{第145話}猜疑性(妄想性)パーソナリティ障害
{第145話}猜疑性(妄想性)パーソナリティ障害
最近 変な夜間の急患が多い
多すぎる。。。
モンスターペイシェント(怪物患者)
この人たちの パターン が
猜疑性(妄想性)パーソナリティ障害
に ほぼ いきついているなぁ~ と 感じております。。。
僕はなるべく ひとりひとりの患者さんに
全身全力で 治療・対応していきたい人間です
過去に来た いろんな変な患者 のことを思い出すと
決まって 僕に罵声を浴びさせ捨て台詞を吐いたある男のやばい顔が
脳裏に登場してくる。。。
約10年前の話
その男は 30代半ば
その人の奥さんの 口腔内に
3,4個のたくさんの 大きな口内炎 が痛むと言って
当院に来院された
不良な銀歯(不良補綴物) 虫歯などで欠けた歯の有無
を調べ ないことを確認
歯ぎしり・くいしばり の有無
それによる 頬や唇の粘膜などの内出血や 圧痕の有無
それらも ないことを確認
たばこの喫煙 有無
刺激物などの嗜好物
風邪などの最近の既往歴
薬の服用の有無
最近の生活の質
口腔内の乾燥・唾液の分泌の低下
疲労
ストレス
睡眠不足
問診の結果 ストレスいっぱい 疲労感
睡眠不足とのこと
僕はできるだけ 口内炎の薬は 患者さんに処方したくない
使わせたくない人間
ステロイドが多少なりとも入っているので
ステロイド を使わなくとも
ある程度 健康な人間には 自分の自己治癒能力
で治癒する力があること
きちんとバランスの良い栄養
休養 睡眠
ストレス軽減・除去
口腔内を清潔に保つ
歯ブラシで痛むのならば
シャワーの水圧で 口腔名の食べかすなどを吹っ飛ばす
緑茶でうがい
カテキンの効果で 殺菌作用
口内炎が発生する理由は
ホルモンなどのバランスが狂ったとき
ストレスや風邪 などで免疫力・抵抗力が落ちたとき
ヘルペス が原因
なので 前記の処置などを 適切にそれらを行えば
数日から 1週間で 口内炎は 減り
痛みなどが軽減する可能性があること
それでも 会話時や 食事時に
接触して 口内炎が痛むときは
口腔内用のワセリンを
ドラッグストアで購入して使用することを薦める
こういう内容を
僕は患者さん毎に アナログ的に 大変でも
わかりやすく丁寧に 説明していく
しかし やはり 口内炎の痛みで
その後 すぐに違う歯医者に行ったらしく
その男が 後日 当院に 戻ってきた
「あんた うちの嫁は
ヘルペス が原因 って言ったよな!!!
あんたのとこを出た後
すぐに他院に行って あんたの言ったことを
そこの歯医者に説明したら
その歯医者が
『ヘルペスって言ったら やばいウイルスですよ!!!
そんなのに感染していて そのウイルスがついた手で
目を触ると 失明するくらい恐ろしいウイルスですよ!!!
その説明は 間違っていますよ』
と言われたそう
結果 その歯科医院では
口内炎の薬を出してもらったとのこと
そして
「そんな知識もない
でたらめを ほざいた あんたは やぶ医者だ!!!」
と他の患者さんが待合室にいるにもかかわらず
そう叫んで 去っていった。。。
僕は その男の背中を見ながら
『ヘルペスっていうのは
単純ヘルペス といって
結構 いろんな人が お口の中に持っている
口腔内常在菌 なんだよ。。。』
と一人 心の中で呟いて 徒労感に打ちひしがれていました。。。
人のことを疑うのもいいけど
罵声を浴びさせるのはどうかと思う。。。
今の僕が 思うに
患者さんも 素直 なのが一番だと思う。。。
素直ならば 僕も一生懸命
頑張って 患者さんに 寄り添っていく
努力も惜しまない
でもこんな捨て台詞を吐くような
変な患者が増えて 最近
僕は疲れ果てています。。。
最近は 天気が悪すぎて 気圧の変動で
歯ぐきが腫れたり 激しい痛みを伴う 急患が
たくさんお見えになり
滅茶苦茶 忙しかったです。。。
この前の日曜日は
急患で忙しくしていた 夜9時30分すぎ
当院に電話が鳴った
電話に出ると 歯が激痛とのこと
「今すぐお見えになっていいですよ」
「激痛なので 治療してほしいのは やまやまなのですが
お金がなくて。。。
今の時間帯って治療費いくらですか?」
「今のあなたの歯の状態が どういう状況で
どんな治療法が必要なのか?
