ある日の休み時間⑤ 高2(挿絵有り)
始業式も終わり、新学年なって学校生活が落ち着いた春うららかなある日の昼休みの事。
授業自体は始まってはいるけれど、まだそんなに難しい事はやってないのでお昼休み恒例の勉強会はまだ開始してないんだ。
一応みんなと話してそろそろ開始しよっか?とは、なってはいるんだけどね。
1年生の時の復習や、1年生の時の部分を教えて欲しいって子もいるから、そういう個別の事情に合わせてそれぞれに合った事をしていきたいと考えてる。
うん。
やってることは塾と同じだね。
私は通ったことはないから詳しい事は知らないけど、通ってる子に言うにはそれと変わらないとか。
集団で同じとこを教えるのか、個別で教えるのかっていう違いたけで。
まぁ私としてもこれはこれで勉強になるから、全然構わないのたけどね。
そんなんで勉強会はまだしてなくて、みんなと教室でおしゃべりをしているの。
外は穏やかな天気で陽射しもいっぱいで、こういう日は窓も全開で開けてたりもする。
で、窓を開けてるとこういう時は5階で良かったなって思うよ。
だってそれは、虫がほとんど入って来ないから。
網戸が付いてればいいんだけど、学校のは付いてないからね。
来年度、3年生になったら1階の教室になるから、その時はそこに虫が入って来そうな感じはしてるけどね。
窓を開けてると、当然ながら風が時通り入ってくる。
穏やかな天気なんだけど無風という訳でもなく、少しだけある感じ。
説明すると難しいのだけどフワッとした優しい感じの風。
そんなんだけど、分かるかな?
まー、とにかく気持ちいい♪
こういう日がもっと続けばいいのにな〜って思うけど、今は春が短くてすぐに暑くなる時期がやって来るから残念ではあるよ。
風になびく髪の毛を手で押さえながらも、その気持ち良さがよくて風をに身を受ける。
(ん〜······いい風♪)
そんな風にしてると、視線を感じる。
見渡すとお喋りをしてた筈のみんなが静かになって、私をじっと見つめてた。
「······どうしたの?みんな??」
どうしたんだろう?と思って声をかけたら、皆がハッとして動き出した。
「いやー······。相変わらずこのはちゃんがキレイだなーって見惚れてたよ。」
「そうそう。風になびく髪が美しいなーってね!」
「長くてサラサラ、おまけに銀髪。なびくとキラキラしてるようで幻想的なんだよ。」
「「「「いいよね〜〜♪」」」」
「そう? それはありがとう······。何かそう言われると照れるね。」
それで静かだったのかと納得はしたけど、そんなに良かったのかな?
髪が長いと大変な事も多々あるけどさ、ここまで伸ばしたから切るのも勿体なくて切れないんだよね。
だから伸ばしてからは毛先のカットだけをしてるんだけどね。
そういばさっきもだけど、ここ最近何故か髪の色を銀髪って言われるんだよね?
私はみんなに白髪って説明したし、生まれた時から白色なのは間違いない。それはアルビノの私の特性でもあるし、病院の先生も承知しているから。
なのに何でだろ??
うーん······。
これはまた先生案件かな?
実際には変わってなくて、皆がその場のノリ的な感じで言ってるだけだとは思うんだけど、私の場合は些細な事でも何が起こるか分からないからね。
だから今度の検査の時にでも、先生に報告をしてみようと思う。
今は何も問題なくても、私に起こる事は雪ちゃんにも起こる事があるかもしれないから。
その時になって慌てたり後悔する様な事があってはいけないからね。
「私もこのはちゃんみたく、髪の毛を伸ばしてみようかなー??」
「そお?お手入れ大変そうじゃない?」
「でもさ、憧れない?ロングヘアー。色んな髪型もしやすそうだしさ、バリエーションも沢山作れそうじゃん?」
いつもの間にか、髪型の話になってる。
ロングヘアにしようかな?とか、この髪形なんて素敵じゃない?とかって。
まぁ、伸ばしたら伸ばしたで手入れが大変ではあるけれど、いろんな風にアレンジしやすいのはあるよね。
私はストレートが気に入ってるからほぼこれ一択だけどさ。
でも、たまには他の髪型にしてみてもいいかなー?ってちょっと思っちゃった。
「このはちゃんはさ、他の髪型とかはしないの?他のも似合いそうな感じがするけど······。」
茜ちゃんがそんなことを聞いてきた。
その眼差しは何かを期待してるような、でも聞いてもいいものなのかと不安そうなそんな顔をしてる。
そんな顔をしなくても大丈夫なのにな······。
「そう言われるとこのはちゃんは、いつもストレートだもんね。」
「確かに。」
「他も似合いそうだよねー?」
「去年さ、プールある時にお団子ヘアして来た時もあったよね?」
「「あったあった!」」
「あれも良かったよね〜。新鮮で似合ってた♪」
みんなが口々に言ってる。
確かに去年のプール授業の時に髪型を変えてきたけど、それ以来はしてないね。
それに、みんなも私が髪型を変えるのを期待してるっぽい?
