花火大会の終わりと、日常の終わり……
序章の最終話です!
閑話みたいな物なので、通常よりも短くなっています。
「いやぁ、今年も良かったね!」
「うん本当に! 本当はダリが良かったけど、ゴッホのひまわりも良い物だね」
「具体的な絵の名前は分からなかったけど、あの絵は良かったよ」
花火大会が終わり、私と燈ちゃん、航君の三人は先程の花火について興奮気味に話していた。
「でも結局、翔君の花火がどれかは分からなかったね」
「確かになぁ。前に聞いた感じから、ドラゴンかユニコーンあたりの花火が出てくるかと思ったんだが、当てが外れたな」
「うーん、翔っち悩んでいたからなぁ。何か壁に当たって、無難な花火に変えたのかもよ?」
「ああ、確かに有り得るかも……。翔君は無謀な挑戦する時あるし、輝明おじさんのOKが出なくて仕方無く変更にする姿が目に浮かぶよ」
この時、私達が呑気に話している裏で、翔が不味いことになっているとは知るよしもなかった……。
一日明けた月曜日、今日は夏休み前の最期の月曜日だ。後三日で夏休みに入る。
「おはよう、紗耶香、燈」
「おはよう、航君」
「おはよう、航っち」
「あれ? まだ翔は来てないのか?」
「そうなんだよ、珍しいよね」
翔君が来る時間はバラバラなのだけど、いつもはホームルームの十分前には必ず来ている。
だけど、今日はホームルーム二分前に来た航君よりも遅いみたいだ。
「もしかして翔っち、昨日の花火大会に興奮して体調崩したりしたのかな?」
「んな子供みたいに……」
「でも、翔君なら有り得るかもよ?」
自分で肯定して何だが、しっくり来るかも……。
でも、本当にどうしたんだろう?
結局、翔君はその後も来る事無くホームルームが始まった。
「皆さん席に着いてください」
クラス担任の言葉で何時も通りに皆が席に着く。しかし、担任はいつもとは違う言葉を発した。
「皆さんに、とても悲しいお知らせをしなければなりません。落ち着いて聞いてくださいね」
そして少し躊躇った後に、重く引きずったような言葉を発した。
「昨夜、――空野翔さんがお亡くなりになりました。昨日の花火大会中の事故に、巻き込まれたとの事です。そして、葬儀は今週の日曜日に執り行われるとの連絡を頂きました。つきましては――」
担任の言葉に私達は凍り付いた。他にも何か言っていたらしいが、全く耳に入ってこない。
翔君が死んだ……? 一昨日まであんなに元気に喋っていたのに……?
「翔っちが死んだ……?」
「嘘だろ……?」
「うそ……よ……」
担任の言葉を理解した子達の中には泣き出したり、場合によっては失神する子も出てきた。
だけど私達は涙も出ず、ただただ唖然としていたのだった……。
これで序章も終わりです。
次からは転生後の話に入ります。




