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不破一族の多世界征服記  作者: 伊達胆振守(旧:呉王夫差)
第3章 対ミュルクヴィズラント戦争(第一次永禄の役)
33/68

31 中野館の戦い その4 アイヌVSパトロヌス教聖職者

 仕方ない。ここは引き続き味方を後ろから援護しつつ、2人の戦ぶりを刮目しよう。

 と、その前にレスノテクやリシヌンテ、それにアストリッドのステータスを確認するのを忘れていたな。

 まずはレスノテクから。


――――――――――――――――


 名前 レスノテク


 HP 2570/2570


 MP 465/485


 攻撃 323


 防御 270


 魔攻 290


 魔防 286


 敏捷性 342


 名声 5408


 状態異常 なし


――――――――――――――――



 やはり戦い慣れている女性とは言え、俺ほどのチート能力は無いか。でも、蠣崎軍の他の武将よりはステータスは高い。アストリッドを協力して抑えるぐらいには十分だろう。

 次はリシヌンテ。


――――――――――――――――


 名前 リシヌンテ 


 HP 2986/2986


 MP 722/808


 攻撃 164


 防御 178


 魔攻 525


 魔防 458


 敏捷性 219


 名声 5800


 状態異常 なし


――――――――――――――――



 俺は一瞬目を疑った。なんでリシヌンテはこうも魔攻や魔防の値が高いのだろうか? 


 たしかにアイヌの女性の中には、巫術(トゥス)と呼ばれる宗教的な儀式を行う巫女(トゥスクル)と呼ばれる存在の人がいる。おそらく彼女もそんな巫女(トゥスクル)の1人なのかもしれない。


 だがここは蝦夷地。もともと本物の魔法とは無縁のこの世界で、彼女のような魔攻、魔防の値が高い人間が自発的に現れるなんて有り得ない。そう、俺や慶広みたいに神様の力でこの世に転生でもしてこない限り。


 まあ、それはおいおい分かるとして、最後はアストリッドのステータスを見てみよう。


――――――――――――――――


 名前 アストリッド・フォーゲルクロウ


 HP 5677/5737


 MP 2601/3129


 攻撃 161


 防御 147


 魔攻 2083


 魔防 1716


 敏捷性 114


 名声 41757


 状態異常 なし


――――――――――――――――


 やはりというべきか、魔攻や魔防の能力値が滅茶苦茶高い。さっきの詠唱魔法の攻撃力の高さは彼女の能力値によるものだったのか。

 まったく、王国軍ってどんだけチートな連中の集まりなんだ? 昨日のブレンダといい、異常な戦闘力の持ち主が多すぎるぞ。


「そう……この私めに土をつけたのは、そこの少女だったのですね。いいでしょう、この私めを謀ったこと後悔させてあげます。死になさい」


「それを言うなら、勝手にアタシたちの土地を荒らしたこと、後悔させるわよ!」


「おー!」


 互いに戦意を再び剥き出しに、アイヌコンビはアストリッド率いる聖職者部隊、ローヤリテット・ヴァルキュリアに向かって戦を仕掛けていった。


「……母上」


「五郎? どうしたのですか?」


「俺の肩と腕、揉んでくれませんか?」


 やっぱり、女の子だけ戦わせるのは性に合わない。せっかく2人の女の子がアストリッドと戦ってくれているのに、目の前で何も出来ないのは悔しい。


 そこで少しでも回復することを願って、俺は母にマッサージを依頼した。


『天にまします聖女神様よ。天意に逆らう者に天罰を。神への償いハイリヒ・シュトラーフェ!』


 そして目の前では、女性同士の壮絶な争いが繰り広げられていた。


 早速アストリッドは強力な白いビームを再び発射し、2人を確実に追い詰めていく。がしかし、レスノテクとリシヌンテの敏捷性はアストリッドより上。兵士達をまとめて一瞬で葬り去ったあの一撃も、見切ったように軽々とかわしていく。


「当たらない、当たらな~い~」


「アタシの仲間の仇、討ち取らせてもらうわよ!」


 続いてレスノテクがアストリッドに急接近。短刀を取り出し、近接戦に持ち込む。

 近接戦でもレスノテクが上。中・長距離の攻撃魔法が主体のアストリッドには不利な態勢となる。


『天にまします聖女神様よ。我らにご加護を……』


「させないわよっ!」


「!」


 アストリッドが魔法を発動させようとしたところを、レスノテクが短刀を差し向けて呪文詠唱を阻止。レスノテク特有の素早さが、相手を翻弄する。


「くっ! これは、聖女神様の試練でしょうか……」


「無駄口叩いたら死ぬわよ!」


「きゃっ!」


 息つかせる暇もなく、レスノテクがアストリッドを追い詰めていく。


「……戦っているのが、シスター・アストリッドだけではありませんよ」


 一方2人の外側では、聖職者部隊の兵士が2人のアイヌを集団でミンチにしようと構える。

 決闘に夢中になっているレスノテク。このままでは、取り囲まれるぞ!


「それを言うなら、こっちだってアタシとリシヌンテだけじゃないわよ?」


「何ですって? ……は!」


 だがレスノテクはあくまで余裕を見せ、聖職者部隊の背後を指差す。


 修道女達が一斉に後ろを向くと、そこには槍を構えるたくさんの人影。総数は200名前後といったところ。

 そう、さっき壊滅したはずのレスノテク隊の一部が、再び立ち上がったのである。


「嘘でしょう……有り得ない。シスター・アストリッドの『神への償いハイリヒ・シュトラーフェ』を喰らって殲滅されたはずじゃ……」


「みんな~! いっけぇ~!」


「おおおお!」


 あのビームを喰らって無事だった? いやそんなはずはない。

 ということは、この人たちはどっか攻撃魔法の当たらない所に潜んでいたわけか。


「伝令で、あんたたちが怪しげで強力な術を使っているのは知っていた。だから、わけのわからないものを唱えたら、分散して潜伏するようにあらかじめ伝えてあったの」


「……おもしろい。ですが、私めには弱小勢力と遊んでいる暇はないんです。早々に片をつけさせて頂きます」


 いい調子だ。王国軍側は寡兵を相手に苦戦し、ストレスが溜まっているようだ。

 早くつぶして士気を回復させたいところなのだろう。でもそれこそ俺達の思う壺だ。


 順調に相手を押し返していくアイヌ兵。聖職者部隊の隊列が前方から徐々に乱れていく。だがここで、俺たちは目を疑う光景を目の当たりにする。 


「おっとここで~! ボクから面白い攻撃を見せちゃうよ~!」


「……え?」


 リシヌンテが空中に飛び出すと、ここでなぜか彼女は、まるで王国軍兵士のような詠唱を唱え、大きな白い球を出現させた。


 あれ? まさかあれは、魔力で出来たやつ……? そんなはずはない。向こうと違って戦国時代の日本では、それを発動させることは不可能なんじゃ……。


白刀弾(レタル・ニペック)!」


 だが、そんな俺の疑問などお構いなしに、白い大きな球から発せられた光線は確実に眼下の修道士たちを飲み込んで行った。


「いやあああああああ!!」


 衝撃的な光景だった。

 今まで、王国軍のみが発動できていたはずの攻撃魔法が、なぜかアイヌの巫女からも発射されていたからだ。

 白い光線が、聖職者部隊の兵士を次々に駆逐していく。


「へっへっへ~。これがボクの特別なチカラ~。なんちゃって~」


 これは一体どういうことなんだ? 教えてくれ、ミネルヴァ、フレイア……。  

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