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伯爵令嬢に転生して極悪最凶の変態を目指しましたが、結局は普通のお色気作家になりました。  作者: 砂礫零


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194. 突如始まる、1対1のお色気作家教室!欲望のためには、アノ痛みも乗り越えられ…… ます!?

「いいこと? 『本来のキャラが、普段なら絶対にしない表情や仕草をするのを(たの)しみ萌えまくる』 …… これが 『入れ替わり』 の魅力でございますのよ」


「はい、わかりますぅぅ」


 時は8月(アウグストゥス)の23日、(ところ)はクローディス家織物・刺繍工場の休憩室。


 扉に 『使用中』 の札を掛けて 『入れ替わりネタ』 教室を開くのは、私ことエリザベート・クローディス。

 生徒は、工場従業員にして新人作家のキエルちゃんことキエリーラ・エル・カエーラ先生です。


「ですけど、ちょっと難しすぎてぇぇ」


「基本的には、キャラが普段しないような仕草や行動をする時の描写を、容姿的な特徴込みで念入りにされると良いと思いますの。読者に退屈されない範囲で、ね。匙加減(さじかげん)よ」


「ひぇぇぇぇ…… やっぱり、難しいですぅぅ」


 引き気味のキエルちゃんですが、説得しきらねばなりません!

 なぜならば、キエルちゃんの今後の作家生活のため…… というよりは、実はリジーちゃんのため。

 ――― 魔王子アムルガルトがあんな仕草やこんな表情をするところを、ぜひぜひぜひぜひ、見たいのですぅぅぅ……っ!!


「練習あるのみ、です! 誰だって最初は初めてなんですからね?」


「は、はい……」


「書いたら持ってきてくださいませんこと? 出産中でも見て差し上げるわ」


 キエルちゃんがメモを取る手をピタリ、と止めました。


「それは…… 無理かと思いますぅぅぅ……」


「……………………………… やっぱり、痛いのかしら……」


 目下、最近のリジーちゃんが気になるのは 『産みの痛み』 …… すなわち、前世では 『鼻からスイカ』 とか言われていたアレです。

 考えちゃうと怖すぎるので、なるべく考えないようにしていたのですが…… 出産日が近づくにつれ、どうしても考えちゃうのですよね!


「だだだ、大丈夫ですよぉ、リジーさま! うちの姉ちゃんも 『助けてぇぇ、死ぬぅぅ!』 とか叫びまくってましたけど、結局は死にませんでしたし、あたしたちのお母さんは皆経験してるけど、今ケロッとしてるじゃないですかぁぁ」


「………… まぁ…… そうよね……」


「はい、そうですとも! 大丈夫、産んだら忘れますよ、きっと!」


「………… ええ…… そうね……」


「はい、そうですとも!」


 頑張って慰めてくれてるらしいキエルちゃんには、とても言えませんが…… つまり。

 死ぬほど痛いってことですね?


 よ け い 、 こ わ く な り ま し た よ 、 も う っ !




 ――― と、まぁ、そんなわけで。



「シドさんのせいですからね!」


 8月(アウグストゥス)は23日の夕方。

 休憩室まで迎えに来てくださった愛しの旦那様ことシドさんに、開口一番、当たり散らす私ことリジーちゃんことエリザベート・クローディス。


「はいはい、俺のせいです。謝りませんけど」


 最近はすっかり慣れて、「何が」 とも聞かないのですよ。小憎らしいですねぇ……っ!


「何のことか、わかってらっしゃる?」


「もちろん」


 仏頂面のまま、リジーちゃんを斜めに見下ろすシドさんです。


「原因作ったアナタは何の苦労もないのにワタクシだけがどうしてイタい思いしなきゃならないの、ということでしょう」


「ど、どうしてそれを……」


「クズ入れに棄ててあった書字魔法用特殊紙に何枚も 『次はシドがエリザベートの代わりに妊娠・出産するように』 と書いてありましたので」


「あら、ご覧になったのね」


 そうですとも。

 こむら返りの痛みを味わうにつけ、これからやってくる痛みに恐怖を覚えるにつけ…… 『私だけなんて不公平』 と、思わずにはいられませんからね!

 次はシドさんが体験すれば、いいのですよ!


 そんなリジーちゃんの心境を知ってか知らずか、ぼそりと 「不覚にも感動しました」 と呟くシド。


「もう、次のことを考えてくださっていたんですね」


「…… え?」


「何人くらい、欲しいですか?」


 そうか、と合点がいくリジーちゃん。

 つまり、シドさんは 『次』 という言葉だけに着目して、次とかその次とかの予約を取ってしまおうと…… そんなことを考えておられるわけですね!


 そうはさせて、なるものか。


 お腹をナデナデしつつ、ニッコリ美しく微笑んで差し上げますとも!


「あら。まずは、この子を無事に生まなくちゃ。次の子なんて…… まだ、考えられないわ。それとも本当に、シドさんが産んでくださるのかしら?」


 どうですか、この模範解答!

 最後の嫌味が効いてますよね!

 こんなこと言われちゃったら、そうですね、としかお返事できませんよね、シドさん?


「できるなら体験してみたいのですが、まぁ書字魔法では無理でしょうね」


「いえどう考えても、どんな魔法でも無理じゃないかしら?」


「とりあえず、対策は立ててみますよ」


 お任せください、とリジーちゃんのお手てをニギニギされるシドさんですが…… どうされる、つもりなんでしょうねぇ?


 それこそ、出産時だけ入れ替わりできたら良いのに、と思わずにいられないリジーちゃん、なのでした。



 -- キエルちゃんが "魔王子アムルガルト" と敵ボスの入れ替わり原稿を持ってきたのは、それから10日ほど、後のことになるのです。


読んでくださり、ありがとうございます!


突然ですが、来週の更新はお休みさせていただきます。…… というのも、実はですね、只今、別のサイトへの公募へ応募する作品を執筆中…… 決して浮気とかではなく! いや、やってることは浮気なんですが(笑) エンタメ力を身に付けるために、ちょっと頑張ってみようと思いまして。

読者の方にとって面白いかな? というのをめちゃくちゃ気にしながら、書いては消し書いては消ししてるので…… 勉強になってる気はしてます!


てわけで、ちょっくら修行して参りますー! 再来週には1mm程度でも成長して戻ってきたいと思いますので、お待ちいただければ嬉しいです。


ではー!

そろそろ花粉の季節ですね。お大事にしてください。

感想・ブクマ・応援☆いつもとっても感謝しております。


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― 新着の感想 ―
[一言] やっぱり痛いんですよねえ……w 世のお母様方には本当に頭が下がります! 男は役に立たなくてすいません!w そして武者修行ですか! 頑張ってください! 陰ながら応援しております!
[一言] そうなのです。旦那は邪魔なだけ、あ!でもシド様はきっとリジーちゃんの腰をさすさす、すると思うのです!我が旦那は側にはいませんでしたけどー。つーん。 おおー!武者修行!頑張って下さい!
[一言] 魔法で出産代われたら面白いですよね (*´▽`*) 武者修行? 凄いですねっ☆ 頑張ってください (`・ω・´)ゞ
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