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伯爵令嬢に転生して極悪最凶の変態を目指しましたが、結局は普通のお色気作家になりました。  作者: 砂礫零


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102/201

102.生死の境から甦り、パワーアップした変態悪女!婚約者の看病に健気に励んで、みるのです!?

訪問いただきありがとうございます。

この度のっけから、見る方によっては全然趣味じゃないアレコレが入ってきます。

お口を使ったアレコレがお好みでない方は、最後の20行程だけ読んで下さいませm(_ _)m

 さてこうして4月(アプリリス)は5日。

 生死の境を彷徨(さまよ)い生還した私ことエリザベート・クローディス、ただいま婚約者のシドさんをせっせと看病中でございます。


「はい、シド、あーん」


 ファルカに持ってきてもらったお粥をスプーンに乗せ、ふぅふぅと冷ましてからお口の前に……


「お嬢様」 おや、お粥がカッキーンと凍っちゃいそうなブリザードボイスですね!


「この姿勢ではいただけませんので縄を解いて下さいますか?」


「い・や・で・す」


 つーん、と横を向いて差し上げますとも!

 裏切り者のシドさんには丁度良い扱いですよね!


 けれど、シドさんも負けてはいらっしゃいません。


「工場経営のことなら謝りませんよ」


「では、シドさんのご病気は当分治らないわね」 ああっなんて可哀想っ!


「大丈夫よっ! わたくしが病み上がりの肉体を酷使して、せっせとお世話して差し上げますからね♡」


「お嬢様がそんなに工場経営したかったとは初耳ですが」


「シドと一緒にしたかったの! なのに、お父様と勝手にわたくしの解雇(クビ)を決めちゃうなんてっ……」


 リジーちゃん、過労死しかけるほど、シコシコと頑張って毎晩お勉強したのにっ!

 お仕置き、当然ですよね!


 お粥を口に含んで、シドさんの唇にちゅうっとしちゃいますよ!


「…………!」


 ふっ。抵抗すればお粥でお顔がベロベロになるのですっ……!

 ザマヲミナサイマセっ!


 ついに観念して開いたシドのお口の中にお粥を送り込み、次の1さじをまたリジーちゃんのお口にセット。


「ま、まだ……するんですか?」


「んーんーんん!」 当然です!


 こうして第2弾、第3弾……と全粥口移しの刑、実行させていただきました。


 はぁぅぅぅ……美味しかった♡


 とでも申し上げると思われたなら、大間違い!


 まだ残っていますよね?


 歯・み・が・き・が・っ!


「シド、ちょっと待っててね!」 急いで歯みがきし、ミント水でしっかりとウガイ。


 シドさんの元に戻ったリジーちゃんの瞳は、今!

 冷酷な猛禽類のソレになっているはずっ……


「さぁ、シド。覚悟おしっ」


 再びシドさんのお口にうちゅぅぅっ、とリジーちゃんのお口をダイビングさせます。


「…………! …………!」


 只今、入口を突破っ!

 侵入に成功いたしましたっ!


 さぁ、清掃を始めましょう♪


 ぐいっ、と舌を奥の歯茎につっこみ……けっこう、むずかしいですね……


 頑張ってなんとか動かします。


 虫歯にならないよう、奥の奥まできっちり舐めとって差し上げなければっ!


「…………! …………!」


 ちょっと動かないで下さいシドさん!

 やりにくいじゃないですかっ!


 奥から順番に、丁寧に舌を這わせてお粥を拭い去ります。


 歯もモチロン大切ですが、歯周病にもならないよう、歯茎から歯周ポケットまで細かく磨くことが大切。


 あ、歯の裏や口蓋もきっちりレロレロしておきましょうっ!


 ふぅぅぅぅっ。


 右半分を磨き終え、ひと息つこうと顔を放します。


 ……と、シドさんのお顔が真っ赤です!


「もしかしてっ」


 慌ててオデコとオデコをこっつんこしてみますが……熱はなさそう。

 良かった!


「……その姿勢はどうかと思いますが」


「いやだっシドさんったらっ!」 冷静な指摘に、リジーちゃんの頬も熱くなっちゃいますよ、もうっ!


「この方がヤりやすいんだから仕方ないじゃないっ」


 すなわち。

 お腹の上にまたがっております、リジーちゃん。

 誰の、とか聞かないで下さいませね? (ぽっ)


 だって、横から歯磨きって本当にヤりにくいのですよ。

 仕方ないでしょうっ!?


「それに、胸をこすりつけるのもやめなさい」


「それ無理」


 だって、想像してみてくださいませっ!


 ……胸を浮かせたままでどうやって、奥の奥まで歯磨きできるというのでしょうかっ!?


「オニですかアルデローサさま」


「当然でしょ。お仕置きですからね!」


 さぁ、気を取り直して。

 左半分も、レッツトライ。


 再びシドさんの唇を、舌でこじ開けるリジーちゃん。


 抵抗しないでほしいものですねっ!


 なんとか舌を侵入させ、左奥の歯茎に差し込みます。


「…………! ……………!」


 だから、動かないでくださいませっ、ですよ! もうっ!


 イライラしますが、よく考えたらシドさん、これまで病気ひとつしたことのないお方でしたからね。

 きっと看病され慣れてないのでしょう。


 仕方ありませんね!


 そんなものだと思うことにして、さて。

 左半分も奥から舐めとっていきましょう。

 右半分と同じく、歯茎、歯、歯周ポケット……裏側も忘れずきちんと!

