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089_レイジングホース

大草原の中心部に向け移動中。

暇を持て余し、アイさんに長距離念話をしてみる事にした。

実験はすでに行っており、『あんこ』に騎乗してから、離れてナタリーと念話。

さらにブラックウルフの子供達とも念話が可能だった。

念話は俺と相手が、双方で認識している事が条件だ。

とんでもない魔法だ。もちろん学園で勉強をしていたミカエルとナンシーも聞いたことが無い魔法の様だ。

さて、理由もなしに連絡するのも失礼だし。ちょっと考える。

俺には、本当に長距離の念話が可能なのかを、試しておきたい理由があるがどうしたものか。

「カワウソの件聞いてみたら?」

ヘルミナがナイスな会話のネタを提供してくれた。

早速念話を飛ばしてみる。

『アイさん。お久しぶりです。ジャンです。長距離の念話魔法を覚えたので、連絡してます』

『え?あ?こんにちわ』

アンさんが驚く顔が見える様だ。

『クリーピングオッターは無事購入出来ましたか?』

『はい。ジャンさんのおかげで購入できました。お借りしたお金は、ジャンさんが戻るころには、お返しできそうです』

『早いですね。結構な金額でしたよね』

『人気が無かったみたいで、うまく値下げ交渉が出来ましたから』

やっぱり普段見かける魔物じゃないし、大きさがネックになって誰も買おうとしなかったんだろう。

『なるほど。それは良かった。『あんこ』もあのカワウソを気にしていたんですよ。ただ、飼育する場所が問題になるものだから』

『その件なんですが、庭をお借り出来ないかと思いまして。今は従魔の厩舎を借りているのですが、思っていたより高くついてしまって、物件を探しているのですが。近場で見つからなくて』

やっぱりそうなるよね。車を買うにしても街中じゃ駐車場をまず探すし。

『ああ、庭にある温室使っていいですよ。あそこなら暖房完備ですし』

『助かります。燃料の魔石は私が獲ってきますので』

これでひとまず、カワウソの件は落ち着くかな。

『餌は大丈夫ですか?』

『ご飯はパレットが獲ってきてくれるので、問題ありません』

『流石ですね。こちらに飛んできた時は驚きましたよ。王都からカルスト台地まで二時間ですって』

『そうなんですか?そういえば前にビメリュスでマッドクラブを採ってきた時。生息地のマングローブが、近くに無いのにどこから?と疑問に思う事があったんですが、そんなに早く移動で来たんですね』

『主人も知らないパレットの能力。隠し事は無いか問い詰めてみるのも良いかも』

『あはは。ご飯の時にでも聞いてみます』

さてそろそろ現在位置をお知らせして、切り上げるとしようか。

『こちらはホルギュカの大草原を移動中です。すごいですね。この草地のだだっ広い空間』

『圧巻ですよね。私も初めて見た時。ただただ広い!としか感想が出てきませんでしたよ』

『それじゃ、そろそろ念話を切りますね。困ったことがあったら連絡してください。パレットなら探すのも含めて、半日もあれば見つけてくれるだろうし』

『その時はよろしくお願いします』

そして念話を終了する。結構話したかな。驚くことに魔石(極小)しか消費していない。念話接続に魔石を使うだけなのか?

「カワウソは無事に購入できたってさ」

クリーピングオッターを見ていない面々は、良かったわねと和んでいるが。でかいんだよあれ。

本当にどうするんかねアイさん。


遠くから馬の鳴き声と走る音が聞こえてくる。

馬車馬が怯え歩みを止める。

俺は馬達に念話をして、なだめる事にした。

野生の馬だろうか、騒ぎが落ち着くまで身動きできないなと諦め、いつでも物理障壁魔法を使えるように構えておく。

『あんこ』には状況確認をお願いすることにした。

しばらくして戻って来たあんこと共に、ばんば馬?大きくでずんぐりした馬が群れでやってきた。

何事ですかね?『あんこ』に問いただす。

ステップドラゴンに襲われていたのを助けたと。

介入しちゃったのね。確認って言ってたのに。

やってしまったのだから仕方がない。群れの馬に話しかける。

「うちの『あんこ』がお邪魔しちゃったみたいで、申し訳ありません」

「?!我々の言葉が話せるのですね。助かりました。相手の数が多く、子供がいたため逃げる事もままならず。防戦一方の所を『あんこ』様に助けていただきました」

あれ?流暢に話すな。知能が高いと流暢に話が出来ることが分かっている。

普通の馬じゃないのか?俺の顔をみて、勘が良い『あんこ』が念話で答える。

『レイジングホースと言う魔物で、普通の馬とは違うっすよ』

念話でこっそり。ナイスな解説。流石は『あんこ』。

「そういや、ステップドラゴンはどうしたの?」

「『あんこ』様が数匹倒し、後は逃げていきました」

死体回収しときたいな。

探知魔法で周囲を確認し。『あんこ』に騎乗しサクッと回収。

この後どうするか、レイジングホースの群れに問いただす。

先ほどのステップドラゴンは初めて見かけた群れらしい。

つまり、根こそぎ退治すればしばらくは安泰と?

関わっちゃったし、ちゃっちゃと対処しちゃいますか。

拠点構築をして、俺たちの馬車とレイジングホースの群れが入れる壁で周囲を囲う。

俺と『あんこ』で、付近のステップドラゴンを駆逐する。

以上。

探知魔法と『あんこ』嗅覚?で周囲のステップドラゴン捜索。そして絶滅させた。

魔物だし。原理不明だけど湧き出てくるので、種の絶滅の心配はない。

討伐数は百匹を超え。『あんこ』は満足。俺はげんなり。

拠点に戻り、レイジングホースの群れに討伐完了の報告をする。

群れから盛大に感謝され、一頭が俺の前に歩み出る。

「私は、奴らに家族を全て奪われ、群れに世話になっていた一頭。群れに恩を返すため、わが身をジャン様に捧げます。これは群れの同意を得ての事。群れからの感謝の気持ちでもあります。どうかお受け取りください」

こういうもんなんすか?この世界。

人の命が軽い事は王都で学んだよ。ミカエルやナンシーの事も含めてさ。

身をささげるって考えも理解に苦しむ。間違いなく労働するってだけの意味じゃないだろ。

たぶん、断ると気まずくて、群れには居られないだろうし・・・。

機械的に了解の意を伝え、レイジングホースの群れと別れる。

日はまだ高く、まだ移動可能だったため、もう少し進むことにしたのだ。

馬車の後ろを付いてくるレイジングホース。

これ以上世話をする魔物が増えないことを祈ろう。


日が暮れ、適当な道端で壁で囲っただけの拠点にて野営をする。

夕食もそこそこに、気になっているステップドラゴンの肉について相談する。

『あんこ』曰く、そうでもないらしいので、ハンターギルドで確認後。適切に処理しよう。

動物じゃないので、食べる義務は考えない。

念のため、ブラックウルフに食べてもらったら、『普通に美味しいよ』と返事が返ってきた。

こちらもカストロイデス同様にブラックウルフのご飯になる予定。

ちなみに、レイジングホースは雑食だった。

前の世界で言うペスカタリアン。ベジタリアンの一種で、魚と乳製品。卵は食べるらしい。

魚を食べる馬。魔物だね。

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