94.ロイヤルカップルが微笑みあう春先のカフェ!悩める変態悪女にも、新たな扉が開きます!? ☆挿絵付☆
さてこうして、3月は28日のお昼過ぎ。
「はぁぅぅぅ……素敵ぃぃ……」
シドと "ヴェルベナエ・ドゥルシス" 店内の死角に隠れつつ、イイため息をもらす私ことエリザベート。
目線の先には、なんとなんと。
少し照れくさそうに、春のフレーバーチョコレートをあーん、と食べさせあう王女殿下とヘルムフリート青年のお姿が!
うふふふふ(笑)
きっと、王女殿下リクエストなんでしょうねぇ♡
それにお二人のコスもイイのですっ!
街娘×軍人さん、ですよっ?
きゃあぁぁぁっ♡
萌えますねぇぇぇ♡
ちなみに、覗き趣味ではありません。
だって、黙って護衛を買って出て陰ながら見守っているだけですからねっ♡
そうこうしているうちに、"ヴェルベナエ・ドゥルシス" のハイカウンターから腕組んで離れるお二人。
顔を寄せあって小声でおしゃべりされてます。
その近さが、普段とは別・格♡
うーーーん(萌)
ビバ仲良しカップルっ!
観てるだけで、ニマニマしちゃいますねぇっ♡
やっぱり覗き趣味じゃないかって?
あらーイケませんこと? おほほほほっ (悪女的笑)
大丈夫です!
ちゃんと護衛もしますよっ!
これもリーゼロッテ様のため。
ヘルムフリート青年には、任務を忘れてトロトロに蕩けていただきましょうっ♡
お二人は今度はカフェ "アクア・フローリス" へ向かわれるようです。
チョコレートのお次は、ケーキと紅茶、とみました!
「シド、行くわよっ」
コソコソと耳打ちをして、カサコソと後を追います。
"アクア・フローリス" では、王女殿下とヘルムフリート青年は通りに面した窓側の席。
シドさんとリジーちゃんは店中央の大きな花瓶を挟んで反対側の隅です。
……花瓶に活けられているのは、おおっ!
ルーナ王国では珍しい、ネコヤナギです!
銀のモフモフの穂がたくさんついた大きな枝が、ぽいぽいと放り込まれております。
この無造作感が、春の川原……
ついつい、ほけーっと見惚れちゃいますねぇっ!
「オーナーが自宅の温室で育てていらっしゃいます」
説明してくれたスタッフさんに、紅茶とサンドイッチを注文します。
リーゼロッテ様は、とそちらを窺えば、ちょうど銀のお盆に乗ったケーキを選んでおられるところでした。
お、おおっ……全種類いきますかっ!?
おさすが、なのですっ!
モリモリ食べてボンキュッボンなおカラダは全人類の憧れっ♡
やがてやってきたケーキと、ポットに入った紅茶。
"アクア・フローリス" ではポットサービスなのですよ。そして。
嬉しそうに、ヘルムフリート青年のカップに紅茶を注ぐリーゼロッテ様……!
はぅぅぅぅぅっ! なんという衝撃っ!
ギャップ萌え炸裂、でございますぅぅぅっ!
うう……ロティーたん街娘ばーじょん。可愛い、可愛すぎるっ
もちろん、ヘルムフリート青年の眼差しも史上最高に蕩けておられます。羨ましいヤツめ。
と、ヨダレ垂れそうになりつつ見守っていると。
「冷めますよ」
いつの間にやら紅茶を注いで下さっていたシドさん。
がぁぁん。ショックです。
「……わたくしが注いで差し上げたかったのにぃ……」
そして蕩け目で視姦なんかされちゃったりしたら!
いやぁぁぁん♡
身悶えしちゃいそうですねっ、もうっ♡
「いいからさっさと食べてしまいなさい。あの2人、割とペース早いですよ?」
サンドイッチをシドさんがお口に突っ込んで下さいます。
客観的に見れば、なかなか萌える状況。
なのですが……うーん。なんかイマイチ、ですねぇ!?
