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083_ホルスタイン

翌日雨は上がっており、朝一で『あんこ』にお使いをお願いする。

あんこの足なら、コボルトの集落には昼頃到着できるだろう。

そして他の者とブラックウルフだが、食事を共にしたり、スキンシップや外を散歩したりと仲良くなりつつある。

いまさらなんだが俺の能力に新たな発見があった。

俺はブラックウルフとのコミュニケーションは、『あんこ』に念話をお願いして実行したわけだが。

夕食時。俺も会話が出来たら楽なのにと思っていたら、ブラックウルフの会話内容が分かる様になったのである。

本当にいまさらなのだが。この世界に来て、日本語でもない文字が読めたことに始まり。普通に会話もしている。

俺が日本語で話しているつもりなんだが。普通に会話が成立しているし。深く考えずに日本語が通じるんだな。ぐらいの印象だった。

俺がブラックウルフ達との会話を始めると。ヘルミナが笑い出し。何か面白いことがあったのか?と聞いてみると『いきなりガウガウ言い出したのが面白かったと』。

そこで俺の言語能力が、他種族の他言語にも対応する特殊能力だという事がはっきりした。

俺はこの会話能力についても魔法と言い張って誤魔化した。

それからはブラックウルフとの会話が弾んだ。

分かった事はブラックウルフも生きるのに苦労しているんだなぁって事。

『あんこ』と言う強者が現れたことにより。安泰とばかりに俺に服従を誓ったらしい。

もちろん勘違いなどではなく、俺がトップで『あんこ』の上に立つ存在と理解した上でだ。

そして、次に試したいのがブラックウルフへの騎乗。

やはり神具の鞍が偉大という事が分かったが、速足程度なら問題なく騎乗できることが分かった。

鞍を作れば移動にも役立ってくれそうである。

さて、俺にとって重要な案件に取り掛かろうと思う。ホルスタインとの会話だ。

ホルスタインのマナパターンは憶えたので、探知魔法のマナスキャンを使用し、ブラックウルフに騎乗しながら捜索する。

この捜索には親ブラックウルフの二頭を連れての捜索だ。

まもなくホルスタインの群れを発見する。

マナスキャン便利すぎる。多分半径十数キロの検索範囲だと思われる。

ブラックウルフが近づくと逃げだしそうなので、ある程度近づいた後、俺が一人で近づくことにする。

あと二百メートルぐらいだろうか。立ち止まって、ホルスタインに話したいと強く考えながら話しかける。

出来てしまったよ・・・。

ただしろくに会話が成り立たない。

お子様を相手にしている様だ。

安全で美味しいご飯が食べられる場所を知っている。そこに一緒に行かないか?

まさに一昔前の子供を誘拐する手口を牛に実行する。

素直についてくる牛たち。

移動しながら、これから護衛のブラックウルフに会うが。大丈夫だからと何度も説明する。

まぁ当然ブラックウルフが見えると牛たちは怯えるが、俺が先に歩きブラックウルフの頭をなでると、信じてくれた様で少し落ち着きを取り戻した。

ホルスタインの群れ。十二頭も居たが、これをこの場で間引くなどしたものなら、逃走するだろうし。素直に連れて行くとしよう。

豆腐ハウスに戻るまで約三時間。歩きだと結構かかってしまった。

豆腐ハウスの横に牛たちのために雨避けと餌箱、水槽を作り。牛用の飼料を作る。

飼料と言っても麦とトウモロコシ。草はその辺に生えているのを食べてくれるだろう。

飼料は牛に好評で『おいしいおいしい』と食べてくれている。

気に入ってくれた様で、今後もこのご飯が食べられるのか?と嬉しそうである。

ブラックウルフの子供たちに、牛を守る様に伝えて、やっと昼食だ。

今回も作り置きだが、インベントリから出したのでアツアツだ。

食事を終えて、乳が出る牛を探す。

当然なのだが、子供を産まないと乳は出ない。

群れの中に子供が居たので、もしかしてと乳しぼりをやってみる。

一頭だけだが乳を出す牛が居た。

あんこ専用ごはん鍋にしぼり。鍋を火にかけ殺菌する。

ちょっと砂糖を入れてホットミルクの完成だ。

ブラックウルフを含めた全員に配り、ホットミルクを堪能する。

『あんこ』の分ももちろん取り置きしておく。

後は出来る事が無いので、『あんこ』待ちである。

このホルスタイン達は、コボルトの集落で畜産してもらえないだろうか?

見えた範囲では畜産とかやってなかったし、新鮮な乳が獲れるから可能性はあるだろう。

まぁ無理なら、王都まで輸送のお願いかな。

チーズの村に依頼して飼育してもらおう。


暇を持て余し気味なので、金の彫刻でもしてみよう。

モチーフはどうしようか。『あんこ』でいいかな。『あんこ』ならもう見ていなくても作れる自信がある。

ポーズはどうしようかな?

ナタリーとヘルミナに暇つぶしに『金のあんこ像』を作るけどどんなポーズが良いか聞いてみた。

話し合いの結果『遠吠えしているあんこ』に決まる。

凛々しく神がかった感じで作ってみる事にした。

普通の『あんこ』からは想像しがたいが、フェンリルだって事で美化してみる。

月夜に、せり出た崖の上で遠吠えしているイメージ。

金塊もそれなりに溜まっていたので、ナタリー、ヘルミナ像並みの大きさになりそうだ。

小一時間インベントリで金塊を纏め、あんこ像へ作り替えていく。

土台の崖を作り、あんこの体の順で。

出来上がったあんこ像をお披露目する。

これはすごい。思ってたより美術品っぽいぞ。

「ちょっと。私たちの像よりいい出来なんじゃないの?」

ナタリーが愚痴る。

「それは作れば作るだけ技術は上がっていくものだし。旅行が終わったらまた作ろう」

「約束ね。今度はどんなポーズにするか考えておくわ」

「順番的にヘルミナが先だからね」

「そうね。今度はどんな姿にしようかしら」

ヘルミナも考える様だ。

体内マナの総量も上がってきていることが分かっており、一日に作れる金塊の量も増えている。

とは言え、安全か確認できない旅行中は、金塊の作成は自粛しているので。王都に戻ってからになるだろう。

そうしているうちに、今日は『あんこ』が帰ってくることは無く日が暮れた。

コボルトと一緒に来るのだろうか。

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