いてなかった。

一体いつから?なんのモデル??疑問は尽きない。

でも納得は出来る。 

あのお姉様の美しさとスタイルの良さだもん。そこら辺のモデルさんなんかよりも断然いいってもんだよ!

寧ろ今までやってなかった方が、不思議に思えるくらいだし。


「でね、昨日もその仕事を少しやって来たんだけど、その時の写真を1枚くれたんだよね。それが凄く良くて、つい見ては頬が緩んでました♪」


「ほーほー。そんなに良い写真なんですか?」


「何?すっごく気になるんだけど!?見せて見せて!!」


葵がこんなにもなる、このはお姉様の写真······。

すっごく気になるんだけど!?


「昨日は浴衣の写真を撮ったらしいんだよね。で、これがそれね。いい出来だよーー。」


「「!!!???」」


ナニコレ!?すごい素敵!

夜の山や湖らしき景色の前で微笑む着物姿のお姉様。

背景は暗いのに逆にそれがお姉様の美しい髪の毛やお顔、浴衣をより一層引き立ててる······。


ヤバい······。

これは葵の事をとやかくは言えなくなるよ。 

私も顔が熱くなり、そして頬がゆるみそうになる······。



「ねぇねぇ?なになに??一体どうしたの??」


「今ね、千紗達に私のお姉ちゃんの写真を見せてあげてたの。」


「え〜?葵のお姉さん?どんな人??」

「葵ちゃん、お姉さんいたんだー?」

「私達も見ていいの?」

「見せて見せて!」


私達が呆けてる間に私達のやり取りを見聞きしてた皆が集まって、葵からお姉様の写真を見せてもらってる。

そして、その後はもうお察しの通りで······。


まずは、驚き。

次に、その綺麗さや美しさに囚われて。

そして、その後はもう虜になってしまう······。


「ねえ、葵?この写真は私達も貰えるの?」


気になった事を葵に尋ねてみた。

先程スマホを見てニヤニヤして葵の事を、夏美とアレコレと言ってたのに結局は私も葵と同じ事をしようとしてしまってるよね······。

だから、心の中で謝る。

ゴメン。葵。


「ごめんね······。これはお姉ちゃんからダメって言われてるから、あげられないんだ。」


「そっか······。駄目なら仕方ないからいいよ。気にしないで。」

「そうだね。お姉さんに迷惑は掛けられないから我慢するよ。ごめんね、葵。」


貰えないと言う事に、落胆する私達一同。

一同というのは、さっき写真を見せてもらった皆も既にお姉様の虜仲間になったから。

恐るべし、このはお姉様······。



「写真はあげられないけど、情報はあるよ。◯◯◯◯◯って雑誌の7月号に掲載されるかも?だってさ。」


「「「「おーー!!」」」」

「◯◯◯◯◯ね?よし、覚えた。買うよ!私は!!」


葵は載るか分からないとは言ってたけど、これは載るのに決まってるじゃない!と、私は思う。

こんな素敵なモデルさんを載せなかったら、その編集は頭がどうかしてるレベルだよ!!

そんな感じに意気込んでる私だけど、夏美からさらに気になる質問が葵に出たんだよね。


「お姉さんってモデルやってるって言ってたけど······、そう言うことは他にも写真ってあるの?」


「うん。あるよ。まぁ、これが2回目らしいんだけどさ·····。」


衝撃の事実!!

