129.とってもタメになる、深夜の個人授業!旦那さまのレッスンに、変態悪女もトロトロです!?
さて、時はまだまだ5月は16日の夜。
壁際の魔法の灯がほのかに浮かび上がらせるベッドの上、旦那さまのシドさんのお膝に抱っこされてる私ことエリザベート・クローディス。
「いいですか、アルデローサ様」
シドのマジメな口振りに、私も真摯にうなずきます。
「ええ、もちろんよ」
ふっ、と優しく笑うシド。
「では……きてください」
「はっ……やぁっ……!」
気合いを入れて、シドの用意した握りこぶしの隙間にリジーちゃんの親指を突き立てます。
「ぅぅうんっ! ……ああっ! んんんっ!」
渾身の力を込めてグリグリと回しながら、より深くに進むべく頑張ります。が。
なにしろ相手は、握りこぶしの隙間。
最奥を突くなど、全くもって無理、なのでございます。
「やっぱりダメだわ……」
ふぅ、とタメイキ吐くリジーちゃん。
この握りこぶしの最奥をリジーちゃんの親指で突きまくれたら、シドはいきなり本番にチャレンジしてくださる。
そういう条件を出され、 「これもアナスタシア様のとろとろハネムーン執筆のため!」 と頑張ってみたのですが、正直申し上げると、なんだか、とても無理、ですね!
「とてもじゃないけど入らないわ」 降参する、リジーちゃん。
無理やり突きまくったせいで、シドの握りこぶしの隙間の周りの肉も、真っ赤になってちょっと痛そうです。
「ごめんなさいね」 謝りながらナデナデして差し上げましょうっ!
「イタかった?」
「ええ、イタいですよ」 いつもなら、大丈夫です、と言ってくれそうなシドさんが、少し顔をしかめておられます。
どうしよう。
よほどイタかったのでしょうか……っ!
「入らないところに無理やり入れるのですから、痛くて当然でしょう」
「そうね」
シドは冷静に言って下さいますが、しょんぼり、しちゃいますねぇっ!
つい、執筆欲にかられて、パートナーのことを思いやらない行為を!
悪女でも、シドさんのことは大事にしてあげたい、のに……っ……。
肩を落としたとたんに落ちてしまった肩掛けを、涼しい顔で拾ってかけなおしてくれつつ、シドは片手にハチミツ入れを持ちました。
先ほど、ナターシャに何かお願いしてると思ったら、これだったんですね!
けれど、ハチミツ?
一体何に、使うのでしょうか?
……と、見ていると。
なんとシドさん、冷静な表情で空いた方の手にニュルニュルニュルっとかけています!
そして、再び。
グッと握ってリジーちゃんの前にスタンバイされる、ハチミツだらけの握りこぶし。
すなわち、蜜壺。
「もう1度やってみてください」
な、なるほど!
滑りを良くして奥まで突かせようという魂胆なのですね!
なぁんだ、シドさんったらっ!
なぜか回りくどいことをなさってるけど、本当は本番イキたいのですね、そういうことですね……っ。
くすくすくす(忍び笑)
「では、参りますわ……っ!」
もう1度、気合いを入れて握りこぶしの隙間に親指を突き立てます。
ぬるっ。
……おおっ……!
ヌメヌメとした手触りと共に、今度は難なく奥へ侵入。
すごいですね、ハチミツパワー!
ハチミツがシドの体温でより滑らかに溶けて、親指を包み込むのが、なかなか、キモチイイのです……っ!
ヌチョヌチョとした感覚も、意外と楽しい!
クセになって、何度も突きまくってみますが、今度はスムーズに動けるし、シドさんもイタそうではないのです……っ!
すなわち。
ハ チ ミ ツ 最 高 !
さて、こうして、お膝抱っこされたままひとしきり戯れた後で。
お互いの手についたハチミツをペロペロと舐めあったりしつつ(夫婦っぽいですね。うふ)、解説するシドさん。
「つまり本番もかようなものでございますが、お嬢様」
「え?」 一瞬、キョトンとするリジーちゃん。
つまり、どういうことでしょう?
………………
………………
………………もしかして。
「ええええ!?」 思わず、両手で口を押さえちゃいますねぇっ!
「つまりは本番ではハチミツを仕込まないとイケない、ということ!?」
なんということでしょうかっ!
これまで、穴棒、とくれば自動的にアーン、となるのかと思っていたのですが、実は!
「ハチミツがなければ、うまく入らない上に、穴棒イタタタ、となってしまうのね……っ!」
「その通りです、お嬢様」
「では早速!」
ハチミツを仕込んでみましょうっ。
ちょっと恥ずかしいけれど、これで本番ばっちこい、ですね!
勇んでハチミツ入れを手にとって足を開くリジーちゃんの腕を、シドは押さえて首を横に振ります。
…………?
まだ、何かあるというのでしょうか?
「確かに、ハチミツは補助で使うこともあるかもしれませんが、あくまで補助ですし、それだけでは満足できる質の小説は書けないかと」
「……どういうことかしら?」
全く見当がつかず、首をかしげるリジーちゃんに、シドは重々しく告げたのでした。
「基本は、潤滑剤を自動生成する過程こそ、穴棒アーン小説の柱の1つですよ、アルデローサ様」
読んでくださってありがとうございます!
感想、ブクマ、ポイント評価まことに感謝です!
ではー、お風邪お気をつけてくださいね。




