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085_ビーバー

馬車を手に入れ南下を続け、カルスト台地が終わり。針葉樹が生い茂る森に突入した。

この辺に親戚にあたるブラックウルフがいるらしい。

ちなみにブラックウルフは縄張り意識は無く、獲物を狩りながら旅をする感じなのだそうな。

先日聞いた話とニュアンスが違うが、正確には俺の従魔となった家族は、子供が生まれ大家族化したために、群れから進んで離れたと言うのが正しいらしい。

つまりこの辺に多数のブラックウルフが居るって事なのだろうか。

まぁ『あんこ』が居るし、人族は襲わないって事だから何も問題はない。

たまにブラックウルフの子に乗る事で、気分転換をしながら進んだ道中。

明らかにビーバーに切り倒されたであろう。切り株だらけの場所にたどり着く。

「この辺には人が居ないし平気なんだろうけど。下流に町とかあると危ない気がする」

にわか知識で、うんちくをたれてみた。

「どういうこと?」

伸びをしながらナタリーが俺の相手をしてくれた。

「ビーバーって動物がさ。こんな風に木を切ってダムを作るんだけど。考え無しで水をせき止めるものだから、決壊して大量の水が下流に流れる場合があるんだ」

「へーそうなのね」

うん聞き流しているね。ほぼ意味のない話だし、まったくもって問題ない。

ビーバーに切り倒された木々。景観がまさに環境破壊そのものなので、ビーバーは俺的に悪いイメージしかない。

あくまで俺の主観だ。

ブラックウルフの子供たちに聞いてみる。

「この木を切り倒す動物を食べる魔物とか動物とか居るの?」

「いるよー。僕たちも良く狩って食べてたよ」

「そっかー。それじゃ問題なさそうだ」

天敵がいるなら増えすぎる事は無いだろうしね。

それよか、ビーバーは美味いのだろうか?

気にはなるが、美味しそうには思えない。ヌートリアみたいにネズミが大きくなって尻尾の形が違うだけだし。

そんなどうでもいいことを考えていた。

道横に水辺が見え。明らかにビーバーの巣が水面に顔を出している。

ビーバー自体は見えない。馬車の音でどこかに隠れたのだろう。

そして倒木に道が防がれている場所に出くわす。明らかにビーバーが切り倒した木だ。

やっぱりビーバーは害獣だわ。

ブラックウルフに乗ったまま倒木をインベントリに収納する。

俺は馬車に戻り、『あんこ』とブラックウルフに指示を出す。

ビーバーを数体狩ってくる様にと。

一応食えるらしいし、最悪ブラックウルフのご飯にすれば問題なし。

俺はレジャーで動物は狩らない。魔物は別だけど。

あんこ達は水を得た魚のごとく、馬車から走り去る。

半分八つ当たりだけど、ちゃんと無駄にはしないよう心がける。

馬車を進めながら、『あんこ』達を待つ。

まず戻って来たのは『あんこ』。馬車から素早くインベントリにビーバーを収納する。

続いてブラックウルフの子も、各々ビーバーを銜え戻ってくる。

そんな感じで数度繰り返し、ビーバーの数が十匹になったところで、終了宣言。

あんこ達も狩りが出来て満足したようだ。

しかし運が良いのか魔物には遭遇しない道のりだ。

そんな事を考えるのは、フラグ立てになるんだろうか。

なんか高速で右後方から馬車に近づいてくる魔物アリと『あんこ』が警告。

馬車を止める様にミカエルに指示。

俺は障壁魔法を、馬車と馬を囲む様に使う。

『あんこ』をメインアタッカーとして、ブラックウルフにはサポートを指示する。

さあ、準備万端。かかってこいや!

俺も探知魔法のマナサーチを使い。未知の魔物に動きを観察する。

マナサーチは未確認生物等のマナを感じ取る事ができ。マナスキャンは知っている生物のマナを感じる事ができる。

今回は未知の魔物という事なので、マナサーチを使う。

『あんこ』に言われた通り、馬車の右後方から接近する複数の魔物を感じ取った。

もう間もなく視界に入りそうだ。

走ってくる音がドスドスと鈍い音を立て近寄ってくる。

ん?ビーバー?っておい。やたらでかいビーバーだ。

恐竜をモチーフにしたゲームで見たことがある。

たしかカストロイデス。元の世界で絶滅した熊並みの大きさのビーバー。

なんでそんな魔物が?

はっとして、インベントリを確認する。

さっき『あんこ』達が狩ってきた獲物。はっきりカストロイデスと表記されている。

ビーバーじゃなかったよ。

ブラックウルフたちには無理はするなよ!と念を押して声を掛ける。

『あんこ』なら心配も不要だろう。

ただ数が多く、七体。いや八体のカストロイデス。

乱戦に突入する。

『あんこ』は難なく討伐していくが、ブラックウルフに向かう個体。馬車に突進する個体と様々で、対応しきれていない。

あんこ達が打ち漏らしたカストロイデスが馬車に体当たりする。

もちろん物理攻撃なので、俺の障壁魔法はビクともしない。

ヘルミナとナンシーが肩を寄せ合って怯えているが、ナタリーは障壁魔装がどういうものか知っており、身を乗り出しそうな勢いで観戦している。

ミカエルは馬たちを落ち着かせるのに必死で、カストロイデスに見向きもしていない。

そうこうしているうちに、討伐が完了する。

『あんこ』が六匹、ブラックウルフの子が二匹という戦績になった。

いやー体高二メートルが八匹で馬車に突っ込んでくる。その迫力はすさまじいものがあった。

開戦前にファイヤーボールの一撃で爆散させても良かったけど、『あんこ』が狩りたいって目をしていたしなので、我慢した。

カストロイデスのマナパターンが分かったので、マナスキャンを使い、周囲に居ないことを確認し、障壁を解除。インベントリに回収を行った。

インベントリで解体後、毛皮からゴミなどを除去して取り出す。

分かっているが、なぜかな『めした後の毛皮』なんだよなこれ。

しかも硬かった毛が無くなっている。

手触りがなかなか良いなこれ。多分防水だろうし。王都で加工して冬用の雨具にしよう。

ホクホク顔の俺に気が付き、ヘルミナとナンシーが毛皮に触れる。

「わわ。気持ちいいこの毛並み」

「なかなかの毛皮ね」

「王都に帰ったら毛皮のコート作ろうか。多分防水だしフードを付けるか悩みどころ」

俺がコートを作ると宣言するとナタリーとヘルミナは嬉しそうに笑顔になる。

「もちろんナンシーにも作るぞ」

現金なものでナンシーも笑顔になった。

しかし、男性向けの毛皮のコートは俺のイメージ外なんだよな。

俺とミカエルは今ある防水ポンチョで良いか。とりあえず。

こうしてカストロイデスの襲撃は終了した。

襲撃って言うか、先に手を出したのは俺達なんで自業自得なんだろうけど、相手は魔物だし。討伐できたって事で良かったことにしよう。

討伐証明部位?どこか分からないから解体して、不燃ごみはインベントリに入れたままにするよ。

どこかのハンターギルドで換金しよう。

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