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異世界でもふっと婚活  作者: NAGI
第一章 東領編
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怒られたよ

あれれ?無詠唱魔法を習いに行ったはずなのに、肝心要の目的を果たさず帰った私はヴァンからお叱りを受けた。

「色々あったんだよー」

ラベルを小馬鹿にされて、頭に血が昇ったせいなのだが私の口からは言いたくない。

「あ、でも、好きなだけここにいていいって」

「滞在の許可は、とうに私がオーリ殿からいただいております」

うん。でもね、領主自らに許可を得るとじゃ違うよね?

「オーリ殿が独断で決めているはずないでしょう。領主の許可があってこそです」

もー、ヴァンが口うるさい。アリーサが二人いるみたいだよ。

「私は最初に会った時のヴァンのほうが好きだなー」

もうちょっと砕けた感じが良い。

「ピロロロロロ!」

主人を庇ってか、カナンが無駄に翼をばたつかせて加勢する。

「ちょっ、止め!」

髪が乱れるし、埃は舞うしで地味に嫌な攻撃だ。

あんたは森の中や外を自由に飛び回って、ろくに仕事もしてないくせに、何様のつもりよ?

私は軽く説教する。すると、カナンが久方ぶりに暴挙に出た(連れてきてくれた恩を感じてか、大人しかったのだが)。

最初に会った時、私にしたグルグル目、舌ピロピロを私に向かってして見せた。

あ、また!このやろう。

腹立つわ〜!

「こら!止めないか!」

すると、ヴァンから叱られた。

「俺から見えないと思ってやってるんだろうが、分かってるんだぞ!」

カナンがガーンって感じでよろめく。カナンは雌で、どうも主人であるヴァンのことを雄として意識しているらしく、ライバルには容赦ない。このピロピロもしょっちゅう、ライバル認定した女性に対して行っているみたい。

「神殿騎士の騎獣ともあろうものが情けない」

ガガガガーン!って効果音がついてそうな位、カナンがショックを受けている。

可哀想になったのでフォローしてあげる。

「まあまあ。私はそんなに気にしてないし、見ようによっては面白いし」

「‥ナツキ様」

あれ、なんか寒い?空気が重いよ?

「あなたもカナンとさほど変わりないですよ?旅の空の下だからと、気を抜き過ぎなのでは?」

ガーン。鳥類と同列に扱われた。ショックだ。こんなの鶏と同じだと言われたようなものだ。まさかのケンタ◯ッキーフライドチキン扱いとは‥。屈辱。美味しいけどさ。

「もー、あんたのせいでとんだトバッチリだよ!」

「ピエエエ!」

カナンがバッと鳥頭を持ち上げると、あろうことか私の頭を嘴で突っつきはじめた。

「痛っ!痛いってば!止めなさいっ」

血が出るほど、本気で突っついてはいないが、例えるなら箒の持ち手の先でツンツンされる痛さか?

で、あんたらは何で私を助けない訳?

ヴァンはもちろん、アリーサもセーランも、まさかのトールまで傍観している。妖精さん達に至っては新しい遊びなのかと興味津々だ。

違うよ、違うからー!誰か私に癒しを。癒しを下さいー!



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