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伯爵令嬢に転生して極悪最凶の変態を目指しましたが、結局は普通のお色気作家になりました。  作者: 砂礫零


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122/201

122.欲望に火をつける、結婚の贈り物!変態悪女は幸せなだけ、ではないのです!?

 さてこうして、5月(マイユス)はまだまだ11日。

 リラ冷えの雪がちらつく中、だんなさま(きゃ♡)のシドさんをグズグズに泣かせつつ王宮ホールに到着した、私ことエリザベート・クローディス。


「待っていたわ!」 と王女殿下ことリーゼロッテ様、自らお出迎えです。


「控室でお直しの間、少しお喋りしようと思って」


 笑顔もチャーミングなら、婚約式で着ておられた優雅な銀のドレスで包まれた、不動のボンキュッボンなおカラダも素敵……はぁぅぅぅ……何度拝見してもタメイキ出ちゃいますね!


 そして、隣でノーブルスマイルを見せて 「おめでとうございます」 などとおっしゃっているのは、言わずと知れたヘルムフリート青年。


「おしゃべりは嬉しいですけれど、その間、ヘルムフリート様はどうなさいますの?」


「僕は扉の前で警備していますよ」


 ……まぁ、そうなりますよね。

 何しろ王女殿下ですからね!

 侯爵家長男様ことご婚約者自らの警備、萌えはしても、おかしい点は全くないのです。



 そんなわけで、ヘルムフリート青年を戸口に立たせて、花嫁の控室に入るなり。


「お祝いが2つあるのよ」


 嬉しそうに話しかけて下さる、リーゼロッテ様。


「まぁ! 2つも!?」


 白薔薇の花冠と長いヴェールをとって、ナターシャに髪を結い直してもらいつつの会話です。


「まずね」 うふふふ、と嬉しそうな含み笑い。

「母が女性向け娯楽誌創刊に賛同されて、多額の寄付金を約束して下さったわ」


 おおおっ! それは嬉しいですねぇ!

 なにしろ、王妃殿下ですからね!

 影響力が違います。


 どうしよう。シドさんと結婚するのと同じくらい、嬉しいかもっ。

 ついついニヘニヘ、しちゃいますねぇ……!


「ありがとうございます」


「質が良ければ、王宮女官用にも購入して下さるそうよ」


「え……っ」 そ、それは。

 緩んだ顔が、一気にひきつっちゃいますよ!

「変態鉱物学者のお話とか……出版社兄弟の愛憎物語とか……書いても大丈夫でしょうか」


 あら楽しそうね! と、王女殿下。

「質、というのは、そういうことではなくてね……まぁリジーちゃんなら大丈夫よ!」


 ここだけの話、母はアナスタシア様のファンなのよねー、とニコニコしながら嬉しい情報をくださいます。


(母娘で庶民向けお色気小説にハマる王室って)

 大丈夫か、と思わないでもないですけどね!


「それで、2つめはこちらよ!」

 リーゼロッテ様が可愛らしいドヤ顔と共に差し出したそれは……。


 小さな箱に折り畳んで入れられた、レースのリボン状の何か。

 1つはプラチナとダイヤとアメジストとルビー、1つは金と黒玉(ジェット)とエメラルド、1つはプラチナとダイヤとラピスラズリと真珠が細かく縫い付けられている、なかなか豪華な3本セットです。


「……チョーカー、でしょうか?」


「もう一声!」 と言われても。


「……鞭?」


「はっずれー!」 うふふふ、と嬉しそうに湖の色の瞳が微笑みます。

「では、ラズールからの宿題の答え、といえばわかるかしら?」


 へ? 確かにラズール青年またの名をユーベル先生、は 「答えは結婚式でね」 などと思わせぶりにおっしゃっていましたが。


「アンクレットでない、足のアクセサリー、ですか?」


「そうよそれ!」


「えええええっ!?」

 まさかリーゼロッテ様を通して下さるとは。

 そしてリジーちゃん、見せられてもまだよくわかりませんね!


 慌てて1つ手にとり、(ひろ)げて確認。


 こ、こ、こ……これは……っ!

 しばし、絶句です。


「…………ガーターベルトは、下着ではありませんの?」


「ラズール曰く、宝石がついてる派手なものはアクセサリーだそうよ」


「………………」 再び沈黙してしまう、リジーちゃん。

 正直言って、ラズール青年ことユーベル先生の脳内仕分けが理解できないぃぃぃっ!


「どういうことなのでしょうか?」


「わたくしもよくは分からないのだけれどね?」 優雅にかつ可愛らしく小首をかしげる、王女殿下(リーゼロッテ様)

「なんでも、剥ぎ取りたくなったら下着で、つけたまましたくなったらアクセサリーなんですって」


「………………………………」


 あああ、もう!

 ガックリうなだれちゃいますよ、もうっ!

 ……お色気分野でどうしても、ユーベル先生に勝てる気が、しなくなっちゃっております……。


「お嬢様、失礼ですが」 と、お直しに夢中のナターシャ。

「そんなに下を向かれては、お化粧がなおせませんわ」


「…………ああ、ごめんなさい」

 改めて前を向く、リジーちゃん。

 そうです、負けないもんね!

 ナターシャに言われるままに、目を閉じたり開けたりしていても、脳内は 「絶対勝つ! いつか勝つ!」 でいっぱい、なのです。


 ラズール=ユーベル先生めっ!

 どうやって打倒してやろうかしら……っ!


「あ、でもね」 どうやらリジーちゃんの沈黙を別の意味にとったらしい、リーゼロッテ様。

 急いでフォローして下さいます。

「選んだのはわたくしなのよ! ラズールは 『リアルに想像してしまうからやめとく』 と遠慮したから、安心なさってね」


「え、ええ……大丈夫ですわ」 しまった。王女殿下に余計な気遣いをさせてしまいましたね!

「とても素敵なアクセサリーを、選んでくださってありがとうございます」


「気に入っていただけて嬉しいわ」 花が開くような笑顔。

「よろしければ、たくさんお使いになってね」


「ええ。もちろん」 決意を込めて頷きます。

「せっせと使用させていただきますわ」


 ふっ……みてらっしゃい、ユーベル先生!

(あなたがひっくり返るほどの、名作足フェチ回(その2)に仕上げて差し上げるわ!)


 ラピスラズリのついたガーターベルトを潰さんばかりに握りしめ、そう心に誓う、リジーちゃんなのでした。


読んで下さりありがとうございます!

まだまだ結婚式ですが、やっと本作らしい雰囲気を少し出せました。

変態発言は楽しいですね (∩´∀`)∩


では! お仕事の方、ご無理ありませんように。

そしてお休みの方、良い休日を過ごされますように~♪

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― 新着の感想 ―
[一言] >変態発言は楽しいですね (∩´∀`)∩ ですね~(∩´∀`)∩~♪ というか、皆さんもガーターベルト大好きそうで素敵です( ˘ω˘)うん素敵ww
[一言] >剥ぎ取りたくなったら下着で、つけたまましたくなったらアクセサリー 金言キタッ( ˘ω˘ ) やっぱガーターベルトは最高ですよ!!!!(クソデカ声) そして、ガーターベルトという単語を見ると…
[一言] 来た!ガータベルトが!✧◝(⁰▿⁰)◜✧←前に黒で薔薇のアクセが付いていたのを見た事があり←多分高級下着屋さんだわ、トキメキの世界がそこにはありましたよ。カタログは、外国のモデルさんばっかり…
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