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伯爵令嬢に転生して極悪最凶の変態を目指しましたが、結局は普通のお色気作家になりました。  作者: 砂礫零


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126/201

126.愛と幸せに溢れた新婚の朝!? けれども、それだけで終われぬ変態悪女、なのです!?

 かすかに聞こえる雲雀(ひばり)の声に目を開けば、鎧戸の隙間から射し込む朝の光が、眩しいのです。


 5月(マイユス)は12日の朝、昨日のことを思い出し、ぽっ、と赤面などしてみる私ことエリザベート・クローディス。


 昨日は人生で最高の誕生日、なにしろシドさんに結婚してもらっちゃったんですからね♡

 そして今朝は……愛しいだんなさまの腕の中でお目覚め、でございます。


 なにしろ昨晩は、脚フェチの取材のつもりが、気づけば止まらなくなって……、のはず。

 だって、新婚といえば、そうに違いないのです!

 くすくす。


 ついでですから、シドさんのお胸をはだけて頬擦りなどしてみましょう……っ


「……う……? お嬢様?」

 薄ぼんやりとしたお目めのシド。

 かわいいですねぇ♡

 ついつい 「わたくしのモノよ」 だなんて悪女台詞を吐きたくなっちゃいます……っ。

 なので、上に乗って、お口にちゅうっ、としてみましょう!


 ……あれ?

 もしかしなくても、嫌がってませんねぇっ!

 それどころか。

 おおうっ。なんだか、ご熱心な反応、なのです。

 うふ。結婚てイイですね……っ


 と、しばらくお互いにちょっとばかし息遣いを荒くしつつ無言で絡み合った後。


「ねぇ」 ベッドの上でシドの胸にもたれ、上目遣いなどしてみるリジーちゃん。

「腕、疲れてない? ひと晩、腕枕してくれたんでしょう?」


「大丈夫です」

 いつも通りぶっきら棒な口調ながら、表情は柔らかいですねぇっ。


 これは、なかなか期待できそう!


「……で。どうだった?」 固唾を飲んで、聞き取り調査開始です。

「ヨカッタ?」


「……何がですか?」


「え、えと、その……」 思わず口ごもっちゃいます。

 なんということでしょうっ!

 する前は平気だったのに、してしまった後でのこの恥ずかしさは!


 自然と、小さくなる声。

「………………本番、といいますか、その………………」


「ああ」 対するシドさん、ナチュラルにリジーちゃんの髪を手で()きつつ、冷静にお返事です。

「してません」


「えええええっ!?」 まさか!


 新婚の夜なのに!

 そんなことが、あるのでしょうかっ!?

 機会があれば、何がなんでもするんじゃないですか!?

 生物の(おす)、しかも万年発情期な人類ならば、なおのこと……っ!


「だって、約束したじゃないですか」 不思議そうに首をかしげる、シドさん。

「本番は落ち着いてからって」


「確かにそうだけれど……」 またしても、口ごもっちゃうリジーちゃん。

 アナタ病気? とも、聞けませんよね。


「でもでも、あんなにロティーナちゃんが降臨してたのにっ」


 ホラホラ。

 今、昨晩のことを思い出しても、顔がほの熱くなり、身悶えするほかないというのに……っ!

 あまりの感覚に、途中からワケわかんなくなっちゃった程なのに……っ!


「ああ」 シドが、くすっ、と小さく笑いました。

「アルデローサ様、ここ、いちばん、弱いんですね」


 耳につけられた唇が滑らかなバリトンヴォイスを紡ぎつつ、その指先がそっと、膝裏のくぼみから太ももの内側を撫で上げてきます。


「…………っ……!」

 思わずシドの胸に歯を立てるリジーちゃん。


「声、出さないんですか?」 とか言われて、出せるものですか……っ!

「かわいいのに」


 何なんでしょうね、それ!

 笑みさえ含んだ、優しい口調なのに、ちょっとイラッとしますね!


 だって、それって。

 実 質 、 完 璧 に 、 玩 具 扱 い 。

 ということではないですか!

 ……腹立ちますね、もうっ!


「………………っ!」

 声を抑えるついでに、力いっぱい、ガブッと噛みついて差し上げますよ!


 ……と。

「あぅっ……!」

 シドさん、小さな悲鳴です。

 悲鳴なんですが、リジーちゃんの気のせいでなければ、なんだか。


 恍 惚 混 じ り 、ですよね?


 もう1度、試してみましょうっ。


 かぷっ!


「……んっ……!」 身をよじるシドさん。

 ………………うん? これはこれは。

 どう考えても。

 ロティーナちゃんが、小降臨されているもようっ!


 楽 し い で す ね ♡


 興に乗らずには、いられませんね……っ。


 というワケで。

 しばらく、だんなさまの二の腕や首筋、ほかイロイロな場所を、割かし手加減しつつも噛みついてみる、リジーちゃんなのでした。



 さて、ひとしきり、新婚の朝のカップルらしく、あれこれしたりされたりした後。


「それで、結局は」 再びシドさんのお胸にもたれる体勢になり、上目遣いで確認しなおすリジーちゃん。

「本番はしていない、ということなのかしら?」


「はい」 対するシドさん、澄ましたお顔で頷きます。

 途中まで、なんだか苦しそうな気持ち良さそうな微妙な感じになっていたのですが、トイレに行って落ち着いたようですね!

「気絶している間に本番などというモッタイナイことは、できませんからね」


 つまり、昨晩は。

 シドさんも、あわよくば、と思わないでもなかったのですが、結局は。リジーちゃんが太ももの内側だけでコテン、とイっちゃったものですから、ナニもできなかった、と。

 そういうわけのようです。


 ………………ん?

 だとすれば。


 不意にあることを思い出し、おそるおそる机の上を見たならば、そこには。

 鎧戸の隙間から差す陽射しの中に、ほの白く浮かび上がる、どこまでもほの白くしかない、原稿用紙が……っ!


「大変!」

 夜の間に仕上げてしまう予定だったのに!

 コテンとイって、そのまま寝ちゃったようですね……っ!


 慌てて起き上がって机に向かいます。


 そして、そんなリジーちゃんのために、黙って鎧戸を開け、光と新鮮な空気を入れて下さる、優秀なだんなさまのシドさん、なのでした。


読んでいただきありがとうございます。


感想・ブクマ・評価等、とっても感謝です!


では!

お風邪などお気をつけて下さいませ~♡

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― 新着の感想 ―
[一言] 私もリジーちゃんに噛みつかれたいですね!(安心安定のドM) それにしても、リジーちゃんとシドがすっかり新婚さんで、私はほっこりですよ!w シドは理想の旦那さんですねー!
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