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伯爵令嬢に転生して極悪最凶の変態を目指しましたが、結局は普通のお色気作家になりました。  作者: 砂礫零


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157. 満開のリラの下で繰り広げられる夫婦間バトル!キメ技は、まだまだこれから、でございます!? ★挿し絵付★

 さて、かくして5月(マイユス)は26日。


「…………」 「…………」


 満開のリラの花が、甘い香りを漂わせる並木道を、ほぼ無言で歩く、私ことエリザベート・クローディスと、旦那さまこと、シドさん。


「……どうして言ってくれなかったの?」


 などと、なに考えてるのかよくわからない旦那さまに、唐突に問うてみたりはするものの。


 ここのとこのモヤモヤ・イライラは、少しばかり沈静化しております。というのも。


 ――― シドさん実は、両親に、リジーちゃんの筆名(ペンネーム)までは、ばらしてなかった、のですよねぇ。


 先ほど母から嬉しそうに "月刊セレナ" を示されて 「どれかしら? リジーちゃんのお話は?」 と聞かれたのが、何よりの証拠。


 もちろん 「あら、恥ずかしいから内緒よ、お母様」 と、ごまかしたのですが……


(ふぅぅ……良かった…… "美しき鉱物学者と社長兄弟" だと悟られなくて、本当に、良かった……!)


 という安心感と、シドさんがリジーちゃんと一緒に家出する覚悟だった、と母から聞いたことで、怒りの矛先が鈍ってしまって、いるのです……!


 ……わかってない、と思いながらも、怒れない…… チョロい自分が、ニクいのですぅぅっ!(涙)


「…………」

 そんなリジーちゃんの気配を察しているのでしょう。今日のシドさんは、少し落ち着いているもよう。


 ここのところずっと感じていていた、ひたすら纏いつく小動物のような必死さが消えて……


「あれだけ怒ってる時に申し上げても、効果ありませんので」


 代わりに、小憎らしさが回復しておられるではないですか!


「後からでも言ってくれたら良かったではないの」


「……言おうと思っていたら、あなたが 『家出する』 とか言い出すからですよ、アルデローサ様」


「なっ……わたくしのせいだと?」


「それ以外の誰のせいだとおっしゃるんですか?」


 ぐぬぅっ…… だってっ……!

 リジーちゃんは……リジーちゃんは…… 悪女を貫くために、闘わなければならぬのです……っ!


 悪女的には、シドさんは誰よりもリジーちゃんを大切にしなければならないはずなのに、赤ちゃんのことばかり大事にするから、イケないのです……!


「だって、シドさんが、わたくしより赤ちゃんが大事だって……!」


「そんなことは1回も申し上げてません」


「言動で示されてましたでしょう?」


「お嬢様は、俺たちの赤ちゃんが大切ではないんですか? もし万一のことがあれば、一番泣くのはあなたでしょう、アルデローサ様」


 ぐぬぅっ……

 そんなこと…… そんなこと、わかってますよっ、もうっ!

 だけど、だけど……っ!


「いやなの!」


「アルデローサ様」


「もちろん赤ちゃんは大切ですけど! わたくしは、お話も書きたいし、コーヒーもチョコレートもたまには欲しいし、シドさんにはナデナデチュウチュウしてもらいたいの!」


 一息に言って、やっと気づきます。


 ……そういえば、最近、話し合いも、接触も不足しておりました、ねぇ。


 なんだか、ひたすら、シドさんの態度にイライラして……


『赤ちゃんを大切に、気をつけて生活する』 のも 『子供のことを第一に考える』 のも正しいことだから、それを主張するシドさんに、リジーちゃんの気持ちが分かるはずはない、と思い込んで……


 怒りがわくほどに、それを見せちゃいけないような気がして、黙るようになっちゃって……


 いやいや、でもですね!


