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伯爵令嬢に転生して極悪最凶の変態を目指しましたが、結局は普通のお色気作家になりました。  作者: 砂礫零


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159/201

158. 美しき伯爵夫妻の結婚記念日!久々のアレに挑戦する変態悪女、でございます!?

 さて、若干以上に引っ掛かりはあるものの、なんとはなしに旦那様ことシドさんと仲直りした、私ことエリザベート・クローディス。


 大衆向け月刊誌の編集長、大忙しのジグムントさんと未来の女流作家ことキエルちゃんの顔合わせも滞りなく済ませて数日。

 季節はいよいよ、薔薇やスズラン、百合などが爽やかな青空の下に花ひらく6月(ユーニウス)に入りました。


 本日6日は、なんとリジーちゃんの両親こと、ユリアンさんとアメリアさんの結婚記念日、なのでございます!


 婚姻と貞操の女神(ユーノー)の祭日に結婚したカップルは永遠に幸せでいられる、という言い伝え通りの仲良し夫婦な両親。

 結婚記念日の本日は、朝早くからふたりきりで想い出の場所へデートへ行っています。

 夕食は家族でささやかなお祝い…… と、いうことで。


「んーー。料理なんて、前世ぶりぃ♪」


「本当に大丈夫なんですか?」


 料理長のカールさんにキッチンを譲ってもらい、ウキウキとお祝いの料理を作るリジーちゃんと、疑わしげに見守るシドさん。


「こう見えても前世では失敗したこと、ありませんからね!」


 そう。リジーちゃんの前世は、美少女の優等生かつ料理も上手なパーフェクトガールだったのですよ! ……当時はそれでも、不幸しか感じてませんでしたが――― 実に、もったいないことをしたものです……っ!


 今のリジーちゃんなら、持てるスペックを全て利用して、楽しく生きられたはず、なのに……っ。


「いや、そうじゃなくて……」

 ボソボソとツッコミを入れて下さる、シドさん。


「におい。気にならないんですか?」


「……ええ? シドさんが、まさか、気遣いを……っ!?」


 これは、感動ですねぇ!


「俺は常に気遣いの塊ですが」


 それを堂々と言うのはどうかと思いますが、取りあえず今は嬉しいので、まぁ、良いのです。

 嬉しいついでに。


「撫でて、撫でて♡」


 シドさんの前に、頭など差し出してみましょう。


「撫でた後は、手を洗ってくださいね♡」


「では、手を洗う前に、ついでにこっちも……」


 アレ以来少しは反省したのか、ちょっとだけ口数が増えた旦那さま、なのでした。



 かくして、夕刻。


「まぁ、これ、リジーちゃんが全部?」


「すごいじゃないか! リジーは天才だなぁ!」


 目を丸くする両親の前に並んでいるのは、花束の形に整えたサーモンのサラダ、白ワインで蒸したムール貝、ホタテ貝のグラタンに、ハート形のハンバーグ。

 焼きたてのパンも、もちろんバッチリ、揃っております。


「うふふふ」 どや顔もしちゃう、というもの。

 なにしろ、物凄く頑張りましたからね! 


「におい……気分悪くなりませんでしたの?」


 シドと同じ心配をしてくれる母に 「大丈夫ですわ」 と答えます。


「シドも手伝って下さいましたもの」


「そうね。良かったわね」


「シドも、どうもありがとう」


 顔をほころばせる両親には、シドさんが料理の間、手伝いというよりもむしろ、つまみ食いに熱心だったのは内緒です。

 どこのつまみ食いだったかというのも、内緒。

 ……包丁使っている間はやめてほしかったのですよ、もうっ。



「「「「「おめでとうございます!」」」」」


 侍女のファルカやナターシャ、執事のエデルベンノさんも一緒に、声を揃えて両親をお祝いし、宴は始まりました。


「美味しいわ」 「リジーはやはり、天才だね」 「結婚したばかりの時は……」 等々、料理とお喋りを楽しんだ後。


「実は、料理のほかにもお祝いがあるの」

 含み笑いで両親に打ち明ける、リジーちゃん。


「何かお気づきかしら……?」


「ええ、もちろんよ」 即座にうなずく母の瞳が、優しく光っております。


「シドさん、ありがとう」


「いえ…… 俺だけでは、グァン宰相に連絡など絶対にしませんから」


 グァン宰相、すなわち、ジンナ帝国にいるシドの実のお父さんです。


 伏し目がちになる、シドさん。


「お礼はお嬢様に」


「え? なんだい? グァン宰相から何かいただいたのなら、お礼しなければ……」 


「こほん……」

 もったいぶって、咳払いなどしてみるリジーちゃんです。


 ……まだ分かっておられない父には、特別に、教えて差し上げなければね♪


「今日の食器、全て…… ジンナ帝国特産の白磁なのです!」


 そうです。

 両親の結婚20周年のお祝いは、グァン宰相が無料で調達してくださった、最高級のディナー食器セット……っ!


 それがどの程度、貴重なのかといえば、王族でさえ、飾りには使っても実質使用は致しませんほど、でございます……!


「なるほど。どおりで、美しいはずだね…… ありがとう、シド」


 冷静を装ってお礼を言う父の、唇の端がわずかに震えております。


 ――― おそらくは、この後日記に 

 『とても驚いたのだが、娘たちの気持ちを無にするわけにはいかない…… グァン宰相には失礼にならないよう、しっかりお礼しなければ。しかし……』

 などと、ゴチャゴチャ書かれるのでしょうねぇ…… くすくす(笑)


 久しく覗いていない、父の日記の内容など想像しつつ、ご機嫌のリジーちゃんでしたが。


 まさかこの後、父が、こんなことを言い出すとは思ってもいなかったのでした。


「私たちからも、可愛い子供たちにプレゼントがあるんだよ」

読んで下さり、ありがとうございます!


やーーっと明るいムードになってきました。若干もにょる方もいらっしゃるでしょうが、徹底的に和解するとか、この2人じゃ無理っていうね…… シドさん頑固だし、リジーちゃんは基本チョロいし(笑)


生活が徐々に戻ってきて、それはそれでお忙しいことと思います。体調崩されませんように!


ではーー!

感想・ブクマ・応援いつも大変感謝です!

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― 新着の感想 ―
[気になる点] つまみ食いのお話は (。´・ω・)? 包丁を持っていた時に摘まみ……←やめれw [一言] 白磁って高いですよね (*´▽`*) 流石宰相様~♪ 仲直りはうまくいきましたかね? (;…
[一言] >もにょる いやいや、これもまたリアルwwww ケンカって時間が経つと大概超くだらないって思うよね~ww(で、また同じ様なことで怒って、思い出すんだ……) パパとママはなにをくれるのかな…
[一言] >どこのつまみ食いだったかというのも、内緒。 その話詳しく( ˘ω˘ ) リジーちゃんとシドったら、なかなか粋なことをしますね! 良い家族だ( ˘ω˘ )
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