1 始まり
投稿しちゃったよ……
「あーあ、まったく……前代未聞だわね……。
ボーナスポイントとスキル付与までしたのに。
上はとんでもない事してくれたわね」
白い部屋。
いや、ずぅーっと白い空間が広がっているのかもしれない。
ギリシャ時代風の真っ白なドレス。
ふわりと風になびくシルエット。
その美貌はまさに“神々しい”と言うべきか。
彼女は“女神”……?
彼女の目の前、空中に本が現れた。
高速でめくれていく本。
何か探している?
最後のページで見つけたようだ。
「ふむふむ、一応対応はしたみたいね。
『アクシデントで元世に戻った場合付与能力は100分の1』
慌てて付け足したのね」
◇◇◇◇◇◇◇◇
首が痛い。
痛いったら痛い。
ギリギリ、ズキズキ、グリグリ、どんな表現でも足りない。
とにかく痛い。
MRIだっけか? 写真を見せられた。
素人目にも首の骨がずれてるらしいと理解できた。
奇跡的に神経の損傷は無いらしい。
今は病院の個室。
首はピクリとも動かないよう固定され、寝たまま動けない。
ちなみに、なんでこうなったかは記憶にない……。
痛い痛い。
痛いの痛いの、飛んでけ……。
飛んでかないようだ、当たり前だな。
クソっ、治れ治れ治れ治れ治れ治れ!
ヤケクソの言葉を繰り返すと何か熱くなった気が。
首に湿布でも貼ってあった?
いや、『治れ』って考えたら同時に来た。
ヤケだ。
治れ治れ治れ治れ治れ治れ治れ治れ治れ治れ!
痛みに何か温熱効果のような物が加わってマシな気がした。
治れ治れ治れ治れ治れ治れ治れ治れ治れ治れ!
治れ治れ治れ治れ治れ治れ治れ治れ治れ治れ!
治れ治れ治れ治れ治れ治れ治れ治れ治れ治れ!
治れ治れ治れ治れ治れ治れ治れ治れ治れ治れ!
気のせいに決まってるけど、更に痛みが和らぐ気が。
治れ治れ治れ治れ治れ治れ治れ治れ治れ治れ!
一応10回ずつだが正確に数えているわけじゃあない。
多分500回くらいで相当楽になった(気がする)。
頭痛もあると気づく。
首の痛さで気づかなかったみたいだ。
治れ治れ治れ治れ治れ治れ治れ治れ治れ治れ!
おそらく1000回は超えた。
痛みが無くなってきた(気がする)。
勢いで更に繰り返しているうち、熱の感覚が消えた。
治れ治れ!
明らかにさっきまでとは違う。
あれっ、痛くない。
どこも。
いや、首の固定具がアゴとかに当たって痛いんだけど。
どうせ、しばらく経ったらまた痛くなるに決まってる。
今何時だ。
腕時計は外されたままらしい。
部屋の時計さえも見れない。
せめてアニメだけはチェックしておきたかった。
けど、そもそも横が向けないから無理か。
ああ、今日はおじさんとおばさんが来てくれた。
うちの両親が事故死してから世話になってる。
悪い人達じゃないけど、子育てに関しては慣れてない。
必要なものをきっちり確認して、帰っていった。
もちろん「大丈夫か」と心配はしてくれたよ。
アッサリしてるほうが僕としても嬉しいんだよね。
その後がウザかった。
“加害者”らしい、空手部のエース佐倉と部の顧問が来た。
痛いし動けないのに数十分謝罪とかが続いた。
佐倉自身が心臓マッサージをしてくれたらしい。
もう20分は続けていたのにやめさせてもらえなかった、と。
人工呼吸していた人が意地でもやめようとしなかった、と。
それは誰か聞いたけど、答えてくれなかった。
どういうことだよ!!
その後がもっとウザかった。ウザさの極致だ。
顧問が、この事は大げさにはしないで内々で収めてくれと。
ずっしり重い封筒を渡された。
別に、治療費なども全額出すそうだ。
佐倉は前回高校日本一だからな。
この話が広まったら……って何が起こったのか分からないけど。
とにかく、空手部としては困るんだろう。
彼らが帰った後、封筒を真上に持ち上げて見てみた。
10枚まではなんとか数えたけど腕が痛かった。
おそらく200万くらいだった。
封筒のことを思い出すと少しだけニヤケる。
おじさんに十分すぎる生活費は貰ってる。
それでも200万はデカいな。
痛みが引いたおかげか、そのうち眠ってしまった……。
勢いで投稿しちゃってすみません。
序盤は脳内で書きあがっていますが、ちょっとした組み立て等どうするかというところです。
本当は、中盤まで書き上げてから毎日投稿するつもりだったのに・・・。
たわしはゴシゴシゴシ・・・わたしのバカバカバカ!