それによって治療費も変わってまいります
当院は 日曜日でも祝日でも
夜間でも深夜でも 応急処置ではなく
あなたの お時間が 大丈夫であれば しっかり時間をかけて
痛みが和らぐまで きちんと 丁寧に 治療させていただきますよ
ただし 一応 治療費は 処置前に
この歯の痛みはこういう理由で
こういう治療をすると いくらですよ
と複数の治療法を説明します
もしこの治療を選んだ際の メリット・デメリット
を事前に わかりやすく説明させていただいて
あなたに決めていただいて
必ず 痛みを楽にして 御帰宅していただきます
しかし お金がないとのことですが
こうして 今現在 せっかくお痛みが我慢できないから
こうして電話をしていただいていますし
お金がないからという理由で
このまま電話を切って あなたに痛みを我慢させるのも
僕的には 忍びないので
君がこれなら払えるよ という金額を
今 スパっと 述べてみて!!!
今のこの日曜日の夜に
僕は応急処置ではなく 必ず 激痛を止めるので
君が払える金額を
いますぐ述べてみて!!!」
というと
「う~~~ん 千円」
と言った
「せ 千円?
申し訳ないけど 初診料だけで
千円ですよ!!!
あともう少し 頑張ってお支払いできませんか?」
「ならば 2千円!!!」
『に 二千円。。。 まあ しょうがない。。。
こいつは やばそうな奴だ。。。』
しかし それで納得し 当院に来院してもらうことにした。。。
で 30分後 他の急患を診ている時に
その男が 当院に 突入してきた
子供4人(3歳から小学生低学年まで)
が大騒ぎしながら
入ってきた
亀田3兄弟のような顔で
モヒカンの髪型だった
本人もやばそうな顔をしていてが
奥さんは マスクをしていたが
「ミキティ~~~~~~~~~~~!!!」
と叫ぶほどの綺麗な目の女性だった
なので この男性は非常識だと思って
この奥さんは常識人だと判断し
「奥さん 今 日曜の夜 10時に
激痛の急患として 僕は受け入れたんですけど
先ほど 電話口で 僕に 最初
あなたの御主人は
今 支払える 治療費は 千円 って言ったんですよ!!!
僕も恥ずかしながら それでは厳しいので
あと一声 って思わず 叫んでしまったんですけど
それでも 2千円 ですってよ!!!
どう思いますか?