 なるべく優しく丁寧に、を心がけます。


 舐めとったカスをごっくんと飲み込んだら、歯磨き終了!


 ふぅぅぅぅぅぅっ……

 やっと終わりましたね!


 初めてだから、けっこう難しかったけど、リジーちゃん頑張りました!


 ホメてほしいなぁ……


 チラっ、とシドさん見やりましたら、やっぱり真っ赤なお顔で少々涙ぐんでおられます。

 まぁ、お仕置きですから。


 ホメてくれるワケないですよね。

 ぐすん(涙)


 頑張っても報われない……そんな時は、なんとも侘しくツラいものなのです。


 けど、気を取り直して!

 シドさんの腹上から勢いよく降りるリジーちゃん。


 3日間寝込んでいたようですが、もうこんなに元気! でございます。

 これもシドさんの愛の看病のおかげ (見てないけど) でしょうっ。


 今度は、リジーちゃんがして差し上げる番……♡


 ぶぁっさぁっ!

 勢いよく、掛け布団を剥ぎ取ります。


「さぁ、次はお身体の清拭ですわ」


 イイところもイケナイところも晒してキレイにしなければイケませんねっ!


 せっせとシドさんの縄を上半分解きます。

 それからシャツのボタンを外し、固そうなお胸と、適度に引き締まったお腹を出して……あら、かわいい。


「念のために申し上げますが、舐めるのは、清拭とは言いませんからね」


「そ、そんなの当然でしょう!?」


 あれ?

 なんでバレたのかしらっ……


 仕方ありませんね。


 ナターシャに持ってきてもらったお湯に布を浸して、注意深く拭いていきます。


 ……意外と汚れていますね!

 何回もしぼっているうち、お湯が濁ってしまいます。

 さすがお年頃の青年さまっ。


 でも、どうしようかな。

 まだ上半分しか拭いてないのに……


「もう一度、お湯を持ってきてもらうわ。待ってて?」


 下半分もバッチリきれいにして差し上げなければ!


 と、タライから顔を上げたリジーちゃん。


 ……失敗ったぁぁぁっ!


 なんということでしょうかっ!


 シドさん、上半身を使って見事に縄脱けされてしまったのですっ……

 そんな、そんなぁっ……


「無理なさらないで! 寝ててくださいな」


「それは、こっちのセリフですが」


「いいえ、こっちのセリフですわ!」


 と、シドさん恒例 『しゃーねーなー』 的タメイキをつきながら足元をすくい上げてこられました。

 負けませんよっ!?


 逃げ……きれなかっぁっ! 失敗ぃっ!


 ふわっと身体が持ち上がる……いわずもがなの、姫だっこ強制回収スタイルですね!

 そのまま、そっとベッドに置かれます。


 よっし隙あり! もう一度、逃げて……

 と思ったら。


 はぁぁぁうっ!?

 なんと、シドさん、そのままリジーちゃんの頭をナデナデ……


 髪に指を差し込んで、小さい子にするみたいに、優しい手つきです。


 なんということでしょうかっ!

 慈しまれている感に、リジーちゃん動けませんっ!


 あうううっ反則! 反則ですっ……


「無理しないでください」


 しみじみと心に染み入るような口調。

 ずるいっ! ずるいのです!


 ほ だ さ れ ま せ ん か ら ね !


「頑張るの! 決めたんだから、ちゃんとするのよ!」 シドさんの看病も、工場経営もっ。


「最後まで、やりきるの!」


「楽しいですか?」


「もちろんでしょう? シドさんいつでも安心して病気になってねっ♡」


「工場は?」


 ふっ、ここで詰まると思ってるんですかシドさん!?

 涼しい顔で言って差し上げてよっ!


「シドさんと一緒なら、なんだってヤってみせますわ!」


「じゃあ……お願いがあるんですが」


 ん? やっと観念したようですね。

 横を向いて頭をボリボリ掻く、シドさん。


「なにかしら?」


 ぼこっ、と顔の脇に拳が埋め込まれます。

 シドさんの顔が近いのです!


 ……ん? 私、何日顔洗ってないのかしら!?


 急に気付いて思いっきり慌てるリジーちゃん。

 何しろ3日間、寝たきり……


 ん? その間、おカラダ誰かが拭いてくれたりしてるんでしょうか!?


 ………………。

 ………………えぇぇぇっ!?

 拭いてもらってても、そうでなくても、恥ずかしいんですけどっ!?


 ふっ、とシドさんが満足そうに笑いました。


「やっぱり可愛い……」


「な、なにが……?」


 どうしよう。

 鼻の頭に浮いてる脂、とか言われたらっ……


「困り顔」 シドが耳に顔を近づけます。


「もし将来、従業員にそのお顔見せたら、見た人クビにしますけど、それでも工場経営したいですか?」


 ぅぅぅぅぅぅうっ……言葉に詰まってしまいますね!

 憎いっ! 自分のチョロさが憎いっ!


 涙目になってブンブンと首を横に振ってしまう、リジーちゃん、なのでした。

読んでいただきありがとうございます!


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― 新着の感想 ―
[一言] >全粥口移しの刑 (∩´∀`)∩ 素敵です~♪ みんな小さいころや病気になったときを想像すると、「ああこんなもんだよね」って思いませんかね (。´・ω・)? ww
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