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伯爵令嬢に転生して極悪最凶の変態を目指しましたが、結局は普通のお色気作家になりました。  作者: 砂礫零


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124/201

124.だんなさまとふたりきりでいざ、ハジメテの夜! 変態悪女の本領発揮、でございます!?

 こんばんは。

 ええ。夜でございます。

 5月(マイユス)は11日、結婚式を終え、皆様から盛大に祝福していただき、父はハンカチを10枚ボトボトにし、母も嬉しそうに天使様の微笑みを浮かべつつ(うっ)すら涙ぐみ……

 もう思い残すことはない、私ことエリザベート・クローディス。


 只今、慣れ親しんだ寝室で、よく存じ申し上げてるはずのだんなさまことシドさんと、2人きり、でございます。

 ちなみに現在、たっぷりキングサイズに変更されたお姫様ベッドに並んで腰掛け、熱烈なキスをいただいている最中、でございます。


 で、これから。

 …………………………

 …………………………

 ……………………………………。


 これから、どうしよう。


 両親に改めて宜しくとの御挨拶。すませました。

 夕食。いただきました。

 お風呂。今日は薔薇とジャスミンの甘い香りのお風呂でしたね。

(ちなみに普段は、ローズマリー。夏はミントも使います)


 部屋の防音……もとから、バッチリでございます。


 さて。背中に回されたシドの片手が、なにげに肩に移動したところで。


「あ、そうだ!」 リジーちゃん、ちゃんと思い出しましたねぇっ!

「キエルちゃんたちから貰ったプレゼント、開けてみなきゃ!」


 キエルちゃんたち、工場の休憩室で何やらゴソゴソとしていたと思ったら。

 なんとなんと、リジーちゃんに内緒で結婚のお祝いを用意して下さっていたのです……っ

 皆で少しずつお金を出しあって買い集めた材料で、作ったのだとか……もう、心臓に、ずきゅぅぅぅんっ、ときちゃうくらい、嬉しい!


 何をいただけたのか確認しなければ、落ち着かないのが人情、というものでございます。


「今ですか?」


「もちろんよ!」


 どうしてそんなに不満そうなんですかシドさん。



「なにかなぁ……」

 テーブルに座り、心が籠っているとひと目で分かる、上質なリボンを丁寧にほどいて、箱を開けてみます。


 何やら、丸くツヤツヤと黒い大きめの粒。

 この色、テリ、そして香りは……

「チョコレートね!」


 こんな高価なものを……キエルちゃんたちが……ううっ!

 感動しすぎて涙が出ちゃいますね!


 これからもリジーちゃんcafeがんばるぞ!


 決意も新たに、早速、いただき……。

 と。

「やめた方が良いと思いますよ」 1粒つまんだ手を上から軽く抑えて、首を横に振るシドさん。

 何やら嬉しそうです。

「媚薬ですから」


「へ!?」 

 えええ!?

 思わずヘンな声が出ちゃいますよ!


 ……だって、あのキエルちゃんが!?

 リジーちゃんでも思い付かない、そんな悪女な発想を!?


「キエルさんのお祖母さんはポルトメリーの出身でしょう」 シドが解説してくれます。

「あの辺には、結婚式で本格的な媚薬を贈る風習があるのですよ。各家庭に秘伝の(まじな)い歌も伝わっており、なかなかイイ効き目だそうです」


「……ずいぶん、よくご存知ですこと」


「アルデローサ様に近づく者の調査にはぬかりありません」


「………………」 絶句するリジーちゃん。

 シドがそんなに過保護だったなんてっ!

 今の今まで、知りませんでしたよ!?


 もうちょっと、確認してみましょう。

「じゃ、じゃあジグムントさんのご趣味は?」


「仕事と靴磨きです」


「サラさんとはいつ結婚するの?」


「6回目のプロポーズが失敗したところですが」 黒い瞳が、ふっ、と和みます。

「今日のお2人のご様子なら、7回目は成功するかもしれませんね」


「す、スゴいわシドさん!」

 リジーちゃん、もうクラクラですよ!?


「アルデローサ様だってご存知でしょう?」


「でも、プロポーズの回数までは数えてないわ? やっぱりシドさんたら」

 ジグムントさんのこと……


「違いますから!」 おや真剣なお顔で疑惑を否定ですね。


 そして、そのまま。


「……アルデローサ様……」


 またリジーちゃんのお目めなど覗き込んでこられる、だんなさまことシドさん。

 続きまして、2回目の熱烈キスでございます。


 んんん……ヤバいシドさんがソノ気だどぉ考えてもそうだ……ええと……


「あ、そうだ!」 そうそう、リジーちゃん、またしても、ちゃんと思い出しましたよ!