「私さ、他のをしない訳じゃないんだけど······ただ単にストレートが気に入ってるんだよね。だからどうしてもこれにしちゃんうんだよ。」
「そうなんだ······。このはちゃんのストレートヘア綺麗だもんね。私好きだよ。」
ストレートヘアを気に入ってるって伝えたら、茜ちゃんもこのストレートヘアを好きだって言ってくれた。
嬉しいね。
「でも······前にやったお団子もよかったの?」
みんなに確認をしてみる。
あれをやった時、お母さんも似合ってるとは言ってくれたけど、あれはお母さんの意見だからね。
私が雪ちゃんを可愛い可愛い♡ってべた褒めしてるのと同じ、親バカな所も入ってるからイマイチなんだよ。
「うん。良かったよ!」
「入学してから2ヶ月くらいずっとストレートだったじゃん?だから新鮮でさ、「おお!」なんて思っちゃったしね」
「そうそう!」
「凄く似合ってたよー♪」
うん。
みんなから見ても良かったらしいです。
そしてそう言われると、やっぱり嬉しいものだよね。
「あの時のこのはちゃんのうなじがセクシーでさぁ······ヤバかったよね?」
「·········」
「彩〜〜???あんた、何を言ってるのかしら〜〜?!」
「あぁーー!やめてー志保〜〜〜!!」
何か変なことを口走った彩ちゃんに、志保ちゃんが頭をグリグリやり始めたの。
あれだよ。みさえさんがしんちゃんにやってるあのシーンのやつ。
まさかアレをリアルで見るとは思わなかったよ。
「痛い!痛いよ〜!!」
「このはちゃんにそんな失礼な事を言うからでしょ!?反省しなさい!」
痛がってる彩ちゃんに、志保ちゃんがグリグリ。
実際に言うほど痛くはないんだろうけど、見てるこちらとしては痛そうにも見えるし、またこの2人のこんなやり取りが面白く見えてしまうんだよね。
みんなもそんなやり取りを見ながら、「彩はバカねー(笑)」なんて言って笑ってる。
私も初めは何を言ってるのかな?なんて思ったけど、2人のやり取りをみてたらそんなのどうでもよくなっちゃって、つい笑っちゃった。
でもさすがに可哀想になって来たから止めないとね。
「まぁまぁ、志保ちゃん。その辺にしてあげてよ?」
グリグリやってる志保ちゃんに止めるように促します。
じゃれあってるような感じだから、そんなに強くはしてないんだろうけど、それでももういいかな。可哀想だしね。
「いいの?このはちゃん?」
「うん。別に気にしてないしさ。それにうなじぐらいで気にしてたら他に何もできないじゃん?」
何をどう思うかなんて、人それぞれで違うもんね。
とある恰好をしてそれを可愛いと感じる人もいれば、セクシーだとかカッコいいって感じる人もいる。
結局これは個人個人で感性が違うから起こる事で、そういうのは食事とかでも同じ事だからね。
あれだって味覚や好みがそれぞれで違うから、味の捉え方の違いとかが起こる訳だし。
だからこういう事は、細かいことを気にしてたらダメだと思う。
服装に関しては自分が着たいも物を、場所や雰囲気、周りの人の迷惑にならない範囲で着ればいいと思うし。
「このはちゃんがそう言ってくれてるから、これで終わりにしてあげる。あまり変なことを言わないでね?彩?」
「分かった分かったよ〜······。ごめんね、このはちゃん。」
志保ちゃんに開放されて、手を合わせる仕草をしてごめんねって言う彩ちゃん。
「大丈夫だよー。気にしてないから。でも、話が脱線したけど別の髪型か〜······。さっき皆の話を聞いてて、やってみてもいいかなーってちょっと思ったんだよね。」
「そうなの!?このはちゃん。」
この話を聞いてきた、茜ちゃんが真っ先に反応した。
ずずずずって寄って来て、ほんとほんと??って聞いてくる。
「うん。そうだよ。さっきも言ったけどストレートが気に入ってるからほぼこれ一択だったけどさ、たまには変えてみてもいいかなーってね。」
「「「「おお〜〜〜」」」」
「やったね!1年ぶりにまた違うこのはちゃんが見れるよ!」
「ねぇねぇ!このはちゃん。今度はどんな髪型にするの?」
おぉ·····。
私が髪型を変えてもいいかなー?って言ったら、みんなの食いつきが凄いよ。
そんなに髪型を変えた私を見たいのかな?