でも 僕も男なので 先ほど 電話口で 約束しました
2千円で 応急処置ではなく
お子様がたくさんいらっしゃいますけど
しっかり時間をかけて痛みが和らぐまで
御主人が納得されるまで
責任を持って丁寧に治療させていただきます」
というとその奥さんは
「歯医者で 治療費まけてッ て いうの当然ジャン」
と言った。。。
僕は背筋が ゾゾゾっとした。。。
そして 「今日は もう2千円できちんと対応しますが
以後は この時間帯では この治療費では
厳しいですよ!!!」
というと
その奥さんは
「それが無理なら もうこの歯医者には絶対に来ないですよ」
と発言した。。。
また 僕の背筋は ゾゾゾっとした。。。
こういう人種は
今回 治療費を安くしてあげても
次回 同じように夜間に 激痛で来院され
今回の治療費より高くなると
「なぜ 前は安かったのに 今回は高いんだ!!!」
といって 必ず もめることになります
治療費については 必要な対価をいただくのが当たり前なのだが
その当たり前が 理解できない人種が
この日本には ある 一定数は 確実に 存在しています
別に感謝してほしいとは思わないが
感謝 の気持ち がない人間に 対応するのは
激しい虚脱感 徒労感 に さい悩まされる。。。
2020.7.31 AM1:29
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その手の方モンスターは、
相手の足元を見る感覚に長けています
交渉の相手が自分より立場が下だったり、
気が弱い、ごねればなんとかなりそう、
と思えば徹底的に強気な態度に出ます
世間の常識やルールなどは通用しません
医療を受ける権利を盾に、ぞんざいな扱いをされた訴えるなどと
逆ギレされる可能性があります
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簡単に言うと「訂正できない、間違った信念」
と言われるように現実的な根拠はなく、
些細なことから
「疑い」⇒「思い込み」⇒「決めつけ」へと進んでいきます。
しかもそれを訂正しようと周囲が説得してもまず納得してくれません。
関わり方もなかなか難しく、
あまり距離を近づけすぎると敵意や攻撃の対象にされてしまいます。
相手の思い込みの強さの程度にもよりますが、
なるべく中立的につかず離れずの関係を持つことでしょう。
ただ、本人が自分の思いを言葉で表現せずに、
心の中で思い詰めている場合も多くあるので、
わかりにくいの確かです。
もし不当に恨みを抱かれたり、非難されたり、
攻撃を向けられた時は、こちらも立ち向かうことはせず、
そーっと距離を開けることをお薦めします。
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妄想性パーソナリティ障害
妄想性パーソナリティ障害
猜疑さいぎ性パーソナリティ障害とも呼ばれる、
何ら明確な理由や根拠なく、あるいは何の関係もない
ほんの少しの出来事から勝手に曲解して、
人から攻撃される、利用される、陥れられるといった
不信感や疑念を病的に激しく疑い、
広く対人関係に支障をきたすパーソナリティ障害の一類型である
精神医学的障害の一種である。
この症状は、拒絶・憤慨・不信に対して過剰な感受性を示すとともに、
経験した物事を歪曲して受け止める傾向に特徴がある。
普通で友好的な他人の行動であっても、
しばしば敵対的や軽蔑的なものと誤って解釈されてしまう。
他人の動機を悪意のあるものと解釈するといった、
広範な不信と疑い深さが成人早期までに始まり、種々の状況で明らかになる。
以下の4つ(またはそれ以上)によって示される
十分な根拠もないのに、
他人が自分を利用する、危害を加える、またはだますという疑いを持つ。
友人または仲間の誠実さや信頼を不当に疑い、それに心を奪われている。
情報が自分に不利に用いられるという根拠のない恐れのために、
他人に秘密を打ち明けたがらない。
悪意のない言葉や出来事の中に、自分をけなす、
または脅す意味が隠されていると読む。
恨みをいだき続ける。
つまり、侮辱されたこと、傷つけられたこと、
または軽蔑されたことを許さない。
自分の性格または評判に対して他人にはわからないような攻撃を感じ取り、
すぐに怒って反応する。または逆襲する。
配偶者または性的伴侶の貞節に対して、繰り返し道理に合わない疑念を持つ。
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白か黒か、常に両極端に考えてしまう
物事を白か黒か、全か無かで、両極端に考えてしまいます。
中間がない二分法的思考は、部分対象関係が優勢なことによるものです。
パーソナリティ障害の基本症状の一つは、両極端に、
全か無かで考えてしまうという二分法的思考です。
他人が、親切で、思い通りにしてくれている間は、
「すごくいい人」と受け止めるのに、
少しでも、思いに反することをされたりすると、
途端に「ひどい人」「サイアクの人」と
評価が逆転してしまうのです。
そのため、周囲の人々への敵意を持ちやすい人々と言えるでしょう。
{第145話}猜疑性(妄想性)パーソナリティ障害