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ママは女子高生♪  作者: 苺みるく


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ある日の面接①-2 高2(挿絵有り)

「あ、鈴宮ちょっと待って! 実はまだ話があるんだ。」


そう高橋先生に呼び止められて、あげた腰を再び椅子に戻す私。

はて?

あとは何かあったかしら?

考えてみるも特に思いたる節は見つからず、また今回のメインである進路についてはもう終わった感があるのになと思う。


「すまんすまん。進路の話じゃなくて俺の方でちょっと聞きたい事というか確認したい事があってさ。」


そう申し訳無さそうに話してくる先生。

頭をポリポリと掻きながらバツの悪そうというか、なんとも言えない顔をして、そんな先生を見るのも珍しくってついクスって笑ってしまった。


「あ······今、笑ったな?何か可笑しかったか??」


「いえいえ、珍しい姿の先生を見れたなと思いまして、つい·····。で、先生。話ってなんですか?」


時間のこともあるので、先生を促します。

ついでにこれ以上突っ込んで聞かれたくもなかったので。


「すまんすまん。で、話は2つあって1つ目は以前に話した英検なんだが、あれの何級受けるか聞こうと思ってな。鈴宮は皆とは違う上の級を受けた方が良いと思うからさ。」


そう説明してくれる先生。

学校としては高校レベルの準2級、2級の合格を目指したいらしいです。

これは2年生になってから説明があったから知ってはいたんだけど、私はもっと出来るから上を受けて欲しいんだって。

私もそのつもりで試験の話を聞いてから、改めて頑張って勉強してたんだけどね。


「えーと、予定としては準1級を受けてみようと思ってます。」


今はかなり読んだり書いたりは出来てるから、リスニングとかに力を入れて取り組んでる。

勉強する為の素材が今は沢山あるから色々と試せて楽しいし、やっぱり勉強は楽しいなって感じる。


「分かった。それで進めるな。試験はみんなと違う会場になるが、その辺は決まり次第連絡するからな。」


「はい。分かりました。」


了解の返事を返して、1つ目の英検の話は終わりました。

これについては私もホームページを見て、ある程度の事は調べたからね。

大まかだけど、どの時期に試験があるのかとか試験の内容、傾向とか。

そういうのを参考にしながら勉強をしてきたんだ。だから合格出来るように頑張らなくちゃねと思う。

私自身の為にも、期待してくれてる先生の為にもね。





「でだな〜·····最後の事なんだけど、コレ、俺もよく分からないんだよ?」


「先生も分からない?ですか?」


それこそなんだろう?

高橋先生も頭を傾げながら、本当に分かってないような仕草をしてるし。

そんなんだから、当然私も分かる筈もなく。

2人して首を傾げてる、そんな状況······。



「えっとな······数学の井上先生が俺に直接言ってきたんだけどさ、授業の時の鈴宮の視線が何か変で気になって仕方ないんだと。何か心当たりあるか?」


「え?······そう言われましても特には······?もっと具体的な事は言ってなかったんですか?」


そう言いつつ、井上先生を思い出してみる。

若い女性の先生で、髪はやや茶髪に染めていて長さは短めのショートカット。

とはいってもこれはカットするタイミングで変わるから、あまり参考にはならないけどね。  

で、私が知ってる学校の先生の中では1番若い先生なんだよね。

それだからか男の子達からはかなりの人気があるって、クラスのみんなから聞いた覚えがある。

ただうちのクラスは、あまりそうでもないみたいだけど······?



挿絵(By みてみん)



そんな井上先生の授業だけど、思い返してみても全く心当たりがないんだけどなぁ·····。

私は極普通に、普段通りに授業を受けてたと思うんだけどさ?


「そうだよな?俺も授業を受け持ってても特に気にはならんし、気の所為ではないですか?って、そうは伝えたんだけどな。うーーん······、あ、そうだ。思い出した! えっと、話してる最中だとか、ノートを書く必要もないような状況でも私を見たりして、何やらメモしたりしてるとかって言ってたぞ?」


「う〜〜〜ん······?」


なんだろ??

話してる最中に先生を見てるのは当たり前だと思うんだけどな。

逆によそ見をしてたら「何よそ見してるんだ?」って、寧ろ注意を受けるよねー?

それにメモか······。メモ·····。


「あっ!」


「お? 何か思い出したか?」


先生を見てるのはいつもの事だけど、メモで思い当たる節があったので思い出したよ。

高橋先生をはじめとして、他の先生の授業でも参考にはしてるけど、井上先生の授業が私としては1番の参考だから授業中に色々とやってたんだ。

多分それだね。きっと!


高橋先生も分かった感じを出したの私の反応に気づいてくれて、促してくる。


「井上先生が仰ってた事は、私が教師を目指すうえで井上先生の授業を今後の参考にしようとして進め方だとか教え方、解説とかそういうのをノートにメモってたんです。後で自分なりに整理して考えてみようかな?と思いまして······。それで、井上先生をじっと見てたのが変に思われたのかなと思います。」


「鈴宮······、お前もうそんな先まで考えてやってたのか······?」


高橋先生がちょっと引いてるよ·····。

そりゃぁ、他から見れば変に思われるかもしれないけどさ、時間があるんだもん。勿体ないじゃん?