「取材が先だったわ!」


「…………」 シドの視線が、明らかに恨めしげなものになってきました。

「それは3回目からの約束でしょう?」


「そうじゃなくてね?」 イソイソと王女殿下(リーゼロッテ様)からいただいたガーターベルトを取り出します。

 そう。たとえ新婚の夜といえども!

 アナスタシア様の原稿優先!

 当 然 で す よ ね !?


「シドさん、どれがイイ?」

 三種類のガーターベルトを並べます。

 どれを選んでくれるのか、ワクワクしますねぇっ……!


 が。

「………………」

 複雑そうなお顔で、また黙り込まれちゃいましたよ?


 もしかして……シドったら、どのガーターベルトもキラキラすぎて好みに合わないのでしょうかっ!?


「あ、あのね! この黒玉(ジェット)とエメラルドなんて、いかにもアナスタシア様っぽいんだけど、前も同じ宝石(いし)だったから、別の方がいいかなぁ、なんて!

 ラピスラズリとかどうかしら? 亡き旦那様の瞳の色なんだけど!」


 ああ……なんか、言い訳がましい!

 けれども、ここは、なんとしても……っ!


「アルデローサ様」 大きな手が、そっと頬を撫でました。


「もしかして、怖い、ですか?」


 ぎくっ……!

 さっきから(こわ)ばりっぱなしだったおカラダが、さらに固くなっちゃいます。


 図星、でございます。


 おっかしいなぁ……

 お相手は、シドさんなのにな。


 取材でアレコレした挙げ句、欲望のままにイチャイチャベタベタしてたはずなのに。

 結婚式の前なんて、「さぁ、いよいよ!」 とウキウキワクワクしていたはずなのに!


 どうして、この期に及んで、こんなに緊張しちゃってるんでしょうか、リジーちゃん!?


 自分に聞いても、わかりませんっ!


 だって、まさか、怖くなるなんて思わなかったんだもん!


 けれども、しかし。

 ここで素直に 「怖いの」 だなんて、申しませんとも。


 リジーちゃんがするならば、こちら。

 さぁ、はじめ! なのです……っ。


「ほーっほっほっほっほ!」 高笑い、決まりましたね!


 そうです!

 ハジメテだろうと何だろうと、堂々と落ち着いて殿方を喰らうのが、真の悪女!


「わたくしをアマく見るなど、承知しなくってよ!」 次のセリフも、バッチリですね!


「もちろん! 取材が終われば、本番もさせていただきますとも!」 ベッドにドカン、と片足をつき、魅惑的な太ももモロ見せ、OKですね!


「ドンとかかってらっしゃいませ!」


 ふーっ。

 MISSION(ミッション・) COMPLETE(コンプリート)


 完 璧 で す ね っ !


 さぁシドさん!

 わかったら、サッサとガーターベルトを選ぶのです……っ!


「わかりました」 シドが、プラチナとダイヤとルビーのガーターベルトをさっとつまんで渡してきました。


「今夜は一晩、脚の取材だけにしましょう」


「え、いいの? 本番は?」


「それは、落ち着いてからでイイですよ」


「だってシドさん、楽しみにしてたんでしょう?」


 もちろんです、と嬉しいような困ったようなお返事。


「だから、取材のついで、とかではなく、本番は本番で一晩でも二晩でもかけ、ゆっくりじっくりしましょうね!」

 イイ笑顔でキッパリと言い切った、シドさんなのでした。 

ナターシャ:……!今、お嬢様の高笑いが聞こえなかった? どんなプレイを……

ファルカ:ふふふ。後で夜のお菓子でも差し入れてあげましょ。


ちょっと書いてみたかっただけです。


~・~・~

読んでくださりありがとうございます!


感想、ブクマや評価などめちゃくちゃ感謝しております!


では。寒くなってきましたので、温かくしてお風邪召されませんように~

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― 新着の感想 ―
[一言] そりゃないぜリジーちゃああああん!!!!(メッチャ期待してた) まあ、でもハジメテはやっぱり怖いですよね?w リジーちゃんの勇気が出るまで、気長に待ちましょう!w
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