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伯爵令嬢に転生して極悪最凶の変態を目指しましたが、結局は普通のお色気作家になりました。  作者: 砂礫零


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177. いざ決行!王女殿下の甘々ハネムーン、今度こそ開始、なのでございます!?

後半、評判の悪いイチャイチャ描写が入ります。

苦手な方はとばしてください。

「行ってはいけません」


 がっしと手を握ってきつつ、首を横に振る最愛の旦那様こと、シドさん。


「だって、心配だもの……! 本番始まりそうになったら退散するから…… ね?」


 上目遣いで目をウルウルさせる、私ことエリザベート・クローディス。


「 お・ね・が・い ♡」



 時は、草木も微睡(まどろ)7月(ユリウス)の15日、夕食後。処は、夏とはいえ夜はなかなか寒い、高原の別荘。


 作戦通り、夕食でヘルムフリート青年に微量の睡眠薬(カノコソウ)を盛り、「お疲れでしょうから早くにお休みになっては」 などと、それとなくオススメして客用寝室に送り込んだは良いものの。


 王女殿下ことリーゼロッテ様が、きちんとヘルムフリート青年を脱がせられるか、手首をしっかりベッド枠に縛り付けられるか、きっちり口移しで媚薬を盛れるか、など…… 心配ごとは山ほど、ございます。

(ちなみに拘束具は、黒レースのリボンにしておきました。)


 まるで、幼児を 『はじめてのおつかい』 に送り出す親のような心境とでも、いいましょうか。



「そうそう、毛布や暖炉の薪が足りているかも気になるし……」


「準備段階で3回以上チェックしたでしょう」


「でも、でも、王女殿下(リーゼロッテ様)は寒がりかもしれないじゃない……!」


「もしそうだとしても」


 真面目な顔で重々しく言う、シドさんです。


「クラウゼヴィッツ侯爵様が温めておられることでしょう」


「きゃあん♡ ヘルムフリート様が♡ リーゼロッテ様を♡ きゅんっと抱きしめ♡ 舐めるように慈しんで……♡」


 はぁぁんっ、見たいぃっ!

 想像すると悶えてしまいますよ、もうっ。


「変態ですか、あなたは」


「うふ♡ シドさんったら、ご存知の、く・せ・に♡」


 もちろん、リジーちゃんは真性の変態悪女ですとも。



「それより」


 シドの力がふっと緩み、 「さぁ、今だ!」 とばかりに逃げ出そうとして……


「ちょっと、シドさん?」


 素早く、お腹ホールド&頬擦りされるリジーちゃん。


「離してくださらない? 本当に、サッと確認するだけ、ですから」


「きっとお二人でなんとかされるでしょう。信じることも大切ですよ」


「名言のような何かで誤魔化さないでくださる?」


「それより……」


 ひざまずいてお腹に顔を擦り寄せたまま、黒い瞳がこちらをじっと見上げます…… これは、よもや。


 ウルウル瞳・上目遣い返し……っ!


「俺、この度、凄く良く働いてますよね?」


「ええ」


 確かに準備段階から、力仕事だけでなく、リジーちゃんが身重で若干動きづらくなってきた分、細かくアレコレと。

 それに今回はお忍びではなく公式訪問だったがために、騎士隊の皆さんのお迎え準備も必要だったのですが、それも全く滞りなく、きっちりとしてくださってて。


 他人と話すのがさほどお好きではないのに、ヘルムフリート青年のお相手も、どうやらソツなくこなされたようで……。


「確かに、なにもかもシドさんのお陰ね」


「そんなわけで……」


 シドさん、ウルウル上目遣い続行中です。


「ご褒美ください」


「…………っ!!!」


 なんというっ……!

 シドが、新たな技を覚えてしまいました!

 その名は、 『甘える』 ……!