「だって、その······数学の内容は理解してるし、ただ聞いてるだけなのは勿体ないので。だったら数学教師の井上先生の教え方、やり方を学ぼうかなって思って······。すみませんでした。」


不快な思いをさせてしまったのなら申し訳ないなと思う。

後で理由を話して、謝っとかないとだね。


「あぁ、いや、大丈夫だよ。変な理解でもないし、寧ろ嬉しいんじゃないかな?教師という職業上、生徒に教えるのが仕事だしその教え子が教師を目指そうとしてて、自分を参考にして学ぼうとするのは嬉しいと思うぞ、俺は。」


「そうですか?」


「ああ。鈴宮が俺の教科を目指すなら、いくらでも教えてやったのに······残念だよ。」


ほんとに残念そうに言う先生。

そんな顔をしなくてもな〜と思いつつフォローもします。


「高橋先生の授業の進め方とかも参考にしてますから、大丈夫ですよ。それにそういう感じで先生方見てますと、それぞれに特徴があって面白いなって感じてますから。」


「そっかい······そりゃーありがとな。じゃ、これも無事解決したので、今度こそ本当に終わりだ。貴重な昼休みにありがとうな。」


「いえいえ。こちらこそ、ありがとうございました。」



立ち上がって先生にお辞儀をして部屋を後にします。

最後はちょっとあれだったけど、進路についてはいい話も聞けたので総じて良かったです。

その中でも気になったのは、やっぱりオープンキャンパスかな。

これは今年の開催があったらなら、是非行ってみたいなって思ったよね。

私の希望する条件だと何校もある訳ではないけれど、それでも時間的余裕を持って見て聞いて調べられるのは大きな収穫になるから。



さて。

みんなも待ってることだし早く戻らなくちゃね!






  ――― 放課後の職員室にて ―――




「井上先生、ちょっとお時間よろしいでしょうか?」


「はい?大丈夫ですが、なんでしょうか?」


俺は井上先生にお昼休みの面談で鈴宮から聞いた事を井上先生に伝えることにした。

数学は1週間あたりの授業時間も多いし、明日も授業がある。

精神的にも気にしてるようなので、早く結果を教えられるのなら伝えた方がいいと判断したわけだ。


「以前に井上先生が仰ってた鈴宮の授業中の件なんですが、今日の面談時に理由が分かりまして、伝えようかなと思った次第です。」


「あ、そうなんですか!? わざわざありがとうございます。高橋先生。······で、鈴宮さんは何と?」


理由が分かっという事で、一瞬嬉しそうな表情をした井上先生。

でもすぐに不安そうな表情にもなった。

······これは相当気にしてるな?


「まずですね、鈴宮は進路及びその後の職業として教師を目指しているそうです。」


「教師·····いいですね〜。彼女は教え方が上手ですし面倒見の良さも入れれば、いい先生になれると思いますよ。」


「そうですね。俺もそう思います。で、その教師ですが教科は数学で学校種は高校。つまり高校の数学教師を目指す様です。」


「·········。」


「で、鈴宮は高校の数学自体はもう理解してるらしいので、持て余してる授業時間を今後の為にと井上先生の授業そのものを学んでるそうですよ。授業の組み方や進行方法、教え方とかをね。だから井上先生をよく観察してたり、漏特に何も無い場面でメモを取ったりとかしてたらしいです。」


「うそ······。彼女はまだ2年生ですよ?何もそこまでしなくても·····。」


井上先生が絶句してるが、そう思ってしまうのは仕方がないよな。

俺もそう思ったから。

でも、それをするのが鈴宮このはという生徒なんだよ。

頑張り屋で真面目で、桜ヶ丘高校じゃなくてもっと上のランクの高校に行けば良かったのにと、感じてしまうくらい成績も含めた優秀な生徒だ。



「そういう子なんですよ。鈴宮は。そういう理由なんで余り気にしないであげてください。寧ろ将来、鈴宮が教師になったら『鈴宮さんは私が育てたんだぞー』って言えるくらいに教師としてのノウハウを教えてあげれば喜ぶと思いますよ? 目指すは井上先生と同じ、高校の数学教師ですからね。」


うん。

自分で言っててそれはいいよなって思う。

鈴宮は俺の教え子ではあるけれど、将来彼女から『師匠』なーんて呼ばれたら嬉しいかも······。

いや······師匠はちょっと違うか??

でもどっちにしろ、教えられるというのは羨ましいとは思う。

あ〜〜あ······、鈴宮が俺と同じ国語を目指してくれればなぁー······。



ふと井上先生を見てみれば、彼女は顔を上に向けて何かを考えてる様子だった。

ただその顔はちょっと赤くなってニヘ〜とした、未婚の年頃の女性が男性には見せてはいけない顔をしていた。


(······大丈夫か?これ??)




「いいですね!それ!!分かりました、高橋先生! 私、先輩数学教師として鈴宮さんに残りの2年アレコレと教えることにします!!」


「おお······頑張ってください。程々に······。」



何を想像したのか分からんが、さっきまで不安がってビクビクしてたたのが一変して、やたらとやる気を出して元気になった井上先生。

本当に大丈夫なんだろかと、別の意味で心配になる俺だった·····。


そして鈴宮の魅力とは、同級生のみならず年上のそれも女性にまで及ぶのかと戦々恐々するのだった。

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