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伯爵令嬢に転生して極悪最凶の変態を目指しましたが、結局は普通のお色気作家になりました。  作者: 砂礫零


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196. 目撃証言はばっちり!?なぜか後輩に説教される、変態悪女でございます!

 キエルちゃんの報告によると、カフェの前を通っていったシドさんらしき人は間違いなく、愛しの旦那様ことシドさん。そして、連れの女性は……


「派手な虹色の髪に、グラデーションのドレスを着こなしてて、シドさん(補佐さま)と並ぶくらいには背が高くて、胸が遠目でもわかるほどに大きい……」


「あら、すごい方」


 何気なさを装って返しつつ、その正体にはしっかり心当たりがある、リジーちゃんです。

 まぁ、あの方とシドさんなら…… 間違っても、間違いはなさそう。

 ―――― 以前にはシドさんをコレクションしようとしてたこともありましたが、それもシドさんが思春期少年の頃のお話ですからね。


「それでですね、歩きながら何やら話していたんですが、急に女の人の方が、シドさん(補佐さま)の腕にこう、取りついてぇ……」


「ええ!? 本当にこんな感じだったの?」


「はい。しっかりとくっつかれていました」


 キエルちゃんの実演によると、お胸が思いっ切りムニムニ腕に当たるではありませんか……!

 …… これは…… もしかして、王女殿下(リーゼロッテ様)ったら、美少年趣味から美青年趣味にシフトでしょうか!? 

 …… いえ。だからって、まさか、ですよね。


「でも、一瞬で離れたんですよぅ」


「やっぱりね。気のせい 「あたしが思うに」


 ほっとしたリジーちゃんに反し、キエルちゃんは厳しい表情をしました。


「その間に毒物を受け渡したのではないかと……」


 キエルちゃんはその時には、話がなんとか聞こえる程度までに2人に近寄っていたそうです。そうして聞こえた話の内容というのが……


「女の人の方が 『腕利きの魔法薬師と呪術師に作らせた』 って言ってて、シドさん(補佐さま)が 『効き目は確かなんでしょうね』 とか…… それで女の人が 『わたくしもその時が来たら、夫に試してもらうわ』 とか……」


「それだけで毒物とは、分からないじゃない?」


「だって、怪しいじゃないですかぁ!」


「たとえば、そうね、出産時の痛み止めをコッソリ依頼してたとか…… この前、約束したのを本気にして」


 うん、これなら、王女殿下(リーゼロッテ様)がシドさんコレクションに乗り出したより、よほどありそうです。

 ところが。キッパリと首を横に振る、キエルちゃん。


「じゃあ、どうして女の人の方が 『夫に試してもらう』 になるんですかぁ!」


「そうね…… それは…… きっと深い事情が」


 王女殿下のご夫君(ヘルムフリート青年)は王室の秘密の技術で身体改造されて妊娠・出産が可能ですとか……?

 だとしたら、その技術をぜひ、シドさんにも施してほしいところですが。


「リジー様…… お気持ちは分かりますぅ。けど、現実を見ましょう…… 」


 ふぅぅぅぅ、と重いタメイキなど吐いてみせる、キエルちゃん。


「これは、きっと、奥さん妊娠中に男がしがちな腹立つアレに、違いありませんっ」


「ええ? そう?」


「実はあたしの姉ちゃん夫婦も、それでちょっと修羅場だったんですよ。旦那さんは、浮気というか娼館通いだったんですけど、姉ちゃん的には許せなかったらしくて……」


 だから結局、どんなに信用できるように見えても、男は基本ク○だと思って間違いないんですよ!


 そうキエルちゃんが主張しまくっても、いまいちピンとこない、リジーちゃんなのでした。




 さて、かくしてその日、9月(バックス)は3日の夜、庭の離れの狭いながらも楽しい我が家にて。


「はい、何でしょうかアルデローサ様」


「別に何も言ってないわ?」


「ああ、つまりはこういうことですね……」


「んんんんっ…… そんなこと、頼んでませんっ」


「はて。目が口ほどに物を言ってましたが」


「シドさんの気のせいです」


 このやり取りが、何回も繰り返されることとなりました…… 現在すでに、5回目、でございます。


 それもひとえに、お昼にキエルちゃんから散々、聞かされたせい。


 ――― 妊娠中の奥さんにアレコレできない旦那さんは、そういうことをしがちなんですぅ!

 きっとシドさん(補佐さま)はダブル不倫で、あの女の人に騙されてて、毒物を調達してお互いのパートナーを殺そうとしてるんですよ。今のうちに、目を覚ましてあげないと……! ―――


 こんなこと言われちゃうと、いやいやいや絶対無いから、とは思っていても、何だか気になってしまうのです。


 シドさんも王女殿下のことも、信用しては、いるのですけど。


「だから、何でしょうか。アルデローサ様」


 んんんんんっ、気になる!

 やっぱり、気になっちゃうのです……!


 ちょっと、確かめるだけ。

 それで安心できるなら、そっちの方がいいはずです。

 心が狭い悪女でごめんなさい、シドさんに王女殿下(リーゼロッテ様) ……


「ねぇ、シドさん。お昼、王女殿下(リーゼロッテ様)に会った?」


「いいえ」


 まっすぐにリジーちゃんを見つめて、清々しいほどの即答…… 誰も、この反応で嘘をつかれてる、なんて、思わないでしょうね。

 シドさんのことを、よく知らない人ならば。


 けど、残念ながらリジーちゃんは知っているのです。


 ――― シドさんは、嘘をつくときほど、態度が正直者万歳、な感じに、なるのですよ、ね……!

読んでくださり、ありがとうございます!

なぜかシドさん疑惑編。大体の読者様は予測ついておられそうですが、フェイクです(きっぱり)。

とネタバレしたところで、笑って済まされると作者は思ってるんですが……

だってドロドロしようもないキャスティングじゃないですか(笑)


けど、もし 『せっかくドキワクしてたのに!』 というご意見をいただきましたなら、こちらの後書きは書き直します。遠慮なく言ってやってくださいませm(_ _)m


ではーー!

感想・ブクマ・応援☆いつもめちゃくちゃ感謝しております!

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― 新着の感想 ―
[一言] >だから結局、どんなに信用できるように見えても、男は基本ク○だと思って間違いないんですよ! 何も言えねえwwwww
[一言] >男は基本ク○だと思って間違いない うははw 爆笑しましたww
[一言] つまりはBIYA… とか。 フフ、お好きですね♪と、その辺りでありましょう(笑)。
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