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一日の終わりと、独りの夜

私自身のメモも兼ねて、登場人物のページを先頭に追加しました。

現在は一章までの登場人物を纏めてあります。

 聖域に戻ったカケル達を待っていたのは、ライトフェアリー達の熱烈な質問タイムだった。


「ねぇねぇ、スケルトンさん。何処から来たの?」「ウサギ、お前真っ黒だな?」「おい骸骨! お前、花好きか?」

「ちょっと待って! 今日は疲れてるから、明日にして貰っても良いかな? 後、僕の名前はカケルだよ」

「同じく、私の名前はミミと申します」

「ちぇっ、仕方ねえなぁ」「疲れてるんじゃしょうがないよね。明日が楽しみ!」「カケルお兄ちゃん、ミミお姉ちゃん、また明日ね~」


 ふう、何とか振り切った。

 ライトフェアリーってあれだね。まんま子供だよ。

 あの中には大人の個体が居ない可能性もあるけど、どちらにしてもあの子達に振り回される事になるのは確実かも……。


 そんな事を思いながら、神殿に入ると既に帰って来たらしいキーリに会った。


「お帰り、カケル、ミミ。早かったな?」

「魔力切れになったから、早めに切り上げる事になったんだよ」

「成る程な。練習の方はどうだ? 魔法は使えそうか?」

「まだ魔術で精一杯かな。魔術がある程度使えるようになってから、魔法に取り掛かろうかと思って」

「まあ、初日だしそんなものだろう。もう今日は寝るのか?」

「あぁ……、今って何時くらい?」

「大体、二十五時二分二十四秒だな」

「え? 大体? しかも、もう深夜なの?」


 そんなに細かく言ってるのに、大体を付けるのって変じゃない?

 それに、午前一時にしては眠くならないなぁ……。


「主様、スキル自動翻訳が働いているので、深夜とは言えません。そもそも、この世界は一日が三十一・三時間あります。従って、今の時刻を二十四分割した表記にするのであれば、十九時くらいだと言えます」


 一日が三十一・三時間? えと、経過時間で考えれば、一日の始めから約二十五時間経過したと考えれる。でも、単に一日の長さををアナログ時計に当てはめて見れば、今は十九時くらいって事になるのか……。

 此方の世界の言葉で言うと、一日は十刻とされており、一刻が三・一三時間に相当するようだった。

 因みに、一週間は十日、一ヶ月は四十日、一年は四百日あるとの事。一週間の単位はあるが、曜日の呼び方は無いらしく、一の週の三日目などと言うらしい。


 また、一ヶ月の由来は月の公転ではなく、なんと移り変わる月の色が元に戻るまでの長さだと言う。

 この世界の月は四個もあるらしく、その中で一番大きな月をマルクレスと呼ぶ。このマルクレスは白、黒、赤、青、緑、茶、白と色が順に移り変わり、四十日でまた白に戻るのである。


 そして、一ヶ月の十倍で季節が一周する事から四百日を一年としたのだが、これが偶然にも太陽の周りを回る公転周期と一致しており、地球で言うところの太陰暦から変化していないらしい。