それとも普段があまりにも同じすぎて、見飽きた的な感じもあるのかな?
う〜〜ん······。
外を眺めつつちょっと考えて。
「ねぇ?誰かヘアゴム余分に持ってたら貸してくれないかな?」
思ったがが矢先に、少しだけ弄ってみようかなと思ったんだ。
授業的にはあと2時間で終わりだけどね。
「あ!私持ってるよ。使ってこのはちゃん。」
「ありがとー。じゃぁ、6時間目の終わりまで借りるね。」
そう言ってヘアゴムを借りて早速髪型を変えてみることにした。
とは言っても時間的に凝ったアレンジは出来ないので、ただ単にヘアゴムで纏めてみるぐらいだけどね。
とりあえずは右側から。
「このはちゃんが髪を変えてくれてる·······。」
「何にしてくれるんだろね?」
あれじゃない?いや、これじゃない??って皆が色々と想像してくれてる。
「そんな難しいっていうか、手間の掛かりそうなのはやらないよ?時間も大してないし、自分で自分のだと上手く作れないからさ。」
そう伝えつつ、
手を進めて片方出来上がり。
あと半分。
テキパキと進めていって······はい!出来上がり!!
「みんな、どうかな?とりあえず今、サクッと出来るのをやってみたけど、似合ってる?」
ただ単に髪をまとめてヘアゴムで纏めた簡単なものだけど、今はこれが精一杯かな。
「おお!ツインテールだ!」
「いいよー♪このはちゃん!」
「「「可愛い〜♡」」」
「お姉様系このはちゃんが幼く見えるよ······。でも、これはこれでいいかも♡」
「漫画とかアニメに出てきそうなヒロインみたいだね!」
評判は良さそうではある。
あるけれどもやはり不安ではあるよね。
「ホントに大丈夫?変じゃない??」
「えっ?!」
「そんなことないよー!」
「そうそう!似合ってるよ♪」
「「「うんうん!」」」
「これはこれで可愛くて、私はすごくいいと思うよ〜♪」
「なら良かった······。いや〜、こういうのってさっきも言ったけど普段やらないからさ、似合うとか分からなくてさ······。」
結んだり作ったりするのは、葵や雪ちゃんにはしてあげてるんだけど、自分にはやらないから分からないんだよ。
ちなみに葵は髪が私と同じくらい長いから、アレコレ出来るんだよね。
雪ちゃんは短いから、ちょこっと結んだり留めたりするくらいしか出来ないけど。
「ほら、見てみて!あそこの男子達。このはちゃんをガン見だよ?」
そう言われてみんなで振り返れば、教室の中にいる男の子達が一斉に目を逸らした。
「分かりやすいなー男子は!」
「どうせ見るんだから、堂々としてればいいのにねー?」
「「「ほんとほんと!!」」」
そんな男の子達を見て、からかって楽しんでる女の子達。
まー、うちのクラスは男女共に仲が良いから、このくらいで変に思ったりする女の子はいないんだけどね。
あくまで反応を見て、楽しんでるって感じなんだよ。
ちなにみだけど、男女共に仲は良いのに付き合ってるとかっていう話は聴いたことないんだよね?
不思議だよね??
「このはちゃ〜ん。こっち向いて?」
「なーに?」
後ろから呼ばれてクルッと振り返ってみる。
するとそこにはスマホをもった茜ちゃんがいて。
「折角髪型を変えたわけだしさ、1枚撮ってもいいかな?このはちゃんもどんなだか、見てみたいでしょ?」
そう言われれば、確かに見てみたいかも。
「そうね。見てみたいかな? じゃ、茜ちゃん、宜しくね。」
「うん!!任されたよ!!」
ウキウキと撮る準備を始める茜ちゃん。
そこに「私達も撮っていいかな?」って聞いてくる彩ちゃんや志保ちゃんを始めとしたクラスの女の子達。
お昼休みもあと僅かだし、撮るのなら一遍に撮ったほうが楽だからと思って当然OKを出せば、一斉に撮り始めるみんな。
モデル撮影は1回やったけど、これはこれでなんだか照れるね。
「このはちゃん······。もしかして照れてる??」
そんな事を聞かれて。
「それは···そうだよ。だって教室の中だもん······。」
本日の2年3組は平和そのものです。
時系列的にはウエディングドレスの雑誌が発売する前、身体測定の頃のお話になります。




