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084_移動再開

翌朝早く『あんこ』が戻って来た。

どうやら昼にはコボルト達が、俺たちに渡す馬車と共にやって来るらしい。

お疲れ様と昨日絞ったホットミルクを『あんこ』に差し出す。

『美味いっすね。この乳は外にいる牛のっすか?』

「そう。見立て通りで良かったよ」

俺がブラックウルフやホルスタインと会話が出来る事を『あんこ』と共有し。

俺たちは朝食を済ませる。

『あんこ』には朝から肉を大量に焼いてあげた。

一人頑張ってお使いしてくれたしね。

牛たちとブラックウルフの体調を接触評価でステータス確認する。

健康状態に問題は無い様だ。

それじゃ出発しようか。

広げていた荷物を纏め、豆腐ハウスを更地に戻す。

各々ブラックウルフに乗り、馬車を置いてきた場所に向け、ゆっくりと進む。

ブラックウルフの乗り心地はそれほど良くない。

しかし騎乗には問題が無い。

騎乗にはブラックウルフの肩当たりの毛を、むしり取る勢いで掴まなくてはいけないが、彼らは痛くもなく平気との事。

試しに二人乗りは可能かも試してみたが、問題なく軽々移動できる様だ。

これで緊急時にブラックウルフに騎乗することができる事が確認できた。

牛たちの移動速度に合わせ、のんびり移動し、昼頃目的の場所に到着する。

俺たちの馬車はもちろん。貴族の豪奢な馬車もなくなっている。

多分御者の男が助けを呼んだと言っていたし、後から来た貴族の関係者が回収していったのだろう。

そうだ、従魔になったブラックウルフ達に目印を着ける必要があった。

この世界のルール。従魔にはただの魔物と区別するために。良く見える位置に目印を付けなくてはいけない。

ベストは首輪なんだけど。そんなもの持ち合わせていないし。

仕方ないのでシーツからバンダナを作ることにする。

針仕事に覚えがある者。総出でのバンダナ作り。

しっかりした物じゃなくて良いので手早く作る。

出来上がり次第。首に巻いていく。見た目も悪くないし良い感じ。

しばらくして、数名のコボルトが馬車二台でやってきた。

「お待たせしました。災難でしたね。厄介な貴族に絡まれた様で」

「助かるよ。後日お礼とかしたいので。また集落に伺わせてもらう事を約束するよ」

「おお。もちろん歓迎いたしますよ。ブラックウルフについては『あんこ』様にお聞きしましたが。この牛達は?」

俺たちの後ろに十二頭の牛の群れ。

それを取り巻くブラックウルフたちの護衛と言った感じ。

「牛についてはお願いがあって・・・」

この牛は、食べることが出来るが、それよりも乳に価値がある事。

畜産に興味があるのなら、繁殖させてみても良い事。

興味が無いなら後日、王都に送って欲しいとお願いした。

そしてブラックウルフたち。

二頭はこのまま連れて行くが、四頭には牛の護衛を言い聞かせてあるので、牛と一緒に預かって欲しい。

そうコボルトに伝える。

彼らは笑顔で引き受けてくれた。

俺たち様に持ってきてくれた馬車は、同じ規格の物。多分集落で使っていた同規格の馬車をあえて見繕ってくれたのだろう。感謝だ。

俺はある物をインベントリから取り出す。

『金のあんこ像』のミニチュア版。昨晩作った『あんこ』が崖の上で遠吠えしている缶ジュースサイズの物だ。

これを代金とばかりに手渡した。

「こ、これは?」

「お願いばかりしているので、心ばかりのお礼です」

『え?なんすかそれ?』

あんこが覗き込む。そして微妙な顔に・・・。

「もっとでかいのもあるよ」

インベントリから『傑作あんこ像』を地面に取り出す。こっちは高さ一メートルはある巨大な金の像。

「昨日時間があったから作ったのよ。なかなか凛々しい顔つきだろ」

さらに微妙な顔つきになる『あんこ』。いいじゃん。かっこいいだろ。

コボルト達は、手に持ったミニチュア版と交互に見比べ、驚いている。

しばらく時間を置いて大きい方をインベントリに仕舞う。

コボルト達はミニチュア版を大事そうに布に包み。馬車に乗せ、ブラックウルフに挨拶している。

『あんこ』が自ら仲介を買って出てくれる。

俺はその間に、受け取った馬車のカスタマイズだ。

前馬車の様にホロの内側に天幕を張り床には絨毯。そしてクッションをバラまく。

厚手の毛布も取り出して、準備万端だ。

一通り移動の準備が出来たが、昼食時になってしまった。

ご飯を食べてから出発する事にする。

まず牛たちにご飯を与え、ついでにコボルト達に飼料を渡しておく。

集落までの牛たちのご飯。

そしてブラックウルフのご飯として、ボーパルシープの生肉。

それじゃ簡易的な竈を作り、肉シチューを作るとしよう。

ゴロゴロ大き目の、肉の塊が入った肉シチューを作る。

せっかく乳が出る牛が居るので、ミルク仕立てにしておこう。

牛の乳しぼりをしていると、『あんこ』が聞いてくる。

『朝飲んだホットミルク元の乳っすか』

「そう。これを温めて殺菌して、ちょっと砂糖を入れれば完成」

『また飲みたいっす』

お願いされたので、ホットミルクの分もしぼり、取り分けておく。

コボルト達も俺と『あんこ』のやり取りを見ていた。

乳の価値を確認してもらえるし。そんな物欲しそうな目で見なくても作ってあげるさ。

まずはミルク仕立ての肉シチューを全員で堪能する。

なかなかの良い出来だ。肉がちょい固いのがマイナスだな。煮込んでいる時間が無いしそこは仕方がない。

そして食後のホットミルク。ミルクが続き、くどいけど今度は甘いデザートの代わりだし、問題ないだろ。

「ほっとするわ。ちょっと甘いのがいいわね」

体が温まり、いよいよ出発だ。

ここで一旦分かれる事になるブラックウルフに挨拶。牛たちにもお別れと、このコボルト達の説明をしておく。安全た所に連れって行ってくれるから心配しないでと。

俺たちは目的地のホルギュカの大草原ヘ向けて動き出す。

別れたブラックウルフたちに、再び会うのはおよそ一か月後。王都へ船での移動の時である。

二頭の子供は俺達と共に大草原に向かう。

冬を越したら独り立ちだったらしいが、時期がちょっと早まった感じ。

俺と『あんこ』が居るから大丈夫と、両親も素直に別れを喜んでいる。

コボルト達が見えなくなり、俺たちは進路を南に向け進む。

次の野営地には夕方ごろ到着する予定だ。

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