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『絶望?今、それどころじゃないのよ。』  作者: くろめがね


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第十三話 休んだ?……体って正直すぎる。

第十三話です。今日は、「休んだ翌日の体」を確認します。

朝だ。

たぶん。


目を開けた瞬間、

まず思ったのは――


「……あれ?」


体が、軽い。


軽いというか、

余計な重さがない。


昨日まで、

どこかに張りついてた疲れが、

一枚、剥がれた感じ。


「……休んだだけで?」


自分で言って、

ちょっと笑う。


エルフが立ち上がる。


「今日は、動く日か?」


「うん」


私はゆっくり起き上がる。


「今日は、動ける日」


布多めの人が、私の様子を見る。


「顔色、いいわね」


「でしょ」


私は肩を回す。


「人間ね、

 休むとちゃんと戻るのよ」


姿勢のいい人が言う。


「回復が確認されました」


「確認しなくても、

 分かるくらいね」


火は、問題ない。

水も、問題ない。


腹も、

昨日より静か。


「よし」


私は息を吐く。


「今日は、

 ちょっと遠くまで行こう」


エルフが笑う。


「元気だな」


「元気だね」


私はうなずく。


「でも、

 調子に乗らない」


ここ、大事。


昨日休んだからって、

今日全部やると、

また詰む。


「今日は、

 “確認”の日」


布多めの人が首をかしげる。


「確認?」


「そう」


私は歩き出す。


「昨日、

 何もしなかった場所を見る」


休んでたからこそ、

頭に残ってる景色がある。


風の通り。

影の伸び方。

地面の色。


「あ」


足を止める。


「ここ、

 昨日より暖かい」


エルフが頷く。


「日当たりがいいな」


「それそれ」


私は指を立てる。


「休んだ翌日は、

 こういうのに気づける」


姿勢のいい人が補足する。


「認知資源の回復ですね」


「言い方」


私は笑う。


「でも、

 ありがたい」


少し歩いて、

水の流れを見る。


昨日より、

音がよく聞こえる。


「……水、多くない?」


布多めの人が言う。


「気のせい?」


「いや」


私は首を振る。


「昨日より、

 ちゃんと見えてる」


疲れてると、

見てるつもりで見てない。


今日は、違う。


「だからね」


私は一度、立ち止まる。


「動く日は、

 休んだ翌日が一番いい」


エルフが腕を組む。


「なるほどな」


昼前。


まだ余力はある。

でも、

使い切らない。


「はい」


私は手を上げる。


「ここまで」


布多めの人が驚く。


「もう?」


「もう」


私は即答する。


「余力があるまま終わるのが、

 正解」


火の場所に戻る。


体は、

まだ動ける。


でも、

今日はここで止める。


「……不思議ね」


布多めの人が言う。


「昨日より動いてるのに、

 疲れてない」


「それがね」


私は笑う。


「休んだ分の貯金」


エルフが納得したように頷く。


「使い切らないのが、

 コツか」


「そう」


私は火を見る。


「人間、

 ゼロになる前に止まれたら、

 だいたい勝ち」


夕方。


誰も倒れてない。

誰も無茶してない。


「今日は、

 いい日だった」


派手じゃない。

でも、

確実。


夜。


火の前で、

小さく言う。


「休むってさ」


一拍置く。


「次に進む準備なんだよね」


今日は、

ちゃんと進めた日だった。


次は、おっさんが「動いた翌日に休まないとどうなるか」を思い出して、過去を少し語ります。

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