「どうして、今頃になって……っ!」


 出会ってから一度もなかった、と断言しましょう。

 どっちかというと、これまで、リジーちゃんの保護者気取りでした方なのですよ、シドさんは。


「俺、よく考えたら、あなたの夫である前にですね……」


「前に……?」


「あなただけの奴隷だったので、アルデローサ様」


「はぁううううううっ…… !?」


 ――― ということは、リジーちゃんに 『女王様』 になれ、というのでしょうか…… 


 まさかまさか。


 ヘルムフリート青年の影響で、S気だけではなく反対方向までの性癖までもが目覚めてしまった……!?


 ちょっと待ってください、ですよ、もうっ!


「わ、わたくし…… 変態悪女ではありますけれど、鞭でビシバシ、とかはちょっと、その」


 リジーちゃんが好きなのは、あくまでも、チラ見せとか視姦とか、健全な応酬とかであって、ですね。


 痛いのも痛がらせるのも、大いに趣味じゃないのです……!


「え…… ダメですか」


「…………! マジですか、シドさん」


「もちろん」


 冗談かと思ってたらぁぁぁっ!


「あ、あのね、シドさん? ご褒美は、痛いの以外にしましょ? それ以外なら、してあげるから……たぶん」


「では、キスしてください」


「わかったわ」


 その他リクエスト、意外と普通です。ほぅぅ…… 良かった……。


「次は、腕枕させてください」


「いつも、してるじゃない」


 くす、とシドが笑い、立ち上がって身をかがめ、リジーちゃんの脚を掬い上げました。

 恒例・姫だっこ強制回収スタイルですね。


「今日は、全力でなさってください」


「わ、わかったわ……」


 全力で、ということは、腕に頭をグリグリと押し付ける…… だけで良いのでしょうか。


 寝室のベッドの上に丁寧に置かれ、灯りを消したシドが、隣に横たわり、頭の下に腕を差し込んできます。


(全力で……)


 シドさんの手を外側から押さえて、頭をヨシヨシと撫でさせてみます。


 そうそう、手といえば、お指を一本一本味見とかも、昔はしておりましたねぇ…… この姿勢では少し難しいので、お腕を甘噛みでいいかしら。


 コロン、とうつ伏せになり、程よく筋肉のついた腕を、ハムハムと食べ始めると…… シドさんのお口から、気持ち良さそうなうめき声が漏れ出しました。


 …… これは、頑張らなくては、なりませんねぇっ!


 手首から二の腕へ、吸い上げ、噛んで、チョロチョロと舌で味わいつつ、ゆっくりと上ります。


 久々の食感が、新鮮でありつつ、懐かしくもあり……


「ねえ…… もうちょっと、食べてもいい? というか、これご褒美になってるの?」


「最高です」


 太鼓判も押していただいたので。

 その晩は、あちこちと、しっかり旦那様を食べ尽くしてみた、リジーちゃんなのでした。



 ――― これがシドの作戦だったと気づいたのは、翌朝、王女殿下から首尾をお伺いした時、になるのでございます。

読んでくださり、ありがとうございます!


割かし久々なイチャイチャ回でしたが、いかがでしたでしょうか(笑)

さて、このたび、秋の桜子さまより新しいバナーをいただきました!


挿絵(By みてみん)


…………ブリリアントぉぉぉっ!

『極悪最強の変態』 の強調ぶりが素晴らしい! そう! リジーちゃんはああ見えて、常に極悪最強の変態を目指しているのです!


秋の桜子さま、素敵なバナーどうもありがとうございます!


さてさて。

少々風邪が流行りぎみのようです。

行事も多く忙しい時期、お身体お大切にしてくださいねー!


感想・ブクマ・応援☆ いつも大変感謝しております!ありがとうございます。


ではーー!



♡秋の桜子さまのマイページはこちら

https://mypage.syosetu.com/1329229/

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☆FAいただきました!☆
砂臥 環様 作品タイトルファンアート(プラチナ様のメーカー使用)
©️秋の桜子 さま



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― 新着の感想 ―
[一言] >ハムハムと食べ始める (/ω\※)イヤンww
[一言] ふぅ……。
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