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伯爵令嬢に転生して極悪最凶の変態を目指しましたが、結局は普通のお色気作家になりました。  作者: 砂礫零


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117/201

117. 結婚式の前日も、大忙しの変態悪女! することはイロイロ、山積みなので、ごさいます!?

 さて、そんなこんなで、一筋縄ではいかなさそうな女性向け娯楽誌の発刊。

 でも、ある程度はやりました!

 王族からは、王女殿下ことリーゼロッテ様と、アリメンティス公爵家令息ことラズール青年の個人的な(つまりポケットマネーでの)支援の約束は取り付けられましたからねっ!

 リーゼロッテ様いわく、王族の女性の方にはお声がけいただけるもようです。


「お母様やおばさまも、個人的には賛同してくださるのではないかしら」


 おおぅ! 美味しいですね!

 そういうワケならば、焦らずじっくりとジグムントさんを悪女っぽく攻めて、良質な娯楽誌にしたいもので……


「ジグムントさんを悪女っぽく攻めるのは、ダメです!」


 時は結婚式前日の5月(マイユス)は10日。

 今後の計画をじっくり練り練り中の私ことエリザベート・クローディス。

 相変わらず婚約者のシドさんと衝突中でございます。


「じゃあ、善女っぽく攻めることにするわね! チャンスはお風邪を召された時かしら」


『善女=とにかく親切』なイメージですからね!


「お風邪を召されたタイミングで、ハチミツレモン持参でお見舞いして、『はい、あーん』として差し上げれば、ジグムントさんも、お礼の3つや4つしたくなるというものよね!」


「『はい、あーん』はおやめください」


 よっこらせ、とリジーちゃんを背負い直してシドさん。

 現在、クローディス家の工場は休憩室に移動中、でございます。

 本日も "リジーちゃんカフェ" 開催予定。

 それから希望者だけの読み書き・自習教室も始めちゃいますよ!


 それにしてもシドさんたら、相変わらずヤキモチさんですねぇ?

 ここはちょっと、安心させてあげましょう!


「あら、別にジグムントさんに『あーん』なんてしても、ちっともトキメかないからご安心なさって?」


「……するんならおんぶ下ろしますよ」


「いやぁぁぁん! 泣いちゃうからね!」


「おろします」


「だめぇぇぇ!」


 もう!

 え? なぜシドさんにおんぶされてるのか、ですって?

 それは!

 シドが一昨日(おととい)、王宮にてリジーちゃんを泣かし、最終的に泣き止まなかったリジーちゃんをシドさんがおぶって帰った、という経緯があるからなんですね。

(ふっ、粘り勝ち……っ)


 で。

 おぶわれているうちに、わかってしまったのです!


 お背中の安心感と一体感がっ!

 それに、なにより。


 このスタイル、首筋の匂いかぎ放題♡




 というわけで。

 本日も、シドさんにおんぶをおねだりした、リジーちゃんなのでした。


 で、シドさんが、おんぶの代わりに持ち出した条件というのが。


「ジグムントさんを攻略するのはやめてください」 だったのです!


「それってちょっと無理じゃない?」 コテン、と首をかしげるリジーちゃん。

「ジグムントさんを攻略せずに、どうやってわたくしの野望を達成するのかしら?」


 そう、なにしろジグムントさんは、女性向け娯楽誌発刊の重要なキーパーソン様!

 いくらシドさんのお背中と首筋が名残惜しかろうと、そこは譲れないのです……っ


 でもやっぱり、おんぶ下ろされるのもイヤ。

 なので泣き落としを使う、とそんな感じになっております。

(バカの1つ覚えでもイイのです!)



 そして繰り返される、議論。


「とにかく、お見舞いまでは仕方ありませんが」 シドさん、すれ違う従業員さんに目礼をしつつ、主張します。

「手を握るとか、『あーん』はやめていただかなければ、今後おんぶはしませんからね!」


 シドさん……キツい。

 なにか、焦っておられるのでしょうか。

 結婚しちゃえば、工場経営のお手伝い兼お勉強も、いよいよ本格的に始まります。


 もしかして。

 そばに居る時間が減る分、心配……とか?

 きゃあっ!

 だったら嬉しいのにな。

 安心されるより心配される方が、断然嬉しい、ですよねっ♡


 内心のニヘニヘを隠しつつ、大真面目にお返事して差し上げましょうっ!


「わかったわ。ジグムントさんにはなるべく『あーん』したり手を握ったりしないようにします」


「約束ですよ」


「ええ、もちろんよ!」


 シドの肩の間に頬をすりすりして、約束です。


 あ。

 ちょっと機嫌、良くなりましたねぇ。

 良かった!


 ジグムントさんには、握手と『あーん』以外の攻略法を考えて差し上げなければ、ね。




「ではまた後で」


 休憩室の前でぎゅうっとハグなどしてからお別れです。


 さぁ!

 今日もカフェの準備を始めましょうっ!


 本日のメニューは各種飲み物に、小麦粉をメープルシロップで練った、薄い堅焼きビスケット。

(ルーナ王国の農家のお母さんの味ですね!)


 そ・れ・に!


「ふふふふふー♪」


 昨日1日がかりで用意した、リジーちゃんお手製・読み書き練習教本10部っ!

 物語仕立てですよ!

 オリジナルではなく、前世の記憶をちょい拝借したシンデレラストーリー。

 若干こんな工夫を加えています。


『お父様は以前、浮気がバレて、浮気相手ともども精霊さんの怒りに触れてしまいました。

 そして、浮気相手は道行く関係ない人からまで後ろ指をさされる体質にされ、一方、お父様は一生奥さんに頭が上がらない体質にされたのです……』


 そう!

 たったの数行に教訓を込めたのですっ。


 リジーちゃんお手製教本は、楽しく学べて、倫理観まで深層心理に叩き込まれる超お得仕様っ!


(悪女たるもの人の力をアテにすると同時に自分も力を尽くさないとね♪)


 るんるん、と荷物を抱え直して扉を開けようとした時。


「早く隠してっ!」


 ん? キエルちゃんの声ですね!

 それと同時に、ドタバタと慌ただしい気配。


 隠す? 何を?


 ここはバーン、と扉を開き、悪女っぽくテーブルに脚を上げてガーターベルトをもろ見せしつつ、「もうバレていてよ、さっさとお見せ!」 などとタンカを切るべきでしょうか!?


 でも……先日、真っ先にきて喜んでお茶を飲んでくれていた顔が頭に浮かびます。


 キエルちゃん(とその仲間)が悪いことをしてる、とか思いたくない、のです……


 迷いますねぇっ、もう!


 頭の中で『様子見』を選択しつつ、なるべくゆっくり、扉を開けるリジーちゃん、なのでした。

読んでいただきありがとうございます!


    Trick

     or  ☆.

    Treat!  *゜

   \  / ゜*・

    ∧∧  *+゜

    (・ω・) /

    (  つ

    (^)(^)

   /⌒⌒⌒\

  / ●  ● \

 | |\∧∧/| |

 | |    | |

  \ \∧∧/ /

   \___/


お風邪にお気をつけて良いハロウィンを~♪

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― 新着の感想 ―
[一言] なんでも泣いて許されるところが、貴族のお嬢様らしいですよね (*´▽`*)ノ~♪ 作家さんの配偶者さんも大変そう (´;ω;`)ウッ…ww
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