2回目にして、このクオリティーだってさ······。

やっぱり凄いね、お姉様は。


「1回目はウェディングドレスを撮ったんだよ。いや〜······あれは破壊力抜群過ぎたよね。お姉ちゃんを見慣れてる私達家族もフリーズしたくらいだしさ······。」



ゴクッ······。



そんな息を呑むような音がした気がした。

私かもしれないし、他の誰かのかもしれない。

だけど、そのくらい私達はその写真というものに心惹かれている。

只でさえ美しいお姉様。

それがまさかのウェディングドレス姿で、尚且つお姉様を見慣れてる葵達家族が固まるくらいってどんだけ凄いのか······。


『見てみたい』


その一言が私の頭を、心を支配している。


「それは······今、見ることって出来る?スマホにある?」


「あるよ。これもお姉ちゃんがいくつかくれたからね。えーと······あったあった。これだ。はい、どうぞ♪」



女神だ。女神様がそこにいるよ······。


葵が見せてくれたウェディングドレス姿のお姉様。

白色がベースだけどデザインが微妙に異なるドレスを幾つも着て、様々な角度で表情で写ってるお姉様。

そのどれもがとても素敵で魅力的で······確かにこれはヤバいね!

破壊力が半端ないよ!!

そして、やっぱりこのはお姉様は胸が大きかった。

薄々は感じてたけど、でもそれがこのドレス姿にはとっても似合っててさらなる魅力を引き出してるよね、と私は思う。


挿絵(By みてみん)

挿絵(By みてみん)


「これ···凄いね。」

「うん······。こんな美しい人、いたんだね···。」

「千紗達は知っては······いたのか。 会ったりした事はあるの?」


「うん。あるよ。最初に会ったのは、お姉様の学校の文化祭かなー?」

「そうだね。懐かしいね〜。もうあれから半年も経ってるんだよ?早いねー。」


「「「「文化祭!?」」」」

「「学校?!」」


「そうだよ。私のお姉ちゃんね、高校生やってるの。桜ヶ丘高校って所に通ってるよ。」


「マジ!?」

「高校生であれって凄くない!?」



驚くみんなの問に答えつつも、懐かしいなって思う。

あの文化祭の前からお姉様の存在そのものは葵から聞いていて知ってはいたけれども、直接会うのはあれが初めてだった。

そしてそれから、まぁまだ2回しか会ってはいないけれども勉強もチョットだけ見て貰ったりもしたよね。

少し前の事だけど、それでも懐かしく感じるよね。


 


「あ〜あ······。コレも、もっと早くに知っとけば良かっよ。」


「それは本当ゴメンって。てっきり言ったと思ってたから······。」


申し訳なさそうに言う葵。

そういうのは誰しもある事だから、気にしないでと伝えてはいるけれどね。

それでもこのモデルの事とドレス姿撮影の事を後から知ったという事実は、意外と私の精神にダメージを与えてる。

それだけこの写真の印象は大きいのだろうと思ってはいる。



「写真ってさ〜。これ以外もあったの?」


「あったよ。これ、ブライダル雑誌に掲載されてた奴の一部なんだけど、他にも特集で載ってたからね。」


「マジか······。」

「凄いね···葵のお姉さんって······。」

「本物のモデルさんじゃん!」


みんなの言う通り、ホントに凄いよね。

1回目にして雑誌に載る。それも特集で。

だからやっぱり、あの浴衣も絶対に載るよね!

仮に外れてもいいから、予約をして手に入れないとだ!!


 

「ちなみにさ、そのブライダル雑誌ってまだ買えるの?」


「いや···もう無理みたいだよ。昨日お姉ちゃんがその雑誌が完売したような事を聞いてきたとかって言ってたから······。」


だよねぇ〜。

何となく想像はしてたけど、改めてそう聞くとショックが大きいわ。

手に入れられる可能性としてはフリマ辺りに出てるのを狙うくらいだけど、可能性は低そうだしなぁ······。


「見たかったら、私が持ってるのを持って来てあげよっか?」


「いいの!?」

「ほんと!?」

「「マジ!?」」

「「見たい見たい!!」」


「じゃ、忘れなかったら明日持って来てあげるね。」



よし!

ナイスだ葵!!


葵の嬉しい申し出に、歓喜に沸く私達一同です。

果たしてその雑誌にはどんな姿のこのはお姉様がいるのか、今からワクワクが止まらないよ。



今夜は早寝をして体調を整えて、明日は絶対に学校を休めないね!

そう思った、私だった。

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