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自分探しの旅  作者: KURO
4/15

美女と野獣

あれから、危険な気配を避けながら、歩くこと5時間…


「あ~疲れた…もう歩けない…てか、眠い…」



何とか煙を出してる小屋まで辿り着いたけど、村があるかと思ったら、森の中に古びた小屋がぽつんとあるだけだった。



あまりに疲れていたので、近くにある切り株に座り込む。



「くぅは良いよな…いつの間にか、俺の鞄の上に座ってんだもん…」



「にゃにゃにゃ~」



照れ臭そうに返事をする。



歩き初めて、すぐに鞄の上に器用にバランスをとりながら、座っていたのだ。



てか、俺は何でくぅの感情が分かるんだろ?



これも気配読みの一種かな?



そんなことをポケーっと考えてたら、背後からいきなり声を掛けられた。



「おい!お前は誰だ?!どうやってここに来た?」



「おわぁ~!!」



ドスン…



「いってぇっ~!」



気が緩んでいたため、危険そうな気配以外には、全く無防備になっていた。



急に怒鳴り声を浴びて、びっくりして切り株から落っこちた。


今日はやけに尻餅つくなぁ~…



「え~っと…!!!」



事情を説明しようと振り向いたら、厳つい恐持てのおっさんが鬼の形相で立っていた。



筋肉ムキムキな上、巨大な斧を肩に担いでいる。



「あの、えっと、その…」



「だからお前は誰でどうやってここに来たか聞いてんだよっ!見た所丸腰だしよ。何か武術をやってる様には見えねぇし、魔術師でもなさそぅだしよっ!てめぇは何者だっ!」




こえぇ~…恐すぎて声も出ない。



「……っ」



「さっさと言えやっ!」



どごぉぉぉんっ!!



厳ついおっさんの巨大な斧が俺のすぐ側に打ち下ろされた。



土煙で周りが見えなくなり、恐怖心で腰が抜けてしまって、座り込んでいる時に…



「あらまぁ、あなた何をしてるの?」



おっとりとした、優しそうな女性の声が周りに響いた。






「いゃ~、怪しげな奴が中々説明しないから、つい…な。」



「もぅ。理由はどぅであれ、人様にその斧を振りかざしてはダメです。」



「面目ねぇ~。

おい、こっち来いよ。家の中で話をしよう。」



何だか分かんないけど、おっさんの顔が急に穏やかになったような…。




小屋の中に通される。



「いゃ~。驚かして悪かったな。そこに座ってくれ。」



「はぁ~。失礼します。」



「俺の名前はガルム。ガルム・ド・ルーンベルド。今は見ての通り、きこりをやっている。そんでこっちが…」



「サラよ。サラ・ド・ルーンベルド。ガルムの妻です。」




「ども。俺の名前は、黒木 健。一族の名前が黒木で、個人の名前が健です。」




「珍しいな。家名が前にくるなんて。何処から来たんだ?」




素直に答えても、信じてもらえないだろうし…



「それが…何処からどうやって来たのか、何でこんな所にいるのか…自分の名前以外は思い出せないんです。」




「記憶喪失かよ!また厄介だなそれは…」




「すいません。この世界のことを教えてくれませんか?」




美女と野獣夫婦に聞いてみた…




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