花瓶に差し込まれたネコヤナギの枝の向こうでは、リーゼロッテ様とヘルムフリート青年がお互いに仲良く食べさせあいっこしてます。
照れくさそうにしつつ、こぼれる笑顔。
嬉しそうです。萌えますね!
私とシドさんの、3倍くらいは……そうだっ!
「ん」
身を乗りだして、口にくわえたままのサンドイッチをシドに差し出します。
「何のマネですか」
「んんん(どうぞ)」
「ああ」
不思議そうに私とサンドイッチを交互に眺めていたシドが、納得したようにうなずきます。
そして。
「んぐんぐっんぐっ」
ツッと指を伸ばしてサンドイッチを無理やりお口に押し込んでくださいました。
©️秋の桜子 さま
違うのにぃぃぃ。
ほら、ここはアレでしょ。
カップル食べ、とかいうヤツでしょ!?
リーゼロッテ様たちお二人みたいな、ドキドキ感と幸せ感を目指したいだけなのにっ。もうっ。
悔しいから、シドさんのお指もガジガジして差し上げますわよ!?
甘噛みとかじゃなくて、本気のかじりんこでございますっ!
うん塩味。
「あっ……」
あれ?んん?
もしや。
今シドさんに、ロティーナちゃん降臨してる?
なんか、意外なところで、蕩けた眼差しいただいちゃいましたよっ!?
いやぁん! もっと見たいっ!
シドさんのお手々、まじにいただきますっ♡
がっしと両手で捧げ持ち、次は中指の爪の半月部分をガジガジさせていただきます。
ついでに爪の先と肉の間をレロレロもしちゃいますよっ
(タルカプス・アムフォイトマン先生ありがとう)
「……っ!」
声を抑えてもシドさん。
ロティーナちゃん降臨、ごまかせてませんぜ?
こんなところで、とか怒りたいのに怒れないのが、何よりの証拠っ!
さぁ、次は薬指なのですっ!
「こら、いい加減にしなさいっ」
ふふふふふっ(悪女的笑)
そうおっしゃるならお手々のホールドは離して差し上げますわよ?
で?
逃げられるんでしょうか?
リジーちゃんの歯と舌からっ!
薬指をキュッキュと噛みしめつつ、口の奥まで送り込みます。
根元でキュウッとかじったまま、全体を舐めまわします。
うーん意外と美味しい。
「…………っ! …………っ!」
シドさん、そんなにガマンされてても、ロティーナちゃんの滞在はモロばれですわ?
可愛いですねぇっ! うふふふふ。
小指は、少し繊細に、根元からチロチロと舐めあげます。
「あっ……」
おやーついに。
シドさんのお顔がイイ感じにほんのり上気してきましたっ。
ああもうっ
やっぱりシドがいちばん可愛いのですっ!
リジーちゃんのお顔も蕩けきっちゃいますよ、もうっ♡
そして。
あううう。と、止まらないぃぃっ!
つ、ついでに手のひらもっ……
窪みから、そおっと舌を這わせていきます。うん塩味。
全体舐めきったら、次は唇でちゅっちゅっ、とマーキングですっ!
どうしよう。
愛しすぎる。
大好きなシドさんの、大好きなお手々。
サンドイッチよりもケーキよりも、もしかしたらチョコレートよりも美味しいかもしれませんっ!
私だけのものなら、いいのにな。
独占欲が渦巻きますねぇっ♡
そっかぁ。
手フェチは形状愛ばかりではないんですね!
もっと気持ちを盛り込めるものだったのですっ!
すなわち。
書き直さねばなりませんねっ!
アナスタシア様の手フェチ回。
「シド、こうしてはいられないわっ!」 シドさんの両手をひとしきり賞味した後。
「バルシュミーデ兄弟社にすぐ、戻らなきゃ!」
そう宣言した、リジーちゃんなのでした。
読んでいただきありがとうございます。
更新押し押しですが、そんな中、前回からブクマをたくさんいただき、本当にありがとうございます!
これまでお付き合い下さっている方も、新しく読んでいただいている方も、皆様のおかげで楽しく変態できてます。誠に感謝です!
では。皆様に、台風の被害がありませんよう祈りつつ。熱中症にもお気をつけくださいませ~




