ロイヴェイン・スタッツ/画策
「ロイってば、また留守にするの?」
「そう。ちょっと用事でね」
明日からしばらくいないって言ったら、頬をふくらませてそう言われた。
「こないだも結構出かけたままだったよね? もしかしてどっかに彼女でも作った?」
「何言ってんの。そもそも俺たちそんなんじゃないだろ?」
そうだけど、と不服そうな顔をされる。遊び友達なだけなのに、そんな顔されても。
「まぁいいけど。帰ってきたらまた遊んでね」
軽くキスして、手を振って帰ってく。
俺以外にも遊び友達はいるみたいだし。俺がいなくても退屈はしないんだろう。
家に帰って荷造りを始める。
明日からじぃちゃんたちのお供でライナスに行く。
ヴェインでいるのは窮屈だけど、ライナスにはククルがいるから楽しみだった。
ちょっと迫るとすぐ真っ赤になって。必死に動揺してないフリしてるのがかわいくて仕方ない。
今回はじぃちゃんたちしかいないけど、訓練はないし。ふたりきりになる機会はあんまりないかもしれない。
もうちょっと色々からかってみようと思ってるのに、せっかく行ってもふたりになれないんじゃ意味がないから。
どうにかじぃちゃんたちを撒く方法を考えないと。
ククルをどうからかうかもまだ決めてないし、出発までなかなか大変そうだと思いながら。
それでもククルのあの顔を見られるのは、かなり楽しみだった。
読んでいただいてありがとうございました。
新年からもまだ続きますので、よろしくお願い致します。




