133.深夜、蝋燭の下での真面目なお勉強! 変態悪女は頑張ってます!?
『……その小さな突起に歯を当て、キュッと噛みしめる。びくん、とネフトの身体がはね上がったのが、彼女を刺激した。
(もっと……いじめてみたいわ……)
きつく吸い上げつつ、舌をくるくると動かして味わう。
もう一方の突起を指差しで強くつまむと、あ、とネフトがくぐもった呻き声を上げた。
「ふふ……いけない子」
ロティーナは優しい笑みを浮かべつつ、彼の腹の上にまたがり、2つの突起を弄り続けた……』
蝋燭の灯りの下、はぁうぅぅぅぅぅ、と深い息を吐きつつ身悶えしつつ、ユーベル先生著 "ネーニア・リィラティヌス" のロティーナちゃんパートを高速で書き写す、私ことエリザベート・クローディス。
時は5月は19日の夜、旦那さまことシドさんには先にお休みいただいて、自らのスキルアップに励んでいるのです。
やはり筆写というのは勉強になりますね!
登場人物の息遣い、緊張と弛緩のリズムの付け方、色んなことが、ただ読むよりもよほど良く分かるのです。
……なぜ急にこんなことを始めたかといえば、それは。
本日のオヤツ時、ルーナ王国の王女殿下ことリーゼロッテ様と、こんな相談をしていたからです。
―――
『リジー 「なんと申しますか、アレコレと触られてて感興が閾値を超えると、腹が立ってきてしまいますの……一生懸命抑えているうちに、気絶してしまうのですわ!」
ロッテ 「…………」 (チョコレートをゆっくりと飲み込む)
ロッテ 「それは、腹が立つわよねぇ!」
リジー 「えっ……だって相手は好きな人なのですよ?」
ロッテ 「その辺は人によりけりだけれど、腹が立ってもおかしくはないと思うわ」
リジー (こくり、と喉を鳴らす)
リジー 「そ、それはどうして、ですの……?」
ロッテ 「だって、相手から一方的に攻められるだけでしょう? リジーちゃん、何かしているのかしら?」
リジー 「い、いいえ、何も……?」
ロッテ 「そうね。なら、腹が立ったら、リジーちゃんの方から何かしてみたら良いのではなくて?」
リジー 「それは思いつきませんでしたわ!」
リジー (がしっ、とリーゼロッテ様の手を握る)
リジー 「ありがとうございます! お姉さまこそ真の悪女! 早速試してみますわ!」』
―――
……とまぁ、そんなわけで。
リジーちゃん、今夜は "月刊ムーサ" を机の脇に積み上げて、片っ端から書き写し、女性の側からの 『攻め』 なるものを学習中なのですね。
(ふむ。かなり……わかってきましたわね)
すでに蝋燭も残り少なくなったところで。
やっと全号分を写し終え、ぐいっと伸びなどしつつ、成果を反芻してみます。
つまり、要は。
これまで、シドさんが大好きすぎて、ココもアソコもとベタベタと触ったり舐めまくったりしていたのを、少々強化すればOKということですね。
中にはリジーちゃんが触ったことないモノも含まれていて、ちょっと引きますが……
きっと慣れるんでしょう、うん!
イヤならしなきゃいいんだし、うん!
そしてもう1つ重要なのが。
相手の反応を見ながら、ということですね。
ロティーナちゃんを参考にするならば、衝動に任せてアチコチ嬲っているようでありながら、きちんと相手が気持ち良さそうなところを重点的に攻めている、ようなのです。
なるほど、なるほど。
なお、決して一方的にならずに適度なタイミングで主客交代しているのもポイントかと思われます。
これがどのようなタイミングになるかは……これからシドさんと、要研究というところですかしら。うん。
(ジグムントさんのおっしゃることは確かだわ……!)
机の上を片付け、ふっと蝋燭を吹き消し、足音を忍ばせて歩きつつ、感心するリジーちゃんです。
(やはりサラさんとかなり進展しておられるのでしょうね)
正当な本番は、総合格闘技かつ相互の交流なくしては成り立たず、どうやらタイミングも重要なもよう。
しかも、ひとくちに総合格闘技とはいっても、その都度使う技や道具を微妙に変えてみる、などの工夫も凝らせば尚良し、なようなのです!
毎回同じような穴棒アーンかと思っていたら、そこに至るまでの道のり、そしてそこから、さらに深く双方の満足につながるまでには、幾多の努力と技量が必要、ということですね。
さらには、技量だけではなく、最終的に求められるのは……
心 技 一 体。
この境地のようです。
な ん と 奥 深 い 。
(これは……是非とも成功させなければ)
これだけのモノを余すことなく書けた暁には、それは作家としての技量は1回りも2回りもup、でしょうとも!
向上心と野心が滾ってしまいますねぇ……っ!
明日から頑張ろう、と決意し、先に眠っているシドさんの横にそっと身を横たえます。
すうすうと健康な寝息。
暗くても、どんなお顔で眠っておられるか、わかるようですね。
(きっと、かわいいに違いありません!)
今夜はひとりで寝かせてしまいましたが、良い夢を見ておられますように。
起こさないようにそっと、脇の下に顔を寄せてフワフワの毛に鼻を埋めます。
大好きなシドさんの匂い。
ここ、かなり濃いのですよね。うふ。
目を閉じて、深々と息を吸い込み堪能していると。
「……アルデローサ様……?」
寝ぼけているよりはややしっかりとした、シドさんの声。
しまった。
どうやら、起こしてしまったよう、なのでした。
読んでくださりありがとうございます!
Merry Christmas
∧∧
(*゜ー゜)
☆☆”∪∪”ミ☆☆
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おとなな読者様向けに、R18でこんなの書きました。
『普段は慎ましい奥さんにシャンパンをサービスしたら、なかなかエッチになった件。』
プレゼント……になればいいんですが!
違うかったら無視してくださいね……!
では、お風邪に気をつけて、良いお年を~!