 後、一週間についてだが、これは単に区切りの良い数字で分割しただけらしく、地球のようにキリスト教の創世記や七つの天体である七曜が由来と言う事もないようだ。


 なお、余談だが距離や重さも違う単位があり、ミミが魔術の練習の時に言った距離はカケル知っている単位に合わせてくれた為、少数以下の数値が出て来なかったのである。


「翻訳されると却って分かりづらいなぁ……。この部分の自動翻訳だけ切れないかな?」

「翻訳スキルの設定を切り替えれば、今後から刻の単位で聞こえるようになりますよ。設定を切り替えるイメージで、”セット”と唱えてみてください」

「――”セット”!」

「はい、これで大丈夫かと思います。キーリ様、お手数ですが、先程同様に今の時刻を主様に、お教え頂けますでしょうか?」

「あ、ああ。良く解らんが、今は大体八の刻だ」

「おお! こう言う風に使うのか!」

「カケル? 何を言っている?」

「キーリ様、主様は少々頭がアレなだけですので、気にしないで下さい」

「そうか……」


 キーリはミミの言葉を受けると、カケルに哀れみの視線を投げ掛けた。


「ストップ!! 頭がアレって何さ!?」

「アレがアレして、アレなだけですよ」

「良く分からないけど、馬鹿にされてる事だけは分かるよ!?」

「気のせいですよ」


 気のせいと言われても、納得出来る訳が無い。と言っても追求出来るような、生易しい相手でも無いが……。


「はぁ、もう良いよ。それで、今が八の刻だったよね?」


 諦めたカケルはキーリに話し掛けた。


「ああ、そうだな」

「少し疲れたんだけど、神殿で休めるかな?」

「そしたら、少し早いがもう寝ようか?」


 カケルでは無く、ミミに話し掛けるキーリ。

 因みに少し早いとキーリは述べたが、明かりを使わない生活の村などでは、日の出から日の入りまでの大体二の刻から八の刻――地球時間で言うところの五時~十九時くらいを指す――を起きている時間としている事が多い。


「私は別に構いませんよ。元々殆ど寝る必要の無い体ですので」

「なら、寝る場所に案内するよ」


 キーリは神殿の奥に入って行き、最奥の一室で歩みを止めた。

 部屋の中には大きなベットが一つと、チェスト・オブ・ドロワーズ――チェストやドロワーズ、若しくは単にタンスと呼ぶ物――が一つ置いてあった。

 部屋の大きさはかなり広く、置いてある大きめのベットであれば、軽く十個は入るだろうか?


 色合いは全体的に青と白で纏められており、部屋に付いている大きめの窓には白いカーテンが揺れていた。


「ここが寝泊まりする所だ。ベットでも床でも好きに使え」

「では私は、ベットの下を使わせて貰います。主様は眠れないかと思いますがどうしますか?」

「え? 僕、眠れないの?」

「アンデッドですからね。(まぶた)も在りませんし、眠くなったりもしない筈ですよ?」


 確かに、アンデッドと言えば眠らない代名詞かも知れない。眠くなったとしたら、消滅する手前な気がする……。


「そしたら、部屋の隅っこにでも居るよ。床に寝ても痛みとかも無いし……」

「分かりました。では、皆様お休みなさい」

「ああ、お休み」

「えと、お休みなさい」


 そう言ったミミはすぐにベット下に潜り込んでいた。


「なら私も寝るか。お休みカケル」

「うん、お休み」


 それぞれ挨拶すると、キーリはドラゴンの姿に戻り部屋の床に丸まった。どうやら蛇みたいにとぐろを巻いて寝るらしい。

 ベットの下に潜り込んだミミ。此方はベットの下を穴蔵に見立てているらしく、直ぐに寝息が聞こえてきた。


 一方のカケルは、ミミの言う通りアンデッドなので眠ることは出来ない。

 尤も今のカケルでは、アンデッドでなくても眠れなかったかも知れないが……。


(異世界に来ちゃったんだよね。父さんも母さんも、燈ちゃんや紗耶香ちゃん、航、繁爺や幸大さんも誰一人知っている人が居ない世界……)


 カケルの死は突然だった。


(父さん、繁爺、幸大さん、もっと花火を教えてほしかった……)

(母さん、まだもう少し甘えたかったかなぁ……)

(燈ちゃん、紗耶香ちゃん、航、もっと皆で遊びたかった……)


 さっきまでは、まるでゲームをしているような気持ちだった。だけど、此処は現実なのだ。


(――もう皆に会えないのかな……? 帰りたいよ……。皆に会いたい……。……うぅ……)


 その夜部屋の隅からは、押し殺したような泣き声が響いていた……。


ついに時間や暦の話が出てきました。

一日は三十一時間、一ヶ月も四十日、一年も四百日と言う地球よりも長いスパンで動いています。

月の満ち欠けはありますが、この世界の人達は色の移り変わりの方が気になったようです。


また、長さや重さの単位は出てきた時に改めて説明する予定です。

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