表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
須岡カスオの一日  作者: まねき猫
1/2

二日目からは通常運転

布団に入ったとことまでは覚えている。

その日何があったかは思い出したくもない。


昔はよかった。

心配なんてなにひとつなかった。

宿題なんて小さな悩みすぎる。

教室の出来事なんて大人になって考えてみるとちっぽけすぎる。

町の不良?

大人になったら無関心になる。

いてもいなくても自分の世界とは関係なくなる。


そんな日々に思いをはせる。


私、須岡カスオは勤務先の会社で不正を行った。

送金データをごまかし、自分の口座に入金した。

所謂横領といったところか。

魔が差したわけではないし、計画的だったわけでもない。

金額は100円だ。

やってはいけないと思えば思うほどやってしまいたい衝動に勝てなかった。


小学生のころ、学校に合った火災報知機のボタンを押したことがある。

火災の時以外押してはいけないといわれていた。

風景になりつつあったそんな火災報知器だが、「押してはいけないボタン」の誘惑に負けた。

その時はかなり怒られたが、それだけだった。

クラスの仲間からは勇者扱いされた。


しかし、今は違う。

分別ある大人の社会で生きていて、ルールを破ると罰せられる。

そんな当たり前のことも、衝動に勝てなかった。


私にとって衝動とは生きている証なのかもしれない。

衝動がなければ死んでいるのと同じだ。

その衝動は、リスクが大きければ大きいほど魅力的になってしまう。


いつか人を殺してしまうかもしれない…


そんな不安が常に頭にあった。

そんな私はゲームでそんな衝動を発散させている。


私はプロゲーマーになっていた。

プロといっても会社員ではあるので、副業的に大会に参加したており、一部の企業がスポンサーとして補助してくれている。


ゲームのジャンルはシューティング。


敵を打ち落とすことが人としてのタブーを犯しているようである。


しかし、衝動は発散されつくしてはいなかった。

私は昨夜、会社の金を横領してしまった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