「シドさん、前まで何も言わなくても分かってくれてたのに、急に変わるんだもの」


「それをおっしゃるなら、お嬢様だって」

 シドさんがピタッと足を止めました。


「急に俺のことを 『くさい』 とか 『うっとうしい』 とか 『しつこい』 とか 『うるさい』 とか 『うっとうしい』 とか……」


 ………………確かに。


「強制しすぎたのは反省していますが、とにかく何を申し上げても 『お前は黙ってて』 という感じでしたし」


「まぁ……そうね……」


 できるだけ、本人には直接言わないようにしていたつもりだったのですが………… 思っては、いましたわね。確かに。


「だから、これからは黙って、もし万一の時にはできる限りのフォローをするつもりで貼り付いたら、またゴミを見るような目で 『うっとうしい』 と……」


「そんなことは1回も申し上げてません」


「言動で示されてたでしょう?」


「……そうね」


 急にリラの花の香りが強くなった気がして、深呼吸するリジーちゃんです。

 改めて、まじまじと…… シドさんのお顔、久々に、ちゃんと見たような気が、しますねぇ……っ。


「もしかして、気になさってたの?」


「傷つきました」


「うそ。シドさんが?」


 と、不意に。

 シドが一瞬視界から消え、ふわりと身体が浮く感覚…… これまた久々の、姫抱っこ強制回収スタイルですね!


 ついでのように、頬やら首やら耳やらをチュウチュウチュウチュウと吸い付かれます。


「んんっ……だめっ……!」


「解禁したなら解禁したと、ちゃんと教えてください」


 耳に口をつけて、今からちょっと戻りましょう、と囁く息が……熱い、のです……!


「だめですって!」


 これから、街で用事があるのですよ!

 ……なんと、いよいよ、編集長ことジグムントさんと、リジーちゃんが見出だした新たな才能・産休中代打ことキエラちゃんの初顔合わせ、なのですよ!


「遅れるわけには、いかないでしょう?」


「歩いたら遅れますが」

 きっと今のシドさん、悪いお顔をしてますね!


「後で馬車を出してもらえば、いいんですよ」


「ゲルハルトさんが、お気の毒でしょう!?」


「今の俺の方が、気の毒ですから」


「……赤ちゃん出ちゃうっ……!」


「出ない程度に、いたしますよ」


 はいはいー、暴れたら赤ちゃん出ちゃいますよ、と、かなり適当なことを言われつつ、お家に連れもどされたリジーちゃん。


 ……その後、シドさんは、大変慎重に、イロイロなことをなさったのでした。



挿絵(By みてみん)

©️砂臥 環さま

読んでくださり、ありがとうございます!


やっと、緊急事態宣言が全面解除になりましたねー♪

まだまだ浮かれていい局面ではないとは思うものの、ほっとせずにはいられません!


日常が完全に戻るまでは今しばらくかかるでしょうし、変わっていく部分もあるでしょうが……


気をつけつつも、初夏を楽しめるといいですね♪


でーはー!

感想・ブクマ・応援とっても感謝です!!



※ 2020/6/8 砂臥 環さまよりFAいただきました!

砂臥さま、どうもありがとうございます!

★砂臥 環さまマイページ

⇒ https://mypage.syosetu.com/1318751/

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― 新着の感想 ―
[一言] ううーん、新婚夫婦って感じですねえw 私は子供はいませんが、それでも結婚した当初は似たようなことはありましたw こういうことを繰り返しながら、少しずつ夫婦になっていくんですよねw
[一言] うーん、シドさんの台詞がひっかかったり…… 『解禁したら』って……誘ってた時は、『ダメ』って言ってたくせにぃ……(´・ω・`) 『赤ちゃんが一番では?』もズルい。 でも最後まで噛み合わな…
[一言] >ナデナデチュウチュウしてもらいたいの! 頑張ってください☆彡 ちゃんちゃん (*´▽`*)ノ~♪ うん、結局こうなるのか ( ˘ω˘) 目出度いw 世の中が明るくなると良いですね☆彡
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